『ウイイレ』の日本代表戦で見えた海外プレイヤーの大事さ

『ウイイレ』の日本代表戦で見えた海外プレイヤーの大事さ

2019.02.01

JeSUは4つのタイトルでeスポーツの国際チャレンジカップを開催

ウイイレではアジア大会で金メダルを獲得した選手が活躍

eスポーツ国際戦開催には海外のプレイ人口も大事

日本eスポーツ連合(JeSU)は1月26日と27日に、「eSPORTS 国際チャレンジカップ」を開催した。競技タイトルに採用されたのは『ストリートファイターVアーケードエディション』『鉄拳7』『ウイニングイレブン 2019(ウイイレ)』『オーバーウォッチ』の4つ。本稿ではそのうち、ウイイレの試合についてフォーカスする。

金メダリストとしての実力を示したウイイレ日本代表

国際チャレンジカップは、日本選抜とアジア選抜によるeスポーツの対抗戦。日本選抜は、昨年のアジア競技大会のデモンストレーション競技で金メダルを獲得したSOFIA選手とレバ選手、それにShiro選手を加えた布陣で臨んだ。アジア選抜からは、同じくアジア競技大会で香港・中国代表として出場したCharles_ng選手とタイのScarlet選手、韓国のshagamoon選手が参戦した。

『ウイイレ』は世界のクラブチームを使って対戦するサッカーゲーム。今大会は、3戦中2試合先取したほうが勝利というルールで行われた。先鋒、大将戦は1人対1人のシングルマッチで、中堅戦は3人対3人(3人協力プレイによるチーム戦)という試合形式だ。先鋒戦はShiro選手(日本選抜)対shagamoon選手(アジア選抜)、大将戦はレバ選手(日本選抜)対Charles_ng選手(アジア選抜)という組み合わせとなった。

国際チャレンジカップは「闘会議2019」の隣の幕張メッセホール4で開催された

先鋒戦では、Shiro選手がリバプールを選択し、shagamoon選手がアーセナルを選択。今回は、どのチームを選んでも能力差がつかないように調整されているので、選択チームによる差異はほとんどない。

試合は、同点で前半を折り返すも、後半shagamoon選手に追加点を許してしまい、アジア選抜が勝利を収めた。

Shiro選手
Shagamoon選手

続く中堅戦は日本選抜、アジア選抜ともにすべての選手が出場する3on3対決。お互いにアーセナルを選択するミラーマッチとなった。

チーム能力が均一化しているとはいえ、個々のスキルは活かされるので、アーセナルは選ばれやすいチームの1つだ。2018年に行われたアジア競技大会では、同じチームを何度も使うことができないというレギュレーションだったが、今回はその規定がないので、より選びやすかったのかもしれない。

中堅戦は先鋒戦と異なり、日本の1点リードで前半を折り返す。後半、アジア選抜のコーナーキックからのセットプレイで同点に追いつかれるも、SOFIA選手が勝ち越しゴールを決めて、日本選抜が1本取り返した。

日本選抜の面々。左からSOFIA選手、Shiro選手、レバ選手
アジア選抜の面々。左からshagamoon選手、Charles_ng選手、Scarrlet選手

勝利数1対1で迎えた大将戦。ここで勝利したほうが国際マッチの勝者となる緊張の一戦だ。レバ選手はアーセナル、Charles_ng選手はリバプールを選択した。試合は、前半終了間際にカウンターでゴールを奪ったレバ選手が、後半終了間際にもフリーキックから追加点を入れ、2対0で勝利。今回の国際マッチは日本選抜の勝利で幕を閉じた。

レバ選手
Charles_ng選手

国産eスポーツタイトルの増加には海外人口も必要

国際チャレンジカップのウイイレ部門は、アジア競技大会から覚醒したレバ選手が、実力通りの強さを発揮した試合展開だった。ただし、相手チームの実力が、かなりのものだったのも確かである。

そこから見て取れたことは、ウイイレが海外でもしっかりプレイされているという事実だ。世界でプレイされている国産eスポーツタイトルが少なく、特にサッカーゲームでは『FIFA』という人気タイトルの存在があるなかで、海外にプロプレイヤーがいることは朗報だろう。

やはり、日本のeスポーツエントリー層にとって、海外の見慣れないタイトルよりも、馴染みのある国産タイトルの試合のほうが、“観戦してみよう”という気持ちが強くなるのではないだろうか。特に、スポーツ系のゲームはルールを知っている人が多いため、eスポーツの観戦が初めての人でもわかりやすいと感じるはずだ。

しかし、今回のような国際マッチでタイトルが選定されるためには、世界にも一定数のプレイ人口が必要である。ゲーム文化や価値観の違いなどから、「日本でウケるゲーム」と「海外でウケるゲーム」に違いがあるの当然で、世界共通で受け入れられるようなタイトルは、狙って作れるものではないのかもしれない。

それでもウイイレは、FIFAと比べて世界的な出荷本数が少ないと言われながら、アジア競技大会や国際チャレンジカップなどの種目に選ばれた。海外には有力な選手も多いだろう。

国産eスポーツタイトルとして世界で認められることは、決して簡単なことではないが、日本のさまざまなゲームで国際戦を実施できるように、国産タイトルの世界的な普及を願うばかりだ。

日の丸の下、国歌斉唱を聴く日本選抜チーム。試合後は各チーム表彰と勝利チームである日本の国歌斉唱が行われた
賞金75万円を獲得したアジア選抜チーム

なお、チームの表彰後には、いきいき茨城ゆめ国体で開催される「全国都道府県対抗eスポーツ選手権2019 IBARAKI」の開催概要や『ウイニングイレブン』の公式世界大会である「PES LEAGUE 2019」の実施が発表された。

いきいき茨城ゆめ国体の文化プログラムについての告知。エントリーは2月から開始する
アジア地域決勝戦に進む2名を決める当日予選のエントリーが開始
NewsInsight 更新終了のお知らせ

NewsInsight 更新終了のお知らせ

2019.06.17

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○ゲームとともに振り返る“平成”という時代
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○岡安学の「eスポーツ観戦記」
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○企業戦士に贈る「こむぎのことば」
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○藤田朋宏の必殺仕分け人
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○「食べる」をつくる科学と心理
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○知って納得、ケータイ業界の"なぜ"
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○文具ソムリエール・菅未里の「新しいコンパス」
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○活字・写植・フォントのデザインの歴史 - 書体設計士・橋本和夫に聞く
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○カレー沢薫の時流漂流
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最後になりますが、改めて皆様に感謝いたしますとともに、引き続き、マイナビニュースにてご愛顧いただけましたら幸いです。

放置されていた不寛容? 国会まで届いた「パンプス強要」騒動

カレー沢薫の時流漂流 第47回

放置されていた不寛容? 国会まで届いた「パンプス強要」騒動

2019.06.17

最近女性の間で「#MeToo」ならぬ「#KuToo」運動がにわかに盛り上がっている。

「#KuToo」とは「靴」と「苦痛」をかけており、職場や就職活動で、足を痛めるパンプスやヒール靴の強要をやめようという運動である。

そもそもそんなの誰も強要してねえよ、と思われるかもしれない。確かに規定として靴の形状やかかとの高さまで定めている会社はレアだろう。しかし、私の元いた会社でも、規則があるわけでも、誰に言われたでもなく、みな一様に黒のパンプスを履いていた。それが「暗黙のルール」であり、それ以外は「非常識」と見られる風潮は確かにあるのである。

これが就職活動になると、パンプスを履いていないだけで「こいつは常識がない」と見なされ不採用になってしまうかもしれない、ということだ。そうなると女子学生は足を負傷してでもパンプスを履かざるを得なくなってしまう。

正直、パンプスは苦痛

パンプスがそんなに苦痛か、というと、靴の中では殺傷能力が高い方である。これは他人への、という意味ではなく自分へのだ。他人を殺傷したいならカウボーイが履いている、かかとにピザカッターがついている奴を履いた方が良い。

狭いつま先に足の指が密集されるため、私もよく爪で隣の指を切って足を血だらけにしていたし、伸縮性にかける素材のため、あわないパンプスだと試着の時点で靴擦れが出来るレベルなのだ。

世の中には素肌に荒縄で亀甲縛りを施し、その上に上等なスーツを羽織って出社している人も多いと思う。とても痛いだろうが、それは強制されたわけではなく、その人が好きで楽しいからやっているのだ。

つまり、好きでもない上にとても痛いパンプスを強制で履かなければいけないというのは、上等なスーツの下が亀甲縛りなことよりも「異常」なことというわけだ。

この運動はすぐに広まり、いきなり国会でも議論されたという。これにより「厚労相がハイヒール強要を容認」という見出しのニュースまで踊り出ることになった。

完全に自由と言われても困るのでは?

「厚生省に、女がハイヒールを履かないと死ぬ病の人が!?」と驚いたが、記事をよく見ると見出しほどのことはなく、厚労相の発言は「これは社会通念に照らして業務上、必要かつ相等な範囲かと、この辺なんだろうと思います」というかなりボンヤリしたものであり、どっちでも良い事を聞かれた私のリアクションに似ている。

しかし「ハイヒールが履けない女は何やってもダメ」などと強い事を言っているわけではないが、「業務上必要ならパンプス履くべきだろ」という「容認」に聞こえなくもない。すぐさま「業務上ハイヒールが必要な仕事って何だよ」という疑問が挙がり、「SMの女王様」「(ハイヒールでキレッキレに踊る)perfume以外ありえない」などの声が相次いだ。

この社会問題がすぐ大喜利になってしまうのは良くも悪くも「ザ・ツイッター」という感じだ。

確かに「業務上必要」となると、まだかかとにピザカッターがついている靴の方が「ピザを食う時」必要な気がする。

ただ、靴や服装を完全に自由化し、何でもOKにすれば良いかというと、それはそれで問題が起きると思う。ファッションに疎くコーディネートが苦手な人間からすれば、職場に何を着ていいのか全く「指針」がないというのは迷子になるし、接する側としても、車を買いにいってディーラーが、イモ―タンジョ―の完コスで出てきたら「キャデラックしか買うことを許されないのか」と委縮してしまう。就活マナー本に「俺の考えた最強の就活ファッションで挑みましょう」とだけ書かれていても逆に困るだろう

着る側としても、それに接する側としても、社会において服装にある程度規定や模範があるというのはメリットでもあるのだ。

そもそも規定や常識というのは、秩序を作ることにより問題を減らすためにあるものなのだ。しかしそれが元で「足を負傷する」という「問題」が起こっているなら本末転倒なので、やはり解消はすべきなのだろう。

極論に流れない寛容さが足りない

おそらく「#KuToo」を提唱している人も「ドラゴン柄のコンバースで就活したい」と言っているわけではないのだ。最近は「パンプスに見えるスニーカー」なども存在するし、パンプスでなくても地味な靴はいくらでもある。そのような靴を履いていても「パンプスじゃないから非常識」と見るのをやめてほしいという話だろう。

ちなみに私が会社員時代履いていたパンプスだが、黒の革靴ではあったが、つま先は限りなく丸く、ヒールはなきに等しい、今思えばあれはパンプスだったのか、70過ぎのババアが旅行に行くときに履くヤツなんじゃないか、という代物であったが、特に何も言われなかった。

「#KuToo」が求めるのも、そのぐらいの「寛容さ」なのではないだろうか。

【お知らせ】
連載「カレー沢薫の時流漂流」の掲載場所を変更します。
→ 新しい掲載場所はこちら https://news.mynavi.jp/series/jiryu_hyoryu