メルペイはスマホ決済に「出遅れた」のか? 逆転の鍵はやはりメルカリ

メルペイはスマホ決済に「出遅れた」のか? 逆転の鍵はやはりメルカリ

2019.02.21

スマホ決済サービス「メルペイ」、3月Android版リリースへ

メルペイは「メルカリ経済圏」にどのような影響を与える?

○○ペイ参入増える中、メルペイはどう立ち向かうのか

メルカリ子会社のメルペイは2月20日、関係者向けのカンファレンス「MERPAY CONFERENCE 2019」を開催し、同社が2月13日より開始したスマホ決済サービス「メルペイ」の現状、および今後の事業戦略について説明した。

左から、メルカリ代表取締役会長/CEOの山田進太郎氏、メルペイ代表取締役の青柳直樹氏、メルペイ執行役員でBusinessDevelopment and Sales担当VPの山本真人氏

メルカリでの売上金をそのまま支払いに使えるという特徴を持ち、スマホ決済サービスの新たな選択肢として注目を集めるメルペイ。すでに三井住友カードとの事業連携を通じ、非接触決済サービス「iD」に対応したことが発表されており、今回のカンファレンスではその続報についての言及が期待されていた。

カンファレンスにはメルカリ代表取締役会長/CEOの山田進太郎氏、メルペイ代表取締役の青柳直樹氏らが登壇。他のスマホ決済サービスが乱立するなか、満を持して登場したメルペイの戦略とは?

Android版アプリの登場、QRコード決済追加でより便利に

新たに発表されたのは、Android版アプリのリリースについて。先日のサービスリリース時にはiOSのみで使用可能であったが、「Androidユーザー向けのアプリを開発中」だといい、2月末~3月初旬を目途にアプリをリリースする予定だ。これにより、iOS、Android両方のOSでiDに対応した加盟店でのスマホ決済が可能になる。

今月末~来月初めを目途にAndroid対応すると発表

さらに、決済方法の拡充についても発表した。3月中旬には、現在のiD決済に加えてQRコード決済にも対応する予定だ。

3月中旬にはコード決済に対応する

なお、2019年2月20日時点でメルペイ決済に対応するのは、iD決済による90万カ所ほど。コード決済への対応で45万カ所を追加し、合計135万カ所を見込む。コンビニエンスストア、スーパー、ドラッグストアといった日常生活でよく使う場所をカバーしつつ、今後はearthやRight-onなどのアパレルショップへの展開も進める。

現時点でセブンイレブンやローソン、ファミリーマート、ミニストップを含むコンビニ、ビックカメラやコジマなどの家電量販店などで使用可能だ。加盟店は今後も増やして行く予定

「出遅れた」メルペイ、この時期のリリースになったワケ

QRコード決済といえば、昨年「100億円ばらまきキャンペーン」で話題になったPayPayや、中国テンセントの「WeChatPay」と提携したLINE Payなどが先行している。

これらのサービスに出遅れた感があるメルペイだが、これについてメルペイ代表取締役の青柳氏は、「万全に体制を固めて臨んだ結果、このタイミングになった」と説明する。

メルカリのアクティブユーザー数は月間1200万人と多く、かつ同サービスでは年間5000億もの売上金があり、日々大量のお金が動いている。少々の不具合でも大きな混乱を巻き起こすとの見方もあり、慎重にならざるを得なかった。「金融サービスは、メルカリの中でも新しい取り組みだったため、コンプライアンスやリスク管理などの調整も必要だった」と続ける。

メルペイが「メルカリ経済圏」に与える影響

万を持して登場したメルペイであるが、メルカリの売上金を簡単に電子マネーに変換できるとあれば、"メルカリアプリ内で得た売上金を、再びアプリ内での商品購入に使用する”という流れが失われるようにも思える。これはメルカリにとって損失となる可能性もある。

その点について、メルカリCEOの山田氏は「これまでも、大部分のユーザーは売上金を銀行に移し、メルカリ外で使用していた」と答える。メルペイ投入後も、アプリ内でのお金の流通量に大きな変化はなく、「ただユーザーの利便性が増すだけ」という認識だ。

ユーザーを囲い込んでお金を循環させるというよりはむしろ、メルカリでの「二次流通」に至る前の「一次流通」での新たな接点を作ることで、さらなる発展を目指すというのが同社の戦略という。

こうした考えは、以前の「CtoC中心」のビジネスでは重要視されなかったことだろう。メルペイ今後、加盟店との間でのBtoB事業にも注力する考えを示す。それは単に決済時の手数料を得る以外にも(メルペイの決済手数料は1.5%、初期導入費用や固定費は0円)、「メルペイとメルカリから得たデータを活用してマーケティングにつなげる」という戦略も含まれる。

要は、メルペイが一時流通をサポートすることによって、メルカリでの二次流通の促進を狙う。メルペイの登場で、メルカリにも少なからずリターンがあるという想定だ。

「メルペイによって、メルカリはこれまでのように『個人』だけではなく、『企業』もエンパワーメントする存在になる」(山田CEO)

なお、メルペイに対応している銀行は、三菱UFJ、みずほ、三井住友、りそなといったメガバンクを始め、地方銀行やネット銀行など、多岐にわたる。今後の対応予定の銀行を含めると、現時点で60以上の銀行に対応する予定だ。

その中には、KDDI(au)運営の「auじぶん銀行」も含まれる。

KDDIは自社でも4月より新たな決済サービス「au PAY」を始める予定であり、「スマホ決済」という括りで見るとメルペイとは競合でもあるようにも思えるが、両社が協力するのには理由がある。

他社と協力し、加盟店の獲得へ

モバイル決済サービスが乱立する中、「加盟店を増やしたい」というニーズを持った企業は多い。そこで導き出した答えが、「OPENNESS構想」であった。

「加盟店のネットワークを作り上げるには、時間と労力が必要。そこで当社では、さまざまな業種の事業者と協力してインフラを構築することで、先行投資の負担を抑えつつ、キャッシュレス市場の拡大を目指す」(青柳氏)

つまり、「競合」というレッテルを貼って争うのではなく、協業することによって短時間・低コストでのサービス拡大を目指す。KDDIとは決済加盟店獲得のために営業連携し、さらにはJCBともパートナーシップを結ぶという。なお、こうした他業種との協業は今後も続けていく方針だ。

「au PAY」とはコード決済加盟店を獲得するために相互営業連携を行う

青柳氏は今後の長期的なビジョンについて、「現状はメルペイサービスの拡充に注力するため、具体的なプラン等があるわけではない」としつつも、「決済手段の提供に留まらず、新たな信用を生みだし、さまざな金融サービスを提供していく」と展望を語る。

「○○ペイ」との差別化が、生き残りの鍵

○○ペイと冠したサービスが乱立する「キャッシュレス市場」に、満を持して登場したメルペイ。リリースが遅れたことで、すでに「認知度No.1」という称号を手にしたPayPayなどの先行のサービスには遅れをとっているように思える。

実際、会場では「今後の新規ユーザーを獲得するためにどのような戦略を練っているか」という質問も出ていた。これに対して青柳氏は、「今後は当社でも新規ユーザー獲得のためのキャンペーンをする可能性はある」と話すものの、具体的なプランについては言及しなかった。

ただ、メルペイが他社のサービスと比較して、既にいくつかの強みを有しているのも事実だろう。日本最大級のフリマアプリであるメルカリは、アクティブユーザーの数だけで比べるとLINE Payの母体であるLINEには及ばないものの、「スマホ決済への参入前から、大量のお金のやり取りがなされている」という土台がある。

すでに売上金を抱えたユーザーが多く存在すること、さらにはメルカリユーザーであれば新たにアプリをダウンロードする必要もなく、アプリ上で得た売上金をそのまま電子マネーに変換できるというあたりが、メルペイならではの強みであろう。

「メルペイ」のメリットを強調

さらに同社には「ユーザーがメルカリで得た売上金は、使わなくなったものを売却したいわば余剰金であるため、そのお金を使って『また新たに何かを購入しよう』と考えるユーザーは多いはず」との見込みもある。ユーザーにとってメルペイ上のお金は「使いやすいもの」であるために消費のハードルが低い、ということだ。

こうしたメルペイならではの強みで他社サービスとの差別化をしながら、まずは堅調に自社サービスのUI・UXの向上に取り組み、徐々にユーザーの信頼を勝ち取っていくのが当面の目標であるという。

今回のカンファレンスと同じ日、新たにみずほフィナンシャルグループによるスマホ決済サービス「J-Coin Pay」も発表された。各サービスとも独自の強みを武器にしのぎを削るが、多くの○○ペイがあふれ、サービス名を覚えるのにも難儀する状況だ。今後は各サービスが生き残りの鍵を探る戦いになっていくだろう。

○○ペイに多くの事業者が参入する中、メルペイは優位な椅子を確保できるか
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給食「完食指導」は適者生存の虐待か? 子どもへの悪影響に賛否

カレー沢薫の時流漂流 第44回

給食「完食指導」は適者生存の虐待か? 子どもへの悪影響に賛否

2019.05.27

漫画家・コラムニスト カレー沢薫さんの社会派連載!

第44回は、子供のトラウマ「完食指導」問題について

給食の完食指導が問題になっている。

「お残しは許しまへんで!」

アニメ『忍たま乱太郎』に出てくる食堂のおばちゃんの有名な決めセリフである。

彼女はそのセリフの通り、それを破る者には烈火の如く怒り、時には一週間食事抜き、掃除をさせる等の罰も辞さないという、「食事を残す者を地獄の業火で焼く人物」として描かれている。

あくまでフィクションであるし、何せ彼女が飯を与えているのは忍者の卵である、今後おそらく山田風太郎の世界で活躍しなければいけない面々だ。適切に調理された食堂の飯が食えないようではやっていけるはずがない。

しかし、忍たま乱太郎の世界ではあれが適切としても、将来、忍にならない子ども相手にそれをやるのは問題なのではという声が挙がっている。

令和になっても残ってしまったトラウマ給食

石でも甘辛くしてもらえれば食える、という偏食のない人間には無縁な話だろうが、そうでない者には「給食のトラウマ」の一つや二つあるのではないだろうか。

一番多いのは「完食するまで帰れま10」だ。これが表題にもなっている「完食指導」である。食べきるまで昼休みに入らせなかったり、居残りをさせたりというものだが、中には「食べ物を無理やり口に詰め込まれて嘔吐」というストロングスタイルの指導を受けた者もいる。

ここまでなら、まだ個の問題だが「みんなが食べきるまで全員昼休みに入らせない」という、齢10にもいかない内から連座制の厳しさを叩きこむ学校もあるようだ。

これらは全て、トラウマとして残る。私でさえ、保育園の時、とりあえず口には入れたが長考したのち「やはり無理」と吐いたほうれん草の白和えのポップなビジュアルを未だ覚えているぐらいなので、無理やり口に入れられた人が忘れるわけがない。

漫画家の清野とおる先生も保育園の時、カワイイ女の子が無理やり嫌いなものを食べさせられ嘔吐したのがトラウマになっていると書いていたので、当事者でなくても同胞が目の前で嘔吐するというのは恐怖なのである。

その結果、傷を負い、登校拒否になったり体調不良を起こしたりする児童がおり、またこの経験から大人になっても「人と食事をするのが怖い」と感じる人もいるという。

そういった強制的完食指導に意味があるかというと、私はないと思う。なぜなら、未だにほうれん草の白和えが嫌いだし、義実家での食卓で姑が「今日の推し」と言わない限りは食わない気がするからだ。無理やり食わされても、大人なのでさすがに嘔吐はしないと思うが、代わりに耳あたりから出てくると思う。

このようにアレルギーでなくても「生理的に無理」な食べ物は存在する。生理的に無理な人の指が口の中に入ってくるところを想像して欲しい。「無理」としか言いようがないだろう。そのレベルでダメなものを飲みこませることが、人間にとってプラスになるとは思えない。

しかし、そこを慮りすぎて「好きな物しか食べない人間」になるのも問題である。「大して好きじゃない物」や「苦手な物」程度なら「感情を無にして食える」練習をしておいた方が、社会に出た時や義実家などでトラブルが起こりづらいのも確かである。

食育に力を入れている小学校では、生徒個人に合わせて最初から食べる量を増減させたり、または無理やり食べさせるのではなく、生徒自身が「今日俺ニンジン食っちゃうよ?」という気になるような給食環境づくりに取り組んだりしているという。

食事は「楽しい」ことが一番

昭和のトラウマランチタイムをサバイヴしてきた人間からすると、これらのやり方は「スイート」に感じられるかもしれない。

しかし、上記の食育に力を入れている学校の校長曰く「食事が楽しくなくなるのが一番ダメ」だそうだ。確かに、食事以外に楽しいことが一つもない、という人間は私含め大勢いるし、今の子どもの65%ぐらいはそういう大人になるはずである。(当社調べ)

そんな65%の唯一の楽しみを子どものころから奪うというのは、虐待と言っても過言ではないし、何のために生まれて来たのかさえわからなくなってしまう。

ちなみに私には90歳になる祖母がいるのだが、そのババア殿は一時期、シュークリームのクリームとジュースしか飲まないという、妖精みたいな生活を送っていたが、普通に生きている。何故なら、そのジュースが妖精になった老人用に作られたメチャクチャ栄養があるジュースだからである。このように、昔だと食事=適切な栄養を取る行為であったが、最近では食事からじゃなくても栄養はとれるようになってしまった。

ならば、食事をただの生命維持活動ではなく、「楽しみ」として重視していくのも自然の流れなのかもしれない。

もちろん、作ってくれた人への感謝など、倫理的なことを言えばやはり、偏食なく、出された物は何でも食えた方が良い。

よって、偏食が多い人も「これだけ嫌いなものがあるから出すな」「嫌いなものを食べさせようとするのはハラスメント」と己の権利を主張するだけでは、協調性がないと取られてしまう。

自分で作る、1人で食う、食事会でも自分が幹事をやって店を選ぶ、など嫌いな物を食べず、なおかつ周りにも不快感を与えない方法を考えていくべきだろう。この方法で、私は1年中300日ペペロソチーノだけを食い続けたが、特にトラブルはなかった。

と言いたいが夫に「くさい」と言われたので、自分の食を楽しみつつ、周りに迷惑をかけないのは、なかなか大変ことなのである。

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渦中のファーウェイ、スマホ新製品も発売延期が相次ぐ

渦中のファーウェイ、スマホ新製品も発売延期が相次ぐ

2019.05.24

米国政府がファーウェイを輸出規制リストに追加した

ファーウェイ製品の発売延期を決定する事業者が続出

輸出規制は世界経済の混乱を招く事態に……

米国政府がファーウェイを輸出規制リストに追加したことで、米中の貿易摩擦が加速している。5月21日には国内向けにスマホ新製品の発表会を開催したものの、発売を延期する事業者が相次ぐ事態となっている。

ファーウェイはスマホ新製品を発表したが、販路の多くで発売延期に

スマホ世界シェア2位に躍り出るなど、破竹の勢いで成長してきたファーウェイだが、果たして打開策はあるのだろうか。

世界シェアは再び2位に、国内でも攻勢に

ファーウェイはスマホ世界シェアでアップルと2位争いを繰り広げている。年末商戦シーズンにはアップルが2位に返り咲いたものの、2019年第1四半期にはファーウェイが前年比50%増となる5900万台を出荷したことで、再び2位に戻る形になった。

新製品発表会に登壇したファーウェイ デバイス 日本・韓国リージョン プレジデントの呉波氏

スマホ市場が伸び悩む中で、なぜファーウェイは劇的な成長を遂げたのだろうか。2018年後半から米中貿易摩擦が報じられる中、買い控える動きもある一方で、世界的な露出の増加によって、製品を手に取ってみる人が増えたことが背景にあるとファーウェイは見ている。

国内でも順調に伸びてきた。依然としてiPhoneはシェアの半数近くを占めるものの、直近1年間で最も売れたAndroidスマホはファーウェイの「P20 lite」だという(BCN調べ)。コスパの良さが高く評価されているのが特徴だ。

2019年夏モデルでは、NTTドコモがフラグシップ「P30 Pro」を、KDDIは「P30 lite PREMIUM」の取り扱いを発表。MVNOやオープン市場には「P30」と「P30 lite」を投入するなど、あらゆるセグメントに向けて最新ラインアップを一挙投入する予定だった。

ベストセラーの後継モデルとして期待される「HUAWEI P30 lite」

だが、こうしたファーウェイの快進撃に待ったをかけたのが、米商務省が発表した輸出規制リストへの追加だ。

複数の企業が取引を停止、国内で発売延期も相次ぐ

米商務省が5月15日にファーウェイを輸出規制リストに追加したことで、米国の製品やサービスをファーウェイに対して輸出することが同日より規制された。米国製の半導体やソフトウェアなどを利用できないのは大きな痛手だ。

その後、重要なサービスにファーウェイ製品を用いる企業向けに90日の猶予期間が設けられたものの、これからどうなるかは不透明な状況だ。グーグルやクアルコムなど米国企業をはじめ、米国技術に大きく依存している英Armもファーウェイとの取引を停止すると報じられている。

国内では早いものでは5月24日からP30シリーズのスマホが販売される予定だったが、大手キャリアやMVNO、量販店などが相次いで発売延期や予約停止を発表。既存のファーウェイ製品については販売が続いている状況だ。

NTTドコモが今夏発売予定の「HUAWEI P30 Pro」は予約受付を停止
KDDIの「HUAWEI P30 lite PREMIUM」の発売を延期した

ファーウェイは米国に頼らず必要な部品を調達する構えも見せているが、ファーウェイ包囲網は世界的に広がりつつある。OSであるAndroidはオープンソース版を自由に利用できるものの、グーグルのサービスがなければ海外展開は困難だ。

独自のKirinプロセッサーを有しているとはいえ、Armのライセンスがなければ開発継続は不可能とみられる。スマホ以外にも基地局などの通信インフラでファーウェイのシェアは高く、輸出規制が長引けば世界的に混乱を招きそうだ。

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