アバルト、ジープ、マクラーレン…安東弘樹の輸入車イッキ乗り!

安東弘樹のクルマ向上委員会! 第15回

アバルト、ジープ、マクラーレン…安東弘樹の輸入車イッキ乗り!

2019.03.06

アバルト「695C Rivale」には「もう一段、ギアが欲しい」

ジープ「ラングラー」で感じた「フットレストの重要性」

マクラーレン「570S」は「ブレーキペダルの重さ」が面白い

日本自動車輸入組合(JAIA)試乗会で次々に輸入車に乗る安東弘樹さん。今回はアバルト「695C Rivale」、ジープ「ラングラー」、マクラーレン「570S クーペ」の3台に試乗したときの模様をお伝えしたい。

※文と写真はNewsInsight編集部の藤田が担当しました

アバルトで味わったコンパクトカーの楽しさ

「695C Rivale」はアバルトがラグジュアリーボートブランド「Riva」(リーヴァ)と組んで作った台数限定のクルマだ。アバルト「595」と同じくフィアット「500」をベースとする。エンジンは直列4気筒インタークーラー付ターボ。「ATモード付5速シーケンシャル」というトランスミッションを搭載していて、自動変速と手動変速が切り替え可能なところも特徴だ。

安東さんは「アバルトの“屋根開き”の楽しさを体験してみたくて」このクルマを試乗することにしたそうだ。試乗したクルマは「カブリオレ」といって、屋根を開閉できるモデルだった。これまでに2台のフィアット「500」を所有したことがある安東さんは、アバルトがチューニングを施した「695C Rivale」から何を感じたのだろうか。

「695C Rivale」と安東さん

安東さん(以下、安):(クルマに乗り込んですぐ、マホガニーを採用したインストルメントパネルを見て)ウッドが渋いですねー。あ、ルームミラーは自動防眩(後続車のヘッドライトの反射を自動的に抑制してくれる機能)だ! あいかわらず、テレスコは付いてないんですね、チルト(※)だけで。

※編集部注:「テレスコピック」はステアリングの前後位置、「チルト」は上下位置を調整する機能のこと

:(しばらく走って)やっぱり“抜いた”方がいいな……。

編集部(以下、編):何をですか?

:いや、シフトアップするとき、アクセルを抜くとスムーズにいくんですよ。

:そうなんですね……。しかし、高速道路を走っているときの感じが、さっき乗ったジャガー「XF スポーツブレイク」と比べて、だいぶ違いますね。同じ速度でも、こちらの方が迫力があるというか……。

:そうですね。ジャガーからは余裕を感じましたけど、運転する楽しさという意味では、こちらが上かもしれません。ただ、もう1段、ギアが欲しいかなー。あと、足まわりは結構、ビシビシ突き上げがきますね。嫌いじゃないですけど(笑)

「695C Rivale」のサイズは全長3,660mm、全幅1,625mm、全高1,505mm。価格は422万円だ

:フィアットの「500」に乗っていたときって、サブカーみたいな感じだったんですか?

:いえ、乗っていた距離でいうと、メインカーでした。本当はMT(マニュアルトランスミッション)がよかったんですけど、クラッチの左側に空間が少ないというか、足の置き場がなかったので、長く乗ると疲れるかなと思って、シングクラッチの2ペダルモデルをマニュアルモードで変速しながら乗ってました(※)。

※編集部注:シフトレバーでシフトを上げ下げできる機能のついたATがある。安東さんはシフト操作に悦びを感じるタイプのクルママニアだ

:3台目のクルマが買えれば「695C Rivale」みたいなクルマもいいかもしれないんですけど、ただ、距離を乗ることになると思うので、やっぱりディーゼルエンジンのクルマにしちゃうかな……。そういう意味では、「リーフ」の「e+」(※)も興味ありますね。

※編集部注駐車場の都合もあって、今は2台のクルマを所有している安東さんだが、もし3台目を買えるなら、日産自動車の電気自動車(EV)「リーフ」のハイパワーバージョン「e+」にも興味があるという。リーフの航続距離はWLTCモードで322キロだが、e+は約40%向上して同458キロになった

:長距離を乗ることがあるので、内燃機関に比べて航続距離の短いEVは選択肢に入らなかったんですけど、「e+」は航続距離が伸びましたもんね。航続距離を伸ばそうとして高性能なバッテリーを積むと、ハイパワーのモーターと相まってパワーも向上するところはEVの面白いところだと思います。内燃機関だと、パワーを上げると大抵、燃費が落ちますから。ただ、500万円近いですよね? 値段には驚きました(価格は「リーフ e+ G」というグレードで473万円弱)。その価格帯だと、どういう人が買うのかなー。「ちょっとEVに乗ってみよう」という人には高いですよね。

アバルト「695C Rivale」を運転しながら電気自動車について思いを馳せる安東さん

:アバルト、小粋でいいと思います。それに……(信号待ちで隣に止まったクルマを見て)あっ、「アルトターボRS」だ! ああいうクルマに乗っている人というか、ああいう嗜好を持っている人にとって、このクルマ(695C Rivaleのこと)は憧れかもしれませんね。運転されてる方も、こちらを見てましたし。しかし、こういう小さいクルマって、楽しいですよね!

スズキの軽自動車「アルト ターボRS」。大磯を試乗中、このクルマと信号待ちで隣り合わせになった

:フィアット「500」って、向こう(イタリア)では“足”として使われてますよね。すごいのは、新しいフィアット「500」が発売になったとき、イタリアでは、そのセレモニーが全国ネットでテレビ中継されたそうです。それを聞いて、国民的なクルマなんだなと実感しました。

こういうクルマって、運転を楽しむのには合っていると思います。フィアット「500」でも十分ですけど、もうちょっとスポーティーに走りたいっていう人にとって、「695C Rivale」は非常にいい選択肢でしょうね。

それに、4人乗れますしね! 「500」に乗ってたとき、小柄な女性を後席に乗せたことがあるんですけど、「快適だ」っていってましたから。ただ、前提として、前席に乗る人も小柄である必要がありますけどね。大柄な人が前に乗って、シートを後ろに下げちゃったら、さすがに厳しいので。

ジープ「ラングラー」で考えたクルマの合理性

アバルト「695C Rivale」の試乗を終えた安東さん。次に乗ったのはジープ「ラングラー」だ。実は、この時点で試乗時間が残りわずかになっていたので、あとの2台については少ししか乗れなかったことを、ここでお伝えしておきたい。

ジープ「ラングラー」と安東さん

:(乗り込んで)わ、いいなー! 以前、フォードの「エクスプローラー」に乗っていたので、こういう感じ、懐かしいですね。あ、フットレストがないのか……(※)。右ハンドルだから、仕方ないんでしょうけど。

※編集部注:安東さんが気にしているのは、運転中に左足を置いておける「フットレスト」があるかどうかということ

:ラングラーに試乗しようと思った理由は何ですか?

:(走り出しつつ)乗ったことがなかったんですけど、1度、この世界観を体験しておかないとまずいなと思っていて。ヘビーデューティーなクルマって、嫌いじゃないですし。

試乗したのは「UNLIMITED SAHARA LAUNCH EDITION」というグレード。価格は530万円、サイズは全長4,870mm、全幅1,895mm、全高1,845mm、ホイールベース3,010mmだ。「ラングラー」について弊紙では、モビリティジャーナリストの森口将之さんに詳しく解説してもらっているので、こちらの記事をご覧いただきたい

:過酷な使われ方を想定した、合理的な感じのクルマですよね。

:合理的という概念は好きです。クルマの場合、スポーツカーなのかSUVなのか、車種によって理想とする合理性は違うと思うんですけど、その車種の中では、最も合理的であって欲しいというか。

ラングラーもオフロードを走るクルマとしての合理性を突き詰めていて好印象なんですけど、右ハンドルにしたときフットレストが付いていないといういうのは、少し引っかかりますね。だって、ラングラーのようなクルマは、足を踏ん張って身体を支えなければならないわけじゃないですか。市街地で乗るなら影響はないのかもしれませんけど、本当のオフロードを走るときに、どうなるんだろうっていうのは、ちょっと気になります。ただ、こういうことはインポーターが頑張るといっても、限界がありますよね。

:合理性を追求しているクルマだけど、右ハンドルにした結果、少し不合理な部分が生まれてしまったという感じですか。

:踏ん張りづらいんじゃないかなー。「695」なんかもそうなんですけど、左ハンドルだと大きなフットレストがちゃんと付いてますからね。

マクラーレン「570S クーペ」は操作感が面白い

最後に、別の媒体が安東さんの試乗用に用意していたマクラーレン「570S クーペ」にも同乗させてもらったので、その様子をお伝えしておきたい。

マクラーレン「570S クーペ」で疾走する安東さん

:楽しいですか?

:やっぱり、楽しいですね! ブレーキペダルが重くて、かなり踏まないと効かないんですけど、それも、いかにも操作しているという感じがして、面白いです。

:本来は高スピードを出すクルマなので、あまり敏感にブレーキが効いても、ガクガクするというか、かえってよくないのかもしれませんね。

:「明確に踏む」って感じが必要なのかもしれませんね。普通のクルマの感覚で踏むと「あれっ!」って感じになりますから。

スーパーカーではありますけど、普通に乗れるといえば乗れるんで、そこがマクラーレンのすごいところですね。ソリッドな乗り心地ではありますけど。ただ、最低地上高が極端に低いので、普段使いに適しているかどうかは疑問ですね(笑)

「570S クーペ」は3.8リッターV8ツインターボエンジンを搭載するスーパーカーだが、安東さんによれば「普通に乗れる」とのこと。ただ、最低地上高が低く、高額なクルマでもあるので、段差を乗り越える際などは冷や汗をかきそうだ

慌ただしく3台の試乗を終えた安東さん。次に乗るのは、今回の試乗会で「最も乗ってみたかった」というテスラ「モデルX」だ。このクルマにはじっくり乗ってもらったので、その模様は次回、お伝えしたい。

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20日、NTTドコモが特定の端末の購入を条件に通信料金を割り引く「docomo with」、購入する端末に応じて通信料金を割り引く「月々サポート」を終了する方針を固めたという報道が話題となっている。

国内のモバイル業界では携帯電話料金見直しが進んでおり、3月5日には総務省が中心に進めてきた端末代金と通信料金の分離が閣議決定された。NTTドコモは分離プランを軸とした新料金プランを4月に発表する見込みだ。

日本のモバイル市場を大きく変えるこの動きを「歴史的チャンス」と見ているのがファーウェイだ。2018年末から米中対立が加速する中、ファーウェイが打ち出すメッセージも語気を強めている。果たして日本市場でシェアを拡大できるのだろうか。

逆風吹けども、依然として業績は好調

今年に入り、ファーウェイの周辺が騒がしい。3月7日には、ファーウェイは米国政府を相手取って訴訟を起こした

さらにその内容をFacebookでライブ配信するなど、米国以外の世界市場に向けたメッセージにもしており、そのメッセージをまとめたウェブサイト「Huawei Facts」は、わざわざ日本語版も用意している。

2018年末から続く米中対立を巡る報道は、ファーウェイの業績にどのような影響を与えたのか。MWC19でインタビューに応じたファーウェイ・ジャパンの呉波氏は、「一部の消費者は影響を受けたが、2019年に入ってから売上は大幅に伸びている」と語った。

ファーウェイ デバイス 日本・韓国リージョン プレジデントの呉波(ゴ・ハ)氏

話題の「折りたたみスマホ」でもファーウェイは先行する。

ファーウェイに先立って折り畳みスマホを発表したサムスンだが、こちらはMWCではガラスケース内での「展示」のみにとどまったのに対し、ファーウェイは「Mate X」の実機を用いて報道関係者に折り曲げを試させるなど、製品化で一歩先を行っていることをアピールした。

ファーウェイの折りたたみスマホ「Mate X」。報道陣には手に取って折り曲げてみる機会も用意された

Mate Xは次世代移動通信の「5G」にも対応しており、日本では5Gサービスの開始を待って投入時期を見極める方針だという。

ちなみに3月26日に発表予定のフラグシップ機「HUAWEI P30」シリーズは、例年通りのタイミングで日本市場に投入するようだ。SIMフリーでの発売だけでなく、ドコモが採用した「HUAWEI P20 Pro」のように大手キャリアによる採用があるかどうかも注目したい。

分離プランを「歴史的チャンス」と捉えるワケ

一方、2019年の国内モバイル市場で話題となっているのが携帯料金における「分離プラン」の導入だ。KDDIとソフトバンクはすでに導入済みだが、NTTドコモは4月に発表する新料金プランから本格導入するとみられている。

分離プランの特徴は、NTTドコモの「月々サポート」のように回線契約と紐付けた端末の割引が禁止される点だ。端末の割引自体が禁止されるわけではないというものの、大幅な割引は難しくなる。その結果、10万円を超えるようなハイエンド機ではなく、3〜4万円で一括購入しやすいミッドレンジ機の需要が高まるとの見方が有力だ。

この動きをファーウェイはどう見ているのか。

呉氏は「非常に重要視している。スマホが登場したときや、SIMフリー市場が始まったときのインパクトに引けを取らない、歴史的な瞬間になる」と興奮気味に語る。

日本のSIMフリー市場でベストセラーとなった「HUAWEI P20 lite」を始め、ファーウェイのミッドレンジ機のラインアップは厚い。モデルによってはフラグシップと同じCPUでミッドハイの価格を実現するなど、コスパの高さも特徴だ。大手キャリア向けにさまざまな提案ができる体制といえる。

フラグシップと同じ「Kirin 980」搭載でミッドハイ価格の「HONOR View 20」

また、5G対応も順調だ。

モバイルWi-Fiルーターに強みを持つファーウェイは、MWC19でも5G対応ルーターを多く出展していた。日本ではまだ周波数の割り当てが終わっていないものの、国内大手キャリアは2019年内にもプレサービスを始める動きがある。5Gスマホが普及するまでの間、5Gルーターの需要は高まる可能性がある。

5G対応のモバイルWi-Fiルーターも出展していた

ミッドレンジ市場の拡大を狙って、今年はシャープやサムスン以外にも、ソニーモバイルの参入も予想されている。

この価格帯が激戦区になることは間違いないが、ファーウェイはその中で高コスパの製品ラインアップや、国内での地道な販促活動やブランドメッセージの打ち出しによって対抗していく構えだ。

ヨドバシカメラ梅田店での販促イベントの様子
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3月19日、米国で開催中のゲーム開発者会議「GDC 2019」の会場で、Googleがクラウドベースのゲーミングプラットフォーム「STADIA」を発表した。特定のゲーム機に縛られず、ネットに接続したスマホやパソコン、テレビを通してストリーミング(配信)形式でゲームをプレイできる。

この事業を担当するバイスプレジデントとして、STADIAを発表するフィル・ハリソン(Phil Harrison)氏。そもそも彼からして、元はソニーのプレイステーション立ち上げの主要メンバーで、その後Microsoftに移りXboxを担当したという経歴の持ち主

かねてより、MicrosoftのXbox事業のトップマネージャーを引き抜いた、ソニーでPlayStationのハード開発にかかわったエンジニアが転職したといった噂が頻繁に流れており、「Googleがゲーム市場に本格参入する」という憶測は強まっていた。実際に2018年には、Googleは「Project Stream」と呼ばれるストリーミング形式のゲーム基盤の計画を発表し、米国内でベータテスターを募って技術テストを行っていた。

STADIAは、Project Streamの延長線上にあるサービスと見られる。ユーザーは特定のゲーム機を持っている必要がなく、従来のゲーム機の役割をするのはGoogleの設置するデータセンターだ。簡単に言えばクラウドサービスのように、実際にゲームタイトルが動作しているのはデータセンター側で、ユーザーはインターネットを介してゲームを遠隔でプレイする。

STADIAのデータセンターから配信されたゲームをパソコンでプレイしている様子
パソコンで遊んでいたのと同じゲームを、タブレットやテレビでも同じように遊ぶことができる

このプラットフォームの特徴によって、例えばYouTubeで新作ゲームのトレーラー動画を見ていて気に入ったときには、そのページ内の「プレイする」ボタンを押すだけで、インストールすら不要で、動画を再生するかのようにそのゲームをプレイできるようになる。

そして、STADIAのデータセンターが持つゲーム機としてスペックは、サービス開始時のものとして、GPUの演算性能は10.7テラFlopsに達するといい、これはPlayStation 4 Proの4.2テラFlopsや、Xbox One Xの6.0テラFlopsを大きく上回る。映像品質も4K/60fpsのストリーミングに対応し、将来は8K/120fps対応も予定しているという。

STADIA用の「STADIAコントローラー」も販売する。SNSアップ用のボタンや、Googleアシスタントボタンが備わっている

Googleは2019年中にSTADIAをローンチする予定で、まずは米国、カナダ、欧州でサービスを開始すると説明している。発表を受けた翌20日の東京株式市場では、任天堂とソニーの株価が揃って大きく下落した。投資家たちが、GoogleのSTADIAによって、Nintendo SwitchやPlayStationのビジネスが脅かされると考えたからだ。

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