働く人の「気持ち」を見える化する、パナソニックの働き方改革<br />

働く人の「気持ち」を見える化する、パナソニックの働き方改革

2019.05.31

パナソニックが働き方改革を支援する新サービスを発表

ノートPCのフロントカメラで働く人の「気持ち」を見える化

「働き方改革関連法」の施行や来たる東京五輪が成長を後押し

パナソニックが働き方改革を支援する新サービスを発表した。ノートPCのフロントカメラを用いて、働く人の「気持ち」を見える化できるという。

働き方改革支援サービスに「気持ちの見える化」を追加

日本企業の働き方改革が本格化する中、単に労働時間を減らすだけでなく「会社の成長」との両立を訴えるのがパナソニックだ。その中で、独自の技術で「気持ち」を見える化する狙いはどこにあるのだろうか。

働き方改革では「会社の成長」との両立が重要

2019年4月、時間外労働の上限規制などを含む「働き方改革関連法」が大企業向けに施行され、中小企業でも2020年4月から始まるなど、働き方改革がビジネスの現場に本格導入されつつある。

さらに2020年の東京五輪では、首都圏で交通機関の混雑が予想される。そこに向けて、在宅勤務やテレワークなど、働く場所を拘束しないワークスタイルに向けた動きが加速するというのがパナソニックの見立てだ。

そこで同社は2018年、パソコンの使用状況を見える化するサービスを発表した。「1日の半分以上をメールの送受信に使っていた」など仕事時間の内訳を可視化することで、時間配分の最適化や余った時間での価値創造を狙いとする。すでに1万3000台のパソコンで稼働しているという。

働いた時間を見える化する「しごとコンパス」。「申告と実績」の差も明らかになる

4月に追加した新機能では、PCの実使用時間を各企業の勤怠管理システムと比べることで、申告と実績の差異が分かるようになった。これまで勤務時間とは認められにくかったグレーな作業時間をカウントするのが狙いだ。

パナソニック社内での導入事例

こうしたツールを投入する狙いとして、単に労働時間や残業時間を短縮して従業員の健康を守るだけでなく、働き方改革を成功させるには「会社の成長」を両立させることが重要であるとパナソニックは主張している。

「会社の成長」との両立を主張する

しかし、労働時間を短くすればその分だけ業績が落ちるのではないか、との懸念を持つ企業はまだまだ多い。そこで技術による裏付けに基づき、「働き方改革を導入すれば、会社は成長できる」という道筋を示すことが、普及に向けた近道というわけだ。

カメラを用いた非接触センシング技術を活用

今回、パナソニックが新サービスとして発表した「きもちスキャン」は、従来の働き方改革支援サービスに追加できる月額制のオプションサービスだ。

具体的には、パナソニックのノートPC「Let's note」のフロントカメラで撮影した顔の映像を、独自のバイタルセンシング技術で解析することで、従業員の「元気度」を見える化するサービスになる。

フロントカメラで顔をスキャン。測定は2分程度で終わる

常にカメラに顔を監視されるわけではなく、測定は2分程度で終わる。外光など環境に左右される恐れはあり、マスクなどは外しておく必要がある。Let's noteの対象機種は限られるが、今後拡大していくという。

仕組みはこうだ。血管の容量変化から脈拍レベルを推定する技術を応用し、カメラの映像を独自技術でノイズ処理し、脈拍レベルを取り出す。毎日、同じくらいの時間に測定した記録を蓄積していくことで、気持ちの変化が分かるようになるという。

顔の映像をノイズ処理し、活動量を推定する

発表会には日本疲労学会の小泉淳一氏が登壇。電極を用いて従業員の自律神経活動レベルを測定し、疲労を推計した事例を示し、「これを非接触で測定できるのは大きな進歩だ」と評価した。

企業内での活用として、部門内で10人以上が導入している場合、管理職は個人を特定しない形で従業員のデータを閲覧できる。部門内での活動量の変化を見ていくことで、有給の取得を促すなどの対策ができるという。

技術的な背景には、パナソニック独自の「非接触バイタルセンシング技術」がある。同社はこれまで国内外の展示会などで積極的にアピールしており、専用のセンサーではなく一般的なカメラで人間の感情を把握できれば、オフィスだけでなくスポーツや医療分野など応用範囲は広い。

非接触バイタルセンシング技術。CES 2019のパナソニックブースにも出展した

働き方改革の本格化に伴い、労働時間の短縮や生産性の向上をうたうさまざまな製品やサービスが登場している。その中でパナソニックの強みは、独自のセンシング技術によりテクノロジーの力で働き方改革を後押しできることにありそうだ。

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2019.06.17

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2019.06.17

最近女性の間で「#MeToo」ならぬ「#KuToo」運動がにわかに盛り上がっている。

「#KuToo」とは「靴」と「苦痛」をかけており、職場や就職活動で、足を痛めるパンプスやヒール靴の強要をやめようという運動である。

そもそもそんなの誰も強要してねえよ、と思われるかもしれない。確かに規定として靴の形状やかかとの高さまで定めている会社はレアだろう。しかし、私の元いた会社でも、規則があるわけでも、誰に言われたでもなく、みな一様に黒のパンプスを履いていた。それが「暗黙のルール」であり、それ以外は「非常識」と見られる風潮は確かにあるのである。

これが就職活動になると、パンプスを履いていないだけで「こいつは常識がない」と見なされ不採用になってしまうかもしれない、ということだ。そうなると女子学生は足を負傷してでもパンプスを履かざるを得なくなってしまう。

正直、パンプスは苦痛

パンプスがそんなに苦痛か、というと、靴の中では殺傷能力が高い方である。これは他人への、という意味ではなく自分へのだ。他人を殺傷したいならカウボーイが履いている、かかとにピザカッターがついている奴を履いた方が良い。

狭いつま先に足の指が密集されるため、私もよく爪で隣の指を切って足を血だらけにしていたし、伸縮性にかける素材のため、あわないパンプスだと試着の時点で靴擦れが出来るレベルなのだ。

世の中には素肌に荒縄で亀甲縛りを施し、その上に上等なスーツを羽織って出社している人も多いと思う。とても痛いだろうが、それは強制されたわけではなく、その人が好きで楽しいからやっているのだ。

つまり、好きでもない上にとても痛いパンプスを強制で履かなければいけないというのは、上等なスーツの下が亀甲縛りなことよりも「異常」なことというわけだ。

この運動はすぐに広まり、いきなり国会でも議論されたという。これにより「厚労相がハイヒール強要を容認」という見出しのニュースまで踊り出ることになった。

完全に自由と言われても困るのでは?

「厚生省に、女がハイヒールを履かないと死ぬ病の人が!?」と驚いたが、記事をよく見ると見出しほどのことはなく、厚労相の発言は「これは社会通念に照らして業務上、必要かつ相等な範囲かと、この辺なんだろうと思います」というかなりボンヤリしたものであり、どっちでも良い事を聞かれた私のリアクションに似ている。

しかし「ハイヒールが履けない女は何やってもダメ」などと強い事を言っているわけではないが、「業務上必要ならパンプス履くべきだろ」という「容認」に聞こえなくもない。すぐさま「業務上ハイヒールが必要な仕事って何だよ」という疑問が挙がり、「SMの女王様」「(ハイヒールでキレッキレに踊る)perfume以外ありえない」などの声が相次いだ。

この社会問題がすぐ大喜利になってしまうのは良くも悪くも「ザ・ツイッター」という感じだ。

確かに「業務上必要」となると、まだかかとにピザカッターがついている靴の方が「ピザを食う時」必要な気がする。

ただ、靴や服装を完全に自由化し、何でもOKにすれば良いかというと、それはそれで問題が起きると思う。ファッションに疎くコーディネートが苦手な人間からすれば、職場に何を着ていいのか全く「指針」がないというのは迷子になるし、接する側としても、車を買いにいってディーラーが、イモ―タンジョ―の完コスで出てきたら「キャデラックしか買うことを許されないのか」と委縮してしまう。就活マナー本に「俺の考えた最強の就活ファッションで挑みましょう」とだけ書かれていても逆に困るだろう

着る側としても、それに接する側としても、社会において服装にある程度規定や模範があるというのはメリットでもあるのだ。

そもそも規定や常識というのは、秩序を作ることにより問題を減らすためにあるものなのだ。しかしそれが元で「足を負傷する」という「問題」が起こっているなら本末転倒なので、やはり解消はすべきなのだろう。

極論に流れない寛容さが足りない

おそらく「#KuToo」を提唱している人も「ドラゴン柄のコンバースで就活したい」と言っているわけではないのだ。最近は「パンプスに見えるスニーカー」なども存在するし、パンプスでなくても地味な靴はいくらでもある。そのような靴を履いていても「パンプスじゃないから非常識」と見るのをやめてほしいという話だろう。

ちなみに私が会社員時代履いていたパンプスだが、黒の革靴ではあったが、つま先は限りなく丸く、ヒールはなきに等しい、今思えばあれはパンプスだったのか、70過ぎのババアが旅行に行くときに履くヤツなんじゃないか、という代物であったが、特に何も言われなかった。

「#KuToo」が求めるのも、そのぐらいの「寛容さ」なのではないだろうか。

【お知らせ】
連載「カレー沢薫の時流漂流」の掲載場所を変更します。
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