プロゲーミングチーム「父ノ背中」と契約したアイ・オー、ゲーム領域にも本腰

プロゲーミングチーム「父ノ背中」と契約したアイ・オー、ゲーム領域にも本腰

2019.01.31

アイ・オー・データ機器が新たなスポンサードを発表

契約相手はプロゲーミングチーム「父ノ背中」

今後は新しいカテゴリーでのゲーミングデバイスも提供していく予定

アイ・オー・データ機器は1月29日に記者向けのセミナーを開催し、2019年の戦略を発表した。そのなかで、同社のeスポーツ市場への取り組みについても触れられたので、そちらを中心に紹介する。

2018年に売上が約2.5倍まで伸びたゲーム領域

同社はディスプレイやストレージ、ネットワークの商品を提供する精密機器メーカーだ。ゲームに特化したデバイスとしては「ゲームキャプチャー」と「ゲーミングモニター」の2つを展開している。

アイ・オー・データ機器が展開する2つのゲーミング製品

2017年に2.9億円だった同社のゲーミングモニター「GigaCrysta」の売上は、“eスポーツ元年”と言われた2018年に、12億円と4倍近くまで増加。キャプチャーデバイスを含めた売上では約2.5倍に成長した。2019年には、キャプチャーの売上が約7億円、モニターの売上が19億円まで伸びると予想している。

アイ・オー・データ機器のゲーム領域の売上推移

非常に成長している同社のゲーミング製品だが、おそらくゲーミングブランドとしての参入は業界でも後発組だ。なぜこの領域に力を入れるようになったのか。

アイ・オー・データ機器 執行役員 事業戦略本部 企画開発部 部長の加藤光兼氏は「キャプチャー製品は、もともとビデオの映像をデジタル保存する用途として販売していたのですが、実際は4割以上の方がゲームのプレイ映像を保存する目的で購入されていました」と、話す。

アイ・オー・データ機器 執行役員 事業戦略本部 企画開発部 部長の加藤光兼氏

HDMIで映像を録画する「GV-HDREC」では、「1フレーム単位のコマ送り機能」や「キャプチャー時の低遅延」などが評価され、ゲーム動画を保存する目的で購入するユーザーが増えていったのだという。

元々ゲーム用デバイスとして販売していたわけではないが、ユーザーの声を聴いていくうちに、自社製品がゲーミング領域に適していると気づき、今ではゲーム実況者やコアゲーマーをターゲットとして商品を展開するようになったわけだ。

「特に格闘ゲームの復習に最適だというフィードバックをいただくことが多かったですね。そのように、ユーザーのご意見から気づきを得られたという背景があるので、今後も引き続きゲーマーとコミュニケーションを繰り返していき、eスポーツに貢献できるような製品を手がけていきたいと考えています」と、加藤氏は引き続きeスポーツ領域に力を入れていく姿勢を示した。

また今後は、ゲームをするうえで必要なSSDやハードディスクといった、すでにゲーミング領域として提供しているディスプレイ、キャプチャー以外のカテゴリーの製品でも、ゲーム領域にマッチする形に進化させて、提供していく予定だ。

新たにゲーミングチーム「父ノ背中」とスポンサー契約も

ゲーミング市場へのプロモーションの一環として、セミナーでは、プロゲーミングチーム「父ノ背中」とスポンサー契約を締結したことも発表された。

アイ・オー・データ機器 代表取締役社長の濱田尚則氏(左)と、父ノ背中 リーダーのてるしゃん選手(右)

すでにアイ・オー・データ機器は、『Overwatch』などで活動するプロゲーミングチーム「Green Leaves」と、北陸初のプロゲーミングチーム「TSURUGI TOYAMA」のスポンサードをしている。今回「父ノ背中」のサポートを開始することで、同社のスポンサードするチームは3つになる。

アイ・オー・データ機器 事業戦略本部 販売促進部 販売促進課の西田谷直弘氏は「父ノ背中がゲーミングディスプレイを買い替える際に、当社の製品を採用していただいたことがご縁になり、今回スポンサードさせていただくことになりました。父ノ背中はストリーミング配信などによるファンへの発信力が高いので、ファンの皆さんに当社の商品を伝えていければと考えています」と、契約の背景を語った。

アイ・オー・データ機器 事業戦略本部 販売促進部 販売促進課の西田谷直弘氏

また、同社はスクウェア・エニックス『FINAL FANTASY XIV』のファンフェスティバルへの協賛をはじめ、セガゲームスが開催する「ぷよぷよチャンピオンシップ」や、茨城国体の文化プログラム「全国都道府県対抗eスポーツ選手権 2019 IBARAKI」の『ウイニングイレブン 2019』予選大会でのゲーミングモニター提供など、イベントにも積極的に参加している。

eスポーツの盛り上がりをチャンスととらえ、今後も本腰を入れて取り組んでいく姿勢だ。

プロ2名による解説の様子

ちなみに、セミナーの後には、参加者による「ぷよぷよ大会」が開催された。しかも、『ぷよぷよ』のプロである、くまちょむ選手とKuroro選手を招待して、ゲームのコツを紹介してもらったり、解説をしてもらったりするという贅沢なものだった。筆者も参加させてもらったが、結果は惨敗。ろくに連鎖できず、プロの人が解説しにくいような地味なプレイをしていたに違いない。紹介してもらった連鎖のコツは、何1つ実践できなかった。

PCの周辺機器を手がけるメーカーの場合、やはりeスポーツの影響は大きいだろう。それは、実際にアイ・オー・データの売上が2.5倍になったことが物語っている。

しかし、一見親和性がなさそうな業界でも、eスポーツが新たなスポンサー先の選択肢として検討されるようになってきたとも感じる。最近では、サプリメント事業を展開するわかさ生活が、日本eスポーツ連合(JeSU)のスポンサーに就任したと発表された。それ以外にも、すでに日清やサントリーといった大手企業が、積極的にeスポーツをサポートしているのだ。

もちろん、ターゲットや戦略にもよるだろうが、いくつ広告を投下してもなかなか売上に結びつかないと悩んでいる企業は、eスポーツスポンサーという手段を候補の1つとして検討してみるのもいいかもしれない。

NewsInsight 更新終了のお知らせ

NewsInsight 更新終了のお知らせ

2019.06.17

NewsInsightは、諸般の事情により記事更新を終了いたします。

ご愛顧いただいた読者の皆様、また関係者の皆様に、編集部一同、誠に感謝いたします。

なお、NewsInsightに掲載中の記事につきましては、引き続きマイナビニュース(https://news.mynavi.jp)へと掲載場所を移管いたします。

掲載中の連載記事につきましても同様に、マイナビニュースへ移管いたします。各連載記事の新しい掲載URLにつきましては、以下となります。

○安東弘樹のクルマ向上委員会!
https://news.mynavi.jp/series/andy

○森口将之のカーデザイン解体新書
https://news.mynavi.jp/series/cardesign

○清水和夫の自動運転ソシオロジー
https://news.mynavi.jp/series/autonomous_car

○ゲームとともに振り返る“平成”という時代
https://news.mynavi.jp/series/game_heisei

○岡安学の「eスポーツ観戦記」
https://news.mynavi.jp/series/e-Sports_review

○企業戦士に贈る「こむぎのことば」
https://news.mynavi.jp/series/komuginokotoba

○藤田朋宏の必殺仕分け人
https://news.mynavi.jp/series/shiwakenin

○「食べる」をつくる科学と心理
https://news.mynavi.jp/series/food_science

○阿久津良和のITビジネス超前線
https://news.mynavi.jp/series/itbiz

○山下洋一のfilm@11
https://news.mynavi.jp/series/filmat11

○モノのデザイン
https://news.mynavi.jp/series/designofthings

○知って納得、ケータイ業界の"なぜ"
https://news.mynavi.jp/series/mobile_business

○文具ソムリエール・菅未里の「新しいコンパス」
https://news.mynavi.jp/series/bungu

○活字・写植・フォントのデザインの歴史 - 書体設計士・橋本和夫に聞く
https://news.mynavi.jp/series/font-history

○カレー沢薫の時流漂流
https://news.mynavi.jp/series/jiryu_hyoryu

最後になりますが、改めて皆様に感謝いたしますとともに、引き続き、マイナビニュースにてご愛顧いただけましたら幸いです。

放置されていた不寛容? 国会まで届いた「パンプス強要」騒動

カレー沢薫の時流漂流 第47回

放置されていた不寛容? 国会まで届いた「パンプス強要」騒動

2019.06.17

最近女性の間で「#MeToo」ならぬ「#KuToo」運動がにわかに盛り上がっている。

「#KuToo」とは「靴」と「苦痛」をかけており、職場や就職活動で、足を痛めるパンプスやヒール靴の強要をやめようという運動である。

そもそもそんなの誰も強要してねえよ、と思われるかもしれない。確かに規定として靴の形状やかかとの高さまで定めている会社はレアだろう。しかし、私の元いた会社でも、規則があるわけでも、誰に言われたでもなく、みな一様に黒のパンプスを履いていた。それが「暗黙のルール」であり、それ以外は「非常識」と見られる風潮は確かにあるのである。

これが就職活動になると、パンプスを履いていないだけで「こいつは常識がない」と見なされ不採用になってしまうかもしれない、ということだ。そうなると女子学生は足を負傷してでもパンプスを履かざるを得なくなってしまう。

正直、パンプスは苦痛

パンプスがそんなに苦痛か、というと、靴の中では殺傷能力が高い方である。これは他人への、という意味ではなく自分へのだ。他人を殺傷したいならカウボーイが履いている、かかとにピザカッターがついている奴を履いた方が良い。

狭いつま先に足の指が密集されるため、私もよく爪で隣の指を切って足を血だらけにしていたし、伸縮性にかける素材のため、あわないパンプスだと試着の時点で靴擦れが出来るレベルなのだ。

世の中には素肌に荒縄で亀甲縛りを施し、その上に上等なスーツを羽織って出社している人も多いと思う。とても痛いだろうが、それは強制されたわけではなく、その人が好きで楽しいからやっているのだ。

つまり、好きでもない上にとても痛いパンプスを強制で履かなければいけないというのは、上等なスーツの下が亀甲縛りなことよりも「異常」なことというわけだ。

この運動はすぐに広まり、いきなり国会でも議論されたという。これにより「厚労相がハイヒール強要を容認」という見出しのニュースまで踊り出ることになった。

完全に自由と言われても困るのでは?

「厚生省に、女がハイヒールを履かないと死ぬ病の人が!?」と驚いたが、記事をよく見ると見出しほどのことはなく、厚労相の発言は「これは社会通念に照らして業務上、必要かつ相等な範囲かと、この辺なんだろうと思います」というかなりボンヤリしたものであり、どっちでも良い事を聞かれた私のリアクションに似ている。

しかし「ハイヒールが履けない女は何やってもダメ」などと強い事を言っているわけではないが、「業務上必要ならパンプス履くべきだろ」という「容認」に聞こえなくもない。すぐさま「業務上ハイヒールが必要な仕事って何だよ」という疑問が挙がり、「SMの女王様」「(ハイヒールでキレッキレに踊る)perfume以外ありえない」などの声が相次いだ。

この社会問題がすぐ大喜利になってしまうのは良くも悪くも「ザ・ツイッター」という感じだ。

確かに「業務上必要」となると、まだかかとにピザカッターがついている靴の方が「ピザを食う時」必要な気がする。

ただ、靴や服装を完全に自由化し、何でもOKにすれば良いかというと、それはそれで問題が起きると思う。ファッションに疎くコーディネートが苦手な人間からすれば、職場に何を着ていいのか全く「指針」がないというのは迷子になるし、接する側としても、車を買いにいってディーラーが、イモ―タンジョ―の完コスで出てきたら「キャデラックしか買うことを許されないのか」と委縮してしまう。就活マナー本に「俺の考えた最強の就活ファッションで挑みましょう」とだけ書かれていても逆に困るだろう

着る側としても、それに接する側としても、社会において服装にある程度規定や模範があるというのはメリットでもあるのだ。

そもそも規定や常識というのは、秩序を作ることにより問題を減らすためにあるものなのだ。しかしそれが元で「足を負傷する」という「問題」が起こっているなら本末転倒なので、やはり解消はすべきなのだろう。

極論に流れない寛容さが足りない

おそらく「#KuToo」を提唱している人も「ドラゴン柄のコンバースで就活したい」と言っているわけではないのだ。最近は「パンプスに見えるスニーカー」なども存在するし、パンプスでなくても地味な靴はいくらでもある。そのような靴を履いていても「パンプスじゃないから非常識」と見るのをやめてほしいという話だろう。

ちなみに私が会社員時代履いていたパンプスだが、黒の革靴ではあったが、つま先は限りなく丸く、ヒールはなきに等しい、今思えばあれはパンプスだったのか、70過ぎのババアが旅行に行くときに履くヤツなんじゃないか、という代物であったが、特に何も言われなかった。

「#KuToo」が求めるのも、そのぐらいの「寛容さ」なのではないだろうか。

【お知らせ】
連載「カレー沢薫の時流漂流」の掲載場所を変更します。
→ 新しい掲載場所はこちら https://news.mynavi.jp/series/jiryu_hyoryu