当たり前の便利が限界を迎えつつある「コンビニ24時間営業」問題

カレー沢薫の時流漂流 第31回

当たり前の便利が限界を迎えつつある「コンビニ24時間営業」問題

2019.03.11

漫画家・コラムニスト カレー沢薫さんの社会派連載!

第31回は、セブンのFC店舗に端を発した「コンビニ24時間営業」問題

都会のコンビニでは、もはや店員が日本人であることの方がレアになってきた。様々な国の人がレジについており、漏れなく私より日本語が上手い。

私より会話が不自由な人は未だかつて見たことはないが、まだ日本語に不慣れな外国人が業務についていることもある。そういう人に入ってもらわなければいけないほど、今コンビニ業界は人手不足なのだ。

この空前の人手不足により、コンビニ本部とフランチャイズ店オーナーとの諍いがついに表面化することとなった。

大阪のセブン-イレブンが本部の許可なく時短営業をしたとして、本部は同店に対し、フランチャイズ契約の解除通知と1700万円の違約金を請求したという報道があった。これに関しては「そこまではしていない」との報道もあるのでまだ不確かではあるが、とにかくオーナーの一存により時短営業をしたことで、本部と揉めたことだけは確かなようである。

何故同店のオーナーが時短営業を強行したかというと、ただでさえコンビニの人材確保が難しい中、妻がガンになり、再三本部に時短営業や人材派遣を申し入れたが聞き入れてもらえず、そのうちに妻は死去。妻の死後も1人で何とかやってきたが限界となり、本部の許可なく時短に踏み切ったという。

この話だけ聞くと、コンビニ経営は「24時間営業沼」というハリーポッター級の地獄ニューアトラクションであり、セブン-イレブン本部は鬼ということになる。

実際、オーナー側に同情の声が多く寄せられたのだが、世論がどちらかに偏ると必ず「逆張り」をしたがる人間がでるため、この騒動でも「そうは言ってもこの親父の接客もなかなかクソでしたよ」というネット特捜班による一石が投じられ、いつものインターネット泥レスへと発展していった。

だが、たとえここのオーナーの接客が、ガリガリくんをチンした上に箸をつけるぐらいクソだったとしても、24時間営業の是非とは別の問題だ。人手不足によって24時間営業が厳しいと感じている店舗は、オーナーのクソ具合に関わらず多いだろう。今回の店舗を封殺したところで、今後同じような24時間営業をめぐる本部とFC店との争いは増えて行きそうだ。

“24時間厨”が変わらざるを得ない時代

だがそれ以前に、「コンビニはオーナーの一存で経営時間を変えてはいけない」ということを初めて知った人も多いのではないだろうか。

確かにセブン-イレブンのフランチャイズ契約には、要約するに「うちの名前で商売するからには年中無休で24時間営業してもらう」旨が書かれているのだ。それに合意したからには、どんな事情があっても勝手に時短するのは契約違反となり、もし訴訟になっても、オーナー側は不利だという。

しかし、本部側も店舗経営者に「予期せぬ事態」が起こった際は援助を出すという義務がある。実際、件のオーナーの妻が亡くなる1か月前や葬儀の際には、本部の人間がヘルプとしてシフトに入ってくれたようなのだが、それ以上の援助は受けられなかったという。

つまり、「予期せぬ事態が起こった時の本部からの援助」というのはオーナー側が期待するほど得られないようだ。中には親の通夜を抜け出し、泣きながら勤務した人もいるという。客にしてみれば、コンビニが閉まっていることより「レジの奴が何か泣いてる」方が事件である。

ここまで来ると「そこまでして24時間営業しなくていいじゃない」と思う人も多いと思う。それに対し、「実は俺もそう思ってた」といち早く言い出したのはファミマである。社長が「24時間営業は無理してやらなくていいと思う」とインタビューで答えていたり、すでに「ファミマだけど24時間営業をやめてみた」という「実験店」もあったりするそうだ。

それに対し、強固な24時間厨であったのがセブン-イレブンだ。セブン-イレブンとしては「24時間営業」というコンビニ最大の売りであるイメージを崩したくないのと、コンビニは「社会のインフラ」であるということを理由としている。

確かに有事の際でも開いているコンビニは頼もしい存在だが、別に国からインフラとしての援助などはもらっていないのだ。要するに、時給1000円以下のバイトが、災害時に「社会のインフラ」としての責務を負わされていたりするのである。さすがにそれは荷が重すぎる。

逆に、コンビニが便利過ぎるが故に、我々もコンビニに公僕級の働きを求めるようになったため、セブンが24時間にこだわるようになったと言えなくもない。しかし、24時間を固持していたセブン-イレブンも、今回の騒動で「24時間じゃなくても良い」という声が高まったかどうかはわからないが、一転して「24時間を見直す実験をする」と発表している。

実際、コンビニが24時間営業じゃなくなったら、最初のうちはやはり不便だと感じるだろうし、文句の一つも言うだろうが、その不便にもいつか慣れるだろう。

だが、ひたすら不便に耐えて未曾有の人材不足を乗り越える、というのも時代に逆行している気もする。都会のコンビニではセルフレジが導入されているところもあるというし、国内外で無人コンビニの実験も行われていると聞く。

「人間のムリによって成り立つ便利」をなくし、AIやロボットなどの技術を使った「新しい便利」を考えていくべきだろう。

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コスパ高いミッドレンジ端末でシェア拡大を目指す

20日、NTTドコモが特定の端末の購入を条件に通信料金を割り引く「docomo with」、購入する端末に応じて通信料金を割り引く「月々サポート」を終了する方針を固めたという報道が話題となっている。

国内のモバイル業界では携帯電話料金見直しが進んでおり、3月5日には総務省が中心に進めてきた端末代金と通信料金の分離が閣議決定された。NTTドコモは分離プランを軸とした新料金プランを4月に発表する見込みだ。

日本のモバイル市場を大きく変えるこの動きを「歴史的チャンス」と見ているのがファーウェイだ。2018年末から米中対立が加速する中、ファーウェイが打ち出すメッセージも語気を強めている。果たして日本市場でシェアを拡大できるのだろうか。

逆風吹けども、依然として業績は好調

今年に入り、ファーウェイの周辺が騒がしい。3月7日には、ファーウェイは米国政府を相手取って訴訟を起こした

さらにその内容をFacebookでライブ配信するなど、米国以外の世界市場に向けたメッセージにもしており、そのメッセージをまとめたウェブサイト「Huawei Facts」は、わざわざ日本語版も用意している。

2018年末から続く米中対立を巡る報道は、ファーウェイの業績にどのような影響を与えたのか。MWC19でインタビューに応じたファーウェイ・ジャパンの呉波氏は、「一部の消費者は影響を受けたが、2019年に入ってから売上は大幅に伸びている」と語った。

ファーウェイ デバイス 日本・韓国リージョン プレジデントの呉波(ゴ・ハ)氏

話題の「折りたたみスマホ」でもファーウェイは先行する。

ファーウェイに先立って折り畳みスマホを発表したサムスンだが、こちらはMWCではガラスケース内での「展示」のみにとどまったのに対し、ファーウェイは「Mate X」の実機を用いて報道関係者に折り曲げを試させるなど、製品化で一歩先を行っていることをアピールした。

ファーウェイの折りたたみスマホ「Mate X」。報道陣には手に取って折り曲げてみる機会も用意された

Mate Xは次世代移動通信の「5G」にも対応しており、日本では5Gサービスの開始を待って投入時期を見極める方針だという。

ちなみに3月26日に発表予定のフラグシップ機「HUAWEI P30」シリーズは、例年通りのタイミングで日本市場に投入するようだ。SIMフリーでの発売だけでなく、ドコモが採用した「HUAWEI P20 Pro」のように大手キャリアによる採用があるかどうかも注目したい。

分離プランを「歴史的チャンス」と捉えるワケ

一方、2019年の国内モバイル市場で話題となっているのが携帯料金における「分離プラン」の導入だ。KDDIとソフトバンクはすでに導入済みだが、NTTドコモは4月に発表する新料金プランから本格導入するとみられている。

分離プランの特徴は、NTTドコモの「月々サポート」のように回線契約と紐付けた端末の割引が禁止される点だ。端末の割引自体が禁止されるわけではないというものの、大幅な割引は難しくなる。その結果、10万円を超えるようなハイエンド機ではなく、3〜4万円で一括購入しやすいミッドレンジ機の需要が高まるとの見方が有力だ。

この動きをファーウェイはどう見ているのか。

呉氏は「非常に重要視している。スマホが登場したときや、SIMフリー市場が始まったときのインパクトに引けを取らない、歴史的な瞬間になる」と興奮気味に語る。

日本のSIMフリー市場でベストセラーとなった「HUAWEI P20 lite」を始め、ファーウェイのミッドレンジ機のラインアップは厚い。モデルによってはフラグシップと同じCPUでミッドハイの価格を実現するなど、コスパの高さも特徴だ。大手キャリア向けにさまざまな提案ができる体制といえる。

フラグシップと同じ「Kirin 980」搭載でミッドハイ価格の「HONOR View 20」

また、5G対応も順調だ。

モバイルWi-Fiルーターに強みを持つファーウェイは、MWC19でも5G対応ルーターを多く出展していた。日本ではまだ周波数の割り当てが終わっていないものの、国内大手キャリアは2019年内にもプレサービスを始める動きがある。5Gスマホが普及するまでの間、5Gルーターの需要は高まる可能性がある。

5G対応のモバイルWi-Fiルーターも出展していた

ミッドレンジ市場の拡大を狙って、今年はシャープやサムスン以外にも、ソニーモバイルの参入も予想されている。

この価格帯が激戦区になることは間違いないが、ファーウェイはその中で高コスパの製品ラインアップや、国内での地道な販促活動やブランドメッセージの打ち出しによって対抗していく構えだ。

ヨドバシカメラ梅田店での販促イベントの様子
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2019.03.20

Googleが新しいゲームプラットフォームを発表

配信方式でゲーム機不要、「ゲーム機」の時代の終焉?

2019年内にローンチ、性能はプレステやXbox以上か

3月19日、米国で開催中のゲーム開発者会議「GDC 2019」の会場で、Googleがクラウドベースのゲーミングプラットフォーム「STADIA」を発表した。特定のゲーム機に縛られず、ネットに接続したスマホやパソコン、テレビを通してストリーミング(配信)形式でゲームをプレイできる。

この事業を担当するバイスプレジデントとして、STADIAを発表するフィル・ハリソン(Phil Harrison)氏。そもそも彼からして、元はソニーのプレイステーション立ち上げの主要メンバーで、その後Microsoftに移りXboxを担当したという経歴の持ち主

かねてより、MicrosoftのXbox事業のトップマネージャーを引き抜いた、ソニーでPlayStationのハード開発にかかわったエンジニアが転職したといった噂が頻繁に流れており、「Googleがゲーム市場に本格参入する」という憶測は強まっていた。実際に2018年には、Googleは「Project Stream」と呼ばれるストリーミング形式のゲーム基盤の計画を発表し、米国内でベータテスターを募って技術テストを行っていた。

STADIAは、Project Streamの延長線上にあるサービスと見られる。ユーザーは特定のゲーム機を持っている必要がなく、従来のゲーム機の役割をするのはGoogleの設置するデータセンターだ。簡単に言えばクラウドサービスのように、実際にゲームタイトルが動作しているのはデータセンター側で、ユーザーはインターネットを介してゲームを遠隔でプレイする。

STADIAのデータセンターから配信されたゲームをパソコンでプレイしている様子
パソコンで遊んでいたのと同じゲームを、タブレットやテレビでも同じように遊ぶことができる

このプラットフォームの特徴によって、例えばYouTubeで新作ゲームのトレーラー動画を見ていて気に入ったときには、そのページ内の「プレイする」ボタンを押すだけで、インストールすら不要で、動画を再生するかのようにそのゲームをプレイできるようになる。

そして、STADIAのデータセンターが持つゲーム機としてスペックは、サービス開始時のものとして、GPUの演算性能は10.7テラFlopsに達するといい、これはPlayStation 4 Proの4.2テラFlopsや、Xbox One Xの6.0テラFlopsを大きく上回る。映像品質も4K/60fpsのストリーミングに対応し、将来は8K/120fps対応も予定しているという。

STADIA用の「STADIAコントローラー」も販売する。SNSアップ用のボタンや、Googleアシスタントボタンが備わっている

Googleは2019年中にSTADIAをローンチする予定で、まずは米国、カナダ、欧州でサービスを開始すると説明している。発表を受けた翌20日の東京株式市場では、任天堂とソニーの株価が揃って大きく下落した。投資家たちが、GoogleのSTADIAによって、Nintendo SwitchやPlayStationのビジネスが脅かされると考えたからだ。

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