なぜ今頃? UQ mobileがiPhone 5sを取り扱うワケ

なぜ今頃? UQ mobileがiPhone 5sを取り扱うワケ

2016.07.08

「iPhone SE」が発売され、4インチサイズのiPhoneとしては既に旧機種となった「iPhone 5s」。にもかかわらず、ワイモバイルに続いてUQ mobileまでもが、iPhone 5sの取り扱いを始めることを発表した。なぜ、低価格でサービスを提供する事業者が、相次いでiPhoneの旧機種を扱うようになったのだろうか。

iPhone 5sで先行するワイモバイルに追いつくUQ mobile

6月23日に発表会を開き、新しい戦略を発表したばかりの、UQコミュニケーションズのスマートフォン向け低価格通信サービス「UQ mobile」。それから1週間が経過した6月29日、UQコミュニケーションズはUQ mobileに関する新しい施策を発表した。

それは、アップルの「iPhone 5s」の取り扱いを7月15日より開始することだ。UQ mobileはMVNOとしてKDDI(au)から回線を借りてサービスを提供していることから、正規のルート以外で取り扱うケースを除けば、日本でMVNOがiPhone 5sを取り扱う初のケースとなるだけに、驚きをもたらしたようだ。

ちなみに販売されるiPhone 5sはストレージが16GBのモデルで、カラーはシルバーとスペースグレイのみ。音声通話やデータ通信、テザリングも対応するとのことだが、価格などについては発売時に改めて発表するとされている。

UQ mobileが新たに取り扱うことを発表した「iPhone 5s」は2013年発売の旧機種で、NTTドコモが初めてiPhoneを取り扱うことで話題となったモデルでもある

確かに、MVNOが正規のルートでiPhoneを取り扱うというのは、従来であれば考えられなかったことだ。しかしながらよく考えてみると、iPhone 5sは約3年前に登場した2世代前のiPhoneであり、決して新しいモデルとはいえない。しかも今年、アップルはiPhone 5sとほぼ同じデザインとサイズ感ながら、性能を大幅に向上させた後継機種「iPhone SE」を発売しており、このタイミングでiPhone 5sが新機種として登場することに違和感を抱く人も少なくないはずだ。

ではなぜ、UQ mobileがiPhone 5sの取り扱いを始めたのか。

iPhoneの販売開始で狙うもの

それは、やはりソフトバンクがサブブランドとして展開しているワイモバイルの影響が大きいだろう。

UQ mobileはKDDIのグループ会社であるUQコミュニケーションズが展開しており、かつてはKDDIとやや距離があったものの、販売面でauとの協力を打ち出すなど、積極的なKDDI側のテコ入れによって、KDDIとの連携を強化。最近ではMVNOながら、auがカバーしきれない低価格層をカバーする、サブブランドに近い位置付けとなりつつある。

そして大手キャリアと密接に結び付きながら、低価格層を獲得するという戦略は、まさにソフトバンクがワイモバイルブランドで展開している戦略そのものだ。そのワイモバイルは今年の3月、春商戦の目玉としてiPhone 5sの取り扱いを開始したが、これが大きな評判となってユーザー数を急拡大している。そうしたことからUQ mobileも、ワイモバイルに追従するべくiPhone 5sの取り扱いを開始するに至ったといえそうだ。

ワイモバイルは今年の3月よりiPhone 5sを発売。これが人気となってユーザー数を拡大させているようだ

キャリアのサブブランドだからこそなせる業

しかしながらiPhoneを正規ルートで扱うためには、アップルと契約して端末を調達する必要があることから、扱うためのハードルは非常に高い。規模の小さいMVNOはアップルとの交渉テーブルにつくことすら難しく、海外などからSIMフリー端末を独自に調達するなど、正規外のルートで確保する以外に、販売する手段がなかった。

ではなぜ、UQ mobileがiPhone 5sを販売できたのかというと、形式上はMVNOであるものの、実質的にKDDIのサブブランドに等しい位置付けとなりつつあり、KDDIが積極的に関与するようになったことが大きいだろう。UQ mobileは低価格層のユーザー獲得で出遅れ感が目立っていたことから、さらなるテコ入れ策としてKDDI経由で端末を揃え、iPhoneを販売するに至ったと考えられそうだ。

UQ mobileはauの販売連携を進めるなど、これまでやや距離を置いていたKDDIとの距離を急速に縮めてきている

UQ mobileに先んじてiPhone 5sを投入しているワイモバイルも同様だ。しかもワイモバイルの場合、現在はiPhoneを販売しているソフトバンク自身が運営しているブランドであることから、元々iPhoneを扱いやすかったといえる。

かつてはiPhone 4Sも

実は、ワイモバイルがiPhoneを扱ったのは、今回が初めてではない。ワイモバイルの前身の1社であるウィルコムのショップで、2013年にソフトバンクモバイル(当時)のiPhone 4Sを取り扱っていたことがあったのだ。

この際、iPhoneの回線の契約先はあくまでソフトバンクモバイルであり、料金プランも当時のソフトバンクモバイルのものであったことから、大きな成果が得られたわけではなく取り組みも短期間で終了している。だがそうした取り組みからは、ソフトバンクが以前より、ソフトバンク以外のブランドでiPhoneを販売する方向性を探っていたことがうかがえる。

ワイモバイルの前身の1つでPHSなどを提供してきたウィルコムは、2013年の一時期、ソフトバンクモバイルのiPhone 4Sを扱っていたことがある

ただ、大手キャリアがサブブランドのiPhone販売に大きく影響しているだけに、キャリアのメインブランドで取り扱っている最新のiPhoneを、サブブランドで扱うわけにはいかない。UQ mobileやワイモバイルがiPhone SEではなく、型落ちのiPhone 5sを扱っているのには、メインブランドとサブブランドの力関係が大きく働いていると考えられる。

iPhone旧機種に需要は?

しかしそもそも、既にiPhone 6sやiPhone SEまでもが登場している中、いくら安価に提供されるとはいえ、型落ちのiPhone 5sに需要があるのか? という疑問を抱く人もいるかもしれない。そこで考慮する必要があるのが、国内における圧倒的なiPhone人気と、実質0円の事実上禁止である。

そもそも、日本でこれだけiPhoneが高い人気を獲得したのには、iPhoneの販売価格が大きく影響したことを忘れてはならないだろう。実は日本でiPhone人気に火が付いたのは、ソフトバンクが2009年にiPhone 3Gを0円で販売する「iPhone for Everybody」キャンペーンの影響が大きい。当時販売が低迷していたiPhoneを、ソフトバンクが0円で販売するという捨て身の戦略が功を奏し、人気を高めるのに成功したのである。

その後iPhone人気に追従するべくau、そしてNTTドコモがiPhoneの取り扱いを開始したが、各社とも販売するiPhone自体に差はないことから、各キャリアともいかにiPhoneを安く提供するかに力を入れ、激しい値下げ合戦が繰り広げられた。その結果、日本でスマートフォンを購入するならiPhoneが最も安いという市場環境を作り出し、それが日本でiPhoneの人気を高める大きな要因となったのである。

しかしながら昨年実施された「携帯電話の料金その他の提供条件に関するタスクフォース」の結果を受け、総務省は今年、スマートフォンを実質0円で販売するなど、過剰な割引をすることを事実上禁止した。その結果、元々非常に高額なiPhoneを安価に販売することは難しくなり、大手キャリアが販売するiPhoneの店頭価格も高騰してきている。

iPhone旧機種のターゲットは?

日本におけるiPhoneの人気は、特に若い世代ほど高い。だが若い世代は可処分所得が少なく、学生に至っては親のサイフに頼らざるを得ないことから、現在の環境では高額なiPhoneを手にするのが難しくなりつつある。低価格に強みを持つサブブランドで型落ちのiPhoneを取り扱い始めた理由は、iPhoneブランドに強いこだわりを持つ一方で高額な料金は支払えない、学生を中心とした若年層を取り込む狙いが大きいのだ。

実際、7月5日に実施したワイモバイルの記者向け発表会で、ソフトバンクのY!mobile事業推進本部 執行役員本部長である寺尾洋幸氏は、iPhone 5sを投入した理由について「子供達の中でiPhoneは非常に強いブランド。我々がiPhone 5sを投入したことで、大手の半値くらいで提供できた。高校でスマートフォンデビューする時に選んでもらいやすくなった」と話しており、高校に進学する学生を狙ってiPhone 5sを投入したことを明らかにしている。

iPhone 5sの効果もあって、3月以降ワイモバイルの加入者数は急拡大。4月には前年比280%の伸びを示している

正規の手段でiPhoneを販売できるのは大手キャリアのグループならではのメリットであり、他のMVNOには容易に真似することはできない差別化要因となる。しかも先行するワイモバイルが、安価であればiPhoneの旧機種でも十分支持が得られることを証明している。それだけにUQ mobileは、iPhone 5sの販売開始を機として、iPhoneを中心に据えた販売拡大戦略をとってくる可能性が高いといえそうだ。

新AQUOSは“片手ポケット族”狙う iPhone不在の「小型スマホ」市場に勝機

新AQUOSは“片手ポケット族”狙う iPhone不在の「小型スマホ」市場に勝機

2018.11.16

シャープが新スマホ「AQUOS R2 compact」を発表

大画面化の波に逆らい、「片手ポケット族」が増加傾向に

iPhone不在の「小型スマホ」市場を狙う

11月15日、シャープがAndroidスマートフォンの新製品「AQUOS R2 compact」を発表した。名前に「compact」と付いている通り、最近のスマホ市場では選択肢が減っている小型モデルであることが特徴だ。

小型スマホの需要を取り込む「AQUOS R2 compact」

コンパクトな見た目とは裏腹に、中身にはハイエンドである「AQUOS R」シリーズのスペックを詰め込んでいる。世界的にスマホの大画面化がトレンドとなっている中で、あえて時代に逆行するシャープの狙いはどこにあるのだろうか。

スマホを片手で持ち、ポケットに入れて使う人が増加

世界のスマホ市場では、6.5インチの「iPhone XS Max」に代表される大画面モデルが人気を博している。だが、日本では通勤電車などの利用シーンにおいて、片手で使う人が多いといわれている。シャープによれば、スマホを片手で持つ人は64% 、服のポケットに入れて持ち運ぶ人は49% に達しており、その割合は上昇傾向にあるという。

片手で持ち、ポケットに入れて持ち歩く「片手ポケット族」が多いという

その背景として、シャープはスマホの「インフラ化」を指摘する。SNSやコンテンツを楽しむだけでなく、サービスの利用やモバイル決済にスマホは欠かせない存在になっており、日常生活でスマホを取り出す場面が増えている。

AQUOS R2 compactは、日本人の手のサイズを念頭に置いた「横幅64mm」のボディに、できるだけ高性能な部品を詰め込んだハイエンドコンパクト機になっている。プロセッサは最新のSnapdragon 845、メモリは4GBを搭載しているが、これは大画面モデルのAQUOS R2と同等だ。

ポケットに入れやすいサイズに高性能を詰め込んだ

スマホ本体を小型化する一方、画面は前モデルの「AQUOS R compact」より大型化した。このためにシャープは画面の上下に切り欠き(ノッチ)を持つIGZOディスプレイを開発。インカメラと指紋センサを搭載しつつ、表示領域を上下に広げてきた。

前モデル(左)と比べて新モデル(右)は表示領域が広がった

「iPhone不在」の小型スマホ市場を直撃

シャープによれば、小型スマホを求める人は全体の3割程度という。スマホ市場では残りの7割に向けた大画面モデルが幅を利かせており、最新のiPhoneでは6.5インチのXS Maxに加え、一般向けモデルの「iPhone XR」も6.1インチとなっている。

一方、小型モデルとして根強い人気のあった「iPhone SE」は、後継モデルが出ないまま販売が終了。中古市場では価格が上昇する騒ぎもあった。

日本で最大シェアを誇るiPhoneだが、小型スマホ市場では存在感が薄れつつある。ソニーモバイルはXperiaシリーズのコンパクト機を投入しているが、2018年夏モデルの「Xperia XZ2 Compact」と比較して、シャープ機は画面の大きさ、薄さ、軽さの面で圧倒している。

中国メーカーとして日本でも勢いを伸ばすファーウェイ、OPPOも世界市場において大画面化競争を繰り広げており、小型モデルに積極的な動きは見せていない。この点もシャープにとって有利に働いている状況だ。

また、AQUOS R2 compactは顔認証と指紋認証の両方に対応しているのも特徴。これは、iPhoneにもXperiaにもない機能だ。スマホをポケットから取り出し、顔の前に持ち上げるだけでロックを解除できる顔認証だが、卓上に置いている場合は使いにくい。だが指紋センサがあれば、指を置くだけで済む。

顔認証に加えて指紋認証にも対応

スマホの端末メーカーの多くはグローバル市場に目を向け、大画面化のトレンドを追いがちだ。だが、シャープは国内の需要をしっかりとらえた上で、日本のユーザーに刺さる製品作りを続けている。

依然としてiPhone人気が続いている中で、限られた市場であっても「不在」のチャンスをタイムリーに活かし、ユーザーを奪還する。国内に目配りできるシャープならではの戦い方に注目したい。

大画面化するスマートフォン 使いやすさの試行錯誤は縦長から折り畳みへ

知って納得、ケータイ業界の"なぜ" 第23回

大画面化するスマートフォン 使いやすさの試行錯誤は縦長から折り畳みへ

2018.11.16

海外メーカーの台頭で日本にも大画面化の波が到来

大画面化と使いやすさの両立、各社の工夫の歴史

縦長スマホにとって代わるのは「折り畳み」スマホか

スマートフォンのディスプレイは年々大型化が進んでおり、かつては「大きすぎる」と言われた5インチディスプレイが、今や小さい部類に入ってしまうほどだ。一方で使いやすさを維持しながらディスプレイの大画面化を実現するため、メーカー各社はさまざまな工夫を重ねている。スマートフォンのディスプレイサイズはなぜ大きくなり、今後はどのように変化していくのだろうか。

海外メーカーの台頭で日本でも大画面化に拍車

スマートフォンにとってディスプレイは、単に情報を表示するだけでなく、タッチして操作するインタフェースも兼ねている非常に重要な存在だ。そのスマートフォンのディスプレイが、ここ10年ほどで最も大きく変化した要素が「サイズ」である。

どれくらい大きくなったのかというのは、新旧のスマートフォンのディスプレイサイズを比べてみれば一目瞭然だ。日本で最初に発売されたiPhoneである「iPhone 3G」のディスプレイサイズは3.5インチだった。一方、「iPhone X」や「iPhone XS」、「iPhone XR」といった最近のiPhoneのディスプレイサイズは6インチ級があたりまえ。1.7倍に以上に拡大しているのだ。

今やスマートフォンのディスプレイサイズは5インチ以上が一般的で、6インチも珍しくなくなった。画像の「iPhone X」のディスプレイサイズは5.85インチだ

さらに「iPhone XS Max」は6.5インチもあるし、他の大手メーカーでもサムスン電子の「Galaxy S9+」やファーウェイの「HUAWEI P20 Pro」のように、6インチを超えるディスプレイを採用した機種は増えている。なぜ、これほどまでにディスプレイサイズが大きくなったのかというと、それは大画面が欲しいというユーザーが多いため。スマートフォンの性能向上によって動画やコミック、ゲームなどのコンテンツを楽しむ人が増えていることから、ユーザーのニーズに応えるかたちで、大画面が求められるようになったといえよう。

だが日本国内の事情に目を向けてみると、公共交通機関での通勤・通学が多いのに加え、片手で文字入力ができる「フリック入力」が広く普及したこともあり、片手でスマートフォンを操作する傾向が強く、実は大画面に対するニーズはそこまで大きい訳ではない。実際日本では、4インチディスプレイの「iPhone SE」が人気を保っていたし、シャープの「AQUOS R Compact」やソニーモバイルコミュニケーションズの「Xperia XZ2 Compact」などのように、4インチ台のディスプレイを採用したコンパクトなスマートフォンも投入されている。

2018年の夏モデルとして販売されている「Xperia XZ2 Compact」は4.9インチと、最近では珍しくなった4インチ台のディスプレイを採用したコンパクトモデルだ

にもかかわらず、日本でも大画面のスマートフォンが増えているのはなぜか。まずは国内のスマートフォンメーカーが減少したことで、市場に海外メーカー製のスマートフォンが増えているためだ。海外では移動手段の違いに加え、文字入力システムの違いからスマートフォンを両手で持って操作する機会も多く、片手操作に対するこだわりが弱いのだ。

新興国などでも、ディスプレイサイズが大きいほど人気が出る傾向が目立ち、大画面に対するニーズが強いのである。海外製スマートフォンが日本市場に入り込みやすくなったことが、日本国内においてもスマートフォンの大画面化を進めたといえる。

縦長スマホの元祖はアップルだった?

とはいえ、スマートフォンが大画面化するに従って、本体の横幅がひろがり、さすがに海外のユーザーからも「持ちづらい」という声が増えてきたようだ。そこで近年急速に増えているのが、従来の16:9比率ではなく、18:9や19:9といった縦長比率のディスプレイの採用である。

持ちづらさに影響する横幅をこれ以上広げることなく、ディスプレイを縦に伸ばすことで大画面化しようとしたのだ。この流れをけん引したのは韓国メーカーで、2017年にはLGエレクトロニクスが「LG G6」(日本未発売)、サムスン電子が「Galaxy S8/S8+」といったように、縦長比率のディスプレイを採用した機種を積極的に投入した。

2017年発売の「Galaxy S8」「Galaxy S8+」は、18.9:9と縦長比率の有機ELディスプレイ「インフィニティディスプレイ」を採用したことで大きな話題となった

この韓国の両メーカーとも、グループ内にディスプレイデバイスを開発する企業を持っている。それゆえ縦長比率のディスプレイが生み出されたのには、実は大画面化だけが目的ではない。自社のスマートフォンに新しいディスプレイをいち早く搭載し、トレンドを作り上げることで、グループ企業のディスプレイデバイス販売拡大につなげる狙いもあったといえる。

だが、縦長ディスプレイで大画面化するというアイデアを真っ先に実践したのは、実はアップルである。アップルはかつてディスプレイの大画面化に消極的で、2011年発売の「iPhone 4s」までは3.5インチのサイズにこだわっていた。だが大画面化を求めるユーザーの声を受け、2012年発売の「iPhone 5」でディスプレイサイズを4インチに拡大した際に、ディスプレイの横幅はそのままに、縦に長くするという手法をとったのである。ある意味、アップルは5年前に現在のトレンドを先取りしていた、といえるかもしれない。

スマートフォンのディスプレイを縦に伸ばして大画面化するというアイデアをいち早く実践したのは、アップルの「iPhone 5」だった

しかしながら、ディスプレイを縦に伸ばして画面サイズを大きくする工夫にも、いずれ物理的な限界が来ることは目に見えている。そこで、さらなる大画面化の追求で、いま注目されているのが折り畳み式ディスプレイだ。このアイデア自体は、NTTドコモが2013年の「MEDIAS W」(NECカシオ モバイルコミュニケーションズ製)、2018年の「M」(ZTE製)で既に実現しているものだが、いずれも2枚のディスプレイを用いていたため、どうしても画面の折り目に継ぎ目が発生してしまう弱みを抱えている。

折り畳みスマートフォンとして注目されたNTTドコモの「M」は、2枚のディスプレイを用いるスタイルであるため折り畳み部分に継ぎ目が発生してしまう

だが有機ELを用いれば、ディスプレイを折り曲げられる“真の”折り畳みスマートフォンが開発できると言われており、大手スマートフォンメーカーがその開発を進めているとの観測報道も幾度となくなされている。

これは折り畳みできるという意味の「フォルダブル」スマホなどと呼ばれ、先ごろはサムスン電子が、来年発表するというフォルダブルスマホ「Galaxy F」のプロトタイプを開発者向けに見せはじめたりしている。2019年は各社から製品が登場するのではないか? との声もあるようだが、いま確実に言えることは、真の折り畳みスマートフォンがいつ、どのメーカーが、どのような形で投入するのかが、大いに注目されているということだけである。