【カカクコム】買収後の連携と資産の共有により、各サービスの成長を加速化

【カカクコム】買収後の連携と資産の共有により、各サービスの成長を加速化

2016.07.05

【カカクコム】買収後の連携と資産の共有により、各サービスの成長を加速化

 カカクコム<2371>は、家電製品などの料金比較サイト「価格.com」や飲食店の口コミを提供する「食べログ」を中心としたインターネット関連サービス事業を行う企業である。

 同社は1997年に購買支援サイト「¥CORE PRICE¥」の運営会社、有限会社コアプライスとして設立された。2000年にはサイト名称を現在の「価格.com」に、組織も株式会社カカクコムに変更している。02年にデジタルガレージの子会社となり、03年に東証マザーズに、05年には東証一部に上場を果たした。その後デジタルガレージ保有株式の半数はカルチュア・コンビニエンス・クラブ(以下CCC)に譲渡され、12年にはCCCの保有株式の多くは電通に譲渡されており、成長のタイミングで大株主が変遷してきた会社である。

(カカクコム開示資料より)

 同社の事業のセグメントとしては、大きくはインターネットメディア事業と、ファイナンス事業(生保、損保の代理店業務)に分かれ、前者は価格.comと食べログ、そしてその他新興メディアの3つに細分化される。

 創業時から一貫して同社の主力ビジネスである価格.comは、パソコンや家電をはじめ、フードやドリンク、インテリア、コスメなど多様なジャンルの商品の販売価格、ブロードバンドや携帯などの通信費、さまざまなサービスの価格やクチコミ情報を集約して提供しており、年間利用者数は5,000万人を超える。

 また05年3月にサービスを開始したグルメのランキングとクチコミサイト「食ベログ」も、年間利用者数は価格.comを超える7,000万人に達しており、有料会員は150万人を突破、近年、売上高でも肩を並べる規模にまで成長している。それら主力2事業に加え、現在提供している新興メディアは10を超える。その中には不動産住宅情報サイト「スマイティ」や、ファッション・雑貨・インテリアに関するキュレーションメディア「キナリノ」といった自社で開発したWebメディアがある一方、M&Aによって取り込んだサービスも多くある。

■カカクコムの行った主なM&A
年月 事業概要
2004.10 ホテル予約サイトを運営するyoyaQ.comの営業権をエス・ワイ・エスから2億円で譲受け
2005.1 インターネット旅行関連サイトを運営しているフォートラベルを12億5000万円で買収
2007.4 総合映画サイトを運営しているエイガ・ドット・コムの70%を取得し、子会社化
2014.3 航空券付き予約システムを提供しているタイムデザインの第三者割当増資を引き受け、子会社化
2014.11 自動車専門サイトを運営している日経デジタルコンテンツの66.5%を2億3000万円で取得し子会社化

 例えば04年10月に営業権譲渡を受けたホテル予約サイトyoyaQ.com。直前のキャンセルや特別な理由によって割引されるプランを中心に、ホテル・旅館を格安料金で予約できるサービスである。当初は会員数が4万人、サービス内容は当日予約限定というものであったが、現在では会員数は60万人を超え、宿泊の数カ月前から予約ができるサービスへと進化している。

 05年1月には、旅行のクチコミと比較サイトを運営するフォートラベルを子会社化、“みんなでつくるオンライン旅行ガイド”をコンセプトに、ユーザーから投稿された国内外の旅行情報を掲載しており、ホテルやツアー、航空券などの旅行商品を比較・検討できるサービスも提供している。一方で07年にはヤフーに16.5%を譲渡するなど、外部企業との連携も図りつつ、14年には自社サービス「食べログ」のレストラン予約システムを活用し、旅行者のクチコミを参考にしながら、レストラン予約が可能になるなど、グループ内での連携も図っている。

 07年4月には総合映画サイト「映画.com」を運営するエイガ・ドット・コムの70%を取得し子会社化した。ハリウッドやヨーロッパから集めた最新映画情報や、プロの評論家と編集部による独自の映画評のほか、ユーザーから寄せられた評価など、映画に関する幅広い情報を提供しており、月間の閲覧者数は 25万人と国内の独立系映画情報サイトとしては最大級の規模を誇っている。

 14年3月には航空券やレンタカーなどと合わせて宿泊施設の予約が行える“ダイナミックパッケージ”をシステム化し、宿泊施設に提供しているタイムデザインが第三者割当増資を実施するに当たり、総額2億円のうち約1億8000万円分を引き受け、連結子会社とした。現在では旅行事業の統括部署を新設し、前記したyoyaQ.com、フォートラベルとの連携強化、資産の共有により成長を加速させている。

 同年11月には自動車情報サイト「webCG」を運営している日経デジタルコンテンツ(日本経済新聞デジタルメディアから同サイトを移管した会社。直後にwebCGに社名変更)の66.5%を取得し子会社化し、事業の多角化を図っている。

海外への進出

 国内だけでなく、海外への事業展開にも昨今積極的である。価格.comを運営してきたノウハウを生かして、海外版ブランドとして「Priceprice.com」を、フィリピン、タイ、インドネシア、インドといった、Eコマースが急成長している国に展開し、東南アジア最大級の購買支援サイトとして成長を続けている。

 また13年には食べログをアメリカ向けにカスタマイズしたクチコミグルメサイト 「Tabélog」を開設。食に精通したブロガーによる評価コメントやランキング紹介、人気レストランやシェフに着目した特集記事などを掲載し、メディア力の強化を図っている。

今後の展開

 当社は16年に自由化された電力小売りの料金比較サイトを立ち上げたり、また同様に17年に予定されているガス小売りの自由化についても情報提供サイトを新設するなど、時流に合わせたサイトを迅速に立ち上げる体制が整っている。今後も新しい分野で比較情報サイトを立ち上げ、収益源の多様化を進めていくだろう。

 大きなトピックとしては、06年6月に社長就任した田中実氏が、在任期間が10年となる16年6月をもって取締役副会長となり、新社長である畑彰之介氏の時代が始まる。経営体制を新たにすることで、さらなる事業の発展と企業価値の増大を図っていくようで、総合的な生活支援サービスの提供を追求していく同社の今後が楽しみである。

この記事は、企業の有価証券報告書などの開示資料、また新聞報道を基に、専門家の見解によってまとめたものです。

まとめ:M&A Online編集部

総務省施策が追い風に? 携帯分離の「歴史的チャンス」狙うファーウェイ

総務省施策が追い風に? 携帯分離の「歴史的チャンス」狙うファーウェイ

2019.03.20

モバイル業界を変える「携帯値下げ議論」が過熱

ファーウェイは日本を取り巻く環境を「歴史的チャンス」と発言

コスパ高いミッドレンジ端末でシェア拡大を目指す

20日、NTTドコモが特定の端末の購入を条件に通信料金を割り引く「docomo with」、購入する端末に応じて通信料金を割り引く「月々サポート」を終了する方針を固めたという報道が話題となっている。

国内のモバイル業界では携帯電話料金見直しが進んでおり、3月5日には総務省が中心に進めてきた端末代金と通信料金の分離が閣議決定された。NTTドコモは分離プランを軸とした新料金プランを4月に発表する見込みだ。

日本のモバイル市場を大きく変えるこの動きを「歴史的チャンス」と見ているのがファーウェイだ。2018年末から米中対立が加速する中、ファーウェイが打ち出すメッセージも語気を強めている。果たして日本市場でシェアを拡大できるのだろうか。

逆風吹けども、依然として業績は好調

今年に入り、ファーウェイの周辺が騒がしい。3月7日には、ファーウェイは米国政府を相手取って訴訟を起こした

さらにその内容をFacebookでライブ配信するなど、米国以外の世界市場に向けたメッセージにもしており、そのメッセージをまとめたウェブサイト「Huawei Facts」は、わざわざ日本語版も用意している。

2018年末から続く米中対立を巡る報道は、ファーウェイの業績にどのような影響を与えたのか。MWC19でインタビューに応じたファーウェイ・ジャパンの呉波氏は、「一部の消費者は影響を受けたが、2019年に入ってから売上は大幅に伸びている」と語った。

ファーウェイ デバイス 日本・韓国リージョン プレジデントの呉波(ゴ・ハ)氏

話題の「折りたたみスマホ」でもファーウェイは先行する。

ファーウェイに先立って折り畳みスマホを発表したサムスンだが、こちらはMWCではガラスケース内での「展示」のみにとどまったのに対し、ファーウェイは「Mate X」の実機を用いて報道関係者に折り曲げを試させるなど、製品化で一歩先を行っていることをアピールした。

ファーウェイの折りたたみスマホ「Mate X」。報道陣には手に取って折り曲げてみる機会も用意された

Mate Xは次世代移動通信の「5G」にも対応しており、日本では5Gサービスの開始を待って投入時期を見極める方針だという。

ちなみに3月26日に発表予定のフラグシップ機「HUAWEI P30」シリーズは、例年通りのタイミングで日本市場に投入するようだ。SIMフリーでの発売だけでなく、ドコモが採用した「HUAWEI P20 Pro」のように大手キャリアによる採用があるかどうかも注目したい。

分離プランを「歴史的チャンス」と捉えるワケ

一方、2019年の国内モバイル市場で話題となっているのが携帯料金における「分離プラン」の導入だ。KDDIとソフトバンクはすでに導入済みだが、NTTドコモは4月に発表する新料金プランから本格導入するとみられている。

分離プランの特徴は、NTTドコモの「月々サポート」のように回線契約と紐付けた端末の割引が禁止される点だ。端末の割引自体が禁止されるわけではないというものの、大幅な割引は難しくなる。その結果、10万円を超えるようなハイエンド機ではなく、3〜4万円で一括購入しやすいミッドレンジ機の需要が高まるとの見方が有力だ。

この動きをファーウェイはどう見ているのか。

呉氏は「非常に重要視している。スマホが登場したときや、SIMフリー市場が始まったときのインパクトに引けを取らない、歴史的な瞬間になる」と興奮気味に語る。

日本のSIMフリー市場でベストセラーとなった「HUAWEI P20 lite」を始め、ファーウェイのミッドレンジ機のラインアップは厚い。モデルによってはフラグシップと同じCPUでミッドハイの価格を実現するなど、コスパの高さも特徴だ。大手キャリア向けにさまざまな提案ができる体制といえる。

フラグシップと同じ「Kirin 980」搭載でミッドハイ価格の「HONOR View 20」

また、5G対応も順調だ。

モバイルWi-Fiルーターに強みを持つファーウェイは、MWC19でも5G対応ルーターを多く出展していた。日本ではまだ周波数の割り当てが終わっていないものの、国内大手キャリアは2019年内にもプレサービスを始める動きがある。5Gスマホが普及するまでの間、5Gルーターの需要は高まる可能性がある。

5G対応のモバイルWi-Fiルーターも出展していた

ミッドレンジ市場の拡大を狙って、今年はシャープやサムスン以外にも、ソニーモバイルの参入も予想されている。

この価格帯が激戦区になることは間違いないが、ファーウェイはその中で高コスパの製品ラインアップや、国内での地道な販促活動やブランドメッセージの打ち出しによって対抗していく構えだ。

ヨドバシカメラ梅田店での販促イベントの様子
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Googleがゲーム本格参入の衝撃、2019年中にゲーム基盤「STADIA」を投入

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2019.03.20

Googleが新しいゲームプラットフォームを発表

配信方式でゲーム機不要、「ゲーム機」の時代の終焉?

2019年内にローンチ、性能はプレステやXbox以上か

3月19日、米国で開催中のゲーム開発者会議「GDC 2019」の会場で、Googleがクラウドベースのゲーミングプラットフォーム「STADIA」を発表した。特定のゲーム機に縛られず、ネットに接続したスマホやパソコン、テレビを通してストリーミング(配信)形式でゲームをプレイできる。

この事業を担当するバイスプレジデントとして、STADIAを発表するフィル・ハリソン(Phil Harrison)氏。そもそも彼からして、元はソニーのプレイステーション立ち上げの主要メンバーで、その後Microsoftに移りXboxを担当したという経歴の持ち主

かねてより、MicrosoftのXbox事業のトップマネージャーを引き抜いた、ソニーでPlayStationのハード開発にかかわったエンジニアが転職したといった噂が頻繁に流れており、「Googleがゲーム市場に本格参入する」という憶測は強まっていた。実際に2018年には、Googleは「Project Stream」と呼ばれるストリーミング形式のゲーム基盤の計画を発表し、米国内でベータテスターを募って技術テストを行っていた。

STADIAは、Project Streamの延長線上にあるサービスと見られる。ユーザーは特定のゲーム機を持っている必要がなく、従来のゲーム機の役割をするのはGoogleの設置するデータセンターだ。簡単に言えばクラウドサービスのように、実際にゲームタイトルが動作しているのはデータセンター側で、ユーザーはインターネットを介してゲームを遠隔でプレイする。

STADIAのデータセンターから配信されたゲームをパソコンでプレイしている様子
パソコンで遊んでいたのと同じゲームを、タブレットやテレビでも同じように遊ぶことができる

このプラットフォームの特徴によって、例えばYouTubeで新作ゲームのトレーラー動画を見ていて気に入ったときには、そのページ内の「プレイする」ボタンを押すだけで、インストールすら不要で、動画を再生するかのようにそのゲームをプレイできるようになる。

そして、STADIAのデータセンターが持つゲーム機としてスペックは、サービス開始時のものとして、GPUの演算性能は10.7テラFlopsに達するといい、これはPlayStation 4 Proの4.2テラFlopsや、Xbox One Xの6.0テラFlopsを大きく上回る。映像品質も4K/60fpsのストリーミングに対応し、将来は8K/120fps対応も予定しているという。

STADIA用の「STADIAコントローラー」も販売する。SNSアップ用のボタンや、Googleアシスタントボタンが備わっている

Googleは2019年中にSTADIAをローンチする予定で、まずは米国、カナダ、欧州でサービスを開始すると説明している。発表を受けた翌20日の東京株式市場では、任天堂とソニーの株価が揃って大きく下落した。投資家たちが、GoogleのSTADIAによって、Nintendo SwitchやPlayStationのビジネスが脅かされると考えたからだ。

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