挑戦者「楽天」に世界が熱視線、モバイル事業のグローバル展開も視野?

挑戦者「楽天」に世界が熱視線、モバイル事業のグローバル展開も視野?

2019.03.08

楽天の三木谷社長がMWCの基調講演に登壇

海外展開について「夏以降に検討を始める」とコメント

基地局整備は順調、料金プランの詳細は語らず

「携帯値下げ」の法改正が急成長を妨げる可能性?

10月の携帯キャリアサービス開始に向けて着々と準備を進める楽天は、2月25日よりスペイン・バルセロナで開催された世界最大級のモバイル関連展示「MWC19 Barcelona」に出展し、世界のモバイル関係者に向けて、同社の取り組みをアピールした。

MWC19に出展した楽天ブース

楽天のインフラは既存キャリアとは大きく異なる最新技術で固めており、三木谷浩史社長は「携帯業界のアポロ計画」と表現する。目下の課題は日本国内でのサービス立ち上げだが、将来的な海外展開の可能性も見えてきた。

世界が注目する「クラウドベースの携帯キャリア」

MWC19の基調講演に登壇した楽天の三木谷浩史社長は、無線アクセスからコアまでをソフトウェアで動かす携帯キャリア構想を世界にアピールした。

MWC19の基調講演に登壇した楽天の三木谷浩史社長

楽天が注目される理由のひとつが、インターネットにサービスを展開する「OTTプレイヤー」が携帯キャリアに参入する点にある。グーグルは国をまたいだMVNOサービスを展開しているが、電波の割り当てを受け、基地局を整備する携帯キャリア事業に参入する事例は珍しい。

5Gへの移行を前提に、IT企業が得意とするクラウドや仮想化技術を携帯キャリアに持ち込む事に対して、楽天モバイルネットワークの山田善久社長は「手前味噌だが、楽天の発表はMWC19で最も話題になっているのではないか」と語る。

楽天モバイルネットワークの山田善久社長

残念ながら、基調講演の会場は満員とまではいかなかったものの、MWC19では世界の通信事業者から問い合わせがあり、関心を持たれた。楽天のやり方が成功すれば、海外でもその手法を採り入れる事業者が出てきそうだ。

そうなれば、楽天がキャリア構築で得たノウハウは海外でも需要が高まることだろう。三木谷氏は今後の海外展開について、「夏以降に検討を始める」と語っている。多くの携帯キャリアが国内事業を主軸としている中、楽天のモバイル事業はグローバル展開の可能性が見えてきた。

基地局整備は順調、料金プランの詳細は語らず

MWC19で大風呂敷を広げた楽天だが、目下の課題は10月の国内向けサービスの立ち上げだ。焦点となっているのは、東名阪での基地局整備、他キャリアよりも魅力的な料金設定、MVNOユーザーの移行、そして端末販売といった課題だ。

MWC19の基調講演後の質疑応答に応じる三木谷社長

携帯電話で最も重要なエリアについて、地方ではKDDIとの提携で2026年3月までローミングを利用できるため、auと同じエリアで利用できる。問題は楽天が自前で基地局を立てる東京23区、大阪、名古屋などの人口密集地だ。

基地局整備は順調に進んでおり、サービス開始に必要な整備は6月末に終わるという。地下鉄や地下街など設置が難しい場所では、既存キャリアと設備を共用する。だが、楽天が用いる1.7GHz帯は電波の回り込みがプラチナバンドほど良くはなく、どこまでカバーできるか注目される。

料金については、「シンプルな価格」「できるだけ囲い込むことはしない」との説明にとどまった。2019年はドコモの値下げやワイモバイルの分離プラン導入が予定されている中で、楽天が動けば他社に対抗されるのは必至であり、ぎりぎりまで公表しない構えだろう。

法改正で「三木谷割」がなくなる?

端末販売を得意としてきた楽天にとって、逆風も吹き始めた。MWC後の3月5日に、政府は回線契約による端末割引を禁止する方針を閣議決定。法改正が成立し、楽天もその対象となれば、「三木谷割」と呼ばれて成功を収めた、安値での端末バラマキは封じられ、急成長は難しくなる。

楽天モバイルでは音声回線とセットの端末セールが人気を集めている

将来的にはドコモやauのMVNOサービスを契約中の楽天モバイルユーザーを統合していくとの方針も示されたが、どのようなオファーになるかはまだ見えてこない。10月のサービス開始に向けて、徐々に明らかになっていく情報に注目したい。

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コスパ高いミッドレンジ端末でシェア拡大を目指す

20日、NTTドコモが特定の端末の購入を条件に通信料金を割り引く「docomo with」、購入する端末に応じて通信料金を割り引く「月々サポート」を終了する方針を固めたという報道が話題となっている。

国内のモバイル業界では携帯電話料金見直しが進んでおり、3月5日には総務省が中心に進めてきた端末代金と通信料金の分離が閣議決定された。NTTドコモは分離プランを軸とした新料金プランを4月に発表する見込みだ。

日本のモバイル市場を大きく変えるこの動きを「歴史的チャンス」と見ているのがファーウェイだ。2018年末から米中対立が加速する中、ファーウェイが打ち出すメッセージも語気を強めている。果たして日本市場でシェアを拡大できるのだろうか。

逆風吹けども、依然として業績は好調

今年に入り、ファーウェイの周辺が騒がしい。3月7日には、ファーウェイは米国政府を相手取って訴訟を起こした

さらにその内容をFacebookでライブ配信するなど、米国以外の世界市場に向けたメッセージにもしており、そのメッセージをまとめたウェブサイト「Huawei Facts」は、わざわざ日本語版も用意している。

2018年末から続く米中対立を巡る報道は、ファーウェイの業績にどのような影響を与えたのか。MWC19でインタビューに応じたファーウェイ・ジャパンの呉波氏は、「一部の消費者は影響を受けたが、2019年に入ってから売上は大幅に伸びている」と語った。

ファーウェイ デバイス 日本・韓国リージョン プレジデントの呉波(ゴ・ハ)氏

話題の「折りたたみスマホ」でもファーウェイは先行する。

ファーウェイに先立って折り畳みスマホを発表したサムスンだが、こちらはMWCではガラスケース内での「展示」のみにとどまったのに対し、ファーウェイは「Mate X」の実機を用いて報道関係者に折り曲げを試させるなど、製品化で一歩先を行っていることをアピールした。

ファーウェイの折りたたみスマホ「Mate X」。報道陣には手に取って折り曲げてみる機会も用意された

Mate Xは次世代移動通信の「5G」にも対応しており、日本では5Gサービスの開始を待って投入時期を見極める方針だという。

ちなみに3月26日に発表予定のフラグシップ機「HUAWEI P30」シリーズは、例年通りのタイミングで日本市場に投入するようだ。SIMフリーでの発売だけでなく、ドコモが採用した「HUAWEI P20 Pro」のように大手キャリアによる採用があるかどうかも注目したい。

分離プランを「歴史的チャンス」と捉えるワケ

一方、2019年の国内モバイル市場で話題となっているのが携帯料金における「分離プラン」の導入だ。KDDIとソフトバンクはすでに導入済みだが、NTTドコモは4月に発表する新料金プランから本格導入するとみられている。

分離プランの特徴は、NTTドコモの「月々サポート」のように回線契約と紐付けた端末の割引が禁止される点だ。端末の割引自体が禁止されるわけではないというものの、大幅な割引は難しくなる。その結果、10万円を超えるようなハイエンド機ではなく、3〜4万円で一括購入しやすいミッドレンジ機の需要が高まるとの見方が有力だ。

この動きをファーウェイはどう見ているのか。

呉氏は「非常に重要視している。スマホが登場したときや、SIMフリー市場が始まったときのインパクトに引けを取らない、歴史的な瞬間になる」と興奮気味に語る。

日本のSIMフリー市場でベストセラーとなった「HUAWEI P20 lite」を始め、ファーウェイのミッドレンジ機のラインアップは厚い。モデルによってはフラグシップと同じCPUでミッドハイの価格を実現するなど、コスパの高さも特徴だ。大手キャリア向けにさまざまな提案ができる体制といえる。

フラグシップと同じ「Kirin 980」搭載でミッドハイ価格の「HONOR View 20」

また、5G対応も順調だ。

モバイルWi-Fiルーターに強みを持つファーウェイは、MWC19でも5G対応ルーターを多く出展していた。日本ではまだ周波数の割り当てが終わっていないものの、国内大手キャリアは2019年内にもプレサービスを始める動きがある。5Gスマホが普及するまでの間、5Gルーターの需要は高まる可能性がある。

5G対応のモバイルWi-Fiルーターも出展していた

ミッドレンジ市場の拡大を狙って、今年はシャープやサムスン以外にも、ソニーモバイルの参入も予想されている。

この価格帯が激戦区になることは間違いないが、ファーウェイはその中で高コスパの製品ラインアップや、国内での地道な販促活動やブランドメッセージの打ち出しによって対抗していく構えだ。

ヨドバシカメラ梅田店での販促イベントの様子
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3月19日、米国で開催中のゲーム開発者会議「GDC 2019」の会場で、Googleがクラウドベースのゲーミングプラットフォーム「STADIA」を発表した。特定のゲーム機に縛られず、ネットに接続したスマホやパソコン、テレビを通してストリーミング(配信)形式でゲームをプレイできる。

この事業を担当するバイスプレジデントとして、STADIAを発表するフィル・ハリソン(Phil Harrison)氏。そもそも彼からして、元はソニーのプレイステーション立ち上げの主要メンバーで、その後Microsoftに移りXboxを担当したという経歴の持ち主

かねてより、MicrosoftのXbox事業のトップマネージャーを引き抜いた、ソニーでPlayStationのハード開発にかかわったエンジニアが転職したといった噂が頻繁に流れており、「Googleがゲーム市場に本格参入する」という憶測は強まっていた。実際に2018年には、Googleは「Project Stream」と呼ばれるストリーミング形式のゲーム基盤の計画を発表し、米国内でベータテスターを募って技術テストを行っていた。

STADIAは、Project Streamの延長線上にあるサービスと見られる。ユーザーは特定のゲーム機を持っている必要がなく、従来のゲーム機の役割をするのはGoogleの設置するデータセンターだ。簡単に言えばクラウドサービスのように、実際にゲームタイトルが動作しているのはデータセンター側で、ユーザーはインターネットを介してゲームを遠隔でプレイする。

STADIAのデータセンターから配信されたゲームをパソコンでプレイしている様子
パソコンで遊んでいたのと同じゲームを、タブレットやテレビでも同じように遊ぶことができる

このプラットフォームの特徴によって、例えばYouTubeで新作ゲームのトレーラー動画を見ていて気に入ったときには、そのページ内の「プレイする」ボタンを押すだけで、インストールすら不要で、動画を再生するかのようにそのゲームをプレイできるようになる。

そして、STADIAのデータセンターが持つゲーム機としてスペックは、サービス開始時のものとして、GPUの演算性能は10.7テラFlopsに達するといい、これはPlayStation 4 Proの4.2テラFlopsや、Xbox One Xの6.0テラFlopsを大きく上回る。映像品質も4K/60fpsのストリーミングに対応し、将来は8K/120fps対応も予定しているという。

STADIA用の「STADIAコントローラー」も販売する。SNSアップ用のボタンや、Googleアシスタントボタンが備わっている

Googleは2019年中にSTADIAをローンチする予定で、まずは米国、カナダ、欧州でサービスを開始すると説明している。発表を受けた翌20日の東京株式市場では、任天堂とソニーの株価が揃って大きく下落した。投資家たちが、GoogleのSTADIAによって、Nintendo SwitchやPlayStationのビジネスが脅かされると考えたからだ。

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