オフィスに「メディア・アート」を導入するという新潮流

オフィスに「メディア・アート」を導入するという新潮流

2019.02.19

働きやすいオフィス構築に取り組む企業が増えた

アンダーデザインがオフィス環境作りに選んだメディア・アート

メディア・アートでリブランディングにも挑戦する

ここ数年、オフィスの緑化を進める企業が増え、なかには水が流れる小さな滝を表現するオブジェを導入したオフィスもある。これらは植物や水といった自然物をオフィス環境に導入することで、そこで働くスタッフに安らぎを感じてもらおうという取り組みだ。

しかし最近は、オフィスの緑化ではなく、「メディア・アート」により、スタッフに快適に働いてもらおうという動きも見え始めてきた。

そもそもメディア・アートは、「芸術表現に新しい技術的発明を利用する、もしくは新たな技術的発明によって生み出される芸術の総称的な用語」(出展:Wikipedia)とあるように、テクノロジーを活用した芸術作品。芸術ユニット「明和電機」や、メディア・アーティスト 落合陽一氏の作品が有名だ。

そのメディア・アートをオフィスに導入するのは、自然物による緑化オフィスとは方向性が真逆のようなイメージを感じる。だが、スタッフに心地よく仕事をしてもらおうという意味では、同じ方向を向いているといっていい。

こうしたメディア・アートによって、自社のオフィス環境を洗練、改善しようと積極的に取り組んでいる企業がある。ITインフラ構築や空間プロデュースなどを手がけている、アンダーデザインという企業だ。

洗練されたオフィス構築のためのメディア・アート

同社は「OFFICE × ART -digital-」をテーマとするワーク&アートスペース事業の展開を計画中。現在は自社のオフィスで実験中だが、成果があれば他社への販売を検討する考えだ。

実はアンダーデザインは、創業70年を数える意外と古い企業。戦後から高度成長期にかけて、急速に発展していった電話などの通信インフラの構築・整備をメインの事業としてきた。やがてITが発達すると、コンピュータ・ネットワークの領域にも事業領域を広げている。つまり、通信技術の進歩とともに、歩んできた企業なのだ。ちなみに、アンダーデザインの旧名は「旭コムテク」で、2018年10月に改称した。

戦後から通信インフラを手がけたアンダーデザインの受付電話。若い人のなかには、使い方がわからないという声も

現在、同社の名古屋オフィスにメディア・アートが導入されている。正方形の高輝度LEDパネル数枚がオフィス内に飾られているのだが、気象情報をネット経由で取得し、その変化によりツリー構造状に光が走るという映像を映し出している。この映像のパターンは気象情報の変化をもとにリアルタイムで生成しているので、常に変化し、同じ図柄になることはないそうだ。なお、この作品は映像音響インスタレーションを中心に国内外で活躍するアーティストの平川紀道氏によるもの。

高輝度LEDに映し出されるツリー構造

メディア・アート導入で企業のリブランドを推進

では、なぜメディア・アートを導入しようと考えたのか。アンダーデザイン 代表取締役社長 川口竜広氏は、「社員がクリエイティビティを発揮しやすいオフィス環境をつくるのが目的。日本の中小企業は技術力があるし、経営基盤が強いところが多い。だが、唯一足りなのが“クリエイティビティ”だと思う。この点においてはアメリカに大きく差をつけられている」と話す。メディア・アートをオフィスに導入すれば面白いし、クリエイティビティの向上につながるかもしれないと思ったそうだ。

アンダーデザイン 代表取締役社長 川口竜広氏

ただ、メディア・アートのオフィス導入にはもうひとつのねらいがあると川口氏は続ける。前述したように、同社は70年の歴史を誇る。ただ、それだけに組織が硬直しがちなのだそうだ。「これまで、何度か“企業のイノベーション”に挑戦した。だが、70年続けてきた“通信インフラ”というメインの事業の文化に押され、なかなか定着しなかった。それならば、まったくその領域と異なる文化を創り出すしかない」と川口氏は考えたそうである。それが、メディア・アートというわけだ。

そのためにリブランディングを行った。社名変更もしたし、これまでとは異なる新組織を立ち上げた。事業所も分け、そしてワーク&アートスペース事業に精通した人材を集めた。まずは、同社の名古屋オフィスでメディア・アートを試し、随時、ほかの拠点にも広げていく考えだ。そして“これはいけそうだ”という成果と手応えを感じたら、社外への提供も視野に入れている。

川口氏はメディア・アート導入でもうひとつの効果が得られたと話す。ホームページを洗練されたものに刷新した効果ともあいまって、就職希望者が増え、「これまで応募してこなかったような人材が採れるようになった」(川口氏)というのだ。

アンダーデザインが「OFFICE × ART -digital-」の施策を開始してから、まだそこまで時間は経っていないが、今後、メディア・アートを理解する企業が増えるかどうか、それが“新潮流”を生み出すカギとなるだろう。

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コスパ高いミッドレンジ端末でシェア拡大を目指す

20日、NTTドコモが特定の端末の購入を条件に通信料金を割り引く「docomo with」、購入する端末に応じて通信料金を割り引く「月々サポート」を終了する方針を固めたという報道が話題となっている。

国内のモバイル業界では携帯電話料金見直しが進んでおり、3月5日には総務省が中心に進めてきた端末代金と通信料金の分離が閣議決定された。NTTドコモは分離プランを軸とした新料金プランを4月に発表する見込みだ。

日本のモバイル市場を大きく変えるこの動きを「歴史的チャンス」と見ているのがファーウェイだ。2018年末から米中対立が加速する中、ファーウェイが打ち出すメッセージも語気を強めている。果たして日本市場でシェアを拡大できるのだろうか。

逆風吹けども、依然として業績は好調

今年に入り、ファーウェイの周辺が騒がしい。3月7日には、ファーウェイは米国政府を相手取って訴訟を起こした

さらにその内容をFacebookでライブ配信するなど、米国以外の世界市場に向けたメッセージにもしており、そのメッセージをまとめたウェブサイト「Huawei Facts」は、わざわざ日本語版も用意している。

2018年末から続く米中対立を巡る報道は、ファーウェイの業績にどのような影響を与えたのか。MWC19でインタビューに応じたファーウェイ・ジャパンの呉波氏は、「一部の消費者は影響を受けたが、2019年に入ってから売上は大幅に伸びている」と語った。

ファーウェイ デバイス 日本・韓国リージョン プレジデントの呉波(ゴ・ハ)氏

話題の「折りたたみスマホ」でもファーウェイは先行する。

ファーウェイに先立って折り畳みスマホを発表したサムスンだが、こちらはMWCではガラスケース内での「展示」のみにとどまったのに対し、ファーウェイは「Mate X」の実機を用いて報道関係者に折り曲げを試させるなど、製品化で一歩先を行っていることをアピールした。

ファーウェイの折りたたみスマホ「Mate X」。報道陣には手に取って折り曲げてみる機会も用意された

Mate Xは次世代移動通信の「5G」にも対応しており、日本では5Gサービスの開始を待って投入時期を見極める方針だという。

ちなみに3月26日に発表予定のフラグシップ機「HUAWEI P30」シリーズは、例年通りのタイミングで日本市場に投入するようだ。SIMフリーでの発売だけでなく、ドコモが採用した「HUAWEI P20 Pro」のように大手キャリアによる採用があるかどうかも注目したい。

分離プランを「歴史的チャンス」と捉えるワケ

一方、2019年の国内モバイル市場で話題となっているのが携帯料金における「分離プラン」の導入だ。KDDIとソフトバンクはすでに導入済みだが、NTTドコモは4月に発表する新料金プランから本格導入するとみられている。

分離プランの特徴は、NTTドコモの「月々サポート」のように回線契約と紐付けた端末の割引が禁止される点だ。端末の割引自体が禁止されるわけではないというものの、大幅な割引は難しくなる。その結果、10万円を超えるようなハイエンド機ではなく、3〜4万円で一括購入しやすいミッドレンジ機の需要が高まるとの見方が有力だ。

この動きをファーウェイはどう見ているのか。

呉氏は「非常に重要視している。スマホが登場したときや、SIMフリー市場が始まったときのインパクトに引けを取らない、歴史的な瞬間になる」と興奮気味に語る。

日本のSIMフリー市場でベストセラーとなった「HUAWEI P20 lite」を始め、ファーウェイのミッドレンジ機のラインアップは厚い。モデルによってはフラグシップと同じCPUでミッドハイの価格を実現するなど、コスパの高さも特徴だ。大手キャリア向けにさまざまな提案ができる体制といえる。

フラグシップと同じ「Kirin 980」搭載でミッドハイ価格の「HONOR View 20」

また、5G対応も順調だ。

モバイルWi-Fiルーターに強みを持つファーウェイは、MWC19でも5G対応ルーターを多く出展していた。日本ではまだ周波数の割り当てが終わっていないものの、国内大手キャリアは2019年内にもプレサービスを始める動きがある。5Gスマホが普及するまでの間、5Gルーターの需要は高まる可能性がある。

5G対応のモバイルWi-Fiルーターも出展していた

ミッドレンジ市場の拡大を狙って、今年はシャープやサムスン以外にも、ソニーモバイルの参入も予想されている。

この価格帯が激戦区になることは間違いないが、ファーウェイはその中で高コスパの製品ラインアップや、国内での地道な販促活動やブランドメッセージの打ち出しによって対抗していく構えだ。

ヨドバシカメラ梅田店での販促イベントの様子
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Googleが新しいゲームプラットフォームを発表

配信方式でゲーム機不要、「ゲーム機」の時代の終焉?

2019年内にローンチ、性能はプレステやXbox以上か

3月19日、米国で開催中のゲーム開発者会議「GDC 2019」の会場で、Googleがクラウドベースのゲーミングプラットフォーム「STADIA」を発表した。特定のゲーム機に縛られず、ネットに接続したスマホやパソコン、テレビを通してストリーミング(配信)形式でゲームをプレイできる。

この事業を担当するバイスプレジデントとして、STADIAを発表するフィル・ハリソン(Phil Harrison)氏。そもそも彼からして、元はソニーのプレイステーション立ち上げの主要メンバーで、その後Microsoftに移りXboxを担当したという経歴の持ち主

かねてより、MicrosoftのXbox事業のトップマネージャーを引き抜いた、ソニーでPlayStationのハード開発にかかわったエンジニアが転職したといった噂が頻繁に流れており、「Googleがゲーム市場に本格参入する」という憶測は強まっていた。実際に2018年には、Googleは「Project Stream」と呼ばれるストリーミング形式のゲーム基盤の計画を発表し、米国内でベータテスターを募って技術テストを行っていた。

STADIAは、Project Streamの延長線上にあるサービスと見られる。ユーザーは特定のゲーム機を持っている必要がなく、従来のゲーム機の役割をするのはGoogleの設置するデータセンターだ。簡単に言えばクラウドサービスのように、実際にゲームタイトルが動作しているのはデータセンター側で、ユーザーはインターネットを介してゲームを遠隔でプレイする。

STADIAのデータセンターから配信されたゲームをパソコンでプレイしている様子
パソコンで遊んでいたのと同じゲームを、タブレットやテレビでも同じように遊ぶことができる

このプラットフォームの特徴によって、例えばYouTubeで新作ゲームのトレーラー動画を見ていて気に入ったときには、そのページ内の「プレイする」ボタンを押すだけで、インストールすら不要で、動画を再生するかのようにそのゲームをプレイできるようになる。

そして、STADIAのデータセンターが持つゲーム機としてスペックは、サービス開始時のものとして、GPUの演算性能は10.7テラFlopsに達するといい、これはPlayStation 4 Proの4.2テラFlopsや、Xbox One Xの6.0テラFlopsを大きく上回る。映像品質も4K/60fpsのストリーミングに対応し、将来は8K/120fps対応も予定しているという。

STADIA用の「STADIAコントローラー」も販売する。SNSアップ用のボタンや、Googleアシスタントボタンが備わっている

Googleは2019年中にSTADIAをローンチする予定で、まずは米国、カナダ、欧州でサービスを開始すると説明している。発表を受けた翌20日の東京株式市場では、任天堂とソニーの株価が揃って大きく下落した。投資家たちが、GoogleのSTADIAによって、Nintendo SwitchやPlayStationのビジネスが脅かされると考えたからだ。

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