世界シェア1位の「360度カメラ」が日本市場を狙うワケ

世界シェア1位の「360度カメラ」が日本市場を狙うワケ

2019.03.14

360度カメラのトップメーカーが日本でVRカメラを展開

1台でVR撮影と360度撮影ができる「Insta360 EVO」

今年こそ本当にVR元年? VRがSNSで普及する可能性

SB C&S(旧:ソフトバンク コマース&サービス)が国内代理店となり、Shenzhen Arashi Vision社の360度カメラ「Insta360 EVO」を日本市場向けに発売する。360度カメラというと、日本ではリコーの「THETA(シータ)」、海外勢でもGoPro社の「GoPro Fusion」あたりが知られているが、実はこの分野のトップランナーなのが「Insta360」だ。

新製品の「Insta360 EVO」

Shenzhen Arashi Visionは中国・深センに本拠地を置き、製品開発のスピードを武器に市場ニーズを捉え続け、一気にのし上がってきた若いカメラメーカーだ。Insta360は、この市場の先駆者たるリコーや、スマホ大手のSamsung、アクションカムで依然強いGoProを押さえ、世界シェア1位の360度カメラブランドとして君臨している。

Insta360 EVOのスペック

「Insta360 EVO」は4月12日に販売を開始する予定で、SoftBank SELECTIONやAmazonなどの各オンラインショップのほか、家電量販店でも取り扱う。価格は税込み5万6,570円。

Insta360 EVOの仕様

本体は5センチ四方の2つのカメラを連結したような折りたたみ式で、たたんだ状態では360度カメラ、広げた状態では180度の3Dカメラとして機能する。画質は360度撮影では5.7K(5,760×2,880)画素の動画、約1,800万画素の静止画。180度3D撮影でも同様の画素数で使える。

折りたたんで360度、開いて180度3Dカメラに
2つのアクションカムを連結したような本体

撮影したコンテンツは、製品付属のスマートフォン用3Dグラスで視聴できるほか、Oculus GoやGearVRなどのVRヘッドセットでも再生できる。スマートフォンに連動アプリを入れておけば、360度/180度3Dコンテンツに対応するFacebookやYoutubeなどのメディアへの投稿も手間なく行える。

製品にはスマホ用3Dグラスが付属。撮影コンテンツの視聴や、撮影中のプレビューにも使える

拡販の理由は、日本のVR市場を有望視しているから?

新モデル「Insta360 EVO」最大の特徴は、従来機が得意とした360度撮影だけでなく、いわゆるVRコンテンツ用の180度3D撮影も、この製品1台だけで対応できる点だ。

360度撮影だけでなく、VR用の180度3D撮影も1台でできる

VR市場は2016年頃に「VR元年」が叫ばれ、PlayStation VRなど家庭用のVR機器も登場したことで、昨年はグローバルでの市場規模が2016年比で2倍の4,000億円まで拡大した。その後も任天堂がVRキットを発表したり、AppleのVR参入も盛んに噂されたりしている。調査によっては、VR市場は2022年にはグローバルで1.8兆円まで拡大するという予測もある。一方日本に限れば、アナリストの派手な市場予測やVR元年の掛け声の割には、VRが広く普及したかといえば、いまいち伸び切れていない印象がある。

だがSB C&S コンシューマ事業本部 IoT事業推進本部の東俊介氏は、「YouTubeやFacebook、PlayStation、ニンテンドースイッチといった、一般家庭でも広く利用されているプラットフォームを持つ企業が、現在VRに熱視線を送っています。また半導体大手のインテルも、大規模スポーツイベントでVR生中継を計画しており、そう遠くないタイミングで、VRという存在が身近になるのではないでしょうか」と、VR普及の大波の到来はむしろ今こそ迫っているという認識だ。

また「EVOを使うことで、3D映像と360度映像のどちらも気軽に楽しむことができる。日々の生活の思いがけない瞬間や、臨場感強く記録したいシーンを、簡単に記録・再生(3Dメガネを同梱)できるEVOは、今後急速にVRの映像体験が身近になる中で、時代の先駆者になるのではないかと思い、今回の取り扱いに至りました」と、Insta360 EVOを日本市場に投入する狙いを説明した。

本体を開くと、2つのアクションカムが連結したような形状になる。この状態で180度3D撮影ができる

これまではゲーム体験がクローズアップされたVRだが、アクションカムの手軽さで、SNSのプラットフォームを通して個人の体験を3D映像でシェアする流れができれば、より身近でカジュアルに、VR普及の余地は大きく広がることになるだろう。Insta360はそもそも、360度カメラの体験を、SNS上で気軽にシェアできるというコンセプトがヒットした商品だ。

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総務省施策が追い風に? 携帯分離の「歴史的チャンス」狙うファーウェイ

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2019.03.20

モバイル業界を変える「携帯値下げ議論」が過熱

ファーウェイは日本を取り巻く環境を「歴史的チャンス」と発言

コスパ高いミッドレンジ端末でシェア拡大を目指す

20日、NTTドコモが特定の端末の購入を条件に通信料金を割り引く「docomo with」、購入する端末に応じて通信料金を割り引く「月々サポート」を終了する方針を固めたという報道が話題となっている。

国内のモバイル業界では携帯電話料金見直しが進んでおり、3月5日には総務省が中心に進めてきた端末代金と通信料金の分離が閣議決定された。NTTドコモは分離プランを軸とした新料金プランを4月に発表する見込みだ。

日本のモバイル市場を大きく変えるこの動きを「歴史的チャンス」と見ているのがファーウェイだ。2018年末から米中対立が加速する中、ファーウェイが打ち出すメッセージも語気を強めている。果たして日本市場でシェアを拡大できるのだろうか。

逆風吹けども、依然として業績は好調

今年に入り、ファーウェイの周辺が騒がしい。3月7日には、ファーウェイは米国政府を相手取って訴訟を起こした

さらにその内容をFacebookでライブ配信するなど、米国以外の世界市場に向けたメッセージにもしており、そのメッセージをまとめたウェブサイト「Huawei Facts」は、わざわざ日本語版も用意している。

2018年末から続く米中対立を巡る報道は、ファーウェイの業績にどのような影響を与えたのか。MWC19でインタビューに応じたファーウェイ・ジャパンの呉波氏は、「一部の消費者は影響を受けたが、2019年に入ってから売上は大幅に伸びている」と語った。

ファーウェイ デバイス 日本・韓国リージョン プレジデントの呉波(ゴ・ハ)氏

話題の「折りたたみスマホ」でもファーウェイは先行する。

ファーウェイに先立って折り畳みスマホを発表したサムスンだが、こちらはMWCではガラスケース内での「展示」のみにとどまったのに対し、ファーウェイは「Mate X」の実機を用いて報道関係者に折り曲げを試させるなど、製品化で一歩先を行っていることをアピールした。

ファーウェイの折りたたみスマホ「Mate X」。報道陣には手に取って折り曲げてみる機会も用意された

Mate Xは次世代移動通信の「5G」にも対応しており、日本では5Gサービスの開始を待って投入時期を見極める方針だという。

ちなみに3月26日に発表予定のフラグシップ機「HUAWEI P30」シリーズは、例年通りのタイミングで日本市場に投入するようだ。SIMフリーでの発売だけでなく、ドコモが採用した「HUAWEI P20 Pro」のように大手キャリアによる採用があるかどうかも注目したい。

分離プランを「歴史的チャンス」と捉えるワケ

一方、2019年の国内モバイル市場で話題となっているのが携帯料金における「分離プラン」の導入だ。KDDIとソフトバンクはすでに導入済みだが、NTTドコモは4月に発表する新料金プランから本格導入するとみられている。

分離プランの特徴は、NTTドコモの「月々サポート」のように回線契約と紐付けた端末の割引が禁止される点だ。端末の割引自体が禁止されるわけではないというものの、大幅な割引は難しくなる。その結果、10万円を超えるようなハイエンド機ではなく、3〜4万円で一括購入しやすいミッドレンジ機の需要が高まるとの見方が有力だ。

この動きをファーウェイはどう見ているのか。

呉氏は「非常に重要視している。スマホが登場したときや、SIMフリー市場が始まったときのインパクトに引けを取らない、歴史的な瞬間になる」と興奮気味に語る。

日本のSIMフリー市場でベストセラーとなった「HUAWEI P20 lite」を始め、ファーウェイのミッドレンジ機のラインアップは厚い。モデルによってはフラグシップと同じCPUでミッドハイの価格を実現するなど、コスパの高さも特徴だ。大手キャリア向けにさまざまな提案ができる体制といえる。

フラグシップと同じ「Kirin 980」搭載でミッドハイ価格の「HONOR View 20」

また、5G対応も順調だ。

モバイルWi-Fiルーターに強みを持つファーウェイは、MWC19でも5G対応ルーターを多く出展していた。日本ではまだ周波数の割り当てが終わっていないものの、国内大手キャリアは2019年内にもプレサービスを始める動きがある。5Gスマホが普及するまでの間、5Gルーターの需要は高まる可能性がある。

5G対応のモバイルWi-Fiルーターも出展していた

ミッドレンジ市場の拡大を狙って、今年はシャープやサムスン以外にも、ソニーモバイルの参入も予想されている。

この価格帯が激戦区になることは間違いないが、ファーウェイはその中で高コスパの製品ラインアップや、国内での地道な販促活動やブランドメッセージの打ち出しによって対抗していく構えだ。

ヨドバシカメラ梅田店での販促イベントの様子
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Googleがゲーム本格参入の衝撃、2019年中にゲーム基盤「STADIA」を投入

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2019.03.20

Googleが新しいゲームプラットフォームを発表

配信方式でゲーム機不要、「ゲーム機」の時代の終焉?

2019年内にローンチ、性能はプレステやXbox以上か

3月19日、米国で開催中のゲーム開発者会議「GDC 2019」の会場で、Googleがクラウドベースのゲーミングプラットフォーム「STADIA」を発表した。特定のゲーム機に縛られず、ネットに接続したスマホやパソコン、テレビを通してストリーミング(配信)形式でゲームをプレイできる。

この事業を担当するバイスプレジデントとして、STADIAを発表するフィル・ハリソン(Phil Harrison)氏。そもそも彼からして、元はソニーのプレイステーション立ち上げの主要メンバーで、その後Microsoftに移りXboxを担当したという経歴の持ち主

かねてより、MicrosoftのXbox事業のトップマネージャーを引き抜いた、ソニーでPlayStationのハード開発にかかわったエンジニアが転職したといった噂が頻繁に流れており、「Googleがゲーム市場に本格参入する」という憶測は強まっていた。実際に2018年には、Googleは「Project Stream」と呼ばれるストリーミング形式のゲーム基盤の計画を発表し、米国内でベータテスターを募って技術テストを行っていた。

STADIAは、Project Streamの延長線上にあるサービスと見られる。ユーザーは特定のゲーム機を持っている必要がなく、従来のゲーム機の役割をするのはGoogleの設置するデータセンターだ。簡単に言えばクラウドサービスのように、実際にゲームタイトルが動作しているのはデータセンター側で、ユーザーはインターネットを介してゲームを遠隔でプレイする。

STADIAのデータセンターから配信されたゲームをパソコンでプレイしている様子
パソコンで遊んでいたのと同じゲームを、タブレットやテレビでも同じように遊ぶことができる

このプラットフォームの特徴によって、例えばYouTubeで新作ゲームのトレーラー動画を見ていて気に入ったときには、そのページ内の「プレイする」ボタンを押すだけで、インストールすら不要で、動画を再生するかのようにそのゲームをプレイできるようになる。

そして、STADIAのデータセンターが持つゲーム機としてスペックは、サービス開始時のものとして、GPUの演算性能は10.7テラFlopsに達するといい、これはPlayStation 4 Proの4.2テラFlopsや、Xbox One Xの6.0テラFlopsを大きく上回る。映像品質も4K/60fpsのストリーミングに対応し、将来は8K/120fps対応も予定しているという。

STADIA用の「STADIAコントローラー」も販売する。SNSアップ用のボタンや、Googleアシスタントボタンが備わっている

Googleは2019年中にSTADIAをローンチする予定で、まずは米国、カナダ、欧州でサービスを開始すると説明している。発表を受けた翌20日の東京株式市場では、任天堂とソニーの株価が揃って大きく下落した。投資家たちが、GoogleのSTADIAによって、Nintendo SwitchやPlayStationのビジネスが脅かされると考えたからだ。

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