特急型電車のホームドア対応問題に、西武鉄道が出した秀逸な解答

特急型電車のホームドア対応問題に、西武鉄道が出した秀逸な解答

2019.03.08

輸送障害を防ぐためのホームドアが多くの駅に!

ホームドアが駅に設置できないとある事情とは?

通勤車両と異なる特急の乗降扉に対応するための工夫

西武鉄道の新型特急電車「Laview」の斬新な外観

西武鉄道の新型特急電車001系「Laview」は、大胆な外観や内装が驚かれ、このところメディアを賑わしている。斬新な発想に基づいてデザインされた車両であり、もちろん注目が集まるのも自然なことだ。2019年3月16日の営業運転開始が待たれる。

「未来志向」を感じさせる電車ではあるが、ただ単に見た目が素晴らしいというだけの特急ではない。最新型であるからには、現在の鉄道に要求されるあらゆる事項をクリアしていることは当たり前である。

公共交通機関に対して利用客がいちばん求めていることは、もちろん目的地までの安全かつ安定した輸送である。しかしながら首都圏においては、しばしば輸送障害が発生しているのが実情だ。その原因の多くが人身事故である。そのため、対策として「ホームドア」の整備が積極的に進められている。

特急型電車がホームドア整備のネック!?

国土交通省では「駅ホームにおける安全性向上のための検討会」が繰り返し開催され、中間とりまとめが2016年12月に行われている。それによれば、一日の利用客数が10万人を越える駅に対し、ホームドアを優先的に整備することとしている。「車両の扉位置が一定など」整備条件を満たしている場合は、原則として2020年度までに整備を完了することが目標だ。

ただ、ホームドア整備のいちばんのネックは、実は車両により一致しない扉位置。すべての電車の扉の位置がそろっている東京メトロ・丸ノ内線などでは、比較的早くホームドア整備が完了したのに対し、西武鉄道をはじめ小田急電鉄、東武鉄道、あるいはJR東海道本線などではホームドアの整備が遅れている。それは、特急型電車の存在が大きく影響しているからである。

すべての電車が同じ形式、同じ扉位置のため、ホームドアが速やかに整備できた丸ノ内線

そもそも特急型電車は、長距離旅行向けに乗降扉部分と客室とが分離している構造が一般的であり、乗降扉も車端部に極力寄せて客室を広く取るのが、どの会社でもふつうの設計であった。西武鉄道の「Laview」も例外ではない。しかしそれでは、同じ線路を走り同じホームに発着する、片側に3~4カ所に乗降扉がある通勤型電車と、扉の位置が合うはずがない。

特急型電車の扉位置を合わせる工夫

では、特急型電車を運行している各社は、ホームドア整備に際してどのような対応策を採ったのだろうか。西武鉄道の場合、既存の特急型電車10000系「ニューレッドアロー」が老朽化による取り替え時期を迎え、新型車を投入するこのタイミングで手を打った。

「Laview」については、筆者は乗降扉の位置に最初から注目していた。ホームドア対策が施されていないはずがないからだ。果たして各号車とも、もっとも車両の端になる車端部には乗降扉を配置していなかった。少し内側に寄せることによって、片側4扉の通勤型電車のいちばん車端部に近い扉に対応するホームドアの開口部に、「Laview」の扉位置を合わせたのだ。

「Laview」の乗降扉は、車端部から離されて配置されている

報道公開の際、筆者は乗降扉が車端部からどのぐらい内側に寄っているか、大まかにではあるが実測してみた。すると、車両の端から約135cmの位置に、乗降扉開口部の外側があった。乗降扉の幅自体は85cmである。

一方、すでに池袋駅に設置されているホームドア(通勤型電車のみが発着するホームにある)では、こちらも電車の車端部からホームドアの開口部まではおおむね120cm。ホームドアの開口部自体の幅は145cmである。

目立たない点ではあるが、これは重要な改良である。この特急が走る西武池袋・秩父線では、所沢駅などで通勤型電車とホームを共用することになる。将来、ホームドアが整備される際、「Laview」の扉位置が妨げになることはない。

乗降扉が内側に寄った分の車内スペースは、曲線状にデザインされた黄色い内壁だけが目立つエントランスとなっている。内壁と外壁の間には機器類が収納されているとのことだが、限られた空間の使い方としては、いささかもったいなく思えるほどだ。これも、ホームドアにより駅ホームの安全を保つために必要なスペースとして、割り切られたのである。

「Laview」では、もったいないとも思えるスペースを設けることで、扉の位置を調節した

各社が工夫をはじめた「ホームドア」設置への条件整備

こうした構造の特急型電車としては、2018年に営業運転を開始した、小田急電鉄70000形「GSE」が先鞭をつけている。この車両も車端部には乗降扉がなく、一部の号車では本来、客室内に設ければ便利なはずの荷物置場を、わざわざ客室外の車端部に置くなど、車内設備の配置を工夫して将来的なホームドア整備に対応している。

小田急の新型特急電車「GSE」も、車端部ではなく車両内側に乗降扉を設けている

東武鉄道の500系「Revaty」は2017年にデビューしたが、この特急型電車は、3両編成を組み合わせて運用することを前提にしていることから、両先頭車は運転台の直後に扉がある。中間車はトイレなどの隣に乗降扉を配して、巧みに車端部への乗降扉設置を避けている。

東武鉄道の「Revaty」も乗降扉の位置を工夫している

では、既存の特急型電車で、まだ取り替え時期に達していないものは、どう対応するのだろうか。より幅広い範囲の乗降扉位置に対応する「ワイドドアタイプ」あるいは、「昇降式(ロープ式)」のホームドアを採用することも一案だ。前者は通勤型電車でも扉の位置や幅が異なるものが走っている東京メトロ東西線、後者は片側3扉車と4扉車が混在している、JR西日本の路線で採用されている。

もっと簡単な解決方法を編み出したのが、東京メトロ・千代田線だ。この線には小田急電鉄から直通の特急ロマンスカー60000形「MSE」が乗り入れてきている。MSEは2008年のデビューと新しく、最近も増備が行われた車両である。だが、「ホームドア対策」は施されておらず、乗降扉もおおむね車端部ぎりぎりにある。

一方、千代田線も混雑が激しい路線であり、ホームドア整備は喫緊の課題だ。そこでどうしたかといえば、特急に限り、普通列車とは停止位置を少しずらして、「ホームドアと場所が一致する乗降扉のみ開ける」ことにしたのだ。一部の乗降扉、およびホームドアのみを開閉させる技術は、まったく難しいものではない。

ホームドアに合う位置の扉だけ開閉することにした、千代田線内の小田急「MSE」

MSEのこの施策は、2018年10月20日より実施された。もちろん、すべての乗降扉を開くことはできないが、通勤型電車に合わせたホームドアを設置した駅でも、10両編成の特急の場合は6カ所で乗降可能となったのである。なお、千代田線内で扉を限定した乗降方法は、乗り入れ当初から行われていた。今回は、乗り降りできる号車が変わったということだ。

こうした各社のホームドア対策を観察してみると、やはり西武「Laview」の設計が後発だけに、スマートに思えてくる。鉄道会社の看板である特急型電車と通勤型電車の共存方法は、まだこれから各社の大きな課題となってくるだろう。

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20日、NTTドコモが特定の端末の購入を条件に通信料金を割り引く「docomo with」、購入する端末に応じて通信料金を割り引く「月々サポート」を終了する方針を固めたという報道が話題となっている。

国内のモバイル業界では携帯電話料金見直しが進んでおり、3月5日には総務省が中心に進めてきた端末代金と通信料金の分離が閣議決定された。NTTドコモは分離プランを軸とした新料金プランを4月に発表する見込みだ。

日本のモバイル市場を大きく変えるこの動きを「歴史的チャンス」と見ているのがファーウェイだ。2018年末から米中対立が加速する中、ファーウェイが打ち出すメッセージも語気を強めている。果たして日本市場でシェアを拡大できるのだろうか。

逆風吹けども、依然として業績は好調

今年に入り、ファーウェイの周辺が騒がしい。3月7日には、ファーウェイは米国政府を相手取って訴訟を起こした

さらにその内容をFacebookでライブ配信するなど、米国以外の世界市場に向けたメッセージにもしており、そのメッセージをまとめたウェブサイト「Huawei Facts」は、わざわざ日本語版も用意している。

2018年末から続く米中対立を巡る報道は、ファーウェイの業績にどのような影響を与えたのか。MWC19でインタビューに応じたファーウェイ・ジャパンの呉波氏は、「一部の消費者は影響を受けたが、2019年に入ってから売上は大幅に伸びている」と語った。

ファーウェイ デバイス 日本・韓国リージョン プレジデントの呉波(ゴ・ハ)氏

話題の「折りたたみスマホ」でもファーウェイは先行する。

ファーウェイに先立って折り畳みスマホを発表したサムスンだが、こちらはMWCではガラスケース内での「展示」のみにとどまったのに対し、ファーウェイは「Mate X」の実機を用いて報道関係者に折り曲げを試させるなど、製品化で一歩先を行っていることをアピールした。

ファーウェイの折りたたみスマホ「Mate X」。報道陣には手に取って折り曲げてみる機会も用意された

Mate Xは次世代移動通信の「5G」にも対応しており、日本では5Gサービスの開始を待って投入時期を見極める方針だという。

ちなみに3月26日に発表予定のフラグシップ機「HUAWEI P30」シリーズは、例年通りのタイミングで日本市場に投入するようだ。SIMフリーでの発売だけでなく、ドコモが採用した「HUAWEI P20 Pro」のように大手キャリアによる採用があるかどうかも注目したい。

分離プランを「歴史的チャンス」と捉えるワケ

一方、2019年の国内モバイル市場で話題となっているのが携帯料金における「分離プラン」の導入だ。KDDIとソフトバンクはすでに導入済みだが、NTTドコモは4月に発表する新料金プランから本格導入するとみられている。

分離プランの特徴は、NTTドコモの「月々サポート」のように回線契約と紐付けた端末の割引が禁止される点だ。端末の割引自体が禁止されるわけではないというものの、大幅な割引は難しくなる。その結果、10万円を超えるようなハイエンド機ではなく、3〜4万円で一括購入しやすいミッドレンジ機の需要が高まるとの見方が有力だ。

この動きをファーウェイはどう見ているのか。

呉氏は「非常に重要視している。スマホが登場したときや、SIMフリー市場が始まったときのインパクトに引けを取らない、歴史的な瞬間になる」と興奮気味に語る。

日本のSIMフリー市場でベストセラーとなった「HUAWEI P20 lite」を始め、ファーウェイのミッドレンジ機のラインアップは厚い。モデルによってはフラグシップと同じCPUでミッドハイの価格を実現するなど、コスパの高さも特徴だ。大手キャリア向けにさまざまな提案ができる体制といえる。

フラグシップと同じ「Kirin 980」搭載でミッドハイ価格の「HONOR View 20」

また、5G対応も順調だ。

モバイルWi-Fiルーターに強みを持つファーウェイは、MWC19でも5G対応ルーターを多く出展していた。日本ではまだ周波数の割り当てが終わっていないものの、国内大手キャリアは2019年内にもプレサービスを始める動きがある。5Gスマホが普及するまでの間、5Gルーターの需要は高まる可能性がある。

5G対応のモバイルWi-Fiルーターも出展していた

ミッドレンジ市場の拡大を狙って、今年はシャープやサムスン以外にも、ソニーモバイルの参入も予想されている。

この価格帯が激戦区になることは間違いないが、ファーウェイはその中で高コスパの製品ラインアップや、国内での地道な販促活動やブランドメッセージの打ち出しによって対抗していく構えだ。

ヨドバシカメラ梅田店での販促イベントの様子
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3月19日、米国で開催中のゲーム開発者会議「GDC 2019」の会場で、Googleがクラウドベースのゲーミングプラットフォーム「STADIA」を発表した。特定のゲーム機に縛られず、ネットに接続したスマホやパソコン、テレビを通してストリーミング(配信)形式でゲームをプレイできる。

この事業を担当するバイスプレジデントとして、STADIAを発表するフィル・ハリソン(Phil Harrison)氏。そもそも彼からして、元はソニーのプレイステーション立ち上げの主要メンバーで、その後Microsoftに移りXboxを担当したという経歴の持ち主

かねてより、MicrosoftのXbox事業のトップマネージャーを引き抜いた、ソニーでPlayStationのハード開発にかかわったエンジニアが転職したといった噂が頻繁に流れており、「Googleがゲーム市場に本格参入する」という憶測は強まっていた。実際に2018年には、Googleは「Project Stream」と呼ばれるストリーミング形式のゲーム基盤の計画を発表し、米国内でベータテスターを募って技術テストを行っていた。

STADIAは、Project Streamの延長線上にあるサービスと見られる。ユーザーは特定のゲーム機を持っている必要がなく、従来のゲーム機の役割をするのはGoogleの設置するデータセンターだ。簡単に言えばクラウドサービスのように、実際にゲームタイトルが動作しているのはデータセンター側で、ユーザーはインターネットを介してゲームを遠隔でプレイする。

STADIAのデータセンターから配信されたゲームをパソコンでプレイしている様子
パソコンで遊んでいたのと同じゲームを、タブレットやテレビでも同じように遊ぶことができる

このプラットフォームの特徴によって、例えばYouTubeで新作ゲームのトレーラー動画を見ていて気に入ったときには、そのページ内の「プレイする」ボタンを押すだけで、インストールすら不要で、動画を再生するかのようにそのゲームをプレイできるようになる。

そして、STADIAのデータセンターが持つゲーム機としてスペックは、サービス開始時のものとして、GPUの演算性能は10.7テラFlopsに達するといい、これはPlayStation 4 Proの4.2テラFlopsや、Xbox One Xの6.0テラFlopsを大きく上回る。映像品質も4K/60fpsのストリーミングに対応し、将来は8K/120fps対応も予定しているという。

STADIA用の「STADIAコントローラー」も販売する。SNSアップ用のボタンや、Googleアシスタントボタンが備わっている

Googleは2019年中にSTADIAをローンチする予定で、まずは米国、カナダ、欧州でサービスを開始すると説明している。発表を受けた翌20日の東京株式市場では、任天堂とソニーの株価が揃って大きく下落した。投資家たちが、GoogleのSTADIAによって、Nintendo SwitchやPlayStationのビジネスが脅かされると考えたからだ。

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