免許証返納を考えるのは時期尚早? 活用すべきは「自動運転レベル2」

免許証返納を考えるのは時期尚早? 活用すべきは「自動運転レベル2」

2018.12.28

いつ免許証を返納すべき? 募る高齢者ドライバーの不安

「サポカーS」を選べば享受できる先進の安全技術

ACCに自動駐車…充実の運転支援機能

高齢者による交通事故が顕著になるにしたがい、運転免許証の自主返納を促す警察庁などの活動を目にする機会も増えてきた。今年は特に多くなった印象だ。高齢者は免許証を返納すべきという世論が形成されつつあるようにも感じるが、そんな今、改めて「自動運転レベル2」の運転支援機能に注目したい。既存の技術を十分に活用するだけでも、高齢ドライバーの安全運転をサポートできるかもしれないからだ。

最近は軽自動車でも運転支援機能が充実している(画像はダイハツ工業の「ミラ トコット」)

免許証の自主返納は累計42万人に

統計によれば、75歳以上と80歳以上の運転者による交通死亡事故件数は、それぞれ平成19年から29年までの10年間で約半分に減っているのだが、それより下の年齢層と比べると、なお2~3倍ほどの件数となっている。こうしたことから、警察庁では運転免許証の自主返納に関するリーフレットを作るなどして広報に努めている。

リーフレットによると、視野障害や身体機能の低下、筋力の衰えなどによって、高齢者の運転操作にはミスが起こりやすくなる。不適切な運転操作による交通事故の割合は、75歳以上のドバイバーが一般ドライバーの約2倍に及ぶそうだ。いわゆるペダルの踏み間違いや車線の逸脱などが発生していることは、テレビや新聞が報道している通りである。

運転免許証の自主返納制度は平成10年に始まったものだが、その後は周知が進み、特に平成26年以降は件数が急増。平成29年(昨年)には累計42万人を超えた。しかも、その4割ほどは75歳未満の年齢層で占められている。そうした状況からなのか、まだ70歳未満の人から「自分はいつ免許証を返納したらいいのか?」と不安げに問われたこともある。

私自身、老眼の傾向は50歳代から自覚しており、60歳を過ぎてからは、ことに視覚や身体が衰えていることを意識させられる日々だ。夕暮れ時の見にくさや、薄暗いところでの動体視力の低下により、運転には細心の注意を払う毎日である。したがって、いつ運転免許証を返納すればよいかという不安と迷いは、私自身の課題でもある。

見切りのよいクルマに乗っていても、老眼が進めば周囲の状況は確認しづらくなってしまう

一方で、60~70代はまだ生活や仕事を含めて現役であり、家族や親戚などを手助けしたり、あるいは友人・知人とゴルフなどの余暇に出かけるなどで、運転を任される場面も多い。身体能力の衰えを自覚し、不安を覚えながらも、なお運転し続けなければならないし、まだ運転を続けたいという気持ちもある。そこに葛藤があるのだ。

そうした不安を持つ人に私は、最新のクルマに備わる運転支援機能を調べてみるよう助言している。古いクルマを長く大事に乗ることも大切ではあるが、最新の機能を持つクルマは、加齢による身体機能の衰えをある程度は手助けしてくれる。うまく機能を活用すれば、より快適にクルマで出掛けられる。

どのような運転支援装置が、身体機能の衰えを補い、手助けしてくれるのか。いくつかの例を挙げてみよう。

「サポカー」が1つの判断基準に

まず注目したいのが、日本政府が「セーフティ・サポートカー」(サポカー)あるいは「セーフティ・サポートカーS」(サポカーS)と呼ぶクルマだ。こういった車種は、軽自動車および小型車にも増えている。

人気のホンダ「N-BOX」も「サポカーS ワイド」に該当する

サポカーは「自動ブレーキ」を搭載するクルマのこと。自動ブレーキとは、車載のレーダーやカメラを使って前方のクルマや人を検知して、衝突の可能性がある場合には運転者に警告し、それでも危険が続くようであれば自動でブレーキを掛け、衝突を回避したり被害を軽減したりする機能だ。

サポカーSは自動ブレーキに加え、「ペダル踏み間違い時加速抑制装置」「車線逸脱警報」「先進ライト」などを装備する。ただし、サポカーSには「ベーシック」「ベーシック+」「ワイド」の区分があり、それによって装備の搭載内容が異なるので注意が必要だ。

ペダル踏み間違い時加速抑制装置は、発進時や低速走行時にペダルを踏み間違ったとき、レーダー、カメラ、ソナーがクルマの前後の壁や他車を検知すると、アクセルペダルを踏み込んでいてもエンジン出力が抑えられ、急加速を防止できる機能だ。

車線逸脱警報はカメラで車線を認識し、はみ出しそうになったり、実際にはみ出したりすると運転者に警報する。

先進ライトにはいくつかの機能がある。例えばハイビームでの走行中、前を走るクルマや対向車を検知すると、自動的にロービームに切り替わる「自動切替型前照灯」や、ハイビームの照射範囲の中で、前を走るクルマや対向車の部分だけを減光する「自動防眩型前照灯」、ハンドルやウインカーなどの操作に応じて、水平方向の照射範囲を自動制御する「配光可変型前照灯」などだ。

サポカーSのワイドに該当するクルマであれば、ここに挙げた機能が備わっている(先進ライトは、少なくともどれか1つの機能を採用)。ペダルの踏み間違いによる大きな事故や意図しない車線逸脱などは、これらの機能で減らすことができるだろう。夜間の運転でも、不安は軽減できるはずだ。

トヨタ自動車は後づけ可能な「踏み間違い加速抑制システム」を2018年12月5日に発売。「プリウス」「アクア」から販売を開始し、対象車種を広げていくという

「自動運転レベル2」の十分な活用が先決

このほか、近年採用が進んでいるのがドアミラーの「ブラインドスポット」と呼ばれる機能だ。隣の車線の後続車が近づいてくると、ミラーにそのクルマが映りこむ前の段階からランプで表示し、警告してくれる。ランプ点灯が視界に入るだけで、車線変更前にあらかじめ注意を払うことができるので、安全性は高まる。

ACC(アダプティブ・クルーズ・コントロール)は、クルマに備わっていても、試したことがないという人が意外に多い機能だ。高速道路などでACCをオンにすると、クルマは一定速度で自動走行し、レーダーやカメラによって前を走るクルマとの車間距離を適切に保ってくれる。自動運転と間違われやすいACCだが、これも運転支援機能であり、特にクルマで長距離移動する際の緊張や疲労を軽減してくれる。

駐車支援機能も採用が増え始めているが、注目したいのは日産自動車の電気自動車(EV)「リーフ」で使える「プロパイロット パーキング」だ。同機能では駐車枠を確定した後、ボタンスイッチを押しているだけでクルマを自動的に駐車できる。駐車枠に収まった後にシフトをパーキング(P)に入れ、駐車ブレーキまで掛けてくれる徹底ぶりだ。

ほかにも様々な運転支援機能があるが、それらを活用すれば高齢者が安全に、自らクルマを運転できる期間が延ばせるかもしれない。

「プロパイロット パーキング」で日産「リーフ」を駐車したところ

近年は自動運転が話題だが、今年は各自動車メーカーによる技術競争のほか、タクシーや物流などの移動サービスを手掛ける事業者が、完全自動運転化を模索するというニュースも目に付くようになった。だが、それ以前に、「自動運転レベル2」と呼ばれる現在の運転支援機能を十分に活用することも重要だろう。

運転支援機能には、「運転免許証をいつ返納したらいいのか」と不安に思う高齢者の懸念を和らげたり、払拭したりできるという側面もある。高齢化社会を迎えている日本においては、居住地域の公共交通機関の事情を問わず、「衣食住」に加え「移動」が可能となることで、高齢者が自立した生活を送る道が開けるのである。

CESで大注目の「折り曲げられるスマホ」、普及の見込みは?

CESで大注目の「折り曲げられるスマホ」、普及の見込みは?

2019.01.18

中国メーカーが自在に折り曲げられるスマホを実現

「大画面×コンパクト」を両立する夢のデバイス、実用性は?

端末の魅力を引き出すアプリ登場が普及のカギか

米ラスベガスで開催された世界最大級の家電見本市「CES 2019」では、2019年のトレンドを先取りする新ガジェットが一堂に会した。その中でも一際大きな注目を浴びたのが「折り曲げられるスマホ」だ。商品化にこぎ着けたのは世界初という。

折り曲げられるスマホ「FlexPai」

スマホの画面サイズが大型化を続ける中、iPhone SEのような小型スマホを求める声は依然として多い。そこで登場した折り曲げられるスマホは、「大画面」と「コンパクト」を両立する夢のデバイスに見える。果たして普及の可能性はあるだろうか。

自在に折り曲げられるスマホ、中国メーカーが実現

折りたためる2画面のスマホというアイデア自体は、実はそれほど目新しいものではない。NTTドコモとZTEが共同開発した「M Z-01K」などは、現行モデルとして国内で販売中だ。

だが、従来の2画面スマホはヒンジを用いて2つの画面をつなげたものに過ぎなかった。その後、液晶とは異なる特性を持つ有機ELが登場したことで、ディスプレイを紙のように自在に折り曲げられることも夢ではなくなった。

有機ELの「曲げに強い」という特性は、多くのスマホに活用されている。サムスン電子のGalaxyシリーズが画面端を曲面にしたスマホを発売後、ソニーモバイルシャープもこの形状を採用している。

これを推し進め、開くとタブレットのような大画面、2つに折り曲げるとスマホサイズという端末の可能性が見えてきた。そして2018年10月、中国のRoyoleが、世界で初めての折り曲げられるスマホ「FlexPai」を商品化したのだ。

中国Royoleのブース。フレキシブルディスプレイを使った様々な製品が並んだ

CES 2019では韓国のLG電子が巻き取り式のテレビを発表するなど、「曲がるディスプレイ」が会場全体で話題になっていた。そうした下地もあって、Royoleの出展ブースには来場者の行列が絶えず、展示機がバッテリー切れを起こすほどの盛況となっていた。

実用性はさておき、スマホの進化の可能性を示した

FlexPaiの特徴は、開いた状態ではタブレットに近い形状になり、そこから自由に折り曲げできる点にある。従来の2画面スマホとは異なり、広げた状態でも画面の境目がないため、タブレットと同じ感覚で利用できる。

広げた状態ではタブレットのように使える

メーカーが挙げるメリットは、複数のニーズごとの端末を1台に集約できることだ。大画面が欲しい人の中には、スマホとタブレットを両方持ち歩いている人もいるだろう。だがFlexPaiなら持ち歩くのは1台で済むというわけだ。

折り曲げた状態では一般的なスマホと同じように使える

折り曲げというギミックから、耐久性に不安を覚えるものの、20万回程度の折り曲げに耐えられるという。ただ、折り曲げると厚みが出るため、スマホのようにコンパクトに持ち歩くことはまだ難しい。

アプリの対応も課題だ。FlexPaiを折り曲げた状態では「表面」と「裏面」に加え、折れ曲がった「エッジ」の3画面を利用できる。FlexPaiの魅力を引き出すには、これら3画面を活用するようなアプリの登場が待ち望まれる。

そこでRoyoleは、FlexPaiをアプリ開発者向けに1,318ドルの価格で先行販売している。まずは開発者にデバイスを手に取ってもらい、どのような活用方法が考えられるか、アイデアを募っていく段階といえる。

会場で実機を試した印象だが、現段階での折り曲げスマホは実用的とまではいえないと思えた。しかしRoyoleという会社の名前を世界に知らしめ、フレキシブルディスプレイの技術を示したという意味では、この発表は大成功を収めたといえるのだろう。

また、サムスン電子など大手スマホメーカーも折りたたみや折り曲げ端末の開発を進めており、グーグルはAndroid OSとして公式サポートを表明している。スマホの次なる進化の可能性を真っ先に示したFlexPaiを、この場の実用性で語るのはお門違いなのかもしれない。

日本車のインテリアには独創的な未来がある? 「1kg展」で感じた可能性

森口将之のカーデザイン解体新書 第12回

日本車のインテリアには独創的な未来がある? 「1kg展」で感じた可能性

2019.01.18

国内主要メーカーの内装デザイナーが集まり展示会を開催

テーマは“1kgの価値”をどこまで高められるか

実車に応用できる? 独創的な作品の数々

国内主要自動車メーカー8社のインテリア・カラーデザイナーが参加する団体「JAID」が初の作品展を開催中だ。“1kg”という重さにこだわり、最新の3Dプリンターを駆使して各社のデザイナーが生み出した作品は独創的で、会場の「GOOD DESIGN Marunouchi」(東京・丸の内)は小さな現代美術館のような雰囲気になっている。

ダイハツ工業のデザイナーが出品した「受け継がれる樹脂」という作品

雑誌の対談が契機となり生まれた「JAID」

「JAID」という名前を初めて目にした人も多いだろう。「ジャパン・オートモーティブ・インテリア・デザイナーズ」の略で、「ジャイド」と読むそうだ。

創立のきっかけとなったのが、自動車雑誌「NAVI CARS」(ナビカーズ)での対談だったと聞いて、「あの号だ!」と即座に思い浮かんだ。クルマのインテリアを特集したナビカーズの2015年7月号で、筆者も別の対談に参加させていただいていたのだ。その号に国内メーカーのインテリアデザイナーが語り合うページがあったことは記憶の片隅に残っていた。

雑誌の売れ行きが落ちているといわれて久しい。それだけに、1つの雑誌の企画からJAIDのようなコミュニティが生まれたことは、モータージャーナリズムに身を置く者として嬉しい気持ちになる。

日産自動車のデザイナーが出品した「∞ Fluff」

価値ある1kgの創造に挑んだデザイナーたち

そのJAIDが企画したのが「1kg展」だ。なぜ“1kg”にこだわるかといえば、クルマの開発に携わる人たちにとって切実な「kg単価」という指標に理由がある。

「kg単価」とは、クルマの開発で使われる値段の単位だ。インテリアデザイナーとしてはkg単価が高い、いわゆる良い素材を使いたいという気持ちは大きいだろう。快適性や安全性の追求、さらには電動化への対応、重量の削減といった視点も持ちながら素材を選んでいるはずだ。

しかし、贅を尽くしてばかりでは車両価格の上昇を招くので、妥協が必要になる。おそらくインテリアデザイナーは、このような状況で悩みながら、新しい素材や仕立て、色などを取り入れるべく、奮闘の毎日を過ごしているのだろうと想像している。

では、そういった制約がなくなったとき、デザイナーたちはこのkg単価をどこまで価値あるものに仕上げられるのだろうか。これが、今回の展示会のテーマだ。最新の3Dプリンターを駆使し、時間や空間、物質としての限界などを飛び越えた作品を独自の着眼点で製作すると同時に、広くカーインテリアデザインの魅力を伝えたい。そんなメッセージのこもった展示会なのである。

ホンダのデザイナーが出品した「風速1kg」

素材と色のコーディネートが味わえる「ハンバーガー」

会場のGOOD DESIGN Marunouchiは、2013年度から通算5回、今年度も含めてグッドデザイン賞の審査員を担当している筆者にとってはなじみ深い場所だ。ところが、「1kg展」の内覧会を訪問した時には、状況がまるで違っていた。いつもは展示物をゆったりと眺めることができる空間なのに、この日はラッシュ時の駅のようにごった返していたのだ。それだけ、インテリアデザイナーの斬新な発想に期待する人が多かったということだろう。

日産のデザイナーが出品した「4D flower」。「1kg展」に作品を持ち寄ったのは、国内大手自動車メーカー7社(ダイハツ工業、ホンダ、三菱自動車、日産自動車、スバル、スズキ、トヨタ自動車)だ

作品の中には、クルマのインテリアデザインとは関係なく、最新の3Dプリンターならではの表現能力の高さをアピールするような作品も見られた。それらを業界の枠を飛び越えた独創的な作品と捉える人もいたようだが、クルマが好きで今の仕事に携わっている(はず)の方々だからこそ、もっとインテリアにこだわって欲しかった。

ただ、クルマのインテリアとの関連性が高い作品が大半を占めていることは確かで、中には独創的な発想や興味深いアイデアも見られた。本稿では独断と偏見で、そのうちの3つを紹介していこう。

まずは、会場の入り口近くに置かれていた「CMFバーガー」だ。「CMF」とはカラー、マテリアル、フィニッシュの頭文字で、ナビカーズでの対談が行われた頃から、自動車に限らずデザイン分野でひんぱんに使われるようになってきた言葉だ。造形だけでなく色や素材、仕立てにも気を配ることで、より完成度の高いデザインが生まれるというような意味が含まれている。

「CMFバーガー」はトヨタのデザイナーが出品

この作品は、CMFのコーディネートを1kgのハンバーガーに見立てて表現したもの。レザーのバンズ、クリアレンズのトマト、加飾素材のチーズやパティ、シート素材のレタスがさまざまな色で用意してあり、好みのバーガーを作り出せる。

3つの作例では、CMFの違いでかなり雰囲気の異なるバーガーを作れることが分かった。バンズを肉抜きタイプにすると総重量が1kgを切るなど、計量化を実感できる仕掛けも盛り込んである。ディーラーが車種別にCMFハンバーガーを用意すれば、顧客は楽しみながらカラーコーディネートを試すことができるかもしれない。

ディーラーに「CMFバーガー」が置いてあったら面白いかも

インテリアをボールにした斬新な作品も

続いて紹介するのは「トランスフォームステアリング」。自動運転が実用化された未来を想定した変形機構を持つステアリングで、手動モードでは伸びて操舵できる状態となり、自動モードでは縮めて格納しておける。全てがマットブラック仕上げだが、グリップ部分、変形部分、外枠部分を別のメーカーのプリンターで製作することで、素材の違いを表現している。

トヨタのデザイナーが出品した「トランスフォームステアリング」

製作したデザイナーはステアリング機能だけを想定していたようだが、左右のグリップをねじることでアクセルやブレーキの操作ができれば、この部分だけで基本的な運転操作ができる合理性の高いインターフェイスになると思った。ペダルがなくなれば、室内レイアウトの自由度も高まりそうだ。

伸ばせば手動運転に使えるし、自動運転中は縮んだ状態で格納しておける

最後は「インテリアボール」だ。写真を見てお分かりのとおり、クルマのインテリアを構成するパーツをボール状のアートとして表現したもので、多くのパーツをまとめ上げ、世の中というフィールドにデザインを“投げ”かけているインテリアデザイナーの仕事をボールの形に込めたのだという。

「インテリアボール」はホンダのデザイナーが手掛けた

展示してあるのは1個だけだが、スポーツの世界では競技によってサイズの違うボールを使うことにも製作者は着目している。使用する材料や加工方法を変えることで、同じ1kgでもサイズや見え方の違った表現ができるそうだ。

しかしながら筆者には、これがボールではなく卵に見えた。卵から生まれる前のクルマ、そのインテリアデザインは、こうなっているのではないかと想像したのだ。同じクルマのエクステリアデザインを卵の殻で表現することで、多くの車種を球形にできれば、一風変わったミニチュアになるのではないだろうか。

JAIDが企画した1kg展の作品群は、それ自体が柔軟かつ斬新な発想から生まれているだけでなく、見ているこちらも創造力が掻き立てられるものだった。この展示会を訪れて、日本の自動車メーカーにインテリアデザインの実力者が多いことに感心するとともに、メーカーには、この実力を引き出して製品に結び付ける能力が求められていることを教えられた。

1kg展の会期は1月25日まで。入場は無料だ。時間に余裕のある方は、一度訪れてみてはいかがだろうか。