自動運転に力を入れるDeNAとドコモ、その狙いは?

自動運転に力を入れるDeNAとドコモ、その狙いは?

2016.07.19

近頃注目を集める自動運転だが、7月8日福岡市と九州大学、そしてNTTドコモとディー・エヌ・エー(以下、DeNA)がコンソーシアムを結成し、九州大学構内で自動運転の実証実験を開始することを発表した。自動運転のコンソーシアムに参加するIT関連企業の狙いはどこにあるのだろうか。

九州大学構内で自動運転の実証実験を実施

かつては夢物語とも言われた自動車の自動運転。だがセンサー技術の急速な向上などにより、自動運転は現実のものとなりつつある。既にグーグルが自動運転の実用に向け自動運転車の開発を進めているほか、テスラモータズも自動運転機能「オートパイロット」を自社の車に搭載。ハンドルから完全に手を放すことはできないなど人間が乗車している必要はあるものの、既に自動運転は現実のものとなっている。

だが一方で、自動運転に関しては技術が進化する一方、法整備の面では準備が整っていない。特に完全無人による自動運転の実現には、車両を制御するドライバーの乗車を前提とするジュネーブ条約の批准などの問題もあり、非常に多くのハードルが存在することは事実だ。そうしたことから現在のところは、あくまでドライバーが乗車し、何らかの制御できる状態でのみ、自動運転サービスを提供している。

しかしながらそれでも、無人での自動運転に大きな可能性を抱き、自動運転サービス提供の実現に向け力を入れる取り組みは多く見られるようになってきた。中でも国内において非常に大きな動きといえるのが、7月8日に福岡市が、九州大学とNTTドコモ、そしてDeNAと共同で「スマートモビリティ推進コンソーシアム」を結成、九州大学の伊都キャンパスで自動運転バスのサービス実現を目指すというものだ。

7月8日に「スマートモビリティ推進コンソーシアム」を結成。福岡市役所で、4団体のトップが自動運転シャトル「EZ-10」を前に握手を交わした

このコンソーシアムでは、DeNAが提供する、仏企業のイージーマイル社製の自動運転バス「EZ-10」を用いた「ロボットシャトル」の基盤を活用。そこにNTTドコモが持っているネットワーク技術や人工知能などの技術を用いることで、より安全で確実な自動運転の実現を目指すとしている。なお今回の実証実験は、早期に商用サービスの提供実現を目指すため、完全無人の自動運転ではなく、運転席はないが緊急対応のオペレーターが乗車する形になるとのことだ。

実証実験の場となる九州大学の伊都キャンパスは、あくまで大学の敷地ではあるものの、275ヘクタールという広大な敷地を有しているほか、キャンパス内には人だけでなくバスや自動車などが走っており、しかも坂や信号などがあるなど、公道に近い環境であるため実証実験の場としては非常に適しているという。また大学内ということもあって、ITの知識を持つ若い層が多いことから、自動運転に対する理解も得やすいことも、大きなポイントとなっているようだ。

実証実験の場となる九州大学の伊都キャンパスは、275ヘクタールの広大な敷地の中にバスや車も奏功し、坂やカーブ、信号もあるなど公道に近い環境となっている

そしてもう1つ、このコンソーシアムで大きな役割を果たすのが福岡市だ。福岡市は国家戦略特区に指定されていることから、自動運転に関する法律上の問題に対しても柔軟な対応が取りやすい。しかも今回のコンソーシアム結成には、福岡市長の高島宗一郎氏が大きく関わっていることから、自治体のバックアップが得られるというのも大きなメリットとなっている。

自動運転でいち早く実績を作りたいDeNA

だが今回のコンソーシアムに参加する企業の顔ぶれを見ると、いずれも自動車関連企業ではなく、IT関連大手のDeNAと、携帯電話大手のNTTドコモである。自動車と直接関係のない両社がコンソーシアムに参加する企業の狙いはどこにあるのだろうか。

DeNAが狙っているところは、やはり自動運転の実績作りであろう。DeNAは元々コマースやゲーム事業に強みを持つが、これら分野での競争は厳しさを増している。そうしたことから最近ではライフスタイルやヘルスケアの事業に進出するなど、強みとするIT技術を活用した多角化を進めつつある。そうした多角化の1つとして、DeNAが推し進めているのが自動車に関連事業である。

これまでもカーシェアサービスの「Anyca」を展開したり、駐車場のシェアサービスを展開する「akippa」に出資したりするなどの取り組みを進めているが、同社が最も力を入れているのは自動運転によるサービスの提供だ。実際DeNAは昨年5月、自動運転技術を持つベンチャー企業のZMPと共同で、「ロボットタクシー」を設立することを発表。自動運転によるタクシー事業の実現に向けた取り組みを進めており、今年3月には神奈川県藤沢市で実証実験も実施している。だがロボットタクシーは公道を走行してはじめて成立する事業でもあるため、完全無人の自動運転による事業実現にはまだ時間がかかるというのが正直な所だ。

DeNAは昨年5月に、ZMPとのジョイントベンチャーで「ロボットタクシー」を設立、自動運転による公道でのタクシー事業実現に向けた取り組みを進めている

そこで、より現実的な自動運転によるサービス提供に向け、新たに開始したのがロボットシャトル事業である。これはコンソーシアム設立の前日に発表された新しい事業で、イージーマイル社のEZ-10を用い、公道ではなく私有地を対象として、完全無人自動運転によるシャトルバスシステムを提供するというものだ。

ロボットシャトルはあくまで私有地をターゲットにしていることから、法律面の問題に関して大きな影響を受けることなく、サービスを提供しやすい点が大きな特徴となっている。実際DeNAは、やはり国家戦略特区である千葉市にある「イオンモール幕張新都心」に隣接する豊砂公園で、8月より試験的にロボットシャトルによるサービスを提供することを既に発表している。

DeNAはコンソーシアム結成の前日に、仏企業の自動運転シャトルバスを用い、私有地を対象に自動運転サービスを提供する「ロボットシャトル」事業を発表している

だが一方で、ロボットシャトルのサービスはまだ始まったばかりであり、私有地と私有地の間に公道を挟んだ場合の対処など、さまざまな課題をクリアする必要がある。そうした法整備の問題も含め、ロボットシャトルのシステムをより安全かつ確実に運用できるようにして、普及を進めるためにも、国家戦略特区であり、行政側が協力的な姿勢を示している福岡での実証実験に参加したといえそうだ。

5Gや公共事業への強化を目論むNTTドコモ

一方のNTTドコモが参加したのには、自動運転に自社技術を取り入れることで、都市計画や公共交通などのビジネスにより大きく入り込む狙いが大きいのではないかと考えられる。

今回の実証実験でNTTドコモが果たす役割の1つは、道路に設置したカメラや、埋め込んだセンサーによって、自動運転車からは認識できない危険情報を通知することで、安全な運行を実現する「路車間協調技術」の構築、つまりハード面の取り組みだ。そしてもう1つは、バス内のサイネージに話しかけることで経路などを案内してくれる音声エージェントや、人工知能を活用して乗車数を予測し、最適なルートを選択する「運行管制技術」など、ソフト面の取り組みである。

前者の取り組みからは、NTTドコモが持つIoTに関連した技術を活用することで、自動運転に関するノウハウを蓄積したい狙いがあると見ることができそうだ。完全無人での自動運転を実現するには、車側の技術だけでなく、ネットワーク経由でのコントロールや、センサーを活用した自動運転に優しい都市全体の構築も求められる。そうしたことから自動運転が広く普及する将来を見据え、早い段階で自動運転に関わることで情報や知見を蓄積しておくことで、ネットワークを活用した公共ビジネスの拡大に生かしたい狙いがあるといえるだろう。

NTTドコモは路上に埋め込んだセンサーを活用し、道路の危険状況などをバスに伝えて安心を実現する「路車間協調」を手掛けるが、これはIoTの技術応用と見ることができる

特にNTTドコモは、2020年に次世代の通信方式「5G」による通信サービスを実現するべく取り組みを進めている。そして5Gは現在のLTEよりも遅延が少ないことから、それを活用して車同士が通信することで、互いの距離を調整する「車車間通信」など、自動運転に生かしやすいネットワーク技術が多く実現すると見られている。そうした5Gの時代に備えた地ならしの一環としても、自動運転に取り組む必要があったといえる。

一方でソフト面の取り組みからは、やはり人工知能や音声認識などといった、いま注目されている技術を積極的に取り入れつつ、実証実験でしか得られない情報を得ることで、その精度を高め実サービスに反映したい狙いがあると考えられる。こうした技術は「しゃべってコンシェル」など既存のサービスだけでなく、公共事業などでも生かせるものとなり得るだけに、今回の実証実験は社会インフラでの活用に向けた取り組みとしても、大きな意味を持つといえる。

NTTドコモはハード面だけでなく音声による対話や、人工知能を活用した運行予測など、ソフトウェア面での技術提供も実施している

企業も自治体も、自動運転に関する取り組みはまだ始まったばかりであり、実験を進めていく中でさまざまな問題点が起きてくる可能性がある。だがそうした課題にいち早く対処し、知見として取り込むことができるのも、先駆的に取り組んでいる企業ならではのメリットとなることは確かだ。実証実験に参加した両社が、先行した取り組みによって国内で自動運転を活用したインフラやサービス整備の主導権を握ることができるかどうか、注目されるところではないだろうか。

LINE WORKSを削除(解約)するには?

LINE WORKSを削除(解約)するには?

2019.03.21

LINE WORKSを解約したいと思ったら

解約の前にまずは「所属メンバーの削除」を行う

ユーザーは自分のアカウントを削除できるの?

LINE WORKSを試験的に導入したけれど合わなかったという場合や、利用していたプロジェクトが終了したから削除したいという場合に備えて、LINE WORKSを削除(解約)処理する手順をまとめておく。

LINE WORKSの削除はメンバー削除から

「管理者画面」を開いた上で「基本設定」を開くと、左メニューの一番下に「LINE WORKSの解約」という項目がある。ただし、使っている最中にいきなり解約しようとしても「解約できません」と表示されるはずだ。解約のためには、先に所属メンバー全員を削除しなければならない。

「基本設定」で「LINE WOKRSの解約」を選択
メンバーが残っていると解約できない

メンバー削除は、上メニューで「メンバー」を選んだ画面から行える。最高管理者は削除できないため、解約準備ならば上部のチェックボックスを使って全員を一括選択してから、最高管理者のチェックだけを外すのが簡単だ。上にある「削除」をクリックすると確認画面が表示されるので、「メンバー削除」で完了させよう。

なお「副管理者」など役職者については先に権限を削除してからでなければメンバー削除ができないので注意して欲しい。

「メンバー」で最高管理者以外を選んで「削除」をクリック
確認画面で「メンバー削除」をクリックしよう

解約理由を添えて処理完了

再度「基本設定」で「LINE WORKSの解約」を選ぶと、メンバーの削除が完了していれば解約へ進む画面が表示されるはずだ。最高管理者のパスワードと、解約理由のアンケートを入力すれば解約が完了する。

最高管理者のパスワードを入力
解約理由のアンケートも必須項目だ

個人アカウントの削除方法は?

LINE WORKSを管理者ではなくユーザーとして利用している場合、自分のアカウントを削除することはできない。

LINE WORKSのユーザーアカウントは、会社のメールアドレスのようなイメージだ。アカウントに利用する文字列などはユーザーが決められるが、アカウントの存在自体は管理者がそれぞれに発行している。そのためユーザー側はログインしないことで「使わない」状態にはできても、削除はできない。もし退職する、プロジェクトから外れるなど事情がある場合には、管理者にメンバー削除の依頼を出そう。

同じく、最高管理者の権限を持っている人が異動等でアカウントを削除したい場合には、まずは権限の委任をして、一般ユーザーになってからメンバー削除をしてもらう必要がある。

「LINE WORKS 完全指南 設定&使い方」バックナンバーはこちら
https://biz.news.mynavi.jp/category/lineworks

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総務省施策が追い風に? 携帯分離の「歴史的チャンス」狙うファーウェイ

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2019.03.20

モバイル業界を変える「携帯値下げ議論」が過熱

ファーウェイは日本を取り巻く環境を「歴史的チャンス」と発言

コスパ高いミッドレンジ端末でシェア拡大を目指す

20日、NTTドコモが特定の端末の購入を条件に通信料金を割り引く「docomo with」、購入する端末に応じて通信料金を割り引く「月々サポート」を終了する方針を固めたという報道が話題となっている。

国内のモバイル業界では携帯電話料金見直しが進んでおり、3月5日には総務省が中心に進めてきた端末代金と通信料金の分離が閣議決定された。NTTドコモは分離プランを軸とした新料金プランを4月に発表する見込みだ。

日本のモバイル市場を大きく変えるこの動きを「歴史的チャンス」と見ているのがファーウェイだ。2018年末から米中対立が加速する中、ファーウェイが打ち出すメッセージも語気を強めている。果たして日本市場でシェアを拡大できるのだろうか。

逆風吹けども、依然として業績は好調

今年に入り、ファーウェイの周辺が騒がしい。3月7日には、ファーウェイは米国政府を相手取って訴訟を起こした

さらにその内容をFacebookでライブ配信するなど、米国以外の世界市場に向けたメッセージにもしており、そのメッセージをまとめたウェブサイト「Huawei Facts」は、わざわざ日本語版も用意している。

2018年末から続く米中対立を巡る報道は、ファーウェイの業績にどのような影響を与えたのか。MWC19でインタビューに応じたファーウェイ・ジャパンの呉波氏は、「一部の消費者は影響を受けたが、2019年に入ってから売上は大幅に伸びている」と語った。

ファーウェイ デバイス 日本・韓国リージョン プレジデントの呉波(ゴ・ハ)氏

話題の「折りたたみスマホ」でもファーウェイは先行する。

ファーウェイに先立って折り畳みスマホを発表したサムスンだが、こちらはMWCではガラスケース内での「展示」のみにとどまったのに対し、ファーウェイは「Mate X」の実機を用いて報道関係者に折り曲げを試させるなど、製品化で一歩先を行っていることをアピールした。

ファーウェイの折りたたみスマホ「Mate X」。報道陣には手に取って折り曲げてみる機会も用意された

Mate Xは次世代移動通信の「5G」にも対応しており、日本では5Gサービスの開始を待って投入時期を見極める方針だという。

ちなみに3月26日に発表予定のフラグシップ機「HUAWEI P30」シリーズは、例年通りのタイミングで日本市場に投入するようだ。SIMフリーでの発売だけでなく、ドコモが採用した「HUAWEI P20 Pro」のように大手キャリアによる採用があるかどうかも注目したい。

分離プランを「歴史的チャンス」と捉えるワケ

一方、2019年の国内モバイル市場で話題となっているのが携帯料金における「分離プラン」の導入だ。KDDIとソフトバンクはすでに導入済みだが、NTTドコモは4月に発表する新料金プランから本格導入するとみられている。

分離プランの特徴は、NTTドコモの「月々サポート」のように回線契約と紐付けた端末の割引が禁止される点だ。端末の割引自体が禁止されるわけではないというものの、大幅な割引は難しくなる。その結果、10万円を超えるようなハイエンド機ではなく、3〜4万円で一括購入しやすいミッドレンジ機の需要が高まるとの見方が有力だ。

この動きをファーウェイはどう見ているのか。

呉氏は「非常に重要視している。スマホが登場したときや、SIMフリー市場が始まったときのインパクトに引けを取らない、歴史的な瞬間になる」と興奮気味に語る。

日本のSIMフリー市場でベストセラーとなった「HUAWEI P20 lite」を始め、ファーウェイのミッドレンジ機のラインアップは厚い。モデルによってはフラグシップと同じCPUでミッドハイの価格を実現するなど、コスパの高さも特徴だ。大手キャリア向けにさまざまな提案ができる体制といえる。

フラグシップと同じ「Kirin 980」搭載でミッドハイ価格の「HONOR View 20」

また、5G対応も順調だ。

モバイルWi-Fiルーターに強みを持つファーウェイは、MWC19でも5G対応ルーターを多く出展していた。日本ではまだ周波数の割り当てが終わっていないものの、国内大手キャリアは2019年内にもプレサービスを始める動きがある。5Gスマホが普及するまでの間、5Gルーターの需要は高まる可能性がある。

5G対応のモバイルWi-Fiルーターも出展していた

ミッドレンジ市場の拡大を狙って、今年はシャープやサムスン以外にも、ソニーモバイルの参入も予想されている。

この価格帯が激戦区になることは間違いないが、ファーウェイはその中で高コスパの製品ラインアップや、国内での地道な販促活動やブランドメッセージの打ち出しによって対抗していく構えだ。

ヨドバシカメラ梅田店での販促イベントの様子
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