ドコモが最大4割値下げの新プラン、「値下げ合戦」のトリガーとなるか

ドコモが最大4割値下げの新プラン、「値下げ合戦」のトリガーとなるか

2019.04.16

NTTドコモが新料金プランを発表

30GBで通信量超過後も高速通信可能な「ギガホ」が便利そう

通信量値下げに踏み切ったドコモ、他社はどう続く?

NTTドコモは4月15日、従来よりも割安をうたう新携帯料金プランを発表した。新プランは5月22日より予約申し込みを受け付け、6月1日より開始する。

NTTドコモ 代表取締役社長 吉澤和弘氏

同社は兼ねてより、「2019年第1四半期に、携帯料金を2~4割下げる新プランを発表・提供開始する」と予告していたため、今回の発表内容は携帯業界関係者にとって非常に注目の高いものであった。

実際に登場したのは「ギガホ」「ギガライト」という2つの新プラン。どのようなもので、さらには今後の携帯業界にどのような影響を与えるのか。

「シンプルでおトク」な新プラン

新プランは、同社が掲げる「従来よりもシンプルでおトク」というメッセージを強く意識したものであった。これまでの料金プランが複雑で理解できないという声に応えるべく、わかりやすいもの目指した工夫がみられる。

従来の同社のプランはやはり複雑だった。契約者は1か月に使用するデータ通信量に合わせて「パケットプラン」を選択し、さらには電話の使用頻度に応じて「基本プラン」を選択する。さらにパケットパックを家族で使う場合や、月々サポートの適用まで考慮すると、組み合わせは膨大になる。

それが今回の新プランでは、「データ通信量がいくらあっても足りない」という人は「ギガホ」に、「SNSのチェックやLINEを使う程度」という人は「ギガライト」に、と2つのプランから選ぶだけでよい。

新プランは、現行の「基本プラン」「パケットパック」を一体化させ、よりシンプルなものにした

次に、「おトク」という点について。同社は新たに、「家族でドコモを使っている」ユーザー向けの「みんなドコモ割」を提供する。これは、家族がドコモユーザーであれば、その回線数に応じて「ギガホ」「ギガライト」の月額料金を割引をするというもので、2回線で500円、3回線で1,000円引きとなる。

「みんなドコモ割」で、家族・親族の人数に応じた割引が適応される

同社の利用者のうち、約7割が「家族で3回線以上」のユーザーであるということから、新プランの料金は「みんなドコモ割(3回線利用)」で1,000円を引いた額をベースに紹介された。

実質通信制限の「ギガホ」、割引幅の大きい「ギガライト」

新プランの1つである「ギガホ」では、毎月30GBのデータ通信を利用できる。「外出先でもよくスマホを使う」「動画視聴、SNSに画像や動画をアップすることが多い」「データ量を気にせず使いたい」といった利用者を想定して用意された。

「ギガホ」の特徴は、容量を超過して通信制限にかかったとしても、通信速度が1Mbpsにしか下がらない点だ。これは従来の128kbpsに比べると、約8倍の速度であり、この数字についてドコモの吉澤和弘 代表取締役社長は「ストレスなく動画視聴、SNS利用できるスピード」と説明する。通信制限に苦い思いをした経験のある人にとっては嬉しいサービスだ。

筆者自身、よくモバイルデータ通信で動画視聴をしてしまうために、データ容量を超過してしまって「Yahoo! 乗り換え案内」や「グーグルマップ」を使えなくなり、泣く泣く1,000円を払って1GBを購入する、ということがよくある。

1Mbpsという速度は、それらのアプリを利用するのに不足なく、推奨速度が0.5Mbpsの「Youtubeを標準画質で視聴する」のにも十分なスピードだ。

通信容量を超過しても、dTVやYoutubeなどの動画配信サービス、TwitterやFacebookなどのSNSなどをストレスなく利用できる

30GBのデータ通信量は、従来は月額8,480円で提供していたウルトラデータLLパックに相当するが、新プランでは月額6,980円で利用できる。さらにこの価格は「みんなドコモ割(3回線)」に当てはまるユーザーであれば5,980円にまで下げられるため、ドコモとしてはこのプランで「約3割値下げした」という認識だ。

30GBの大容量からなる「ギガホ」プラン。標準価格は月額6,980円だが、2019年9月30日までに「ギガホ」に加入すると、「ギガホ割」が適用され、最大6か月間、1000円引きの月額5,980円で利用できる

一方の「ギガライト」は、KDDI(au)の「ピタットプラン」に似た、毎月利用したデータ量により料金が段階的に適用されるプラン。「動画はあまり見ない」「メールやSNSのチェックが多い」「自宅ではWi-Fiを使っている」といった利用者を想定したもので、このプランでは最大4割値下げの恩恵を受けられるユーザーもいる。

こちらの標準価格は、月額2,980円から。ここでも「みんなドコモ割(3回線)」を当てはめると、1GB以下の利用の場合は月額1,980円となり、従来の同社の「ベーシックシェアパック」での最安値である3,480円と比べると、約4割安くなる計算だ。

利用したデータ量に応じて料金が積み上げられる「ギガライト」

新プランはキャリア各社の「値下げ合戦」のトリガーに?

吉澤社長は、このタイミングで今回の新プランを発表した理由について、「今年は新規の事業者(楽天)も参入し、市場環境の変化が予測される。それに先んじて競争力を強化するのが狙い。マーケットリーダーとして、早めに(携帯料金の値下げを)実行に移した」と説明した。

NTTドコモが他社に先駆けて新プランを発表したことで、今後他社はこのプランを意識した新たな料金体系を検討することになるだろう。また、今年の10月にサービスを開始する予定の楽天の動きも未知数だ。

2018年8月、菅官房長官の「携帯電話料金はあと4割値下げできる余地がある」という発言から始まったキャリア各社の奔走は、ここにきてさらに熱を帯びることとなる。ひとまずは、NTTドコモのプランを踏まえてのソフトバンク、KDDI(au)のの料金プランがどう変化するかが見どころだ。

関連記事
給食「完食指導」は適者生存の虐待か? 子どもへの悪影響に賛否

カレー沢薫の時流漂流 第44回

給食「完食指導」は適者生存の虐待か? 子どもへの悪影響に賛否

2019.05.27

漫画家・コラムニスト カレー沢薫さんの社会派連載!

第44回は、子供のトラウマ「完食指導」問題について

給食の完食指導が問題になっている。

「お残しは許しまへんで!」

アニメ『忍たま乱太郎』に出てくる食堂のおばちゃんの有名な決めセリフである。

彼女はそのセリフの通り、それを破る者には烈火の如く怒り、時には一週間食事抜き、掃除をさせる等の罰も辞さないという、「食事を残す者を地獄の業火で焼く人物」として描かれている。

あくまでフィクションであるし、何せ彼女が飯を与えているのは忍者の卵である、今後おそらく山田風太郎の世界で活躍しなければいけない面々だ。適切に調理された食堂の飯が食えないようではやっていけるはずがない。

しかし、忍たま乱太郎の世界ではあれが適切としても、将来、忍にならない子ども相手にそれをやるのは問題なのではという声が挙がっている。

令和になっても残ってしまったトラウマ給食

石でも甘辛くしてもらえれば食える、という偏食のない人間には無縁な話だろうが、そうでない者には「給食のトラウマ」の一つや二つあるのではないだろうか。

一番多いのは「完食するまで帰れま10」だ。これが表題にもなっている「完食指導」である。食べきるまで昼休みに入らせなかったり、居残りをさせたりというものだが、中には「食べ物を無理やり口に詰め込まれて嘔吐」というストロングスタイルの指導を受けた者もいる。

ここまでなら、まだ個の問題だが「みんなが食べきるまで全員昼休みに入らせない」という、齢10にもいかない内から連座制の厳しさを叩きこむ学校もあるようだ。

これらは全て、トラウマとして残る。私でさえ、保育園の時、とりあえず口には入れたが長考したのち「やはり無理」と吐いたほうれん草の白和えのポップなビジュアルを未だ覚えているぐらいなので、無理やり口に入れられた人が忘れるわけがない。

漫画家の清野とおる先生も保育園の時、カワイイ女の子が無理やり嫌いなものを食べさせられ嘔吐したのがトラウマになっていると書いていたので、当事者でなくても同胞が目の前で嘔吐するというのは恐怖なのである。

その結果、傷を負い、登校拒否になったり体調不良を起こしたりする児童がおり、またこの経験から大人になっても「人と食事をするのが怖い」と感じる人もいるという。

そういった強制的完食指導に意味があるかというと、私はないと思う。なぜなら、未だにほうれん草の白和えが嫌いだし、義実家での食卓で姑が「今日の推し」と言わない限りは食わない気がするからだ。無理やり食わされても、大人なのでさすがに嘔吐はしないと思うが、代わりに耳あたりから出てくると思う。

このようにアレルギーでなくても「生理的に無理」な食べ物は存在する。生理的に無理な人の指が口の中に入ってくるところを想像して欲しい。「無理」としか言いようがないだろう。そのレベルでダメなものを飲みこませることが、人間にとってプラスになるとは思えない。

しかし、そこを慮りすぎて「好きな物しか食べない人間」になるのも問題である。「大して好きじゃない物」や「苦手な物」程度なら「感情を無にして食える」練習をしておいた方が、社会に出た時や義実家などでトラブルが起こりづらいのも確かである。

食育に力を入れている小学校では、生徒個人に合わせて最初から食べる量を増減させたり、または無理やり食べさせるのではなく、生徒自身が「今日俺ニンジン食っちゃうよ?」という気になるような給食環境づくりに取り組んだりしているという。

食事は「楽しい」ことが一番

昭和のトラウマランチタイムをサバイヴしてきた人間からすると、これらのやり方は「スイート」に感じられるかもしれない。

しかし、上記の食育に力を入れている学校の校長曰く「食事が楽しくなくなるのが一番ダメ」だそうだ。確かに、食事以外に楽しいことが一つもない、という人間は私含め大勢いるし、今の子どもの65%ぐらいはそういう大人になるはずである。(当社調べ)

そんな65%の唯一の楽しみを子どものころから奪うというのは、虐待と言っても過言ではないし、何のために生まれて来たのかさえわからなくなってしまう。

ちなみに私には90歳になる祖母がいるのだが、そのババア殿は一時期、シュークリームのクリームとジュースしか飲まないという、妖精みたいな生活を送っていたが、普通に生きている。何故なら、そのジュースが妖精になった老人用に作られたメチャクチャ栄養があるジュースだからである。このように、昔だと食事=適切な栄養を取る行為であったが、最近では食事からじゃなくても栄養はとれるようになってしまった。

ならば、食事をただの生命維持活動ではなく、「楽しみ」として重視していくのも自然の流れなのかもしれない。

もちろん、作ってくれた人への感謝など、倫理的なことを言えばやはり、偏食なく、出された物は何でも食えた方が良い。

よって、偏食が多い人も「これだけ嫌いなものがあるから出すな」「嫌いなものを食べさせようとするのはハラスメント」と己の権利を主張するだけでは、協調性がないと取られてしまう。

自分で作る、1人で食う、食事会でも自分が幹事をやって店を選ぶ、など嫌いな物を食べず、なおかつ周りにも不快感を与えない方法を考えていくべきだろう。この方法で、私は1年中300日ペペロソチーノだけを食い続けたが、特にトラブルはなかった。

と言いたいが夫に「くさい」と言われたので、自分の食を楽しみつつ、周りに迷惑をかけないのは、なかなか大変ことなのである。

関連記事
渦中のファーウェイ、スマホ新製品も発売延期が相次ぐ

渦中のファーウェイ、スマホ新製品も発売延期が相次ぐ

2019.05.24

米国政府がファーウェイを輸出規制リストに追加した

ファーウェイ製品の発売延期を決定する事業者が続出

輸出規制は世界経済の混乱を招く事態に……

米国政府がファーウェイを輸出規制リストに追加したことで、米中の貿易摩擦が加速している。5月21日には国内向けにスマホ新製品の発表会を開催したものの、発売を延期する事業者が相次ぐ事態となっている。

ファーウェイはスマホ新製品を発表したが、販路の多くで発売延期に

スマホ世界シェア2位に躍り出るなど、破竹の勢いで成長してきたファーウェイだが、果たして打開策はあるのだろうか。

世界シェアは再び2位に、国内でも攻勢に

ファーウェイはスマホ世界シェアでアップルと2位争いを繰り広げている。年末商戦シーズンにはアップルが2位に返り咲いたものの、2019年第1四半期にはファーウェイが前年比50%増となる5900万台を出荷したことで、再び2位に戻る形になった。

新製品発表会に登壇したファーウェイ デバイス 日本・韓国リージョン プレジデントの呉波氏

スマホ市場が伸び悩む中で、なぜファーウェイは劇的な成長を遂げたのだろうか。2018年後半から米中貿易摩擦が報じられる中、買い控える動きもある一方で、世界的な露出の増加によって、製品を手に取ってみる人が増えたことが背景にあるとファーウェイは見ている。

国内でも順調に伸びてきた。依然としてiPhoneはシェアの半数近くを占めるものの、直近1年間で最も売れたAndroidスマホはファーウェイの「P20 lite」だという(BCN調べ)。コスパの良さが高く評価されているのが特徴だ。

2019年夏モデルでは、NTTドコモがフラグシップ「P30 Pro」を、KDDIは「P30 lite PREMIUM」の取り扱いを発表。MVNOやオープン市場には「P30」と「P30 lite」を投入するなど、あらゆるセグメントに向けて最新ラインアップを一挙投入する予定だった。

ベストセラーの後継モデルとして期待される「HUAWEI P30 lite」

だが、こうしたファーウェイの快進撃に待ったをかけたのが、米商務省が発表した輸出規制リストへの追加だ。

複数の企業が取引を停止、国内で発売延期も相次ぐ

米商務省が5月15日にファーウェイを輸出規制リストに追加したことで、米国の製品やサービスをファーウェイに対して輸出することが同日より規制された。米国製の半導体やソフトウェアなどを利用できないのは大きな痛手だ。

その後、重要なサービスにファーウェイ製品を用いる企業向けに90日の猶予期間が設けられたものの、これからどうなるかは不透明な状況だ。グーグルやクアルコムなど米国企業をはじめ、米国技術に大きく依存している英Armもファーウェイとの取引を停止すると報じられている。

国内では早いものでは5月24日からP30シリーズのスマホが販売される予定だったが、大手キャリアやMVNO、量販店などが相次いで発売延期や予約停止を発表。既存のファーウェイ製品については販売が続いている状況だ。

NTTドコモが今夏発売予定の「HUAWEI P30 Pro」は予約受付を停止
KDDIの「HUAWEI P30 lite PREMIUM」の発売を延期した

ファーウェイは米国に頼らず必要な部品を調達する構えも見せているが、ファーウェイ包囲網は世界的に広がりつつある。OSであるAndroidはオープンソース版を自由に利用できるものの、グーグルのサービスがなければ海外展開は困難だ。

独自のKirinプロセッサーを有しているとはいえ、Armのライセンスがなければ開発継続は不可能とみられる。スマホ以外にも基地局などの通信インフラでファーウェイのシェアは高く、輸出規制が長引けば世界的に混乱を招きそうだ。

関連記事