リスペクトなき好意が逆効果になった「週刊SPA! のランキング炎上」

カレー沢薫の時流漂流 第25回

リスペクトなき好意が逆効果になった「週刊SPA! のランキング炎上」

2019.01.28

漫画家・コラムニスト カレー沢薫さんの社会派連載!

第25回は、「週刊SPA! のランキング炎上」について

雑誌「週刊SPA!」が「ヤレる女子大学生RANKING」なる物を大学の実名を挙げ5位まで掲載し、名指しされた大学などの猛抗議を受け謝罪する、ということがあった。

もうこの概要を聞いただけで、体中の穴から沸騰した血が噴き出している女性も多いと思うが一旦ティッシュを詰めてほしい。経緯も知らずに感情的になりすぎると「更年期か?」と揶揄され、「もしかして…問題がすり替わっちゃってる~!?」という、誰も得しない「君の名は。」が始まってしまう。

まず同誌が、どうして、何を根拠にそんなランキングを掲載したかというと、「法政大学!勉強ばっかしてそうだし欲求不満だからヤれる!」「大妻大学! 妻という文字が入ってるからにはヤれる!」「フェリス女学院大学!! 説明不要! ヤれる」というイメージだけで適当な大学を並べたわけではなく、元は「ギャラ飲み」を扱った記事だったのだ。

ギャラ飲みとは「男性が飲食代を負担し、飲み会に参加した女性に謝礼を支払うなどする飲み会」のことである。文字通り相手にギャラを払って開催する合コンのようなものだ。あくまで食事会のみ、性行為は含まれないのが「ギャラ飲み」の定義だが、普通の合コンだって男女が意気投合すればその場で「お持ち帰り」ということも当然あり得る。ギャラ飲みだって然り、だ。

そこで、同誌はギャラ飲みがしたい男女をマッチングさせるアプリを使用してギャラ飲みを開催。その場に来たギャラ飲み女子とヤれるかどうかを検証し、その結果をレポートしている。性行為が前提でないギャラ飲みにヤる気で来て、「こうすればギャラ飲みでヤれる!」という記事を載せることは、ギャラ飲みでのトラブルを誘発するおそれがあり、この時点で危険だ。

そして、この取材の一環として、使ったマッチングアプリの主催に「お持ち帰りしやすい女子大ランキング」を決めてもらい、SPA!がそれを「ヤレる女子大学生RANKING」と銘打って掲載してしまった、というのが今回の流れだ。

大切なのは「指さし確認」と「リスペクト」

この記事の問題は、多くの炎上に見られる「主語巨大化現象」だ。

ギャラ飲みして、そのまま同意の上お持ち帰りされる女子大生も確かに存在はするだろう。だがそれを記事にするとしたら、「ギャラ飲みに来た女子大生、槍田万子さん(仮名)をお持ち帰りできました」とだけ書くべきだ。

しかし今回のSPA!の記事は「ギャラ飲みに来た槍田万子さん(仮名)をお持ち帰りできました。槍田さんはヤマリン大学(仮)に在籍です。つまり、ヤマリン大学の女は全員ヤれます」と言ってしまっているようなものなのだ。

このランキングを作ったというアプリ主催が「この5大学の女全員抱いた」というメンズナックルに出てきそうな人だというならまた話は違うが、多分抱いてないだろうし、抱いていたとしても「※マッチングアプリ主催に限る、俺でもヤれるとは絶対思わないでください」と注釈をつけるべきだろう。この記事だと「この大学の女子大生なら誰とでもヤれる」というとんでもない誤解を与えてしまう。

こうした誤解は、とても「危険」である。この記事を見て「ここの大学の女ヤれるんだってよ!」とジープに乗ったモヒカンの男たちが大学に大挙しないとも限らないし、「ヤマリン大学(仮)です」と名乗っただけで「ヤれる!」と思われ、勝手にヤれる前提で話と足がホテル街に進んでしまうかもしれない。そこで断ると「ヤマリン大(仮)のくせに!」と相手が激高し、最悪の場合性犯罪が起きてしまう。

女性にとって、「ヤれる」というレッテルは、侮辱以前に犯罪に巻き込まれやすい「的」を貼られてしまったようなものである。

また「○○な女はヤれる」という記事は性的合意の誤解をも生みだす。例えば「ギャラ飲みに来た女はヤれる」と書いてしまうと、「ギャラ飲みに来た」=「性的合意」と勘違いをされる恐れがあり、「ギャラ飲みに来た女性」=「性的合意あり」と思われてしまうかもしれない。

性行為において、双方の合意ほど大切なものはなく、本来ならお互いの股間を指さし確認しながら逐一同意を取って行くべきなのだ。しかし、日本人はそこをはっきりさせないのが詫び寂びと思っているのか、時として「部屋に来たから同意」「一緒に酒を飲んだら同意」「スカートを履いてきたから同意」という謎の俺ルールで断行されてしまう場合がある。

それで被害者が被害を訴えると、「部屋まで来ておいて同意じゃない、はないだろう」と、日本で良く見られる「被害者が責められる構図」が生まれてしまう。もしギャラ飲みで犯罪が起きても、「ギャラ飲みなんかに来る方が悪い」と言われるのが容易に想像できる。

はっきりと「NO」と言わない奴が悪いという声も必ず挙がるが、弱い者に「NO」と言わせるのではなく、男女に限らず「性行為は相手がYESと言ってないならNOと思え」と教育する方が先だろう。それが相手のためでもあり、自分のためにもなる。「○○ならヤれる」と主語を巨大化し、性的合意のハードルを一方的に下げる情報を流すのは、その真逆の行為と言っていい。

ちなみに、大学だけでなく、当事者といえる女子大生も抗議や署名活動を行った。彼女たちは「休刊などで臭い物に蓋をされるのは本意ではない」と直接SPA!編集部と対談し、その模様がWEBでも公開されている。気になる方は見てみるといいだろう。

そこで印象的なのは、編集長が「女性をモノのように見る視線があった」と謝罪しつつも、「我々は女性のことが好きなんです」と前置きしている点だ。

しかし、今回の「ヤレる女子大学生RANKING」を見ると「俺、ジップロック好きなんすよ、便利だから」と、消耗品的な意味で「好き」と言っているように聞こえてしまう。

人間に対するリスペクトがなければ、いくら「好き」でも侮辱と変わらなくなってしまう、ということである。

※自分はリスペクトをこめてジップロックが好きだという方に対し、不適切な表現があったことをお詫び申し上げます。

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有料チケットで成功したLJL、日本eスポーツイベントのお手本になれるか?

岡安学の「eスポーツ観戦記」 第3回

有料チケットで成功したLJL、日本eスポーツイベントのお手本になれるか?

2019.04.23

よしもと∞ホールで開催された「LJL SPRING SPLIT 2019 Final」

リーグが進むにつれて増えていったチームや選手の固定ファン

有料チケットにも関わらずリーグでは会場がほぼ満席状態

4月13日、よしもと∞ホールにて、『League of Legends(LoL)』の国内プロリーグ「League of Legends Japan League(LJL)」の王者を決めるプレイオフ決勝、「LJL SPRING SPLIT 2019 Final」が行われた。

対戦カードは2019年春季シーズンのリーグ戦を20勝1敗の圧倒的な強さで勝ち上がった「DetonatioN FocusMe」と、プレイオフのセミファイナルにてリーグ2位の「Crest Gaming」を3連勝で下し、リーグ3位からファイナルに勝ち上がった「Unsold Stuff Gaming」だ。Unsold Stuff Gamingのリーグ成績は12勝9敗と、DetonatioN FocusMeと比べると見劣りするが、チーム状態は上り調子なので、成績差以上の拮抗した試合が期待できそうだ。

20勝1敗の好成績で1位抜けしたDetonatioN FocusMe
リーグ戦3位からセミファイナルを勝ち抜き、ファイナルに進出したUnsold Stuff Gaming

観戦が前提のeスポーツリーグとして成功を収めたLJL

ファイナルの形式は「BO5方式(5戦3勝勝ち抜け)」だ。Unsold Stuff GamingがDetonatioN FocusMeをあと一歩まで追い詰めるシーンがあったものの、結局はDetonatioN FocusMeがリーグ戦の強さをそのままに、3連勝で優勝を果たした。

LJLで優勝したことで、DetonatioN FocusMeは、5月1日から19日にかけて、ベトナムと台湾で行われるMSI(Mid-Season Invitational)に日本代表として出場することが決まった。DetonatioN FocusMeは、昨年のWorldsでプレイインステージで初勝利をあげ、強豪C9をあと一歩のところまで追い詰めるなど、大活躍しただけに、MSIでもそれ以上の成績を期待したいところだ。

決勝に相応しい熱戦を繰り広げたが、結果は3-0でDetonatioN FocusMeで優勝した

今回の「LJL SPRING SPLIT 2019」は、よしもとクリエイティブエージェンシーが運営に加わったこともあり、会場もよしもと∞ホール。観客席が常設されている劇場を使用することにより、観客が観戦することを前提に行われたリーグ戦となった。試合はすべて有料(2500~3500円)で、日本のeスポーツイベントとしては画期的なリーグ戦と言える。

しかも、多くの試合でほぼ満席状態。もっとも少ない日でも6割以上の席は埋まるそうだ。開幕戦と今回のファイナルに限れば、立ち見席まで埋まるほどの人気ぶり。“観るeスポーツ”の先駆けとして、大きな成功を収めたのではないだろうか。

ファイナルは立ち見が出るほどの人気。チケットもあっという間に完売した

徐々に増えていったチーム/選手の固定ファン

観客についても、最初のうちは『LoL』のプレイヤーがプロの試合を観に来るという印象だったが、終盤になるにつれ、選手を応援するファンが増え始め、まさにスポーツ観戦やライブ観戦に近い状態になっていた。観客席を見回すと、誰がどこのチーム、どの選手のファンかひと目でわかるほど、応援が本格的になっていた。

DetonatioN Gamingのユニフォームを着て応援する観客もちらほら。Ceros選手やEvi選手を応援する手作り応援グッズを携えた人も

リーグ戦では、試合終了後にロビーでファンとチームの「ファンミーティング」が行われる。これは昨年も行われていたが、ファンにとっては選手と近づける貴重な場になっていた。

今回のファイナルでも、試合の終了後にフォトセッションやファンミーティングが行われた。死力を尽くした試合後に1時間以上立ちっぱなしでファンに対応するのは、選手にとって決して楽なことではない。しかし、それでもファンを楽しませるのが「プロ」である。

ただ、今後、さらに観客が増え、会場が大きくなった場合は、アイドルの握手会のように、1人あたりの時間を設定する、「はがし」と呼ばれる係員を配置するなど、多少の対策は必要になってくるかもしれない。

試合終了後、ロビーでファンミーティングを行うUnsold Stuff Gaming

今回のSPRING SPLITは、全試合をよしもと∞ホールで行っていたが、今後セミファイナルとファイナルは、もう少し大きな会場で実施してもよさそうだ。

今回は初めてリーグを通して有料チケットでの開催だったこともあり、どれだけの人が訪れるか未知数な状態で席数を増やすのは難しかったかもしれないが、SPRING SPLITを通じて運営の見通しもある程度できたはずだ。2年前のSUMMER SPRITのファイナルは、幕張メッセの幕張イベントホールで開催しており、その席数は固定席だけで3888席。このときもほぼ満席となっていたので、さらに大きな会場での開催も見込めそうである。

日本のeスポーツのなかでは、もっとも観客を集められるプロリーグの1つであるLJL。SPRING SPLITをさらなる飛躍のステップとして、SUMMER SPRITの成功も願いたいところだ。LJLがほかのeスポーツタイトルへも大きく影響することは間違いなく、日本のeスポーツの発展のきっかけとなるのは言うまでもないだろう。

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Gmailで署名や不在通知を設定する方法

Gmailで署名や不在通知を設定する方法

2019.04.23

Gmailでメールの最後に入れる署名を設定するには?

長期間返信が滞りそうな場合は不在通知を設定しよう

ビジネスメールでは、文末に会社の住所や電話番号といった署名を入れるのが一般的だ。Gmailでは、メール作成の際に署名を自動入力するよう設定できる。

署名を作成する

署名を作成するには、まずGmailの右上にある「歯車(設定)」ボタンをクリック。出てきたメニューから「設定」を選択しよう。全般タブをそのまま下へスクロールすると「署名」が出てくるので、そこに会社の住所や電話番号、自分の所属部署など、必要な情報を記入する。

内容が決まったら「変更を保存」を押して設定を終了する。次回の新規作成メールから署名がメールの下部に記載されるようになる。

署名を作成するには右上の「歯車(設定)」ボタンをクリック。全般タブの下にある「署名」で内容を入力する
次回のメールから作った署名が表示されるようになる

不在通知を作成する

Gmailには、出張や旅行などでメールに返信ができない場合の「不在通知」機能が搭載されている。Gmailの設定を開き、全般タブの一番下にある「不在通知」から設定可能だ。

不在通知のオン・オフの切り替えや、開始日、終了日を指定することができる。不在通知として送るメールの件名と内容を入力したら「変更を保存」ボタンを押して準備は完了だ。設定期間中に届いたメールに対して、自動的に設定した内容でメールを返信するようになる。

「設定」の全般タブにある「不在通知」で必要事項を設定する

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