老後がどんどん遠くなる「70歳定年」試算

カレー沢薫の時流漂流 第30回

老後がどんどん遠くなる「70歳定年」試算

2019.03.04

漫画家・コラムニスト カレー沢薫さんの社会派連載!

第30回は、老後自体が短くなる「70歳定年」試算について

2月初旬、経済財政諮問会議で、定年年齢を70歳まで引き上げた場合の経済効果に関する議論が始まった。その結果、就業者が217万人増え、消費は4兆円増加し、社会保険収入も2兆円は増える、という「明るい未来」を示す試算が出たそうだ。

我々が70歳まで働かねばならないという前提の時点で全く明るくないのだが、国民が暗くなる分、国の財政は明るくなる、ということである。

70歳まで働けば、それだけ年金保険料を納める期間が長くなり、逆に年金給付の期間は短くなるため、年金問題も改善される。お前らの年金は、お前らが老人になってからも働いて解決しろという、本末転倒、良く言えば逆転の発想だ。そして就業人口が増えれば、金を持っている人間も増える、つまり消費も拡大するという寸法だ。

この試算についてはすでに識者から様々なつっこみを受けている。

まず「誰も70歳まで働きたいと思ってねえ」というのは、識者じゃなくてもわかる。現時点でも、働いている高齢者の働く理由を調査したところ半数以上が「生活のため」と答えてたという。

つまり生きがいや健康の為に働いている者は少数派であり、働かないで済むなら働きたくないのだ。私など二十代の時から働かずに生きたいと思っていたのだから、高齢者がそう思うのは至極当然である。

つまり、日本は、高齢者を支える体勢が出来ていないのに寿命だけが勝手に延びてしまったため、70歳まで働ける社会ではなく、70歳まで働かないと国ごと転覆する社会、になりつつあるのだ。それを前向きな変化と評するのはドM国家すぎるのではないか。

そして、高齢者たちが働きたくないのはもちろんだが、企業だってそんなに高齢者を積極的に雇いたいとは思っていないのだ。労働力として若い方が良いのは当然として、雇用期間が長くなるほど、給与支払や会社の社会保険負担の額が増える。つまり、定年が延びれば延びるほど企業の負担が増えるのである。

企業としては、日本の老に高い給与を払い続けるよりは、海外の若を安く使ったほうが良い、というのが本音ではないだろうか。

それに、「最近の高齢者は元気」と言っても、やはり若者よりは肉体的に衰えている。現場が高齢者だらけになると、逆に生産性が落ちたり、最悪事故が頻発したりするようになるかもしれない。

若者に足手まとい扱いされながらも無理して働いて、労災に遭うというのは、明るい老後とは言えない気がする。

人生100年、計画性がないと老後詰む時代

このように、多くの企業では歓迎されないと見られている定年70歳制度だが、70歳と行かないまでも、定年の延長をすでに取り入れている企業もある。代表的なのが「トヨタ自動車」である。だがこれは、「ただし技能系社員に限る」制度のようだ、自動車製造はオートメーション化されているようで、意外と人間のテクによるところが多く、その技能を持った人材は常に不足しているのだ。

つまり、老になってもスキルがある人間は企業にとっても惜しい、ということである。70歳まで働かなければいけない世の中では、今まで以上に「手に職」が大切になってくるということだ。

人生100年時代というのは、寿命が長いからゆっくりできるわけではなく、相当若いころから人生設計を考えていないと老後詰む時代、ということである。早めに絶対なくならない業種の資格を取るか、これからアツくなりそうな業界の勉強を始めるという先見の明も必要となってくる。これから激アツになりそうなのは葬儀関係だが、残念ながら葬儀業に必須となる国家資格はないようだ。

「全員が70歳まで働けば国は良くなる」という政府の試算も楽観的だが、我々も70歳まで働けるんだからいいや、と思うのはスイートすぎる。たとえ全ての企業が定年を70歳まで引き上げたとしても、自分に70歳まで働ける身体があるかはわからない。

一言で70歳と言っても、まだまだ働けそうな二十歳くらいに見える70歳もいれば、明らかな「秒読み」段階に入っている、とても働くどころではない70歳もいるのだ。

老化やそれに伴う病気などは誰の身にも降りかかることだし、運要素も強い。それを「70歳まで働ける身体を作っておかなかったのが悪い」という、凄まじいロングスパンな自己責任を求められる国はどう考えても明るくない。

やはり、どれだけ長く働くかより、体も頭も動くうちにどれだけ準備できるかの方が個人にとって重要だろう。

などと論じたててみたが、私は無職なので企業の定年が何歳になろうと関係ない。この長寿時代、定年がない自営業やフリーランスの方が強いと言われることもあるが、70歳どころか年齢問わず、明日仕事がないかもしれないのがフリーランスだ。

つまり失う仕事すらない「無職」が最強なのだが、少なくとも定年まで働けるという点では会社員という立場には大きなメリットがある。

ただそのメリットに気付けるのは、大体「失ってから」である。

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20日、NTTドコモが特定の端末の購入を条件に通信料金を割り引く「docomo with」、購入する端末に応じて通信料金を割り引く「月々サポート」を終了する方針を固めたという報道が話題となっている。

国内のモバイル業界では携帯電話料金見直しが進んでおり、3月5日には総務省が中心に進めてきた端末代金と通信料金の分離が閣議決定された。NTTドコモは分離プランを軸とした新料金プランを4月に発表する見込みだ。

日本のモバイル市場を大きく変えるこの動きを「歴史的チャンス」と見ているのがファーウェイだ。2018年末から米中対立が加速する中、ファーウェイが打ち出すメッセージも語気を強めている。果たして日本市場でシェアを拡大できるのだろうか。

逆風吹けども、依然として業績は好調

今年に入り、ファーウェイの周辺が騒がしい。3月7日には、ファーウェイは米国政府を相手取って訴訟を起こした

さらにその内容をFacebookでライブ配信するなど、米国以外の世界市場に向けたメッセージにもしており、そのメッセージをまとめたウェブサイト「Huawei Facts」は、わざわざ日本語版も用意している。

2018年末から続く米中対立を巡る報道は、ファーウェイの業績にどのような影響を与えたのか。MWC19でインタビューに応じたファーウェイ・ジャパンの呉波氏は、「一部の消費者は影響を受けたが、2019年に入ってから売上は大幅に伸びている」と語った。

ファーウェイ デバイス 日本・韓国リージョン プレジデントの呉波(ゴ・ハ)氏

話題の「折りたたみスマホ」でもファーウェイは先行する。

ファーウェイに先立って折り畳みスマホを発表したサムスンだが、こちらはMWCではガラスケース内での「展示」のみにとどまったのに対し、ファーウェイは「Mate X」の実機を用いて報道関係者に折り曲げを試させるなど、製品化で一歩先を行っていることをアピールした。

ファーウェイの折りたたみスマホ「Mate X」。報道陣には手に取って折り曲げてみる機会も用意された

Mate Xは次世代移動通信の「5G」にも対応しており、日本では5Gサービスの開始を待って投入時期を見極める方針だという。

ちなみに3月26日に発表予定のフラグシップ機「HUAWEI P30」シリーズは、例年通りのタイミングで日本市場に投入するようだ。SIMフリーでの発売だけでなく、ドコモが採用した「HUAWEI P20 Pro」のように大手キャリアによる採用があるかどうかも注目したい。

分離プランを「歴史的チャンス」と捉えるワケ

一方、2019年の国内モバイル市場で話題となっているのが携帯料金における「分離プラン」の導入だ。KDDIとソフトバンクはすでに導入済みだが、NTTドコモは4月に発表する新料金プランから本格導入するとみられている。

分離プランの特徴は、NTTドコモの「月々サポート」のように回線契約と紐付けた端末の割引が禁止される点だ。端末の割引自体が禁止されるわけではないというものの、大幅な割引は難しくなる。その結果、10万円を超えるようなハイエンド機ではなく、3〜4万円で一括購入しやすいミッドレンジ機の需要が高まるとの見方が有力だ。

この動きをファーウェイはどう見ているのか。

呉氏は「非常に重要視している。スマホが登場したときや、SIMフリー市場が始まったときのインパクトに引けを取らない、歴史的な瞬間になる」と興奮気味に語る。

日本のSIMフリー市場でベストセラーとなった「HUAWEI P20 lite」を始め、ファーウェイのミッドレンジ機のラインアップは厚い。モデルによってはフラグシップと同じCPUでミッドハイの価格を実現するなど、コスパの高さも特徴だ。大手キャリア向けにさまざまな提案ができる体制といえる。

フラグシップと同じ「Kirin 980」搭載でミッドハイ価格の「HONOR View 20」

また、5G対応も順調だ。

モバイルWi-Fiルーターに強みを持つファーウェイは、MWC19でも5G対応ルーターを多く出展していた。日本ではまだ周波数の割り当てが終わっていないものの、国内大手キャリアは2019年内にもプレサービスを始める動きがある。5Gスマホが普及するまでの間、5Gルーターの需要は高まる可能性がある。

5G対応のモバイルWi-Fiルーターも出展していた

ミッドレンジ市場の拡大を狙って、今年はシャープやサムスン以外にも、ソニーモバイルの参入も予想されている。

この価格帯が激戦区になることは間違いないが、ファーウェイはその中で高コスパの製品ラインアップや、国内での地道な販促活動やブランドメッセージの打ち出しによって対抗していく構えだ。

ヨドバシカメラ梅田店での販促イベントの様子
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3月19日、米国で開催中のゲーム開発者会議「GDC 2019」の会場で、Googleがクラウドベースのゲーミングプラットフォーム「STADIA」を発表した。特定のゲーム機に縛られず、ネットに接続したスマホやパソコン、テレビを通してストリーミング(配信)形式でゲームをプレイできる。

この事業を担当するバイスプレジデントとして、STADIAを発表するフィル・ハリソン(Phil Harrison)氏。そもそも彼からして、元はソニーのプレイステーション立ち上げの主要メンバーで、その後Microsoftに移りXboxを担当したという経歴の持ち主

かねてより、MicrosoftのXbox事業のトップマネージャーを引き抜いた、ソニーでPlayStationのハード開発にかかわったエンジニアが転職したといった噂が頻繁に流れており、「Googleがゲーム市場に本格参入する」という憶測は強まっていた。実際に2018年には、Googleは「Project Stream」と呼ばれるストリーミング形式のゲーム基盤の計画を発表し、米国内でベータテスターを募って技術テストを行っていた。

STADIAは、Project Streamの延長線上にあるサービスと見られる。ユーザーは特定のゲーム機を持っている必要がなく、従来のゲーム機の役割をするのはGoogleの設置するデータセンターだ。簡単に言えばクラウドサービスのように、実際にゲームタイトルが動作しているのはデータセンター側で、ユーザーはインターネットを介してゲームを遠隔でプレイする。

STADIAのデータセンターから配信されたゲームをパソコンでプレイしている様子
パソコンで遊んでいたのと同じゲームを、タブレットやテレビでも同じように遊ぶことができる

このプラットフォームの特徴によって、例えばYouTubeで新作ゲームのトレーラー動画を見ていて気に入ったときには、そのページ内の「プレイする」ボタンを押すだけで、インストールすら不要で、動画を再生するかのようにそのゲームをプレイできるようになる。

そして、STADIAのデータセンターが持つゲーム機としてスペックは、サービス開始時のものとして、GPUの演算性能は10.7テラFlopsに達するといい、これはPlayStation 4 Proの4.2テラFlopsや、Xbox One Xの6.0テラFlopsを大きく上回る。映像品質も4K/60fpsのストリーミングに対応し、将来は8K/120fps対応も予定しているという。

STADIA用の「STADIAコントローラー」も販売する。SNSアップ用のボタンや、Googleアシスタントボタンが備わっている

Googleは2019年中にSTADIAをローンチする予定で、まずは米国、カナダ、欧州でサービスを開始すると説明している。発表を受けた翌20日の東京株式市場では、任天堂とソニーの株価が揃って大きく下落した。投資家たちが、GoogleのSTADIAによって、Nintendo SwitchやPlayStationのビジネスが脅かされると考えたからだ。

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