その独創性が世界を変える? レクサスのコンパクトSUV「UX」に試乗

その独創性が世界を変える? レクサスのコンパクトSUV「UX」に試乗

2018.12.21

輸入車も豊富な激戦の市場でレクサスは何を提示するか

乗れば分かる! 運転姿勢から感じた独創のクルマづくり

上質感を追求するなら新たなパワーユニットも選択肢?

レクサス「UX」は同社のSUVである「RX」や「NX」よりも小型のクロスオーバー車として新しく誕生した。このクラスのクルマとしては、「2018-2019 日本カー・オブ・ザ・イヤー」を受賞したボルボ「XC40」を筆頭に、BMW「X2」やジャガー「Eペイス」(E-PACE)など、実力派の輸入車が数多く先行している。UXはそれらと競合する1台として、レクサスの真価が問われるクルマだ。

コンパクトSUV市場にかなり遅れて参入するレクサス「UX」。試乗会に参加して、その実力を確かめてきた

運転姿勢に視界のよさ、「UX」で味わった快適さ

UXに試乗して感じたのはレクサスらしい、もっといえば日本らしい独自性と価値観だ。このクルマが持つ、SUVというよりも文字通り「クロスオーバー車」らしい魅力は競合車と一線を画する。

象徴的なのは運転姿勢だ。UXの加古慈(かこ・ちか)チーフエンジニアは、「SUVらしさの1つである視界の高さにこだわった」としながらも、同時に「コンパクト2ボックス車のように、低重心で爽快な運転感覚も持たせたかった」と語る。それを体現するかのように、UXの運転席はSUVとセダンの中間的な高さで、座っていてとても落ち着く。

「UX」のサイズは、全長4,495mm、全幅1,840mm、全高1,540mm、ホイールベース2,640mm。直列4気筒2.0Lエンジンを搭載する

ミニバンやSUVの人気により、背の高いクルマが次々に誕生した結果、セダンやクーペでは前方の視界が確保しにくい交通状況が生まれ、視線の高いクルマは運転しやすいとして歓迎されている。ただ、上から見下ろすような運転中の視線は、やや不安定さを覚えさせ、クルマの周囲の様子を実感しにくいという不便さもある。その点、UXの運転席からの視界は、どちらも満足させるちょうどいい高さを実現している。競合する輸入車と比べても、そこは独創的かつ実用的だ。

試乗したグレードは装備の充実した「version L」とスポーティな「F SPORT」の2車種で、なおかつ前輪駆動のFFと後輪をモーターで動かす4輪駆動を試した。いずれの走りも快適で、運転中にストレスを感じさせないところは、レクサスが日本で先日発売したセダン「ES」にも通じる新しい乗車感覚といえる。F SPORTは走行性能を楽しませる車種であるとはいえ、いかにもという片意地の張ったいかつい乗り味ではなく、思い通りに運転できる喜びを伝えてきた。UXというクルマの共通性を車種を問わず実感した。

「UX」にはハイブリッドの「UX250h」とガソリンエンジンの「UX200」という2つのグレードがあり、各グレードが「version L」「F SPORT」「version C」に分かれる。ハイブリッド車には前輪駆動と後輪をモーターで駆動させる「AWD」がある。価格は税込みで390万円~535万円からだ

座席は表皮が細分化されていて、レクサス特有の体に沿った彫りの深い形状だった。運転中の姿勢をよく支えてくれるし、疲れにくくもあった。その快適さは、欧州の競合とも違う特有の乗り心地だ。ますます競争が激化しそうなコンパクトSUVというジャンルの中で、日本発のレクサスが提示する新たな価値観は、世界を動かしそうな予感をさえ覚えさせた。

運転姿勢、ちょうどよい視線の高さ、乗り心地など、レクサス「UX」には競合との差を感じさせる独自性がある

成熟を待ちたいサスペンションの挙動

小さくても上質で快適というのがUXの価値だ。ただ、その本質を突き詰めるには、まだまだ成熟が必要と感じる部分もあった。

まず、サスペンションの仕上がりについては、路面の凹凸に対して突っ張る印象があった。路面の出っ張りに突き上げられることにより、タイヤの上下振動が必要以上に起こるので、振動が収まり難い。より快適な乗り心地を求めたversion Lで顕著だったが、単にバネやダンパーが柔らかいからということではなく、サスペンションの根本的な動かし方に起因すると思われた。F SPORTにおいても、そうした傾向が感じられたからだ。

サスペンションの仕上がりについては成熟の余地を感じた

競合他社のコンパクトSUVに比べ、車高が低めで運転姿勢の目線も低いUXといえども、セダンや2ボックス車に比べれば重心は高い。それを安定させようとすると、サスペンションは突っ張り気味になりやすい。路面変化に対して、いかにタイヤを滑らかに上下させながら、走行安定性を確保するのか。そのあたりが今後、真価の問われるポイントだろう。

UXが採用する「GA-Cプラットフォーム」は、トヨタ自動車が現行「プリウス」から使い始めたクルマづくりの考え方である「TNGA」(トヨタ・ニュー・グローバル・アーキテクチャー)の流れを汲む。TNGAの「CH-R」は車高の高いSUVでありながら、走行安定性と乗り心地を巧みに両立しているので、UXも今後の改良が進めば、その領域に達する可能性がある。加古CEも試乗会で、「ここからさらに進化・成長していくので、引き続きご愛顧ください」と話していた。

「UX」は今後の進化が楽しみなクルマでもある

レクサスに必要なのは独自のパワーユニット戦略?

もう1つの課題は、動力源についてである。レクサスといえども、トヨタの戦略下にあるため、動力はハイブリッドとガソリンエンジンに絞られる。近年のトヨタはエンジンの存続を図るべく、ガソリンエンジンの最大熱効率40%以上を目指して技術開発に注力しているが、それらのエンジンは一方で、騒音が大きい。そこはエンジン開発担当の技術者も認めるところだ。

そうしたガソリンエンジンを使うUXの場合、時速70~90キロあたりの巡行において、「ブーン」という低周波音が絶え間なく耳に届く。この点は、ガソリンエンジンよりも低回転で力を発揮するディーゼルエンジンに似ている。乗り心地が快適で運転にストレスを感じさせないところが魅力のUXだけに、この騒音は気になる。

乗り心地が快適なだけに、エンジン音は気になった

ハイブリッド車においても、エンジン始動後の騒音が、以前のトヨタのハイブリッド車に比べうるさく感じ、耳についた。そこに、ESも含めた今後のレクサスが追求する「上質さ」を阻害する要因を感じるのである。

レクサスがレクサスらしさを発揮し、レクサスであり続けるためには、より一層の電動化が欠かせないのではないか。UXもESも、プラグインハイブリッド車(PHV)や電気自動車(EV)になれば、もっとレクサスらしい世界を広げられると思う。そもそも、初代「LS」(日本名:セルシオ)は、圧倒的な静粛性と振動の少なさで米国市場を席巻したのであった。ところが、今のレクサス車は振動と騒音を意識させる。

トヨタは「ハイブリッド技術があればEVは作れる」と言っているが、商品とは、消費者に受け入れられてはじめて価値を得るものだ。「できること」と「受け入れられること」は違う。ポルシェがEV「タイカン」の市場投入に向けた準備を進めており、ジャガーがEV「I-PACE」をフラッグシップと位置づけている今日、すでにレクサスは、プレミアムブランドとして一歩、出遅れた感がある。

上質感でプレミアムブランドと競うならば、レクサスはクルマの電動化を急ぐべきだ

販売台数で世界60万台規模のレクサスであればこそ、トヨタとは違うパワーユニット戦略が必要なのではないか。トヨタ車と同じことをしていては、レクサスである意味はない。そういった観点からも、UXの進化には期待したい。

いつかは買いたい? 安東弘樹、アストンマーティン「DB11」に乗る!

安東弘樹のクルマ向上委員会! 第17回

いつかは買いたい? 安東弘樹、アストンマーティン「DB11」に乗る!

2019.03.20

アストンマーティンのV8エンジン搭載車「DB11」に試乗

懐古趣味とは無縁、「DB」のデザインは現代の方がカッコいい

車中で「なぜ運転は楽しいか」を自問自答

日本自動車輸入組合(JAIA)の試乗会を訪れている安東弘樹さん。次に乗るのはアストンマーティンの「DB11」だ。憧れる人も多いであろう歴史ある英国製スポーツカーに、安東さんは何を思うのか。

※文と写真はNewsInsight編集部の藤田が担当しました

安東さんと「DB11」

エンジン信者ではなくとも感じる音のよさ

DB11はアストンマーティンのグランドツアラーで、安東さんが乗ったのは4リッターV型8気筒DOHCツインターボエンジン搭載モデル。最大出力は503hp、最大トルクは675Nmで、停止状態から時速100キロへの加速はわずか4秒という速いクルマだ。トランスミッションは8速オートマチック(AT)。オプションを含まないメーカー希望小売価格は2,278万1,177円となっている。

試乗した「DB11」のボディサイズは全長4,705mm、全幅2,060mm、全高1,290mm。車両重量は1,705キロだ

編集部(以下、編):なぜDB11に乗ってみたいと思ったんですか?

安東さん(以下、安):新しいアストンマーティンに乗っておかないと、という気持ちがありました。他のブランドのように試乗会というものが開催されないので、なかなか機会がありませんし。

先ほど、テスラの「モデルX」に乗りましたけど、その後にDB11に乗ると、電気自動車(EV)とは違う加速を味わうことができますね。どちらが好ましいというのはないですけど。

:EVとは違って、エンジン音に迫力がありますね!

:確かに、いい音だとは思います。ただ、エンジン音の信者ではないので、そんなにうるさくなくってもいいというタイプです。大きさより質、という感じでしょうか。

:クルマのキャラクターに合った音がしてほしい?

:そうですね。

室内の作りは、ドイツ車と比べると違いを感じます。ドイツ車だと、例えば革張りのダッシュボードなどは“パンッ!”て張っている感じですけど、こちらは、良くも悪くも作りが緩いというか、革の表面にうねりのようなものが見てとれますね。

:生命感を表現している、とかですかね?

:どうなんでしょうねー。

:乗り心地はいかがですか?

:ダイレクト感が伝わってくるような作りになっているのは分かります。ただ、ダイレクト感を作り手の側で、どのくらい味付けするのがいいのか……クルマって、難しいですね! メーカーが味付けの部分で競い合うのはいいことだと思います。

:2,278万円という価格については?

:……なぜか今、一瞬、安いって思いました(笑)。

多分、これが理由だと思います。先日、ポルシェジャパンのサイトでコンフイギュレーターを使って、最新のポルシェ「911 カレラ 4S」に、必要だと思うオプションを選んでトータルの価格を見積もったら、2,000万円を軽く超えました……。

DB11もオプションを加えたら、金額は跳ね上がるとは思いますが、ポルシェは3Lターボで最大出力450ps、最大トルク530Nmだったのに対して、DB11は4Lターボで503ps、675Nmだったので、それらを比較して、そう思えたのかもしれません。

「DB11」の価格を聞いて、一瞬だけ「安い」と思ったという安東さん

昔のクルマと今のクルマ、カッコいいのはどっち?

:アストンマーティンといえば、ボンドカー(映画「007」シリーズに登場するジェームズ・ボンドが乗るクルマ)のイメージはありますか?

:ありますねー! 一時はBMWになったりしてましたけど、アストンマーティンを復活させましたもんね。最近は、物語にとって必然性がないのに、ボンドカーを無理やり出している感じがあったんですけど、新しい作品ではアストンマーティンが大活躍してました。まあ、本来は目立ってはいけないスパイが乗るクルマではないですけどね(笑)

:「007 ゴールドフィンガー」に登場した初代ボンドカー「DB5」もカッコよかったですもんね!

:「ゴールドフィンガー」も見たんですけど、私に懐古趣味がないので、今のDB11の方がカッコいいと思います。DB5って、今のクルマに比べると、少し“ずんぐりむっくり”しているというか。

:純粋に、カッコよさで比べた場合、現行モデルの方に軍配が上がると?

:そうですね。ただ、日本車は残念ながら昔のクルマ、特に60年代~70年代の方が圧倒的にカッコいいですけどね。

純粋にカッコよさで比べた場合、初代ボンドカー「DB5」よりも試乗中の「DB11」に軍配が上がるというのが安東さんの感想

:アストンマーティンのイメージは?

:好きでした。歴代のクルマには、必ずマニュアルトランスミッション(MT)の設定があったので、乗りこなせたら格好いいだろうなとは思ってました。

:いつかはアストンマーティンを買いたいと思いますか?

:以前は思ってました。でも今は、乗って満足してしまったというか、「これが欲しい!」という感じではないです。スポーツカーの場合、どうしても、MT車にしか食指が動かないんです。DB11って確か、本国にもMTの設定はないですもんね。

:そうすると、現在の愛車であるポルシェ「911 カレラ 4S」を乗り換えるとしたら、どんな選択肢がありますか?

:“992型”の「911 カレラ 4S」()で、右ハンドルのMTって感じですかねー。

【編集部注】次に発売となる新しい「911 カレラ 4S」。つまり、同じクルマの新型をリピート購入したいということ。

:他のメーカーに候補はないですか?

「メガーヌ R.S.」(ルノー)のMTなんかいいですね!

もし、DB11がMTだったとしても、うまくスポーツ走行をする自信はないんですけど、日常でスポーツカーを楽しむという意味では、MTしか選択肢に入らないんです。

なぜステアリングを切っているだけで楽しいのか

:(箱根ターンパイクを走行しつつ)加速って、どうしても慣れてしまいますね。

:結局のところ、速いか遅いかということですしね。

:だとすると、もうテスラなどの電気自動車にはかなわないですもんね。そうすると、操作を楽しむとか、気持ちはそっちにシフトするわけで。

DB11は、トルコン8速ATもよくできていて、十分にいいクルマなんですけど、なんでしょう、どうしてかは分からないんですけど、ひょっとすると、そのうち飽きがくるかもしれないと思ってしまうんです。MTの運転だけは飽きないですからね(笑)

それにしても、こうやって右に左にステアリングを切っているだけなのに、「何が楽しいのかなー?」って、たまに思うこともあるんですけど、なぜだか楽しいんですよね。クルマに興味のない人には、「何が楽しいの? 危ないだけでしょ?」と思われるかもしれないんですけど。

クルマの運転って、興味のない人からすれば、場合によっては悪意がなくても法律的に罰せられるし、命の危険すらあるのに、何が楽しいのか理解できないでしょうね。ただ、なんなんでしょう、とにかく楽しいんですよねー! こういうワインディングロードを走らなくても、普通に、高速道路で制限速度内で走っていても、車窓の景色が変わっていく様子とか、大きな物体を自分で操る感覚が、たまらないです。

ステアリングを右に左に切っているだけで楽しいという安東さん

DB11に乗りながら、なぜクルマの運転は楽しいのかと自問自答を始めた安東さん。助手席から見ていると、その問答自体がすでに、楽しげに見えた。次に乗るクルマは、ポルシェを買い替える場合の選択肢として名前の挙がった「メガーヌ R.S.」だ。

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アウディが新型「A6」を発売、大攻勢の2019年は注目モデルが続々

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2019.03.20

8世代目に突入したアッパーミドルセダン「A6」

「アウディ クワトロ」のDNAを受け継ぐエクステリア

最新テクノロジーよりも大切なユーザー目線

アウディ ジャパンは新型「A6セダン」およびワゴンタイプの新型「A6アバント」を3月20日より発売する。車両本体価格は「A6セダン」が920万円~1,006万円、「A6アバント」が955万円~1,041万円。フルモデルチェンジを経たアウディ伝統のアッパーミドルセダン(おおよそ全長4,800mm以上のクラスの高級セダンで、いわゆるEセグメント)は、同社3シリーズ目となる電動車として登場した。

新型「A6」の発表会に登壇したアウディ ジャパン代表取締役社長のフィリップ・ノアック氏。A6は2019年3月20日から全国のアウディ正規ディーラーで販売する

アウディにとって3作目となる電動車

「A6」は1968年にデビューしたアウディのアッパーミドル(中大型クラス)セダンの流れをくむモデル。今作は初代モデル「アウディ100」から数えて8世代目にあたる。「アウディ100」と「A6」の両シリーズを合わせた累計販売台数は820万台。新型のグレードは、「A6セダン」「A6アバント」ともに「55 TFSI quarto S line」と「55 TFSI quarto debut package」の2種類だ。

「A6セダン」は「55 TFSI quarto S line」が1,006万円、「55 TFSI quarto debut package」が920万円
画像3:「A6アバント」は「55 TFSI quarto S line」が1,041万円、「55 TFSI quarto debut package」が955万円

アウディは「A8」「A7」に続き、新型「A6」に電動化技術を組み込んだ。同社は2019年に6車種のプラグインハイブリッド車(PHV)を導入し、2020年末までに合計12車種の電動パワートレイン車をラインアップする電動化戦略を掲げているが、A6の電化はその一環だ。

A6のパワーユニットは、いずれも3.0リッターV6ターボエンジンにマイルドハイブリッドテクノロジー(MHEV)を組み合わせる。この3.0リッターTFSIユニットは、最高出力340ps/5,200-6,400rpm、最大トルク500Nm/1,370-4,500rpmを発揮する。「A6セダン」が停止状態から時速100キロまでの加速に要する時間は5.1秒(欧州仕様参考値)だ。

「アウディ クワトロ」の遺伝子を受け継ぐエクステリア

発表会でノアック社長が「アウディ車にとって重要なメッセージ」と語ったのがデザインだ。2018年にフルモデルチェンジして登場した「A8」「A7」と同じく、新型「A6」も新たなアウディのデザイン言語を体現しており、「ピンと張った面、キリッと尖ったエッジ、目を引くラインなどが特徴」(ノアック社長)だという。

「A6セダン」のフロントマスク
ボディサイズは全長4,950mm、全幅1,885mm、全高1450mm、ホイールベース2,925mm。長いボンネット、ロングホイールベースなど、造形美が光るプロポーションとなっている

従来モデルよりワイドかつ低く配されたシングルフレームグリルに、フラットなヘッドライト。フロントマスクではエアスポイラーを備えた大型のサイドエアインテークも目を引く。サイドビューは先代モデルと比べて引き締まった印象。力強く張り出したホイールアーチ上の輪郭、長く伸びたルーフラインなど、「アウディ クワトロ」のDNAを受け継いでいることを確認できるポイントは随所で発見できる。

この新たなデザイン言語を読み解くのであれば、バランスのとれたエクステリアプロポーションでエレガンスさを、フロントマスクの造形でスポーティーさを演出している、といったところだろうか。

アウディが考えるユーザー中心の開発とは

「A6を日本市場に導入できることをとても嬉しく思うとともに、誇りに思います」と述べたノアック社長は、日本におけるアウディの戦略にも言及した。

アウディ ジャパンの戦略を語るノアック社長

最初に言及したのが商品攻勢だ。今回の新型「A6」に加えて、新型「RS4アバント」、アウディ ジャパン初のクリーンディーゼルエンジン搭載車となった新型「Q5 40 TDI クワトロ」を発表するなど、積極的な姿勢が目立つアウディ。2019年は今後も、ほぼ毎月、新モデルを投入する予定だという。アウディ初の電気自動車(EV)「e-tron」や新たなセグメントへの参入となる「Q8」など、注目度の高い車種も発表の時を待っている。

そして、ノアック氏が強調したのが、ユーザーを中心に据える「カスタマー・セントリシティ」という考え方だ。

「A6セダン」のコックピット。ドライバー正面とセンターコンソール上部、さらにセンターコンソール下部の3カ所に大型ディスプレイが設置してある

この言葉、ノアック社長は単なる顧客満足度の向上という意味では使っていない。その真意として同氏は、「アウディブランドは新しい技術を駆使し、新たな価値あるものを作り出していきます。ただ、アウディにとってテクノロジーは重要ですが、それ以上に大事なのは、お客様の視点です」と説明した。

どれだけ優れた技術であっても、ユーザーに必要とされなければ、それは不要な技術といえる。新型「A6」は最新のテクノロジーを搭載するが、快適性の向上やドライバーサポートアシスタントシステムの充実、安全性の高さなどは、いずれもユーザーに望まれる技術である。新型車が登場すると新たな機能に注目が集まりがちだが、重要なのは、その機能がユーザーの求めるものであるかどうかだ。

最後にノアック氏は、「今年は本当にエキサイティングな年になると思います。この1年をぜひ、アウディとともにお楽しみください」と語り、記者発表を締めくくった。

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