男性向けメイクはどんな仕上がり? 「FIVEISM × THREE」発表会で体験してきた

男性向けメイクはどんな仕上がり? 「FIVEISM × THREE」発表会で体験してきた

2019.02.26

男性向けコスメブランド「FIVEISM×THREE」のメイクを体験

メイク初体験の筆者がフルメイクした結果は?

年々高まる男性の美意識、その先にコスメはあるか

THREE(スリー)ブランドを展開するACROは2月19日、男性用総合コスメブランド「FIVEISM × THREE」(ファイブイズムバイスリー)の新商品発表会を開催した。同ブランドは、性別や年齢などの既成概念にとらわれない新しい時代の自己表現を提案することをコンセプトに、昨年9月にローンチされたもの。

今回は3月15日に発売となる春の新商品が発表された他、ランウェイショーも開催された。会場では新商品のタッチ&トライコーナーも設けられ、実際にメイクを体験することができた。

「FIVEISM × THREE」製品群。パッケージはシックな色合いに統一されている

既存商品とは一線を画したコスメブランド

男性用コスメというと、多くの人が真っ先に思い浮かぶのはドラッグストアなどに並んでいるメンズ向け化粧水や乳液といった商品だろう。だが、それらはどちらかといえば「スキンケア」商品であり、女性が日々使用するメイク用品とは異なっている。

「FIVEISM × THREE」はそういった従来のスキンケア商品とは一線を画すコンセプトで登場したコスメブランドだ。ラインナップされているのは、アイライナーやアイシャドウ、ファンデーション、コンシーラーなど、同ブランドの製品だけでフルメイクが可能だ。

もちろん、女性のメイク用品をそのまま男性向けとして提供するのは無理がある。そこで「FIVEISM × THREE」は、製品のデザインをよりシンプルかつスタイリッシュなものにすることで、男性でも手に取りやすいものにした。

また、女性がメイクする際の「白粉をはたくようなイメージ」(ファンデーションなどを塗る動作)は、男性にとって抵抗があると分析。スティック状にすることで心理的なハードルを下げている。

関連記事:
男性の化粧、変化する「常識」 日本発・メンズコスメブランドの狙いは

今回の新作お披露目会で発表されたのは、ガイライナー(アイライナー)の新商品2色とアイシェードトランス新4色、そしてコバートブラシの新商品3種類

ランウェイショーも開催され、性別、国籍、年齢に縛られない多種多様なモデルが登場。テーマでもある「Individuality(個性)」を十分に体現したイベントとなった。

性別や年齢、国籍、ファッションのテイストも様々なモデルたちがランウェイを闊歩。同ブランドのコンセプトを体現したショーとなっていた

また、会場には「FIVEISM × THREE」体験ブースが設けられ、実際にプロのメイクアップアーティストの手で“変身”することができた。

メイク中の一幕

どう変わったのか。さっそくビフォー・アフターをご覧いただこう。

写真を見て「あれ、あまり変わっていないのでは?」と感じた人が多いのではないだろうか。だとしたら、このメイクは“成功”しているということだ。

というのも、筆者のようなメイクに慣れていない一般的な男性にとって「明らかにメイクしているとわかる状態」は避けたいからだ。

今回はフルメイクということで、下地、ファンデーション、アイシャドウ、アイライン、アイブロウ、コンシーラー(目元のクマなど肌の気になる部分をカバーする化粧品)、シェーディング・ハイライト(顔の陰影を演出)まですべて施してもらったが、想像していたよりもずっと自然な仕上がりで、よほどのことがなければメイクしていることはわからないだろうと思えた。

今回使った化粧品一覧。アイシャドウやリップ、アイライナーなど、女性の化粧と遜色ないアイテムが並ぶ。特徴的なのはやはりバータイプのアイテムが多いこと

実際、同ブランドで売れ筋なのは、あくまでもナチュラルに肌を整えて見せることができる商品なのだという。

それを踏まえた上でビフォー・アフターをご覧いただくと、そうはいってもメイクの前後で多少顔の雰囲気が違っていることがわかるだろう。写真で撮るとわかりにくいのだが、肌のキメが整えられ、ひげの剃り跡が薄くなっており、唇もツヤが増している。眉毛もラインが整えられ、眉尻や眉根の濃さが均一だ。輪郭も少しシャープに感じる。

微々たる違いかもしれないが、そもそも顔の手入れとはそういうものである。他人は絶対に気づかないような前髪の微妙な跳ね具合でも、毎日鏡と向き合っている自分自身は気になって仕方なかったりするのだ。

すでに変わりつつある、男性の美意識

今回のビフォー・アフター、個人的には「けっこう変わるな」と思った。しかし、それと同時に「変わったこと(メイクしたということ)をあまり他の人には知られたくない」とも思った。それはやはり、筆者が男性のメイクがまだ一般的なカルチャーとして浸透しきっていない2019年を生きているからだろう。

とはいえ、昨年末あたりから男性用コスメ市場は急激に盛り上がりを見せており、「FIVEISM × THREE」はリーディングブランドとして注目を集めているという。若い世代の男性にはメイクに抵抗のない人も増えているとのことで、今後はさらに市場が拡大していくのかもしれない。

こうしたムーブメントについて、信じられないと感じる人もいるだろう。特に上の世代はそうかもしれない。

しかし、考えてみればここ数十年で男性の美意識はずいぶん様変わりした。たとえば眉毛を整える男性は今や珍しくないし、メンズネイルも少しずつ浸透してきている。

具体的な数字で言えば、冒頭で述べた男性用のスキンケア市場は2018年時点で1175億円まで拡大しているのだ。こうした美意識の高まりのさらなる延長線上に、「FIVEISM × THREE」のようなコスメがあるのではないだろうか。

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NewsInsight 更新終了のお知らせ

NewsInsight 更新終了のお知らせ

2019.06.17

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最後になりますが、改めて皆様に感謝いたしますとともに、引き続き、マイナビニュースにてご愛顧いただけましたら幸いです。

放置されていた不寛容? 国会まで届いた「パンプス強要」騒動

カレー沢薫の時流漂流 第47回

放置されていた不寛容? 国会まで届いた「パンプス強要」騒動

2019.06.17

最近女性の間で「#MeToo」ならぬ「#KuToo」運動がにわかに盛り上がっている。

「#KuToo」とは「靴」と「苦痛」をかけており、職場や就職活動で、足を痛めるパンプスやヒール靴の強要をやめようという運動である。

そもそもそんなの誰も強要してねえよ、と思われるかもしれない。確かに規定として靴の形状やかかとの高さまで定めている会社はレアだろう。しかし、私の元いた会社でも、規則があるわけでも、誰に言われたでもなく、みな一様に黒のパンプスを履いていた。それが「暗黙のルール」であり、それ以外は「非常識」と見られる風潮は確かにあるのである。

これが就職活動になると、パンプスを履いていないだけで「こいつは常識がない」と見なされ不採用になってしまうかもしれない、ということだ。そうなると女子学生は足を負傷してでもパンプスを履かざるを得なくなってしまう。

正直、パンプスは苦痛

パンプスがそんなに苦痛か、というと、靴の中では殺傷能力が高い方である。これは他人への、という意味ではなく自分へのだ。他人を殺傷したいならカウボーイが履いている、かかとにピザカッターがついている奴を履いた方が良い。

狭いつま先に足の指が密集されるため、私もよく爪で隣の指を切って足を血だらけにしていたし、伸縮性にかける素材のため、あわないパンプスだと試着の時点で靴擦れが出来るレベルなのだ。

世の中には素肌に荒縄で亀甲縛りを施し、その上に上等なスーツを羽織って出社している人も多いと思う。とても痛いだろうが、それは強制されたわけではなく、その人が好きで楽しいからやっているのだ。

つまり、好きでもない上にとても痛いパンプスを強制で履かなければいけないというのは、上等なスーツの下が亀甲縛りなことよりも「異常」なことというわけだ。

この運動はすぐに広まり、いきなり国会でも議論されたという。これにより「厚労相がハイヒール強要を容認」という見出しのニュースまで踊り出ることになった。

完全に自由と言われても困るのでは?

「厚生省に、女がハイヒールを履かないと死ぬ病の人が!?」と驚いたが、記事をよく見ると見出しほどのことはなく、厚労相の発言は「これは社会通念に照らして業務上、必要かつ相等な範囲かと、この辺なんだろうと思います」というかなりボンヤリしたものであり、どっちでも良い事を聞かれた私のリアクションに似ている。

しかし「ハイヒールが履けない女は何やってもダメ」などと強い事を言っているわけではないが、「業務上必要ならパンプス履くべきだろ」という「容認」に聞こえなくもない。すぐさま「業務上ハイヒールが必要な仕事って何だよ」という疑問が挙がり、「SMの女王様」「(ハイヒールでキレッキレに踊る)perfume以外ありえない」などの声が相次いだ。

この社会問題がすぐ大喜利になってしまうのは良くも悪くも「ザ・ツイッター」という感じだ。

確かに「業務上必要」となると、まだかかとにピザカッターがついている靴の方が「ピザを食う時」必要な気がする。

ただ、靴や服装を完全に自由化し、何でもOKにすれば良いかというと、それはそれで問題が起きると思う。ファッションに疎くコーディネートが苦手な人間からすれば、職場に何を着ていいのか全く「指針」がないというのは迷子になるし、接する側としても、車を買いにいってディーラーが、イモ―タンジョ―の完コスで出てきたら「キャデラックしか買うことを許されないのか」と委縮してしまう。就活マナー本に「俺の考えた最強の就活ファッションで挑みましょう」とだけ書かれていても逆に困るだろう

着る側としても、それに接する側としても、社会において服装にある程度規定や模範があるというのはメリットでもあるのだ。

そもそも規定や常識というのは、秩序を作ることにより問題を減らすためにあるものなのだ。しかしそれが元で「足を負傷する」という「問題」が起こっているなら本末転倒なので、やはり解消はすべきなのだろう。

極論に流れない寛容さが足りない

おそらく「#KuToo」を提唱している人も「ドラゴン柄のコンバースで就活したい」と言っているわけではないのだ。最近は「パンプスに見えるスニーカー」なども存在するし、パンプスでなくても地味な靴はいくらでもある。そのような靴を履いていても「パンプスじゃないから非常識」と見るのをやめてほしいという話だろう。

ちなみに私が会社員時代履いていたパンプスだが、黒の革靴ではあったが、つま先は限りなく丸く、ヒールはなきに等しい、今思えばあれはパンプスだったのか、70過ぎのババアが旅行に行くときに履くヤツなんじゃないか、という代物であったが、特に何も言われなかった。

「#KuToo」が求めるのも、そのぐらいの「寛容さ」なのではないだろうか。

【お知らせ】
連載「カレー沢薫の時流漂流」の掲載場所を変更します。
→ 新しい掲載場所はこちら https://news.mynavi.jp/series/jiryu_hyoryu