インドに新幹線ネットワークが誕生? 制度づくりから始める日本の狙いとは

インドに新幹線ネットワークが誕生? 制度づくりから始める日本の狙いとは

2016.02.19

インド政府は同国初の高速鉄道整備プロジェクトで日本と協力することを決めた。新幹線が海外で採用されるのは台湾に続き今回で2件目。建設工事や車両などで日本企業の大型受注が見込まれるインフラ輸出の目玉案件だ。高速鉄道計画が林立するインドでは、中国企業や欧州勢なども自国のシステムを売り込んでいる模様。2路線目以降のシステム選定は予断を許さない状況だが、インド市場に先行して乗り込む日本勢は、他の路線にも新幹線を導入することができるのだろうか。

新幹線採用の裏側

新幹線の採用が決まったのは、ムンバイとアーメダバードを結ぶ約500km、全12駅の路線。総事業費9,800億ルピー(約1.6兆円)が見込まれる大規模なプロジェクトで、日本政府は総事業費の最大81%を金利年率0.1%、償還期間50年の好条件で貸し付ける。線路は東海道新幹線などと同じように、在来線が乗り入れない専用の軌道となる。車両の営業最高速度は時速320kmだ。

インドがモデルとする日本の新幹線(写真:PIXTA)

インドで新幹線の採用が決まった理由は、日本政府が提示した破格の資金援助だけではない。日本政府は高速鉄道整備の調査段階からインド政府を巻き込み、新幹線の優位性を売り込んでいた。

ムンバイとアーメダバードを結ぶ高速鉄道の事業性調査(フィージビリティスタディ)は、日本政府とインド政府が費用を出し合って共同で実施した経緯がある。調査を行った国際協力機構(JICA)によると、日本側は世界の高速鉄道システムを比較しつつ、日本方式の安全性、省エネ性能、定時運行率の高さなどを説明し、インド政府の新幹線採用を後押ししたという。

新幹線採用の成否を分けたポイントは

日本が調査を行ったという意味ではインドネシア・ジャワ島の高速鉄道計画も同じだが、新幹線採用の成否を分けたポイントはどこにあったのだろうか。国土交通省によると、インドでは相手国政府に調査費用の一部を負担させたことで、調査段階からインド政府を「責任ある立場」に引き込むことができたのが大きかったという。インドネシアの調査では、日本側が費用を全額負担していた。

日印両国政府は調査期間中、定期的に会合を開き、実際の調査にあたる日本企業チームから報告を受ける場を設けていた。この機会を捉え、日本勢は新幹線の優位性をインド政府に説明していた。結果的に、ムンバイ~アーメダバード間では複数の国による入札もなく新幹線の採用が決まった。

制度づくりに関与できるのは日本の特権

インド版新幹線の建設に向け、日本が手始めに取り組むのが近く開始予定の制度設計支援プロジェクトだ。JICAがコンサルタントを雇用し、高速鉄道の強度、耐震性、運行速度、安全基準などの制度設計に助言を行う。日本の助言を受けてインド側が策定する新制度は、ムンバイ~アーメダバード間を走行する高速鉄道の設計基準となる。JICA南アジア部で南アジア第一課 課長を務める田中 耕太郎氏の話では、日本は調査の段階から、高速鉄道整備の前提となる制度設計の重要性をインド側に訴えていたという。

インドの高速鉄道に関する制度設計に参加できるのは、同国初の路線を獲得した日本の特権だ。新幹線の更なる売り込みに向け、高速鉄道整備の最上流ともいえる制度づくりに関与できる立場を日本が活用しない手はない。

線路の長さで日本の倍以上のネットワークを有する鉄道大国のインドだが、最高時速が300kmを超えるような高速鉄道を整備するのは今回が初めて。当然ながら、高速鉄道事業の根拠となる法律や制度などは一から作る必要がある。

高速鉄道事業の根拠法を策定するのはインド側だが、新幹線をモデルに最初の路線を建設する以上、制度づくりで日本を参考にするのは理にかなった判断だ。日本としても、インドの新幹線がスムーズかつ安全に動かなければ、世界の高速鉄道市場で信用を失いかねない状況であることを考えると、制度づくりからインドと歩みを共にする意義は大きいといえる。

日本の安全基準がインド高速鉄道市場を左右?

新幹線と同等の安全基準が適用されれば、インドを舞台に過熱する高速鉄道の受注合戦にも影響がでるものと考えられる。今後の新規路線建設プロジェクトにおいて、乗客の死亡事故が開業以来1件も起きていない新幹線と同レベルの安全性が求められるとすれば、鉄道システムの提案が可能な国は限られてくるものとみられるからだ。JICAの制度設計支援が徹底したものであればあるほど、インドの高速鉄道市場に海外勢が参入する際の技術的なハードルは上がる。

日本の助言を受けて策定する新幹線整備に関する新制度を、インドが全国に適用するかは現時点で未知数だ。ムンバイ~アーメダバード間を含め計7路線の高速鉄道を計画するインド政府が、路線によって違う規格のシステムを採用し、それに合わせた制度を個別に策定する可能性もゼロではない。山形新幹線と秋田新幹線を走る「ミニ新幹線」のように、日本でも路線によって違う規格が採用されている例はある。

しかし、7本の高速鉄道を計画するインドが、路線ごとに異なった制度を用意するのは合理的ではないというのが一般的な見方だ。ムンバイ~アーメダバード間のインド版新幹線は、制度を含めてインド高速鉄道市場のデファクトスタンダードになる可能性がある。日本の基準がインドのスタンダードになれば、後続案件に新幹線を売り込む日本勢の優位性は高まる見通しだ。

インドでは計7路線の高速鉄道整備構想が浮上。ムンバイ~アーメダバード以外は調査段階にとどまる。フランス、スペイン、中国の企業が後続案件の獲得を狙っている(画像は国土交通省のHPより)

日本が全面的に協力するインド版新幹線だが、同国で採用が拡がるには、ムンバイ~アーメダバード間の評判が重要になってくる。安全性は当然として、気になるのは鉄道事業として同路線が上手くいくかどうかだ。高速鉄道経営の難しさは、台湾新幹線の現状を見ても明らか。インドに新幹線は時期尚早とする見方も根強く存在する。両都市を結ぶ高速鉄道に需要がなければ、インド初の高速鉄道とはいえ、物好きな富裕層の乗り物になってしまう可能性も否定できない。

東海道新幹線との不思議な符合

JICAの田中氏によると、現在のインドの所得水準は、世界銀行から融資を受けて、東海道新幹線の東京~新大阪間を建設した1960年代の日本と似ているという。アジア開発銀行(ADB)の「アジア経済見通し2015年改訂版」をみると、インドの実質GDP成長率は2015年が7.4%、2016年が7.8%の見通し。10%前後で推移していた当時の日本には及ばないが、経済の拡大期に新幹線の導入を決めたのは両国の類似点といえる。

東京~新大阪間とムンバイ~アーメダバード間は、距離的にも約500kmと同程度。ムンバイとアーメダバードが古くからの商都であることも、インド版新幹線の事業性を予測するうえで見逃せないポイントだ。日印の類似点だけを数え上げてインド版新幹線の将来を見通すのは危険だが、東海道新幹線がドル箱路線と呼ばれるまでに発展している現状をみると、このタイミングでインドが高速鉄道を導入するのも決して早すぎるとは言えないだろう。

日本の比ではない沿線人口

2004年に日本貿易振興機構(JETRO)が行った調査によると、ムンバイは東京都に匹敵する約1,200万人の人口を抱えている。アーメダバードの人口は約580万人で、大阪市に比べれば2倍以上の規模だ。両都市を結ぶ新幹線の沿線人口は約1.8億人と膨大で、途中には100万都市が点在しているため乗降需要も見込める。

沿線人口では東海道新幹線の東京~新大阪間を凌駕するインド版新幹線(画像は国土交通省のHPより)

在来線を利用する場合、ムンバイからアーメダバードまでの所要時間は最速で7時間。新幹線は約2時間で両都市を結ぶ。同区間を飛行機で移動するなら所要時間は約1時間半だが、新幹線の運賃設定は飛行機の半額程度が見込まれるため、既存の交通手段に対する競争力は十分に発揮できそうだ。

運賃が飛行機の半分と聞くと、インド版新幹線を運賃収入だけで黒字化するのは難しそう。インド側は旅客輸送以外の収入源を探っている模様で、駅および駅周辺の開発についても関心を示している。JR東日本が展開する「エキナカ」事業や鉄道事業者による不動産開発の事例がインド側の参考になるかもしれない。

建設工事がスムーズに進むかは未知数

日印共同の事業化調査によれば、インド版新幹線の着工は2018年、完工は2023年の予定。制度設計支援プロジェクトが2017年10月頃まで続くことを考えると、インド側は施工業者や車両・システムメーカーの選定を短期間で速やかに進める必要があるだろう。

建設工事やシステム整備には日本企業が関与する見通しだが、どのような入札が実施されるかは現時点で未知数。鉄道ビジネスに携わる日本企業に話を聞くと、海外で長い線路を建設する工事は時間が掛かるうえ儲けが少ないため、単純にビジネスとして見た場合は割に合わないという。日本企業が建設工事を請け負うには、現地のゼネコンと組むなどの工夫が必要だろう。

システム面では、新幹線のノウハウを握るJRがどのような形で関与するかも気になるところ。「メイク・イン・インディア」を推進したいインド政府は高速鉄道の技術移転を求めているため、車両・システム整備を行う日本企業は、現地企業とのアライアンスにも気を配る必要がある。インドの高速鉄道市場で有利な立場を獲得した日本だが、同国で新幹線輸出の実績を積み上げるためには、ムンバイ~アーメダバード間の整備を着実に進めることが不可欠だ。

【平成最後】2018年度の「M&A」件数・金額は、過去最高に - 令和も活況続くか

【平成最後】2018年度の「M&A」件数・金額は、過去最高に - 令和も活況続くか

2019.05.21

2018年度のM&A件数は830件、取引総額は12兆7,069億円

「武田薬品のシャイアー買収」は日本企業最高金額に

日本企業が積極的に海外での地盤固めに動いた様子が見られた

平成最後の年度となる2018年度(2018年4月-2019年3月)は、日本の上場企業によるM&A(企業の合併・買収)が活発だった。

国内の高齢化が進み、中小企業の後継者不在の問題はますます深刻になっている。大手企業でも国際競争が激しくなる中で、規模を拡大したり、「選択と集中」で経営を効率化したりする動きが活発だ。こうした経済環境の中で、多くの企業はM&Aに注目し、自社の成長の手段の1つとして積極的に活用し始めている。

M&A仲介サービス大手のストライクが東京証券取引所の適時開示情報を基に構築したデータベースによると、2018年度のM&A件数は830件、金額(株式取得費用と一部アドバイザリー費用を合わせた取引総額)は計12兆7,069億円となり、いずれも2009年度以降の10年間で最高に達した。

2009年度から2018年度にかけてのM&A件数の推移。ストライクが東京証券取引所の適時開示情報を基に構築したデータベースで集計したもの。※経営権が移動するものを対象とし、グループ内再編は対象に含まない。金額などの情報はいずれも発表時点の情報
2009年度から2018年度にかけてのM&A金額の推移。 ※同上

日本企業最高金額となった「武田薬品のシャイアー買収」

2018年度に注目されたのが取引金額の拡大だ。

武田薬品工業がアイルランドの製薬会社シャイアーの買収に投じた6兆7,900億円は、日本企業が実施したM&Aとしては過去最高額となった。さらに同年は、1,000億円を超える案件がこの10年で最高であった2017年度と並ぶ18件に達するなど、国際競争が激しくなる中で、日本企業がクロスボーダー(国際間案件)のM&Aを活発化させた様子が見てとれる。

武田薬品のシャイアー買収は2018年5月8日に発表され、2019年1月8日に成立した。巨額の買収金額が経営に与える影響を懸念して、創業家一族ら一部の株主が買収に反対したことも話題になったが、臨時株主総会での武田薬品株主の賛成率は9割近くに達した。

武田薬品に次ぐ大型の案件は、ルネサスエレクトロニクスによる米半導体メーカー・インテグレーテッド・デバイス・テクノロジー(IDT)の買収であった。買収金額は日本の半導体メーカーとして過去最高となる7,330億円に達した。自動運転やEV(電気自動車)などの進化に伴い、車載向け半導体の需要拡大が見込まれており、ルネサスエレクトロニクスはIDTの買収によってこの分野の開発力強化や製品の相互補完を目指す考えだ。

それに次ぐ大型の案件は、日立製作所によるスイスABBの送配電事業の買収であり、その金額は7,140億円に達する。日立製作所はABBから2020年前半をめどに分社される送配電事業会社の株式の約8割を取得して子会社化したあと、4年目以降に100%を取得し、完全子会社化する予定だ。再生可能エネルギー市場の拡大や新興国での電力網の整備に伴い、送配電設備に対する需要は一層高まると予想されており、日立製作所は買収により送配電事業で世界首位を目指す。

2018年度(2018年4月1日-2019年3月31日)の取引総額上位10ケース。※金額は株式取得費用と一部アドバイザリー費用を合わせた取引総額 (ストライク調べ)

2019年度も活況続くか

先述したように、金額が1,000億円を超える大型のM&Aは18件あり、武田薬品など金額上位3社のほかに、大陽日酸、三菱UFJ信託銀行、大正製薬ホールディングス、東京海上ホールディングス、JTといった大企業が名を連ねた。

これら18件中17件はクロスボーダーであり、かつ2018年度のM&A件数中、こうしたクロスボーダーは185件(構成比22.3%)に達しており、日本企業が積極的に海外での地盤固めに動いた様子が浮かび上がった。

かつて、日本で企業の投資といえば、研究開発や設備投資が大半を占めていた。しかし、最近の状況を受けて、ストライクの荒井邦彦社長は「全体の成長率が低迷する中で、こうした投資の効果は思うように高まらず、事業戦略としてのM&Aが日本企業でも定着してきている」と分析する。

なお同氏は、2019年度のM&A市場の動向についても「日銀による金融緩和が企業の資金調達環境を改善させており、活況が続きそうだ」と予測している。

出展:M&A online データベース

関連記事
大津の園児死亡事故で炎上した「マスコミ」批判

カレー沢薫の時流漂流 第43回

大津の園児死亡事故で炎上した「マスコミ」批判

2019.05.20

漫画家・コラムニスト カレー沢薫さんの社会派連載!

第43回は、大津の痛ましい事故で炎上した「マスコミ」問題について

滋賀県・大津市で散歩中の園児の列に軽乗用車が突っ込み、園児二名死亡、多くの負傷者を出す、という事故が起った。

池袋のプリウス事故の衝撃が冷めやらぬまま、また痛ましい事故が起ってしまった。池袋の事故では「高齢者の自動車運転問題」「上級国民疑惑」が大きく注目されたが、今回の事故では全く別のものが炎上した。

マスコミ問題である。

マスコミが保育園を追求したのは視聴者のため?

事件が起こった当日夕方、被害者の園児が通っていた「レイモンド淡海保育園」が記者会見を行ったのだが、そこで質問をした記者の血が青とか紫とかほとんど寒色系じゃないかと、大きく批判された。

記者会見が、どのような内容だったかというと「危険な場所という認識はあったのか?」「保育士が道路側にいたのか?」という、何としてでも保育園側に批があったようにしたくてたまらない質問、「園児たちの様子は普段と変わらなかったのか?」という意図のわからない質問、 「散歩したのは園に庭がないからか?」という「園に庭さえあればこんなことには…」という「ニ兆円さえあれば」に匹敵する、壮大なたられば論などが挙げられ、質問を受けた園長は号泣、それを記者がバッシャバッシャ撮影するという地獄絵図だったそうだ。

記者会見を見た多くの人が「何を食ったらそんな質問ができるんだ」と思っただろうが、この記者会見は、たまたまその場にプラスチックを食って育った選りすぐりのサイコパッシャーが大集結してしまったという、悪い意味でのアベンジャーズだったワケではないと思う。

記者が何故あのような質問をしたかというと、決して趣味ではなく、おそらく「視聴者の見たい画」「聞きたい言葉」を引き出そうとした結果なのではないか。もちろん「あんなもの見たくなかった」という人が大半だと思う。

しかし、池袋プリウス事故で加害者が即逮捕されないことが大きく批判されたことからも、現在の我々視聴者に「悪が一刻も早く、俺たちの目に見える形で処されるところが見たい」という「ニーズ」が少なからずあることが分かっているのだ。

つまり「お客様に一秒でも早く悪が吊るされる様をお届けします!」というニーズに応えようとする企業努力が、「悪くもない保育園をとりあえず悪にして即斬る」という、完全に間違った「悪・即・斬」になってしまったのではないだろうか。

「マスゴミ」問題は視聴者の問題?

しかし、「被害者側への無配慮な取材はいらん」というのも、今回の件だけではなく、視聴者側が何度も言い続けている「ニーズ」である。

何故それが無視されてこのような会見が行われるかというと、被害者の声まではいらなくても、やはり我々が平素「センセーショナル」な物を求めてしまっているからではないだろうか。よって記者たちは「とにかく刺激的なものを撮ってこい」と言われ続け、感覚がマヒし、本来配慮が必要なはずの取材にすら「センセーショナルさ第一」で臨んでしまい、まるで不倫記者会見のようなノリの質問が飛ぶことになってしまったのではないだろうか。

やはり報道というのは「視聴者が何を見たがっているか」が反映されるものだ、需要がなければ供給はなくなる。このような記者会見が行われなくするためには、何度でも我々が「こういうのはいらんのや、見んし、お前らの雑誌買わんわ」と言い続けるしかないだろう。

ところで、「質問をした記者を特定して処してやろう」という動きも当然のように起こったらしい。やはり我々の「悪を処したい」「処されるのを見たい」という気持ちは根深い物があるのだ。

ちなみに、今回の事故では当初、車を運転していた52歳と62歳の2人が逮捕された。「また高齢者か」という声も上がったが、この年齢で高齢者と呼べるかは微妙なところだ。結局「車を運転する以上誰でも事故を起こす可能性がある」ということである。

車を運転しない人は「歩道を歩いていて車が突っ込んでくるなんてどうしようもない」という被害者観点から絶望したと思うが、車を運転する人は加害者観点でも恐怖したと思う。

もちろん安全運転に越したことはないが、人間には「限界」と「不測の事態」があることでおなじみである。持病もないのに運転中に突然何らかの発作が起こる可能性だってあるのだ。「どうしようもないこと」で被害者になることもあるが、加害者になることもあるのである。

つまり、車がないと生活できない土地で、私が週一ぐらいしか外出せず、引きこもり続けているのは、近隣住民の命を守る草の根活動でもあるのだ。しかし、それは無職だからできる事業なので、多くの人が、少なからずリスクを負って車を運転しなければいけない。

そのリスクを減らすには、運転者が気をつけることはもちろんだが、何せ限界がある。つまり、人間がこれ以上、進化することなく、むしろ高齢化で退化する一方だとしたら、無機物の方を整備していくしかない。

事故が起りにくい道路作り、そして車だ。

現に、車の事故防止機能はどんどん進化しており、自動運転化の開発も進んでいるという。自動運転が本当に安全なのか不安もあるが、少なくとも老が運転するよりは確実に安全になるだろう。

しかし、今のところそういった事故防止機能がついた車を買うか否かは、任意である。そして、そのような機能がついた車は高くなる。よって私の車は金銭的問題で、タイヤとハンドルがついているぐらいであり、運転手がミスったら、そのミス通り事故を起こしてくれる、素直な仕様である。

現在でも事故防止機能のある車を購入した場合、補助がもらえることもあるようだが、導入が任意な以上、つけない人はつけないだろう。これからの車には、タイヤ、ハンドル、事故防止機能を、もう屋根ぐらい忘れても良いから義務付けるべきではないだろうか。

関連記事