「輝夜月 LIVE」から見えた“VRの持つ可能性”

「輝夜月 LIVE」から見えた“VRの持つ可能性”

2019.05.09

VTuberの輝夜月が2度目のVRライブを開催

VRならではの多彩な演出が光る

企業のプロモーションの場としても大きな効果を残した

2019年5月1日。「平成」が終わりを告げ、新たな元号「令和」が始まった。そんな時代の節目とも言える日に、新時代を象徴すると言っても過言でないライブイベントが開催された。バーチャルYouTuber(VTuber)の輝夜月さんによるVRライブ「輝夜月 LIVE@ZeppVR2」だ。

VR空間プラットフォーム「cluster」の仮想空間「Beyond the Moon」にある「Zepp VR2」にて、VTuberの輝夜月さんが歌やダンスを披露するという内容の同イベント。本稿では、ライブ中に随所で見られた“VRならではの演出”をピックアップしながら、VR空間の可能性について考えてみたい。

会場内では全員エビフライ

VRのライブ会場ではドレスコードが規定されていた。いわゆる「統一のアバター」を使用するわけである。実際にVR空間へ入り込むと、右も左もエビフライ。参加者は、輝夜月さんが考えたキャラクター「エビーバー」の格好をしているのだ。

clusterでは、拍手や笑い声といったアクションを起こせるのだが、今回のライブ用として、スポンサーである「日清焼そばU.F.O.」や「令和」の文字を表示させるコマンドを搭載。開場を待っている多くのエビフライたちは、その限定コマンドを試しつつ、周辺をウロウロしていた。

VR空間に入ると、大量のエビフライに出会う
画面左下のボタンから「日清焼きそばU.F.O.」や「令和」のアクションを行える。「エビフライ」や「ブロッコリー」も今回のライブ専用アクションだ

「VR空間上を移動する」体験の提供

ライブの開演時間が迫ってくると、輝夜月さんの考案したキャラクターである「エビーバー」と「パブロッコリー」が案内役として登場。すると、LOW GUYS(ロウガイズ)と呼ばれる紫色のエビフライが押し寄せてくるではないか。

「みなさん、何されるかわからないですよ! 逃げましょう」と、パブロッコリーが来場者を大きな塔へと誘導する。参加者はVR空間のなかを移動し、LOW GUYSを振り切って建物内へと足を踏み入れるという演出からライブが幕を開けたのだ。

LOW GUYSたちがどこからともなく大量発生
エビーバーとパブロッコリーの案内のもと塔へ避難する

無事に逃げ切れたエビフライたち。建物のなかは真っ暗だったが、パッと明かりがつき、ライブのステージが現れた。しかし、すでに部屋のなかには大量のLOW GUYSが。絶体絶命か、と思ったところで、「おはよぉー!」と主役が登場する。そして、そのままオリジナル曲の「Beyond the Moon」が始まった。

輝夜月さん降臨
群がるエビフライたち

おそらくほとんどの参加者は、大きな塔のなかがライブのステージになるとわかっていただろうが、これらの演出のおかげでライブがスタートする前から“ワクワク感”があった。バーチャルという移動の制約がほとんどない空間で、あえて来場者を移動させることが、まるでテーマパークのアトラクションが始まる前のような体験を提供していたのだ。

VRならではの演出群、スポンサーの露出もバッチリ

ライブは進み、さらなる演出がエビフライたちを驚かせる。まずは衣装やステージの転換だ。曲に合わせてサングラスを装着したり、一瞬でステージのデザインがガラリと変わったり、来場者のようにエビフライのコスチュームを身にまとったりと、視覚効果で楽しませてくれる。

曲に合わせて衣装やステージがチェンジ

そして、輝夜月さんが来場者とコミュニケーションを図っているうちに、ステージはエレベーターのように少しずつ上昇していき、最上階に到着。再び移動パートに突入だ。建物の非常口を抜けて、もう1つのステージへ。4月に配信されたばかりのオリジナル曲「NEW ERA」を披露すると、輝夜月さんはロケットに乗り込み宙へ飛び立っていった。

輝夜月さんと一緒に次のステージへ移動するエビフライ
ロケットで帰っていく輝夜月さん
ロケットが見えなくなるとメッセージが

輝夜月さんが帰ったあとも、会場には多くのエビフライが残っており、約5分おきに「日清焼そばU.F.O.」のCM曲に合わせて踊る輝夜月さんのホログラムが映し出される演出を取り囲んで、名残惜しそうに眺めていた。

ライブ終了後、日清のCMに合わせて踊る輝夜月さんのホログラム映像

ライブ会場に入る前の待合スペースで設置されていたテレビ画面でも「日清焼そばU.F.O.」のCMが流れていたこともあり、今回のライブに参加した人は何回CMを耳にしたかわからないはずだ。また、今回のライブはVR空間だけでなく、ライブビューイングでも実施されていたのだが、開演前にCMが流れると、会場全体でCMに合わせて「コール」のようなものが起きていたという。

VRならではの演出が目立ったが、それだけにとどまらず、仮想空間におけるプロモーション効果を実証できたと言えるのではないだろうか。野球の球場やサッカーのスタジアムにスポンサーの看板が置かれているようなイメージで、VRライブの会場でも企業ロゴの入った看板や広告ポスターの設置、CM映像などのプロモーションが行われることが一般的になるかもしれない。

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給食「完食指導」は適者生存の虐待か? 子どもへの悪影響に賛否

カレー沢薫の時流漂流 第44回

給食「完食指導」は適者生存の虐待か? 子どもへの悪影響に賛否

2019.05.27

漫画家・コラムニスト カレー沢薫さんの社会派連載!

第44回は、子供のトラウマ「完食指導」問題について

給食の完食指導が問題になっている。

「お残しは許しまへんで!」

アニメ『忍たま乱太郎』に出てくる食堂のおばちゃんの有名な決めセリフである。

彼女はそのセリフの通り、それを破る者には烈火の如く怒り、時には一週間食事抜き、掃除をさせる等の罰も辞さないという、「食事を残す者を地獄の業火で焼く人物」として描かれている。

あくまでフィクションであるし、何せ彼女が飯を与えているのは忍者の卵である、今後おそらく山田風太郎の世界で活躍しなければいけない面々だ。適切に調理された食堂の飯が食えないようではやっていけるはずがない。

しかし、忍たま乱太郎の世界ではあれが適切としても、将来、忍にならない子ども相手にそれをやるのは問題なのではという声が挙がっている。

令和になっても残ってしまったトラウマ給食

石でも甘辛くしてもらえれば食える、という偏食のない人間には無縁な話だろうが、そうでない者には「給食のトラウマ」の一つや二つあるのではないだろうか。

一番多いのは「完食するまで帰れま10」だ。これが表題にもなっている「完食指導」である。食べきるまで昼休みに入らせなかったり、居残りをさせたりというものだが、中には「食べ物を無理やり口に詰め込まれて嘔吐」というストロングスタイルの指導を受けた者もいる。

ここまでなら、まだ個の問題だが「みんなが食べきるまで全員昼休みに入らせない」という、齢10にもいかない内から連座制の厳しさを叩きこむ学校もあるようだ。

これらは全て、トラウマとして残る。私でさえ、保育園の時、とりあえず口には入れたが長考したのち「やはり無理」と吐いたほうれん草の白和えのポップなビジュアルを未だ覚えているぐらいなので、無理やり口に入れられた人が忘れるわけがない。

漫画家の清野とおる先生も保育園の時、カワイイ女の子が無理やり嫌いなものを食べさせられ嘔吐したのがトラウマになっていると書いていたので、当事者でなくても同胞が目の前で嘔吐するというのは恐怖なのである。

その結果、傷を負い、登校拒否になったり体調不良を起こしたりする児童がおり、またこの経験から大人になっても「人と食事をするのが怖い」と感じる人もいるという。

そういった強制的完食指導に意味があるかというと、私はないと思う。なぜなら、未だにほうれん草の白和えが嫌いだし、義実家での食卓で姑が「今日の推し」と言わない限りは食わない気がするからだ。無理やり食わされても、大人なのでさすがに嘔吐はしないと思うが、代わりに耳あたりから出てくると思う。

このようにアレルギーでなくても「生理的に無理」な食べ物は存在する。生理的に無理な人の指が口の中に入ってくるところを想像して欲しい。「無理」としか言いようがないだろう。そのレベルでダメなものを飲みこませることが、人間にとってプラスになるとは思えない。

しかし、そこを慮りすぎて「好きな物しか食べない人間」になるのも問題である。「大して好きじゃない物」や「苦手な物」程度なら「感情を無にして食える」練習をしておいた方が、社会に出た時や義実家などでトラブルが起こりづらいのも確かである。

食育に力を入れている小学校では、生徒個人に合わせて最初から食べる量を増減させたり、または無理やり食べさせるのではなく、生徒自身が「今日俺ニンジン食っちゃうよ?」という気になるような給食環境づくりに取り組んだりしているという。

食事は「楽しい」ことが一番

昭和のトラウマランチタイムをサバイヴしてきた人間からすると、これらのやり方は「スイート」に感じられるかもしれない。

しかし、上記の食育に力を入れている学校の校長曰く「食事が楽しくなくなるのが一番ダメ」だそうだ。確かに、食事以外に楽しいことが一つもない、という人間は私含め大勢いるし、今の子どもの65%ぐらいはそういう大人になるはずである。(当社調べ)

そんな65%の唯一の楽しみを子どものころから奪うというのは、虐待と言っても過言ではないし、何のために生まれて来たのかさえわからなくなってしまう。

ちなみに私には90歳になる祖母がいるのだが、そのババア殿は一時期、シュークリームのクリームとジュースしか飲まないという、妖精みたいな生活を送っていたが、普通に生きている。何故なら、そのジュースが妖精になった老人用に作られたメチャクチャ栄養があるジュースだからである。このように、昔だと食事=適切な栄養を取る行為であったが、最近では食事からじゃなくても栄養はとれるようになってしまった。

ならば、食事をただの生命維持活動ではなく、「楽しみ」として重視していくのも自然の流れなのかもしれない。

もちろん、作ってくれた人への感謝など、倫理的なことを言えばやはり、偏食なく、出された物は何でも食えた方が良い。

よって、偏食が多い人も「これだけ嫌いなものがあるから出すな」「嫌いなものを食べさせようとするのはハラスメント」と己の権利を主張するだけでは、協調性がないと取られてしまう。

自分で作る、1人で食う、食事会でも自分が幹事をやって店を選ぶ、など嫌いな物を食べず、なおかつ周りにも不快感を与えない方法を考えていくべきだろう。この方法で、私は1年中300日ペペロソチーノだけを食い続けたが、特にトラブルはなかった。

と言いたいが夫に「くさい」と言われたので、自分の食を楽しみつつ、周りに迷惑をかけないのは、なかなか大変ことなのである。

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渦中のファーウェイ、スマホ新製品も発売延期が相次ぐ

渦中のファーウェイ、スマホ新製品も発売延期が相次ぐ

2019.05.24

米国政府がファーウェイを輸出規制リストに追加した

ファーウェイ製品の発売延期を決定する事業者が続出

輸出規制は世界経済の混乱を招く事態に……

米国政府がファーウェイを輸出規制リストに追加したことで、米中の貿易摩擦が加速している。5月21日には国内向けにスマホ新製品の発表会を開催したものの、発売を延期する事業者が相次ぐ事態となっている。

ファーウェイはスマホ新製品を発表したが、販路の多くで発売延期に

スマホ世界シェア2位に躍り出るなど、破竹の勢いで成長してきたファーウェイだが、果たして打開策はあるのだろうか。

世界シェアは再び2位に、国内でも攻勢に

ファーウェイはスマホ世界シェアでアップルと2位争いを繰り広げている。年末商戦シーズンにはアップルが2位に返り咲いたものの、2019年第1四半期にはファーウェイが前年比50%増となる5900万台を出荷したことで、再び2位に戻る形になった。

新製品発表会に登壇したファーウェイ デバイス 日本・韓国リージョン プレジデントの呉波氏

スマホ市場が伸び悩む中で、なぜファーウェイは劇的な成長を遂げたのだろうか。2018年後半から米中貿易摩擦が報じられる中、買い控える動きもある一方で、世界的な露出の増加によって、製品を手に取ってみる人が増えたことが背景にあるとファーウェイは見ている。

国内でも順調に伸びてきた。依然としてiPhoneはシェアの半数近くを占めるものの、直近1年間で最も売れたAndroidスマホはファーウェイの「P20 lite」だという(BCN調べ)。コスパの良さが高く評価されているのが特徴だ。

2019年夏モデルでは、NTTドコモがフラグシップ「P30 Pro」を、KDDIは「P30 lite PREMIUM」の取り扱いを発表。MVNOやオープン市場には「P30」と「P30 lite」を投入するなど、あらゆるセグメントに向けて最新ラインアップを一挙投入する予定だった。

ベストセラーの後継モデルとして期待される「HUAWEI P30 lite」

だが、こうしたファーウェイの快進撃に待ったをかけたのが、米商務省が発表した輸出規制リストへの追加だ。

複数の企業が取引を停止、国内で発売延期も相次ぐ

米商務省が5月15日にファーウェイを輸出規制リストに追加したことで、米国の製品やサービスをファーウェイに対して輸出することが同日より規制された。米国製の半導体やソフトウェアなどを利用できないのは大きな痛手だ。

その後、重要なサービスにファーウェイ製品を用いる企業向けに90日の猶予期間が設けられたものの、これからどうなるかは不透明な状況だ。グーグルやクアルコムなど米国企業をはじめ、米国技術に大きく依存している英Armもファーウェイとの取引を停止すると報じられている。

国内では早いものでは5月24日からP30シリーズのスマホが販売される予定だったが、大手キャリアやMVNO、量販店などが相次いで発売延期や予約停止を発表。既存のファーウェイ製品については販売が続いている状況だ。

NTTドコモが今夏発売予定の「HUAWEI P30 Pro」は予約受付を停止
KDDIの「HUAWEI P30 lite PREMIUM」の発売を延期した

ファーウェイは米国に頼らず必要な部品を調達する構えも見せているが、ファーウェイ包囲網は世界的に広がりつつある。OSであるAndroidはオープンソース版を自由に利用できるものの、グーグルのサービスがなければ海外展開は困難だ。

独自のKirinプロセッサーを有しているとはいえ、Armのライセンスがなければ開発継続は不可能とみられる。スマホ以外にも基地局などの通信インフラでファーウェイのシェアは高く、輸出規制が長引けば世界的に混乱を招きそうだ。

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