NPBとKONAMIがeBASEBALLに期待する“多層なファンの相乗効果”

NPBとKONAMIがeBASEBALLに期待する“多層なファンの相乗効果”

2019.02.25

NPBとKONAMIが開催した「eBASEBALL パワプロ・プロリーグ 2018」

関連資料が野球殿堂博物館へ寄贈されるほど、高い評価を得た

主催者であるNPBとKONAMIがeBASEBALLで目指すものとは

日本野球機構(NPB)とコナミデジタルエンタテインメント(KONAMI)が共催した「eBASEBALL パワプロ・プロリーグ 2018」は、野球ゲーム『実況パワフルプロ野球 2018』(パワプロ)を使用するeスポーツのプロリーグ。2018年11月にスタートし、今年1月の「SMBC e日本シリーズ2018-19」の決着をもって閉幕した。

NPBが手がけるプロ野球初のeスポーツリーグとして、野球界の歴史にも大きな足跡を残したと言えるだろう。その偉業を称え、eBASEBALL関連資料の「SMBC e日本シリーズに出場した埼玉西武ライオンズと横浜DeNAベイスターズのサイン入りユニフォーム」「サイン色紙」「最優秀選手 なたでここ選手使用のPlayStation 4用コントローラー」「PlayStation 4用ソフト『実況パワフルプロ野球2018』」が野球殿堂博物館へ寄贈された。これらの資料は約1年間展示される予定だ。

寄贈されたeBASEBALLの関連資料。選手の使用したコントローラーが野球のウイニングボールのように飾られている

これまで、ゲームソフトの『パワプロ』が野球殿堂博物館で展示されたことはあったが、eスポーツ関連の資料として展示されることは、画期的な事象だと言える。

そこで今回、日本の野球シーンに新たな1ページを刻んだeBASEBALLについて、大会運営を担ったNPB 総合企画室 室長 髙田浩一郎氏と、コナミデジタルエンタテインメント プロモーション企画本部 副本部長 車田貴之氏から、リーグを終えた感想などを伺った。

さまざまなファンが訪れたeBASEBALLの会場

――まずは、NPBとKONAMIが組んで「eBASEBALL パワプロ・プロリーグ 2018」を開催するに至った経緯をお教えください。

髙田浩一郎氏(以下、髙田):KONAMIさんの開催した大会「パワプロチャンピオンシップス 2017」を、NPBが公認したことがきっかけです。以前より懇意にさせていただいておりましたが、eスポーツリーグの共催という文脈では、これがきっかけになりました。また、ほぼ同時期にNPB内部でも「eスポーツについて何か取り組むべきではないのか」という話が出てきていたんですね。たしか、2017年の暮れくらいだと思います。そして12球団と真剣にeスポーツについて事業研究を始めた矢先、2018年の3月くらいにKONAMIさんから今回のお話がありました。

KONAMIさんからいただいたお話では、扱うタイトルが野球ゲーム『パワプロ』だったのですが、NPB内部では「NPBだからといって、野球にこだわる必要はないのではないか」という意見も出ました。議論を重ねていった結果、最終的には「両方やってみよう(※)」という答えになり、eBASEBALLを含む2つの競技タイトルで大会を開催することにしました。

大会の形態についても、さまざまなものを検討しましたが、アメリカのプロバスケットボールリーグ「NBA」が開催しているバスケットボールゲームのeスポーツ大会などを参考にして、やはり“リーグでやること”に意味があるのではないかと結論付け、今回のeBASEBALLを開催することに決めました。

※ NPBでは今回の『パワプロ』を用いた「eBASEBALL」だけでなく、2019年5月18~19日に『スプラトゥーン2』の大会を開催する予定。「第4回スプラトゥーン甲子園」に出場し、かつ応募のあったチームのなかから選考を行い、最終的に12球団によるドラフト会議で選ばれたチームが参戦する。

NPB 総合企画室 室長 髙田浩一郎氏

車田貴之氏(以下、車田):開催が決まったあとは、NPBさんと何度も議論を重ねて、概要を決めていきました。eBASEBALLでは出場者を“プロ野球eスポーツ選手”と位置づけることにしましたが、プロになるにはプロ野球と同じようにプロテストから始めて、ドラフト指名を勝ち取ってもらうことにしました。「もう一つのプロ野球」をテーマに設定していたので、流れはできるだけプロ野球と同じにしたかったんですよね。

具体的には、2018年7月30日からオンライン予選を開始し、その成績上位者のみが参加できるオフライン選考会を西日本と東日本で実施しました。そこで合格した36人が「eドラフト会議」に参加します。そして、各球団の指名によって、12球団を代表するプロ野球eスポーツ選手が決定するわけです。

コナミデジタルエンタテインメント プロモーション企画本部 副本部長 車田貴之氏

――そうしてプロ野球eスポーツ選手の所属チームが決まり、「もう一つのプロ野球」としてスタートしたeBASEBALLですが、シーズンを通しての感想を教えてください。

髙田:eドラフト会議では、前大会の「パワプロチャンピオンシップス 2017」や選考会の成績をもとに、ドラフト指名が行われていったのですが、実際にeBASEBALLのシーズンが始まると、ドラフト下位指名選手の活躍が目立ちましたね。

プロ野球でもドラフト上位選手が必ず活躍するわけではないですし、そこにドラマが生まれることもあるわけです。今回のeBASEBALLでもそのようなドラマがあり、人の感情を揺り動かすような結果を得られたのではないでしょうか。このような視点からも、2019年はもっと多くの人に観てもらえるはずだと手ごたえを感じましたね。

車田:回を追うごとにファンが増えていくのがわかりました。KONAMIではeスポーツ大会をいくつも開催していますが、eBASEBALLは雰囲気が違いましたね。『パワプロ』のファンだけでなく、プロ野球のファンや各球団のファン、eスポーツ自体のファンなど、さまざまな人に来ていただけました。そこに相乗効果が生まれ、プロ野球ファンがeスポーツやゲームに、eスポーツファンがプロ野球に関心をもってくださればと思います。

今シーズンでも、ファンの熱量が多くの人に伝わったことで、e日本シリーズで三井住友銀行(SMBC)さまがスポンサーとして参加してくださったのではないでしょうか。

髙田:大会を開催するにあたって、プロ野球の各球団からはマスコットを呼びました。試合の解説にはプロ野球のOBに来ていただきましたし、実況もプロ野球実況を現役で行っているアナウンサーにお願いしました。ゲームをほとんど遊んだことがないプロ野球ファンにも、そのあたりが刺さったのではないでしょうか。いろいろなタイプのファンがいて、会場で一緒に声を出して応援する。ほかではなかなか見られない光景ですよね。

e日本シリーズでは、12球団のマスコットとスポンサーSMBCのキャラクター「ミドすけ」が集結。全チームのマスコットがそろうのは、プロ野球ではオールスターゲームくらいだとか

――開幕戦は明らかにプロ野球チームのファンが多い印象でしたが、SMBC e日本シリーズではeBASEBALL選手の名前とチーム名が入った旗を振っている人を多く見かけました。eBASEBALL選手がプロ野球選手と同様に応援される存在になったのだと、確信した瞬間でした。それについてはどう感じられてますか?

車田:そうですね。いろいろな層の人がいるのは本当におもしろいですし、それぞれの層の人がeBASEBALLに興味を持ちだしているのはうれしいことです。あとは、ゲームのプレイヤー解説とプロ野球OBの解説の掛け合いもおもしろかったですね。eBASEBALLの解説をオファーするときに、内容の説明をするのが難しかったのですが、今回お願いしたプロ野球OBの方々はゲームシステムにも興味を持ってくださいました。特に、元ヤクルトスワローズ監督の真中満さんは、選手とのコミュニケーションを積極的に図ってくださって、eBASEBALLのいい雰囲気を作っていただけたと思います。

――シリーズ後半では、真中さんも選手固有の特殊能力である「チャンス○」や「調子の良し悪し」などを完全に理解していましたね。

髙田:真中さんは本当に吸収力がすごかったですね。演出については、こちらが本気度を出さなければ、観客に本気になってもらえないと思ったので、「プロ野球とはこういうものだ」というものをできる限り加えました。今後も、プロ野球と同じくらいに作り込んでいきたいですね。

eBASEBALL開幕戦の様子。左からフリーアナウンサーの田中大貴氏と元ヤクルトスワローズ監督の真中満氏、プレイヤーゲストのめし原氏

eBASEBALLをプロ野球と同じような興行スタイルへ

――SMBC e日本シリーズで、eBASEBALLの来季の開催が発表されました。来季はどのような形での運営を考えてますか? やはり野球観戦というと、ビールを飲みながら応援する楽しみもあるでしょう。ビールの売り子さんが居てくれると、さらに盛り上がると思います。あとは、選手のグッズが販売されていると、観に来る人もうれしいのではないでしょうか。

車田:いまはeBASEBALLというはじめての取り組みを終えたばかりなので、まだ来期の詳細までは決定していません。現在話し合いを進めている最中です。いかにしてファンや視聴者を増やしていくか、チーム編成や選手数、メディア対応など、しっかりまとめていく必要があると思います。

髙田:個人的には物販や会場での飲食など、みなさんが想像するような取り組みをしていきたいですね。やりたいことをすべて盛り込むことは難しいですが、それでも期待に応えていきたいと思っています。

開幕戦の様子。試合前にオンライン投票での勝敗予想が行われた

――来期のスポンサーについてはいかがでしょう。e日本シリーズではSMBCがスポンサーについたこともあり、さまざまな企業がスポンサーに名乗り出てきそうですが。

髙田:特にBtoC向け企業の方が注目してくださっているようです。実際、会場にはさまざまな企業の方が視察にいらっしゃっていたようですね。eBASEBALLは、プロ野球ファンとeスポーツファンの両方をカバーできる希有な存在でもあります。そういう部分が企業にとって興味の対象になるのかもしれません。

――では、最後に来期に向けてひと言お願いします。

車田:「百聞は一見にしかず」という言葉は、まさにeスポーツ、eBASEBALLのための言葉だと思います。単語だけ知っている状態と、実際に会場や動画で観たあとでは、eスポーツやeBASEBALLの印象は大きく変わるはずです。

eBASEBALLや『パワプロ』が好きな人は、これからプロ野球が始まるので、キャンプやオープン戦も観てほしいですね。実際にキャンプ地まで行くのは大変なので、スポーツニュースやネットニュースでチェックするのもいいと思います。そうすれば、2019年シーズンのeBASEBALLをより楽しめるようになるのではないでしょうか。

髙田:来季もさまざまな施策を実施する予定ですが、その前に一度、KONAMI公式チャンネルのアーカイブに残っているeBASEBALLの配信動画を観てほしいですね。そして、いざシーズンが始まったら、ぜひ会場に足を運んでみてください。そこには野球場と同じようなドラマがあり、感動があるので、それを実際に感じていただきたいと思います。

またNPBとしては、プロ野球eスポーツ選手がしっかりと職業になるような形を目指さないといけないと思っています。そのためにも、eBASEBALLを事業としてきちんと定着させなければなりません。ゲームではありますが、プロ野球と同じような興行スタイルへと作りこんでいきたいですね。

――ありがとうございました!

プロ野球初のeスポーツリーグとしてeBASEBALLは、成功を収めることができたと言えよう。ただし、eペナントレースは各チーム1節3試合ずつ、全5節でリーグ戦が終了し、eリーグ代表決定戦やSMBC e日本シリーズが1試合のみ、3イニング交代制という形式が正解かどうかは、検討してみる余地がありそうだ。

また、動画配信に関しては視聴者数も期待以上のものだったが、実際に会場に足を運ぶとなると、観戦環境としては設備が足りないという印象も持った。プロ選手としての報酬額についても、物足りなさを感じた人もいるのではないだろうか。

具体的な運営は検討中とのことだったが、ファンとしては、プロテストやドラフトから再スタートするのではなく、選手がある程度チームに固定されると応援しやすいように思う。プロ野球の試合前にファンと『パワプロ』で対戦するようなサービスがあれば、両者がさらに一体化していけるかもしれない。

長年「プロ野球」というリーグを手がけてきたNPB。eBASEBALLの課題はあるだろうが、その手腕に期待したいところだ。

「SMBC e日本シリーズ2018-19」のアーカイブ動画
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2019.06.17

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最後になりますが、改めて皆様に感謝いたしますとともに、引き続き、マイナビニュースにてご愛顧いただけましたら幸いです。

放置されていた不寛容? 国会まで届いた「パンプス強要」騒動

カレー沢薫の時流漂流 第47回

放置されていた不寛容? 国会まで届いた「パンプス強要」騒動

2019.06.17

最近女性の間で「#MeToo」ならぬ「#KuToo」運動がにわかに盛り上がっている。

「#KuToo」とは「靴」と「苦痛」をかけており、職場や就職活動で、足を痛めるパンプスやヒール靴の強要をやめようという運動である。

そもそもそんなの誰も強要してねえよ、と思われるかもしれない。確かに規定として靴の形状やかかとの高さまで定めている会社はレアだろう。しかし、私の元いた会社でも、規則があるわけでも、誰に言われたでもなく、みな一様に黒のパンプスを履いていた。それが「暗黙のルール」であり、それ以外は「非常識」と見られる風潮は確かにあるのである。

これが就職活動になると、パンプスを履いていないだけで「こいつは常識がない」と見なされ不採用になってしまうかもしれない、ということだ。そうなると女子学生は足を負傷してでもパンプスを履かざるを得なくなってしまう。

正直、パンプスは苦痛

パンプスがそんなに苦痛か、というと、靴の中では殺傷能力が高い方である。これは他人への、という意味ではなく自分へのだ。他人を殺傷したいならカウボーイが履いている、かかとにピザカッターがついている奴を履いた方が良い。

狭いつま先に足の指が密集されるため、私もよく爪で隣の指を切って足を血だらけにしていたし、伸縮性にかける素材のため、あわないパンプスだと試着の時点で靴擦れが出来るレベルなのだ。

世の中には素肌に荒縄で亀甲縛りを施し、その上に上等なスーツを羽織って出社している人も多いと思う。とても痛いだろうが、それは強制されたわけではなく、その人が好きで楽しいからやっているのだ。

つまり、好きでもない上にとても痛いパンプスを強制で履かなければいけないというのは、上等なスーツの下が亀甲縛りなことよりも「異常」なことというわけだ。

この運動はすぐに広まり、いきなり国会でも議論されたという。これにより「厚労相がハイヒール強要を容認」という見出しのニュースまで踊り出ることになった。

完全に自由と言われても困るのでは?

「厚生省に、女がハイヒールを履かないと死ぬ病の人が!?」と驚いたが、記事をよく見ると見出しほどのことはなく、厚労相の発言は「これは社会通念に照らして業務上、必要かつ相等な範囲かと、この辺なんだろうと思います」というかなりボンヤリしたものであり、どっちでも良い事を聞かれた私のリアクションに似ている。

しかし「ハイヒールが履けない女は何やってもダメ」などと強い事を言っているわけではないが、「業務上必要ならパンプス履くべきだろ」という「容認」に聞こえなくもない。すぐさま「業務上ハイヒールが必要な仕事って何だよ」という疑問が挙がり、「SMの女王様」「(ハイヒールでキレッキレに踊る)perfume以外ありえない」などの声が相次いだ。

この社会問題がすぐ大喜利になってしまうのは良くも悪くも「ザ・ツイッター」という感じだ。

確かに「業務上必要」となると、まだかかとにピザカッターがついている靴の方が「ピザを食う時」必要な気がする。

ただ、靴や服装を完全に自由化し、何でもOKにすれば良いかというと、それはそれで問題が起きると思う。ファッションに疎くコーディネートが苦手な人間からすれば、職場に何を着ていいのか全く「指針」がないというのは迷子になるし、接する側としても、車を買いにいってディーラーが、イモ―タンジョ―の完コスで出てきたら「キャデラックしか買うことを許されないのか」と委縮してしまう。就活マナー本に「俺の考えた最強の就活ファッションで挑みましょう」とだけ書かれていても逆に困るだろう

着る側としても、それに接する側としても、社会において服装にある程度規定や模範があるというのはメリットでもあるのだ。

そもそも規定や常識というのは、秩序を作ることにより問題を減らすためにあるものなのだ。しかしそれが元で「足を負傷する」という「問題」が起こっているなら本末転倒なので、やはり解消はすべきなのだろう。

極論に流れない寛容さが足りない

おそらく「#KuToo」を提唱している人も「ドラゴン柄のコンバースで就活したい」と言っているわけではないのだ。最近は「パンプスに見えるスニーカー」なども存在するし、パンプスでなくても地味な靴はいくらでもある。そのような靴を履いていても「パンプスじゃないから非常識」と見るのをやめてほしいという話だろう。

ちなみに私が会社員時代履いていたパンプスだが、黒の革靴ではあったが、つま先は限りなく丸く、ヒールはなきに等しい、今思えばあれはパンプスだったのか、70過ぎのババアが旅行に行くときに履くヤツなんじゃないか、という代物であったが、特に何も言われなかった。

「#KuToo」が求めるのも、そのぐらいの「寛容さ」なのではないだろうか。

【お知らせ】
連載「カレー沢薫の時流漂流」の掲載場所を変更します。
→ 新しい掲載場所はこちら https://news.mynavi.jp/series/jiryu_hyoryu