ベール脱いだファーウェイ最強スマホ「P30 Pro」、カメラ性能でライバル圧倒

ベール脱いだファーウェイ最強スマホ「P30 Pro」、カメラ性能でライバル圧倒

2019.03.28

ファーウェイが「P30 Pro」を発表

月もキレイに撮影できる驚異の「50倍ズーム」

ファーウェイの強さは新製品サイクルの速さにあった

ファーウェイがフラグシップスマホの新製品「HUAWEI P30」シリーズを発表した。最大の特徴はカメラの劇的な強化で、ライバルを圧倒する「最大50倍デジタルズーム」などの最新技術を披露した。

ファーウェイがパリで「HUAWEI P30」シリーズを発表

2018年のP20シリーズと同じく、発表イベントはフランス・パリで開かれた。日本での発売も期待されるP30シリーズだが、果たしてどのような進化を遂げたのか。

驚異の50倍ズームで月を撮影

ファーウェイは2月のMWC19で折りたたみスマホの「Mate X」を発表したばかりだが、これはやや実験的な性格の端末だった。今回発表したP30とP30 Proは、同社のフラグシップモデルにあたるHUAWEI Pシリーズの新世代製品で、特にカメラを中心に機能を強化したモデルだ。

上位モデルの「HUAWEI P30 Pro」は、本体背面に3個のカメラと1個の深度測定カメラの合計4眼カメラを搭載。3個のカメラは超広角、広角、望遠のレンズを備えており、幅広い焦点距離の撮影に対応できる。

HUAWEI P30 Pro(グローバルモデル)

特筆すべきは暗所や望遠の撮影性能だ。暗所で重要なISO感度は、前モデルの102400から4倍相当となる409600に引き上げた。望遠は35mm換算で125mmのレンズにデジタル処理を組み合わせることで、10倍までのハイブリッドズームと50倍までのデジタルズームに対応した。

P30 Proのリアカメラ。合計4眼を搭載する

アップルやサムスンの最新スマホと比べて、星空や月の撮影で特に大きな違いがでるとして、実機で撮影したという写真も公開された。他機種では真っ暗にしか撮れない夜空でも、P30 Proなら星空を鮮やかに撮れるという作例や、模様まではっきりと分かる大きな月の写真は圧巻だ。

P30 Proでは月面の模様まで見て取れる(中央がP30 Pro)

こうした作例は、事前にプロの写真家によって念入りに作り込まれたものも多い。だがファーウェイは製品発表の場で、会場の照明を落とし、実際にiPhoneやGalaxyと撮り比べ、P30 Proの撮影性能をライブで証明していたことが印象的だった。相当な自信があるのだ。

会場内のサイネージをその場で撮影して比較するデモ(右がP30 Pro)

カメラとCPUを半年ごとに強化

ファーウェイのカメラが進化を続ける背景には、世界初をうたう「RYYB」方式のイメージセンサや、5倍ズームをスマホに収めるペリスコープ構造など、多岐に渡る最新技術を開発・保有していることがある。その技術開発の中で重要な要素となっているのが、各種の処理装置や通信モデムを統合するチップセット(SoC)の進化だ。

たとえば普通のデジカメなら、50倍のデジタルズームは確実に手ぶれしてしまう。ISO感度を40万に高めてもノイズだらけになるだろう。そこで最近のスマホは、連写した複数枚の写真を合成することで手ぶれやノイズを除去し、画質を高めている。

このとき、重要になるのが画像処理のスピードだ。シャッターを押した後のわずかな時間にどれだけ多くの画像処理ができるかで、画質は大きく変わってくる。チップセットの処理性能が高速になればなるほど、画質を向上できる余地が出てくるというわけだ。

P30 Proのチップセットは、2018年秋に登場した「Mate 20 Pro」と同じ「Kirin 980」に据え置かれたため、5Gへの対応にも一切言及されなかった。それでもファーウェイはKirin 980を最適化し、さらにカメラ性能を引き出してきた。

他の端末を充電するリバースチャージなど、Mate 20 Proの新機能はP30 Proにも取り込まれた

P30 Proのカメラを開発する上で足りなかった要素は、2019年秋に登場する次のMateシリーズが搭載するであろう次のKirinチップセットに活かされる。このカメラとチップセットを交互に短期間で強化していくサイクルが、今のファーウェイの強みだ。

当面の間、スマホの開発競争はカメラ機能を中心に進行し、その鍵を握るチップセットの性能の重要度は高まる一方だ。開発力でライバルを圧倒し始めたファーウェイの勢いは、まだまだ衰えることはなさそうに見える。

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2019.06.17

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放置されていた不寛容? 国会まで届いた「パンプス強要」騒動

カレー沢薫の時流漂流 第47回

放置されていた不寛容? 国会まで届いた「パンプス強要」騒動

2019.06.17

最近女性の間で「#MeToo」ならぬ「#KuToo」運動がにわかに盛り上がっている。

「#KuToo」とは「靴」と「苦痛」をかけており、職場や就職活動で、足を痛めるパンプスやヒール靴の強要をやめようという運動である。

そもそもそんなの誰も強要してねえよ、と思われるかもしれない。確かに規定として靴の形状やかかとの高さまで定めている会社はレアだろう。しかし、私の元いた会社でも、規則があるわけでも、誰に言われたでもなく、みな一様に黒のパンプスを履いていた。それが「暗黙のルール」であり、それ以外は「非常識」と見られる風潮は確かにあるのである。

これが就職活動になると、パンプスを履いていないだけで「こいつは常識がない」と見なされ不採用になってしまうかもしれない、ということだ。そうなると女子学生は足を負傷してでもパンプスを履かざるを得なくなってしまう。

正直、パンプスは苦痛

パンプスがそんなに苦痛か、というと、靴の中では殺傷能力が高い方である。これは他人への、という意味ではなく自分へのだ。他人を殺傷したいならカウボーイが履いている、かかとにピザカッターがついている奴を履いた方が良い。

狭いつま先に足の指が密集されるため、私もよく爪で隣の指を切って足を血だらけにしていたし、伸縮性にかける素材のため、あわないパンプスだと試着の時点で靴擦れが出来るレベルなのだ。

世の中には素肌に荒縄で亀甲縛りを施し、その上に上等なスーツを羽織って出社している人も多いと思う。とても痛いだろうが、それは強制されたわけではなく、その人が好きで楽しいからやっているのだ。

つまり、好きでもない上にとても痛いパンプスを強制で履かなければいけないというのは、上等なスーツの下が亀甲縛りなことよりも「異常」なことというわけだ。

この運動はすぐに広まり、いきなり国会でも議論されたという。これにより「厚労相がハイヒール強要を容認」という見出しのニュースまで踊り出ることになった。

完全に自由と言われても困るのでは?

「厚生省に、女がハイヒールを履かないと死ぬ病の人が!?」と驚いたが、記事をよく見ると見出しほどのことはなく、厚労相の発言は「これは社会通念に照らして業務上、必要かつ相等な範囲かと、この辺なんだろうと思います」というかなりボンヤリしたものであり、どっちでも良い事を聞かれた私のリアクションに似ている。

しかし「ハイヒールが履けない女は何やってもダメ」などと強い事を言っているわけではないが、「業務上必要ならパンプス履くべきだろ」という「容認」に聞こえなくもない。すぐさま「業務上ハイヒールが必要な仕事って何だよ」という疑問が挙がり、「SMの女王様」「(ハイヒールでキレッキレに踊る)perfume以外ありえない」などの声が相次いだ。

この社会問題がすぐ大喜利になってしまうのは良くも悪くも「ザ・ツイッター」という感じだ。

確かに「業務上必要」となると、まだかかとにピザカッターがついている靴の方が「ピザを食う時」必要な気がする。

ただ、靴や服装を完全に自由化し、何でもOKにすれば良いかというと、それはそれで問題が起きると思う。ファッションに疎くコーディネートが苦手な人間からすれば、職場に何を着ていいのか全く「指針」がないというのは迷子になるし、接する側としても、車を買いにいってディーラーが、イモ―タンジョ―の完コスで出てきたら「キャデラックしか買うことを許されないのか」と委縮してしまう。就活マナー本に「俺の考えた最強の就活ファッションで挑みましょう」とだけ書かれていても逆に困るだろう

着る側としても、それに接する側としても、社会において服装にある程度規定や模範があるというのはメリットでもあるのだ。

そもそも規定や常識というのは、秩序を作ることにより問題を減らすためにあるものなのだ。しかしそれが元で「足を負傷する」という「問題」が起こっているなら本末転倒なので、やはり解消はすべきなのだろう。

極論に流れない寛容さが足りない

おそらく「#KuToo」を提唱している人も「ドラゴン柄のコンバースで就活したい」と言っているわけではないのだ。最近は「パンプスに見えるスニーカー」なども存在するし、パンプスでなくても地味な靴はいくらでもある。そのような靴を履いていても「パンプスじゃないから非常識」と見るのをやめてほしいという話だろう。

ちなみに私が会社員時代履いていたパンプスだが、黒の革靴ではあったが、つま先は限りなく丸く、ヒールはなきに等しい、今思えばあれはパンプスだったのか、70過ぎのババアが旅行に行くときに履くヤツなんじゃないか、という代物であったが、特に何も言われなかった。

「#KuToo」が求めるのも、そのぐらいの「寛容さ」なのではないだろうか。

【お知らせ】
連載「カレー沢薫の時流漂流」の掲載場所を変更します。
→ 新しい掲載場所はこちら https://news.mynavi.jp/series/jiryu_hyoryu