折りたたみスマホ「Mate X」の狙いは? ファーウェイCEOに聞く

折りたたみスマホ「Mate X」の狙いは? ファーウェイCEOに聞く

2019.02.27

今後のファーウェイ、アップルを超えても拡大成長の余地あり

HUAWEI Mate Xは「5G」のために開発したスマートフォン

米中摩擦の影響あっても、サムスン抜きトップ奪取に自信

ディスプレイを折りたためるスマートフォン「HUAWEI Mate X」を発表して大きな注目を集める一方、2018年末より米中摩擦の影響が顕在化しビジネスにも大きな影響を与えているファーウェイ・テクノロジーズ。同社のコンシューマービジネスグループCEOであるリチャード・ユー氏に、Mate Xをはじめ5G時代を見据えた今後のスマートフォン戦略について話を聞いた。

“アップル超え”実現も高付加価値モデルに拡大の余地あり

中国のスマートフォン大手であるファーウェイ・テクノロジーズが、ディスプレイを折りたたむことができる新機軸のスマートフォン「HUAWEI Mate X」を発表して大きな注目を集めている。だが一方で、米中摩擦の影響を受け米国市場への進出が難しくなるなど、同社のビジネスを取り巻く環境は複雑になりつつある。

そうした中にあって、同社はどのようにしてスマートフォン事業の成長戦略を描こうとしているのだろうか。2019年2月25日よりスペイン・バルセロナで開催された「MWC 2019」にて、コンシューマービジネスグループCEOであるリチャード・ユー氏にグループインタビュー形式で話を聞くことができた。

ファーウェイでスマートフォンなどの事業を取り仕切るリチャード・ユー氏。手にしているのは発表されたばかりの「HUAWEI Mate X」だ

ファーウェイは2018年の第2・第3四半期に、スマートフォンの出荷台数シェアでアップルを抜き2位に躍り出るなど、足元の業績は非常に好調だ。リチャード氏は「グローバルの色々な所に伸びしろがある」と話し、スマートフォンに限定することなく、ウェアラブルデバイスやIoTなどさまざまなデバイスに注力し、総合的に販売を伸ばす戦略をとる考えを示した。

だがスマートフォンに関しても、「シェアでアップルを抜いたといっても、アップルは平均単価が高く、売り上げが非常に高い」とリチャード氏は回答。ハイエンドモデルの販売ではまだアップルに追いついておらず、拡大の余地があるとの認識を示している。

HUAWEI Mate X

「HUAWEI Mate X」は5Gのために開発された

ハイエンドモデルの拡大という意味でも注目されるのが、MWC 2019に合わせて発表された「HUAWEI Mate X」の存在だ。Mate Xはディスプレイを直接折りたためるというスタイルが大きな驚きをもたらしたが、こうした端末を開発するに至った理由として、リチャード氏は大きく2つの要因を挙げている。

1つは、消費者がスマートフォンを利用する時間が年々長くなっていること。利用頻度が増えている現在ではディスプレイの大きさが利便性に大きく影響することから、「より良い体験ができる新しい端末を開発しなければならないと思った」とリチャード氏は話す。

そしてもう1つは、次世代通信「5G」の存在だ。5Gでは通信速度が大幅に向上しコンテンツがよりリッチになることから、より大画面に対するニーズが高まると考えられている。だが単に画面を大きくしてしまえば持ち運びにくくなってしまうため、程よい大きさと優れた体験を提供するべく、3年をかけて開発を進めたのがMate Xなのだという。

Mate Xの機能や特徴について説明するリチャード氏。Mate Xの開発には3年の歳月をかけているという

それゆえMate Xは5Gで新しい体験が利用できることに強くこだわり、折りたためるディスプレイの採用に至ったとのこと。それゆえ「(Mate Xの発表後に)『4G版は出ないのか』という声もあったが、5Gの製品として構想していたので、4G版として提供することは考えていなかった」とリチャード氏は話している。

ファーウェイは5Gのスマートフォンを開発する上で、チップセットやモデムを自ら開発していること、長年スマートフォンなどを手掛けてきた経験、そしてライカと提携し高い表現力を実現するカメラなど、多くの部分で優位性を持っているとリチャード氏は話す。Mate Xの機能や性能を見ても、同社の高い技術力が存分に生かされているのは確かだろう。

Mate Xにはファーウェイ独自開発の5G対応モデムチップ「Balong 5000」を搭載し、やはり独自開発の「Kirin 980」と組み合わせて5Gへの対応を実現している

ちなみに折りたたみスマートフォンには、Mate Xのように外側にあるディスプレイを折り曲げるタイプと、サムスン電子の「Galaxy Fold」のように内側のディスプレイを折り曲げ、本体を開くと大画面のディスプレイが現れるタイプの2種類が存在する。

Mate Xが前者の仕組みを採用した理由について、リチャード氏は「どちらも試作してみたが、内側に折り込む仕組みの方が開発は簡単だ。ただ本体が重くなるし、熱くなりやすいので不便になる。外側に折り込む仕様の方が薄くできるし、ディスプレをより大きくできる」と、ユーザー体験を高められることがその理由だと話している。

米中摩擦の影響を受けても“サムスン超え”を目指す

一方で、日本でも2018年末より話題になった通り、中国企業であるファーウェイは米中摩擦の影響を受けている。米国でのスマートフォン販売拡大も難しくなり、それが同社のビジネスに大きな影を落とすことにもつながっている。

特に米国側は、同盟国ではない中国企業の製品が入り込むことで、中国政府の影響を受ける形でセキュリティ上の問題が発生することを強く懸念しているようだ。だがリチャード氏は「この業界で最も優れた安全性とプライバシー保護の実績を持っている。弊社のポリシーとして、政府からの盗聴やバックドアなどの要請は一切受け付けない」と回答。政治の関与を明確に否定し、セキュリティ上問題ないことを訴えている。

ただ一方でリチャード氏は、「いま米国市場に入り込めないが、他国のキャリアとの対話は進めている」とも話している。ファーウェイを取り巻く問題には解決の見通しが立っておらず、現実的に見れば当面米国での端末販売拡大は難しいだけに、米国以外での販売を伸ばして売上拡大を図る考えのようだ。

だがそれでも、スマートフォンの出荷台数シェアで最大手のサムスン電子を超え、首位の座を獲得することに対しては「自信がある」とリチャード氏は回答。技術力を武器として長期的に“サムスン超え”を目指していくようだ。

Mate X発表時のプレゼンテーションでも、サムスン電子の折り畳み端末「Galaxy Fold」との比較が多く登場するなど、強く意識している様子を見て取ることができた
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2019.03.20

モバイル業界を変える「携帯値下げ議論」が過熱

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コスパ高いミッドレンジ端末でシェア拡大を目指す

20日、NTTドコモが特定の端末の購入を条件に通信料金を割り引く「docomo with」、購入する端末に応じて通信料金を割り引く「月々サポート」を終了する方針を固めたという報道が話題となっている。

国内のモバイル業界では携帯電話料金見直しが進んでおり、3月5日には総務省が中心に進めてきた端末代金と通信料金の分離が閣議決定された。NTTドコモは分離プランを軸とした新料金プランを4月に発表する見込みだ。

日本のモバイル市場を大きく変えるこの動きを「歴史的チャンス」と見ているのがファーウェイだ。2018年末から米中対立が加速する中、ファーウェイが打ち出すメッセージも語気を強めている。果たして日本市場でシェアを拡大できるのだろうか。

逆風吹けども、依然として業績は好調

今年に入り、ファーウェイの周辺が騒がしい。3月7日には、ファーウェイは米国政府を相手取って訴訟を起こした

さらにその内容をFacebookでライブ配信するなど、米国以外の世界市場に向けたメッセージにもしており、そのメッセージをまとめたウェブサイト「Huawei Facts」は、わざわざ日本語版も用意している。

2018年末から続く米中対立を巡る報道は、ファーウェイの業績にどのような影響を与えたのか。MWC19でインタビューに応じたファーウェイ・ジャパンの呉波氏は、「一部の消費者は影響を受けたが、2019年に入ってから売上は大幅に伸びている」と語った。

ファーウェイ デバイス 日本・韓国リージョン プレジデントの呉波(ゴ・ハ)氏

話題の「折りたたみスマホ」でもファーウェイは先行する。

ファーウェイに先立って折り畳みスマホを発表したサムスンだが、こちらはMWCではガラスケース内での「展示」のみにとどまったのに対し、ファーウェイは「Mate X」の実機を用いて報道関係者に折り曲げを試させるなど、製品化で一歩先を行っていることをアピールした。

ファーウェイの折りたたみスマホ「Mate X」。報道陣には手に取って折り曲げてみる機会も用意された

Mate Xは次世代移動通信の「5G」にも対応しており、日本では5Gサービスの開始を待って投入時期を見極める方針だという。

ちなみに3月26日に発表予定のフラグシップ機「HUAWEI P30」シリーズは、例年通りのタイミングで日本市場に投入するようだ。SIMフリーでの発売だけでなく、ドコモが採用した「HUAWEI P20 Pro」のように大手キャリアによる採用があるかどうかも注目したい。

分離プランを「歴史的チャンス」と捉えるワケ

一方、2019年の国内モバイル市場で話題となっているのが携帯料金における「分離プラン」の導入だ。KDDIとソフトバンクはすでに導入済みだが、NTTドコモは4月に発表する新料金プランから本格導入するとみられている。

分離プランの特徴は、NTTドコモの「月々サポート」のように回線契約と紐付けた端末の割引が禁止される点だ。端末の割引自体が禁止されるわけではないというものの、大幅な割引は難しくなる。その結果、10万円を超えるようなハイエンド機ではなく、3〜4万円で一括購入しやすいミッドレンジ機の需要が高まるとの見方が有力だ。

この動きをファーウェイはどう見ているのか。

呉氏は「非常に重要視している。スマホが登場したときや、SIMフリー市場が始まったときのインパクトに引けを取らない、歴史的な瞬間になる」と興奮気味に語る。

日本のSIMフリー市場でベストセラーとなった「HUAWEI P20 lite」を始め、ファーウェイのミッドレンジ機のラインアップは厚い。モデルによってはフラグシップと同じCPUでミッドハイの価格を実現するなど、コスパの高さも特徴だ。大手キャリア向けにさまざまな提案ができる体制といえる。

フラグシップと同じ「Kirin 980」搭載でミッドハイ価格の「HONOR View 20」

また、5G対応も順調だ。

モバイルWi-Fiルーターに強みを持つファーウェイは、MWC19でも5G対応ルーターを多く出展していた。日本ではまだ周波数の割り当てが終わっていないものの、国内大手キャリアは2019年内にもプレサービスを始める動きがある。5Gスマホが普及するまでの間、5Gルーターの需要は高まる可能性がある。

5G対応のモバイルWi-Fiルーターも出展していた

ミッドレンジ市場の拡大を狙って、今年はシャープやサムスン以外にも、ソニーモバイルの参入も予想されている。

この価格帯が激戦区になることは間違いないが、ファーウェイはその中で高コスパの製品ラインアップや、国内での地道な販促活動やブランドメッセージの打ち出しによって対抗していく構えだ。

ヨドバシカメラ梅田店での販促イベントの様子
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Googleがゲーム本格参入の衝撃、2019年中にゲーム基盤「STADIA」を投入

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2019.03.20

Googleが新しいゲームプラットフォームを発表

配信方式でゲーム機不要、「ゲーム機」の時代の終焉?

2019年内にローンチ、性能はプレステやXbox以上か

3月19日、米国で開催中のゲーム開発者会議「GDC 2019」の会場で、Googleがクラウドベースのゲーミングプラットフォーム「STADIA」を発表した。特定のゲーム機に縛られず、ネットに接続したスマホやパソコン、テレビを通してストリーミング(配信)形式でゲームをプレイできる。

この事業を担当するバイスプレジデントとして、STADIAを発表するフィル・ハリソン(Phil Harrison)氏。そもそも彼からして、元はソニーのプレイステーション立ち上げの主要メンバーで、その後Microsoftに移りXboxを担当したという経歴の持ち主

かねてより、MicrosoftのXbox事業のトップマネージャーを引き抜いた、ソニーでPlayStationのハード開発にかかわったエンジニアが転職したといった噂が頻繁に流れており、「Googleがゲーム市場に本格参入する」という憶測は強まっていた。実際に2018年には、Googleは「Project Stream」と呼ばれるストリーミング形式のゲーム基盤の計画を発表し、米国内でベータテスターを募って技術テストを行っていた。

STADIAは、Project Streamの延長線上にあるサービスと見られる。ユーザーは特定のゲーム機を持っている必要がなく、従来のゲーム機の役割をするのはGoogleの設置するデータセンターだ。簡単に言えばクラウドサービスのように、実際にゲームタイトルが動作しているのはデータセンター側で、ユーザーはインターネットを介してゲームを遠隔でプレイする。

STADIAのデータセンターから配信されたゲームをパソコンでプレイしている様子
パソコンで遊んでいたのと同じゲームを、タブレットやテレビでも同じように遊ぶことができる

このプラットフォームの特徴によって、例えばYouTubeで新作ゲームのトレーラー動画を見ていて気に入ったときには、そのページ内の「プレイする」ボタンを押すだけで、インストールすら不要で、動画を再生するかのようにそのゲームをプレイできるようになる。

そして、STADIAのデータセンターが持つゲーム機としてスペックは、サービス開始時のものとして、GPUの演算性能は10.7テラFlopsに達するといい、これはPlayStation 4 Proの4.2テラFlopsや、Xbox One Xの6.0テラFlopsを大きく上回る。映像品質も4K/60fpsのストリーミングに対応し、将来は8K/120fps対応も予定しているという。

STADIA用の「STADIAコントローラー」も販売する。SNSアップ用のボタンや、Googleアシスタントボタンが備わっている

Googleは2019年中にSTADIAをローンチする予定で、まずは米国、カナダ、欧州でサービスを開始すると説明している。発表を受けた翌20日の東京株式市場では、任天堂とソニーの株価が揃って大きく下落した。投資家たちが、GoogleのSTADIAによって、Nintendo SwitchやPlayStationのビジネスが脅かされると考えたからだ。

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