QR決済は日本に根付く? PayPayのバラ巻き第2弾は「広く浅く」

QR決済は日本に根付く? PayPayのバラ巻き第2弾は「広く浅く」

2019.02.05

PayPayが「100億円キャンペーン」の第2弾を発表

累計登録者数は400万人を突破、それってどのくらい凄い?

お祭り騒ぎとまでは行かなさそうだが、最大7万円の還元はおいしい

2月4日、PayPayが「100億円キャンペーン」の第2弾を発表した。既報の通り、適用条件の大幅変更によって100億円の「中身」は大きく変わり、より多くのユーザーに広く浅く還元するものになった。

第2弾キャンペーンでは1回あたり還元額が上限1000円に

発表会では大いに盛り上がった第1弾の成果を振り返るとともに、不正利用などの課題についても対策が語られた。新たなキャンペーンによりPayPayのQRコード決済は日本に根付くのだろうか。

認知度やサービス理解でNo.1、課題にも対応

日本全国でキャッシュレスへの取り組みが進む中、PayPayが12月4日に始めた「100億円キャンペーン」は大盛況となった。対応店舗の1つであるビックカメラからはiPadの在庫が消え、最終日には終了の噂を聞きつけた客がレジに行列を作った

第1弾はわずか10日間で100億円を「消化」して終了したが、PayPayの累計登録者数はサービス開始から4ヶ月で400万人を突破。「ヤフージャパンの歴史を振り返っても、最速で400万人を獲得した」とPayPayの中山一郎社長は成果を語った。

PayPayの累計登録者数は400万人を突破

400万人はどれくらい凄いのか。LINE Payの登録者数は国内3000万人を超えるが、1月31日の決算では月間アクティブユーザーの目標として世界で1000万人との数字を掲げた。

PayPayのアクティブ率は不明だが、MMD研究所が2019年1月に887人を対象にした調査では、LINE Payの7.9%に対してPayPayは8.1%と上回った(1位は楽天ペイの9.4%)。名称認知やサービス理解でもPayPayはNo.1に躍り出るなど勢いが感じられる。

PayPayは名称認知やサービス理解でNo.1に

このように大きな成果を挙げた一方で、反省すべき課題もあったという。社会問題にもなった不正利用問題への対策として、クレジットカードは「3Dセキュア」による本人認証に対応。認証後は30日間で5万円、特定条件で25万円を上限とした。今後は銀行口座の接続を含め、利用者に向けて注意を喚起していくという。

「上限1000円」で広く利用促進、QR普及なるか

次に、PayPayが新たに発表した第2弾の100億円キャンペーンの中身を見ていこう。最大の特徴は、1回の決済あたりの還元額を上限1000円に制限した点だ。抽選でキャッシュバックされる確率は10回に1回と高まったが、これも1回あたり上限1000円に抑えられた。

その背景について中山社長は、「多くのお客様に、日常の決済にご利用いただきたい。長い期間、何度も使ってほしい」と語る。一方でSNSには落胆の声が広がり、キャンペーン発表直後の13時過ぎにはビックカメラの株価が急騰する場面もあったが、上限が1000円と分かるとすぐに落ち着いたことも話題になった。

毎日の買い物や移動など、日常的な利用にフォーカス

たしかに、iPadや白物家電のような高額商品を買ってもうまみは少ないことから、第1弾のようなお祭り騒ぎは期待できない。だが、PayPayで支払うだけで合計で最大5万円、抽選も含めて最大7万円の還元が受けられるのは破格のオファーといえる。

買い物時に1000円ずつ還元を受ける場合を考えると、5万円の還元を受けるには5000円の買い物を50回、あるいは1000円の買い物を250回する必要がある。一部の人だけが得をした第1弾のキャンペーンとは異なり、第2弾はコンビニやドラッグストア、タクシーなどの日常的な利用に多くの人が参加できそうだ。

日常利用を繰り返すことで大きな還元を得られる

対応店舗として、大手チェーンでは「ローソン」や「松屋」が新たにPayPayに対応する。第1弾ではビックカメラなど都市部が有利との声があったが、PayPayの営業部隊の開拓により地方にも対応店舗は広がっているという。

PayPayの対応店舗は拡大予定

今後の課題として、かざすだけで使えるFeliCaに比べてQRコードは煩雑との声も上がっている。2月2日には安倍晋三首相が商店街でPayPayを体験したことが報じられ、中山社長は「政府関係者にも触れていただき、QRコードは思ったより簡単だったと聞いている。将来は明るいのではないか」とアピールした。

QRコード決済で先行するLINEは、LINE Payを含む戦略事業に600億円を投資する構えだ。4月開始のau PAYなど競争激化が予想される中、積極攻勢をかけるPayPayはQRコード決済の普及に向けて一翼をになう存在になりそうだ。

NewsInsight 更新終了のお知らせ

NewsInsight 更新終了のお知らせ

2019.06.17

NewsInsightは、諸般の事情により記事更新を終了いたします。

ご愛顧いただいた読者の皆様、また関係者の皆様に、編集部一同、誠に感謝いたします。

なお、NewsInsightに掲載中の記事につきましては、引き続きマイナビニュース(https://news.mynavi.jp)へと掲載場所を移管いたします。

掲載中の連載記事につきましても同様に、マイナビニュースへ移管いたします。各連載記事の新しい掲載URLにつきましては、以下となります。

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https://news.mynavi.jp/series/andy

○森口将之のカーデザイン解体新書
https://news.mynavi.jp/series/cardesign

○清水和夫の自動運転ソシオロジー
https://news.mynavi.jp/series/autonomous_car

○ゲームとともに振り返る“平成”という時代
https://news.mynavi.jp/series/game_heisei

○岡安学の「eスポーツ観戦記」
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○企業戦士に贈る「こむぎのことば」
https://news.mynavi.jp/series/komuginokotoba

○藤田朋宏の必殺仕分け人
https://news.mynavi.jp/series/shiwakenin

○「食べる」をつくる科学と心理
https://news.mynavi.jp/series/food_science

○阿久津良和のITビジネス超前線
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○山下洋一のfilm@11
https://news.mynavi.jp/series/filmat11

○モノのデザイン
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○知って納得、ケータイ業界の"なぜ"
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○文具ソムリエール・菅未里の「新しいコンパス」
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○活字・写植・フォントのデザインの歴史 - 書体設計士・橋本和夫に聞く
https://news.mynavi.jp/series/font-history

○カレー沢薫の時流漂流
https://news.mynavi.jp/series/jiryu_hyoryu

最後になりますが、改めて皆様に感謝いたしますとともに、引き続き、マイナビニュースにてご愛顧いただけましたら幸いです。

放置されていた不寛容? 国会まで届いた「パンプス強要」騒動

カレー沢薫の時流漂流 第47回

放置されていた不寛容? 国会まで届いた「パンプス強要」騒動

2019.06.17

最近女性の間で「#MeToo」ならぬ「#KuToo」運動がにわかに盛り上がっている。

「#KuToo」とは「靴」と「苦痛」をかけており、職場や就職活動で、足を痛めるパンプスやヒール靴の強要をやめようという運動である。

そもそもそんなの誰も強要してねえよ、と思われるかもしれない。確かに規定として靴の形状やかかとの高さまで定めている会社はレアだろう。しかし、私の元いた会社でも、規則があるわけでも、誰に言われたでもなく、みな一様に黒のパンプスを履いていた。それが「暗黙のルール」であり、それ以外は「非常識」と見られる風潮は確かにあるのである。

これが就職活動になると、パンプスを履いていないだけで「こいつは常識がない」と見なされ不採用になってしまうかもしれない、ということだ。そうなると女子学生は足を負傷してでもパンプスを履かざるを得なくなってしまう。

正直、パンプスは苦痛

パンプスがそんなに苦痛か、というと、靴の中では殺傷能力が高い方である。これは他人への、という意味ではなく自分へのだ。他人を殺傷したいならカウボーイが履いている、かかとにピザカッターがついている奴を履いた方が良い。

狭いつま先に足の指が密集されるため、私もよく爪で隣の指を切って足を血だらけにしていたし、伸縮性にかける素材のため、あわないパンプスだと試着の時点で靴擦れが出来るレベルなのだ。

世の中には素肌に荒縄で亀甲縛りを施し、その上に上等なスーツを羽織って出社している人も多いと思う。とても痛いだろうが、それは強制されたわけではなく、その人が好きで楽しいからやっているのだ。

つまり、好きでもない上にとても痛いパンプスを強制で履かなければいけないというのは、上等なスーツの下が亀甲縛りなことよりも「異常」なことというわけだ。

この運動はすぐに広まり、いきなり国会でも議論されたという。これにより「厚労相がハイヒール強要を容認」という見出しのニュースまで踊り出ることになった。

完全に自由と言われても困るのでは?

「厚生省に、女がハイヒールを履かないと死ぬ病の人が!?」と驚いたが、記事をよく見ると見出しほどのことはなく、厚労相の発言は「これは社会通念に照らして業務上、必要かつ相等な範囲かと、この辺なんだろうと思います」というかなりボンヤリしたものであり、どっちでも良い事を聞かれた私のリアクションに似ている。

しかし「ハイヒールが履けない女は何やってもダメ」などと強い事を言っているわけではないが、「業務上必要ならパンプス履くべきだろ」という「容認」に聞こえなくもない。すぐさま「業務上ハイヒールが必要な仕事って何だよ」という疑問が挙がり、「SMの女王様」「(ハイヒールでキレッキレに踊る)perfume以外ありえない」などの声が相次いだ。

この社会問題がすぐ大喜利になってしまうのは良くも悪くも「ザ・ツイッター」という感じだ。

確かに「業務上必要」となると、まだかかとにピザカッターがついている靴の方が「ピザを食う時」必要な気がする。

ただ、靴や服装を完全に自由化し、何でもOKにすれば良いかというと、それはそれで問題が起きると思う。ファッションに疎くコーディネートが苦手な人間からすれば、職場に何を着ていいのか全く「指針」がないというのは迷子になるし、接する側としても、車を買いにいってディーラーが、イモ―タンジョ―の完コスで出てきたら「キャデラックしか買うことを許されないのか」と委縮してしまう。就活マナー本に「俺の考えた最強の就活ファッションで挑みましょう」とだけ書かれていても逆に困るだろう

着る側としても、それに接する側としても、社会において服装にある程度規定や模範があるというのはメリットでもあるのだ。

そもそも規定や常識というのは、秩序を作ることにより問題を減らすためにあるものなのだ。しかしそれが元で「足を負傷する」という「問題」が起こっているなら本末転倒なので、やはり解消はすべきなのだろう。

極論に流れない寛容さが足りない

おそらく「#KuToo」を提唱している人も「ドラゴン柄のコンバースで就活したい」と言っているわけではないのだ。最近は「パンプスに見えるスニーカー」なども存在するし、パンプスでなくても地味な靴はいくらでもある。そのような靴を履いていても「パンプスじゃないから非常識」と見るのをやめてほしいという話だろう。

ちなみに私が会社員時代履いていたパンプスだが、黒の革靴ではあったが、つま先は限りなく丸く、ヒールはなきに等しい、今思えばあれはパンプスだったのか、70過ぎのババアが旅行に行くときに履くヤツなんじゃないか、という代物であったが、特に何も言われなかった。

「#KuToo」が求めるのも、そのぐらいの「寛容さ」なのではないだろうか。

【お知らせ】
連載「カレー沢薫の時流漂流」の掲載場所を変更します。
→ 新しい掲載場所はこちら https://news.mynavi.jp/series/jiryu_hyoryu