アルファロメオ好きに朗報! 「ジュリア」と「ディーゼル」は相性抜群

アルファロメオ好きに朗報! 「ジュリア」と「ディーゼル」は相性抜群

2019.05.23

「ジュリア」のディーゼルエンジン車が日本上陸

まずは価格に注目! お手頃な理由は?

試乗で納得した“スポーツディーゼル”の走り

アルファロメオの「ジュリア」にディーゼルエンジン搭載車が加わったのは大きなニュースである。先にSUVの「ステルヴィオ」に追加されたことで、エンジン自体のインパクトは若干薄れるが、ジュリアの選択肢が増えたことはカスタマー視点で見ても嬉しい。

アルファロメオの「ジュリア」にディーゼルエンジン搭載車が登場(画像はガソリンエンジン搭載車。ディーゼル車の外観はガソリン車の「スーパー」と変わらない)

まずは価格に注目! ガソリン車とほぼ同等?

FCAジャパンは2019年4月、ジュリアのディーゼルエンジン搭載車「2.2 ターボ ディーゼル スーパー」(2.2 TURBO DIESEL SUPER)を発売した。“スポーツディーゼル”の愛称が走りへの期待をあおってくるが、まず注目しておきたいのはプライスだ。「ディーゼル スーパー」の556万円は、ガソリンエンジンを搭載する「スーパー」よりは13万円高いものの、その1クラス上に位置する「ヴォローチェ」よりは31万円安くなる。

「ジュリア」の価格は受注生産のエントリーモデル「2.0 TURBO」が446万円、「2.0 TURBO SUPER」(スーパー)が543万円、「2.2 TURBO DIESEL SUPER」(ディーゼル スーパー)が556万円、「2.0 TURBO VELOCE」(ヴェローチェ)が587万円、「2.0 TURBO Q4 VELOCE」(ヴェローチェQ4)が597万円、「2.9 V6 BI-TURBO QUADRIFOGLIO」(クアドリフォリオ)が1,132万円となる

何が言いたいかというと、ジュリアにおけるディーゼル車のポジショニングに注目して欲しいのだ。通常、ディーゼルエンジン車は開発と生産にお金がかかるため、ガソリン車よりも割高になるパターンが多い。一概に全てのディーゼルエンジン車に当てはまるわけではないが、「コモンレール式」(燃料を噴射する仕組み)のパテント料やEGR(排気ガスを再循環させる装置)、ATS(排出ガス後処理装置)などの追加パーツ代もそこに含まれるからだ。

ドイツ御三家を例に取ってもその傾向は強く、BMWあたりはガソリン車とディーゼル車の価格差が顕著だ。なので、割高のディーゼル車を買う場合は、長く乗ってランニングコストで元を取ろうというような計算をすることになる。

が、ジュリアは違う。ディーゼル車をガソリンの同グレードと比較しても、価格はそれほど変わらない。ちなみに、ステルヴィオのディーゼル車は617万円で、ラインアップの中では最もリーズナブルなモデルとなっている。

ディーゼルエンジン車は割高になりがちだが、「ジュリア」の場合、同グレードのガソリンエンジン車と比較してもそれほど変わらない

もちろん、そこにはインポーターであるFCAジャパンの戦略と世界市場の変動がある。

例えば、その背景にはヨーロッパでのディーゼルエンジン離れが見てとれる。ドイツ系メーカーの環境数値における不正改ざん事件が尾を引き、ヨーロッパの国々でディーゼル人気がガタ落ちしているのだ。また、それを機にヨーロッパ各都市で厳しい規制も始まっている。

昨年、ボルボジャパンがプレゼンテーションで使った資料にその変化が記されていた。ヨーロッパ18カ国のディーゼル比率の減少をまとめたもので、2017年4~6月は市場に対し45%だったものが、2018年4~6月は37%にまで落ち込んでいたのだ。さらにいえば、ピークとされる2011年には56%に達していた年間市場比率は今年、30%台まで減少する見込み。もはや、どこで下げ止まるのかは見通せない状態だ。

そこで、各メーカーはヨーロッパ圏外でのディーゼル車比率を増やす算段を取り始めた。つまり、日本にも好条件でディーゼル車が導入されるようになったのだ。低価格が実現したのは、そんな事情もあってのことだと推測される。

「ジュリア」にディーゼルは…合う!

では、この2.2リッター直列4気筒直噴式ターボディーゼルを実際に走らせた印象を少しお伝えしよう。

まず、ディーゼル特有の振動と音だが、振動はほとんど気にならない。軽量化されたクランクケースの剛性は高く、バランスシャフトも最適化されている。それに、エンジンマウントやブラケットも進化しているようだ。よって、かつてのようなトラック然とした振動はなく、実にスマートに吹け上がる。ただ、ディーゼル特有のエンジン音は若干残り、窓を開けるとボンネット越しに耳に入ってくる。もちろん、それでも最近はやりのガソリン3気筒ユニットレベルなので、そこまで気になるものでもない。

ジュリアのディーゼルエンジンは最高出力190ps(3,500rpm)、最大トルク450Nm(1,750rpm)を発生する

走り出しは高トルクが効いていてグイッとクルマを前へ押し出す感じ。トルクが前面にくるので、イメージ以上に大きなエンジンを動かしている気になる。「小さいエンジンを上まで回して……」という昔のアルファの4気筒エンジンとは別路線だが、それでもアクセルに対するレスポンスが良いので、そこは“スポーツディーゼル”と呼ぶにふさわしい仕上がりだ。それに、ハンドリングも軽快である。

そうした高トルク特性は高速道路でキラリと光る。1,500回転付近での高速巡航は快適そのもので、1クラス上の高級車を走らせている感覚。余裕のパワーだ。よって、ドライブモードはエコモード的な「a」で十分。アクセルを深く踏み込まずに、快適&省エネのロングドライブを堪能できる。

高いトルクを発生するディーゼルエンジンの特性は、高速道路を走ると大いに堪能できる

ちなみに、「d」「n」「a」のドライブモードは味付けがハッキリ区別されている。なので、追い越し用の中間加速が必要な時は「d」にすればOK。ギアが落ち、6,000回転マックスの回転計をしっかり使って加速してくれる。

そんなジュリアのグレード別に見た販売(登録)構成比率だが、2018年でみると、「スーパー」が第1位で40%を占めていた。続いて「ヴェローチェ」のFR、「ヴェローチェ」のQ4という順位だ。といっても、ヴェローチェQ4に迫る数の「クアドリフォリオ」の存在も見逃せない。なぜなら、ディーゼルがデビューした2019年3月単月では、ディーゼル比が15%となり、各モデルが横並びに近くなったことで、クアドリフォリオがトップの座に躍り出たからだ。まぁ、この辺はスペシャルなモデルゆえ、デリバリーのタイミングもあるので、一概に1番人気とは言えないのだが……。

それはともかく、ディーゼル車の登場で、ジュリアファンがざわついているのは確かだ。オールドスクールなアルファロメオのイメージから、このクルマの登場に拒否反応を持つ方もいるだろうし、スポーツディーゼルの走りに納得する方もいるだろう。個人的には、後者であることは間違いない。しばらく走らせていると、ディーゼルであることを忘れるほど自然なエンジンフィールに酔いしれる。メーカーも、そこにたどり着いたからこそ発売したのだと思う。クルマづくりではデザイン、サウンド、フィーリングを大事にするイタリアメーカーだけあって、ディーゼルでもしっかりとそこにこだわっている。

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2019.06.17

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放置されていた不寛容? 国会まで届いた「パンプス強要」騒動

カレー沢薫の時流漂流 第47回

放置されていた不寛容? 国会まで届いた「パンプス強要」騒動

2019.06.17

最近女性の間で「#MeToo」ならぬ「#KuToo」運動がにわかに盛り上がっている。

「#KuToo」とは「靴」と「苦痛」をかけており、職場や就職活動で、足を痛めるパンプスやヒール靴の強要をやめようという運動である。

そもそもそんなの誰も強要してねえよ、と思われるかもしれない。確かに規定として靴の形状やかかとの高さまで定めている会社はレアだろう。しかし、私の元いた会社でも、規則があるわけでも、誰に言われたでもなく、みな一様に黒のパンプスを履いていた。それが「暗黙のルール」であり、それ以外は「非常識」と見られる風潮は確かにあるのである。

これが就職活動になると、パンプスを履いていないだけで「こいつは常識がない」と見なされ不採用になってしまうかもしれない、ということだ。そうなると女子学生は足を負傷してでもパンプスを履かざるを得なくなってしまう。

正直、パンプスは苦痛

パンプスがそんなに苦痛か、というと、靴の中では殺傷能力が高い方である。これは他人への、という意味ではなく自分へのだ。他人を殺傷したいならカウボーイが履いている、かかとにピザカッターがついている奴を履いた方が良い。

狭いつま先に足の指が密集されるため、私もよく爪で隣の指を切って足を血だらけにしていたし、伸縮性にかける素材のため、あわないパンプスだと試着の時点で靴擦れが出来るレベルなのだ。

世の中には素肌に荒縄で亀甲縛りを施し、その上に上等なスーツを羽織って出社している人も多いと思う。とても痛いだろうが、それは強制されたわけではなく、その人が好きで楽しいからやっているのだ。

つまり、好きでもない上にとても痛いパンプスを強制で履かなければいけないというのは、上等なスーツの下が亀甲縛りなことよりも「異常」なことというわけだ。

この運動はすぐに広まり、いきなり国会でも議論されたという。これにより「厚労相がハイヒール強要を容認」という見出しのニュースまで踊り出ることになった。

完全に自由と言われても困るのでは?

「厚生省に、女がハイヒールを履かないと死ぬ病の人が!?」と驚いたが、記事をよく見ると見出しほどのことはなく、厚労相の発言は「これは社会通念に照らして業務上、必要かつ相等な範囲かと、この辺なんだろうと思います」というかなりボンヤリしたものであり、どっちでも良い事を聞かれた私のリアクションに似ている。

しかし「ハイヒールが履けない女は何やってもダメ」などと強い事を言っているわけではないが、「業務上必要ならパンプス履くべきだろ」という「容認」に聞こえなくもない。すぐさま「業務上ハイヒールが必要な仕事って何だよ」という疑問が挙がり、「SMの女王様」「(ハイヒールでキレッキレに踊る)perfume以外ありえない」などの声が相次いだ。

この社会問題がすぐ大喜利になってしまうのは良くも悪くも「ザ・ツイッター」という感じだ。

確かに「業務上必要」となると、まだかかとにピザカッターがついている靴の方が「ピザを食う時」必要な気がする。

ただ、靴や服装を完全に自由化し、何でもOKにすれば良いかというと、それはそれで問題が起きると思う。ファッションに疎くコーディネートが苦手な人間からすれば、職場に何を着ていいのか全く「指針」がないというのは迷子になるし、接する側としても、車を買いにいってディーラーが、イモ―タンジョ―の完コスで出てきたら「キャデラックしか買うことを許されないのか」と委縮してしまう。就活マナー本に「俺の考えた最強の就活ファッションで挑みましょう」とだけ書かれていても逆に困るだろう

着る側としても、それに接する側としても、社会において服装にある程度規定や模範があるというのはメリットでもあるのだ。

そもそも規定や常識というのは、秩序を作ることにより問題を減らすためにあるものなのだ。しかしそれが元で「足を負傷する」という「問題」が起こっているなら本末転倒なので、やはり解消はすべきなのだろう。

極論に流れない寛容さが足りない

おそらく「#KuToo」を提唱している人も「ドラゴン柄のコンバースで就活したい」と言っているわけではないのだ。最近は「パンプスに見えるスニーカー」なども存在するし、パンプスでなくても地味な靴はいくらでもある。そのような靴を履いていても「パンプスじゃないから非常識」と見るのをやめてほしいという話だろう。

ちなみに私が会社員時代履いていたパンプスだが、黒の革靴ではあったが、つま先は限りなく丸く、ヒールはなきに等しい、今思えばあれはパンプスだったのか、70過ぎのババアが旅行に行くときに履くヤツなんじゃないか、という代物であったが、特に何も言われなかった。

「#KuToo」が求めるのも、そのぐらいの「寛容さ」なのではないだろうか。

【お知らせ】
連載「カレー沢薫の時流漂流」の掲載場所を変更します。
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