「0円マイカー」を実現? DeNAとSOMPOが個人間カーシェアとマイカーリースで新会社

「0円マイカー」を実現? DeNAとSOMPOが個人間カーシェアとマイカーリースで新会社

2019.03.01

個人間カーシェア「Anyca」の利用者拡大を目指す両社

本当に「ゼロ円」で「マイカー」が持てるのか

クルマのサブスクリプションサービスにも参入

DeNAとSOMPOホールディングス(以下、SOMPO)は2つの合弁会社を立ち上げる。1つはDeNAが展開してきた個人間カーシェアリングサービス「Anyca」(エニカ)を引き継ぐ「DeNA SOMPO Mobility」、もう1つはマイカーリース事業を手掛ける「DeNA SOMPO Carlife」だ。両社は2019年2月28日、合弁会社設立に関する合意書を締結した。

個人間カーシェアを自動車保険契約者に提案

まず、「DeNA SOMPO Mobility」が引き継ぐAnycaの概要と、今回の合弁会社設立で何が変わるのかを見ていきたい。

Anycaはクルマのオーナーとクルマを使いたいユーザーをつなぐ個人間カーシェアのプラットフォームだ。クルマを提供する側は、シェアリングで得た収入を充当することで、クルマの維持費を低減することができる。DeNAの試算によれば、自家用車の年間稼働率はわずか3%だというから、クルマを使っていない時間を有効活用するには便利なサービスだ。

「Anyca」は会員数20万人以上、車両登録数7,000台以上の規模を持つプラットフォームだ

ただ、知らない相手にクルマを貸すことには、心理的なハードルがある。人とクルマの付き合い方は「所有から利用へ」というのが現代の潮流ではあるものの、クルマに関するライフスタイルを変える上で、「最大のボトルネックは不安」とDeNAの南場智子社長は指摘する。

DeNAが損害保険ジャパン日本興亜(以下、損保ジャパン日本興亜)を擁するSOMPOと組む背景には、個人間カーシェアに付きまとう不安を解消したいという考えがある。さらには、SOMPOが抱える自動車保険の顧客網を活用すれば、Anyca利用者を一気に拡大できるという目算もあるらしい。

DeNAの南場智子社長

では、SOMPOはAnycaに不安を覚える潜在的利用者に何を提供するのか。損保ジャパン日本興亜執行役員でビジネスデザイン戦略部長を務める中村愼一氏によると、例えば、Anycaで使用された時間に応じて、クルマを提供したオーナーの自動車保険を割り引いたり、万が一、貸したクルマが帰ってこなかった場合には、その損失を補填するような保険を提供したりといったアイデアがあるそうだ。

Anycaの利用者拡大に向けては、同社の顧客網が役に立つという。1,300万件の自動車保険契約者を抱える損保ジャパン日本興亜は、「契約者がどこに住んでいて、どんなクルマを持っており、使用頻度はどのくらいなのか」といったデータを持つ。一方、Anycaを3年以上運営してきたDeNAには、「どこで、どんなクルマをAnycaに登録すれば、月間いくらくらいの収入が得られるか」というデータの蓄積がある。損保ジャパン日本興亜は両社のデータを照らし合わせ、最適な形で保険契約者にAnycaを提案していく考えだ。全国約5万店の保険代理店を活用すれば、ITに不慣れでAnycaの利用を躊躇する高齢者にもリーチできるとする。

両社のデータを照らし合わせて、保険契約者に「Anyca」を提案する

自動車保険の契約者を開拓できれば、Anycaを利用する自動車オーナーは増えるだろう。さらに、損保ジャパン日本興亜では、自動車保険を解約した元・顧客のデータを活用し、何らかの事情で自動車を手放した人には、ユーザーとしてAnycaを利用することを提案していくという。

「0円マイカー」とは?

「DeNA SOMPO Mobility」では、Anycaを使った新しい取り組み「0円マイカー」も始める。同社でクルマを所有し、レンタカー登録とカーシェアでクルマを受け渡す際に使う機器の取り付けを行った上で、一定回数は無料で使用できるクルマとして利用者に貸し出すサービスだ。

ただし、このサービスの利用者は、自分で駐車場を用意しなければならないので、人によっては「0円」にならない点には注意が必要だ。もっといえば、自分でクルマに乗る際のガソリン代や高速道路代を考えると、完全に「0円」でマイカーを持つのは難しいだろう。

「0円マイカー」は、駐車場を提供すれば、月に何度かは自分で使えて、残りの時間はカーシェアに提供するクルマを手元において置ける、というイメージだ

すでにクルマを持っている人でも、クルマの「使用者」を「DeNA SOMPO Mobility」に変更することで、同サービスを利用できる。その場合、「DeNA SOMPO Mobility」はクルマの所有者に対し、カーシェアをすることを条件に一定額を支給するそうだ。金額はこれから詰めるという。

サブスクリプション+カーシェアというクルマの持ち方

DeNAとSOMPOが設立するもう1つの合弁会社「DeNA SOMPO Carlife」では、2019年6月から「マイカーリース事業」を開始する。これはクルマのサブスクリプションサービスで、まずは首都圏、大阪府、愛知県で初めて、将来的には全国に拡大する。目指すは月間1,000台規模の提供だ。

このサービスの特徴は、リースで所有するクルマをAnycaに登録できるところ。毎月、定額のリース料を支払う必要はあるが、カーシェアで収入が得られれば、実質負担額を減らすことができる。

これは試算だが、うまくいけばクルマが月々2万円前後で使えるかもしれない

クルマのサブスクリプションサービスといえば先頃、トヨタ自動車が参入を発表したばかり。「プリウス」が月々5万円弱、「レクサス」が同19万4,400円という価格設定が高いのか安いのかについては、さまざまな見解を伝える報道を目にした。この手のサービスを普及させたい事業者にとって、価格設定への納得感を得られるかどうかが鍵になるのは間違いない。

「DeNA SOMPO Carlife」のマイカーリースは、リース料からカーシェアで得た収入を差し引くことで実質負担額を抑えられるところが魅力といえる。しかし、カーシェアでクルマをコンスタントに借りてもらえなければ、場合によっては満額を支払わなければならないところは気にかかる。利用者がどこに住んでいて、どんなクルマをリースするのかが、月々の支払額を左右しそうなサービスだ。

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2019.06.17

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放置されていた不寛容? 国会まで届いた「パンプス強要」騒動

2019.06.17

最近女性の間で「#MeToo」ならぬ「#KuToo」運動がにわかに盛り上がっている。

「#KuToo」とは「靴」と「苦痛」をかけており、職場や就職活動で、足を痛めるパンプスやヒール靴の強要をやめようという運動である。

そもそもそんなの誰も強要してねえよ、と思われるかもしれない。確かに規定として靴の形状やかかとの高さまで定めている会社はレアだろう。しかし、私の元いた会社でも、規則があるわけでも、誰に言われたでもなく、みな一様に黒のパンプスを履いていた。それが「暗黙のルール」であり、それ以外は「非常識」と見られる風潮は確かにあるのである。

これが就職活動になると、パンプスを履いていないだけで「こいつは常識がない」と見なされ不採用になってしまうかもしれない、ということだ。そうなると女子学生は足を負傷してでもパンプスを履かざるを得なくなってしまう。

正直、パンプスは苦痛

パンプスがそんなに苦痛か、というと、靴の中では殺傷能力が高い方である。これは他人への、という意味ではなく自分へのだ。他人を殺傷したいならカウボーイが履いている、かかとにピザカッターがついている奴を履いた方が良い。

狭いつま先に足の指が密集されるため、私もよく爪で隣の指を切って足を血だらけにしていたし、伸縮性にかける素材のため、あわないパンプスだと試着の時点で靴擦れが出来るレベルなのだ。

世の中には素肌に荒縄で亀甲縛りを施し、その上に上等なスーツを羽織って出社している人も多いと思う。とても痛いだろうが、それは強制されたわけではなく、その人が好きで楽しいからやっているのだ。

つまり、好きでもない上にとても痛いパンプスを強制で履かなければいけないというのは、上等なスーツの下が亀甲縛りなことよりも「異常」なことというわけだ。

この運動はすぐに広まり、いきなり国会でも議論されたという。これにより「厚労相がハイヒール強要を容認」という見出しのニュースまで踊り出ることになった。

完全に自由と言われても困るのでは?

「厚生省に、女がハイヒールを履かないと死ぬ病の人が!?」と驚いたが、記事をよく見ると見出しほどのことはなく、厚労相の発言は「これは社会通念に照らして業務上、必要かつ相等な範囲かと、この辺なんだろうと思います」というかなりボンヤリしたものであり、どっちでも良い事を聞かれた私のリアクションに似ている。

しかし「ハイヒールが履けない女は何やってもダメ」などと強い事を言っているわけではないが、「業務上必要ならパンプス履くべきだろ」という「容認」に聞こえなくもない。すぐさま「業務上ハイヒールが必要な仕事って何だよ」という疑問が挙がり、「SMの女王様」「(ハイヒールでキレッキレに踊る)perfume以外ありえない」などの声が相次いだ。

この社会問題がすぐ大喜利になってしまうのは良くも悪くも「ザ・ツイッター」という感じだ。

確かに「業務上必要」となると、まだかかとにピザカッターがついている靴の方が「ピザを食う時」必要な気がする。

ただ、靴や服装を完全に自由化し、何でもOKにすれば良いかというと、それはそれで問題が起きると思う。ファッションに疎くコーディネートが苦手な人間からすれば、職場に何を着ていいのか全く「指針」がないというのは迷子になるし、接する側としても、車を買いにいってディーラーが、イモ―タンジョ―の完コスで出てきたら「キャデラックしか買うことを許されないのか」と委縮してしまう。就活マナー本に「俺の考えた最強の就活ファッションで挑みましょう」とだけ書かれていても逆に困るだろう

着る側としても、それに接する側としても、社会において服装にある程度規定や模範があるというのはメリットでもあるのだ。

そもそも規定や常識というのは、秩序を作ることにより問題を減らすためにあるものなのだ。しかしそれが元で「足を負傷する」という「問題」が起こっているなら本末転倒なので、やはり解消はすべきなのだろう。

極論に流れない寛容さが足りない

おそらく「#KuToo」を提唱している人も「ドラゴン柄のコンバースで就活したい」と言っているわけではないのだ。最近は「パンプスに見えるスニーカー」なども存在するし、パンプスでなくても地味な靴はいくらでもある。そのような靴を履いていても「パンプスじゃないから非常識」と見るのをやめてほしいという話だろう。

ちなみに私が会社員時代履いていたパンプスだが、黒の革靴ではあったが、つま先は限りなく丸く、ヒールはなきに等しい、今思えばあれはパンプスだったのか、70過ぎのババアが旅行に行くときに履くヤツなんじゃないか、という代物であったが、特に何も言われなかった。

「#KuToo」が求めるのも、そのぐらいの「寛容さ」なのではないだろうか。

【お知らせ】
連載「カレー沢薫の時流漂流」の掲載場所を変更します。
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