日立があえて行った、縦型洗濯機の「控えめ」なリデザイン(前編)

モノのデザイン 第48回

日立があえて行った、縦型洗濯機の「控えめ」なリデザイン(前編)

2018.12.19

日立の縦型洗濯乾燥機「ビートウォッシュ」が進化

AI搭載、洗剤自動投入など機能面が充実

製品の外観は「控えめ」な変更に見えるが、実は…?

日立アプライアンスから11月に発売された、縦型洗濯乾燥機の「ビートウォッシュ BW-DX120C」。独自のパルセーターと大流量のシャワーで、節水性を担保しながら繊維の奥に潜む頑固な汚れまで洗い上げる、"ナイアガラ ビート洗浄"による洗浄力の高さで定評のあるシリーズだ。

2018年の新モデルでは、今年の洗濯機市場全体におけるトレンドにもなった、人工知能(AI)機能を搭載。最適な洗い方や時間をAIが自動で判断するという最先端の機能に加えて、洗剤や柔軟剤を自動で計量して投入してくれる機能を搭載するなど、大幅な進化を遂げた。

11月発売の日立アプライアンスの縦型洗濯乾燥機「ビートウォッシュ BW-DX120C」。機能はもちろんのこと、外観上も大幅な進化を遂げた。これまでのデザインの流れを継承し、パッと見ではわからないかもしれないが、機能美を積み上げた

そして、外観もパッと見はシリーズの意匠をしっかりと継承しつつ、実は大きく変化し、2018年の「グッドデザイン賞」に選ばれている。今回はビートウォッシュの新モデルのデザイン、および設計・機構に携わった2名の関係者に、新製品の開発経緯をはじめ、デザイン・設計上のこだわりのポイントや、製品化までの道のりとその過程における知られざる裏話やエピソードについて語っていただいた。

外観、それにつながるおよび機構・設計部分を担当した、日立製作所研究開発グループ 東京社会イノベーション協創センタ プロダクトデザイン部のデザイナー・二宮正人氏(左)と、設計・機構を担当した、日立アプライアンス 家電・環境機器事業統括本部 多賀家電本部第一設計部技師の宗野義徳氏(右)

使い勝手向上のため、設計上の課題を解決

新しくなったビートウォッシュのデザインは、過去のモデルに比べて、よりシンプルかつスッキリとした印象だ。例えばその1つとして具体的に挙げられるのが操作部。従来製品では、操作部は本体の最も手前部分にあり、その後ろに衣類を出し入れする投入口が配置されていたのに対して、新製品では天面のフタの部分にあたるガラスパネル上に移動している。

コース名や残り時間など表示部分は、LEDでガラスパネル上に必要なもののみ現れる仕組みで、もちろんそれを直接触れて操作が行える。これまでの洗濯機では操作ボタンが並んでいたはずの手前部分にはスタートボタン程度しかなく、かなり思い切った仕様の変更とも言えるが、その理由には、実は前述の"洗剤・柔軟剤の自動投入"機能を実現したことによる、必然的な流れでもあったそうだ。

最もわかりやすいところで変化したのは、天面のガラスパネルに搭載された操作部。従来は、本体側の手前部分にあった

というのも、自動洗剤投入機能が追加されたことにより、まずは洗剤や柔軟剤をセットしておくタンクが増設されることになった。これをどの位置に配置するかを考えた際に、ユーザーの操作動線から言っても、最も手前側にあるのが理想的だ。しかし、設計・機構の面から考えると、ベストなのは本体下部、あるいは後方だったという。日立アプライアンス 家電・環境機器事業統括本部 多賀家電本部第一設計部技師の宗野義徳氏は次のように話す。

「給水経路を上から下へ通す関係で、設計側としては、本当はタンクは本体の下側か背面側に設置するのが一番です。それを手前側にすることで、経路をわざわざ後ろから手前側に伸ばさなければならなくなり、決まった外形寸法内にそれらを収めなけばならず、一筋縄ではいきません。タンクを下に配置したほうが省スペースになって設計上は容易なのですが、お客様の使い勝手を考えると、必然的に一番上の手前側がベストだということで、使い勝手と構造上の課題解決の両立に挑戦しました」

従来は操作部が配置されていた場所に、洗剤用のタンクを備えたことで、次に検討しなければならないのが操作部の位置だ。全体を考慮した結果、操作部は天面のフタ部分に配置する以外の方法がなかったわけだが、宗野氏によると実はこの仕様は以前から検討はしていたものの、ある理由から見合わせていたのだという。

「実は以前から、もう少し大きな操作パネルにしてほしいという要望もありました。ただ、天面のフタに操作部を配置する場合には、操作は一度フタを閉めなければできません。そして、その後に洗濯物の量が操作パネルに表示されてから改めてフタを開けて既定の量の洗剤を投入するわけですが、操作動線としては一行程が増えてしまうため、採用を躊躇していたんです。それが、今回のように自動投入ができるのであれば、洗濯物を中に入れた後は1度スタートボタンを押すだけ。そういう意味では、天面のフタに操作部を設けることができたのは、自動投入機能が追加されたからこそ実現できた仕様でもあるのです」と宗野氏。

右側が従来モデル。左の新製品と並べると、一見すると同じように見えるが、手前の操作部が大きく異なる

仕様変更がもたらした「改善」と「挑戦」

操作部が手前側でなくなったことで、衣類の投入口の位置や大きさの改善につながった。新製品では、衣類投入口が従来よりも手前側に移動し、高さもより低い位置となり、出し入れがしやすくなった。さらに、物理的な変更だけでなく、デザイン上もその機能を際立たせる工夫が凝らされている。日立製作所研究開発グループ 東京社会イノベーション協創センタ プロダクトデザイン部でデザイナーを務める二宮正人氏は、「入れやすそうなデザインというのをかなり意識しました。投入口の段差も一切なくしてなだらかな形状にし、衣類が滑るように中に入るようなイメージです」と語る。

操作部が手前側からなくなったことで、衣類の投入口が手前側へ移動し、高さも低い位置となった。デザイン上も、衣類を出し入れやすいよう、上方向になだらかに広がっていく形状が意識されたという
上側の部分は、横から見ると斜めにカットしたような形状で、衣類の投入口が前方に寄ったことで中を見やすく出し入れがしやすい高さにもなったことがわかる
3D CADで検討された、本体や衣類投入部などのデザイン案の一例

一方、操作部が天面のガラスパネルに移動したことで、新たな課題にも直面した。中でも最も大きかったのは"視認性"。二宮氏が"想定外"と語ったのは次のような点だ。

「ガラスパネルの透過性を高くするために、ベースの白色をちょっと暗くしたり、メタリックの粒子を弱めたりとかなり調整をしています。やるならとことんやろうということで、実は前のモデルと比べてさらに白く、メタリックの量も多くすることで、より美しいガラスの質感を演出しました。しかし、それでいてLEDの視認性はよくする必要があります。ある程度までは実現できたものの、今度はLEDが強すぎて、文字のインクがぼやけて見づらくなってしまうというジレンマに陥ってしまいました」

そこで取られた方策は、印刷の工程を複数の層に分け、それぞれを薄くして、透け感を調整していったとのこと。「2日間で全部で45種類ぐらいのサンプルを作りました。試行錯誤を繰り返してとことんやりましたが、だんだん感覚が麻痺してきてしまって、見極めるのも大変でした」と、宗野氏は笑いながら振り返った。

"自動洗剤投入機能"という新機能。前編となる今回は、それがもたらした、思わぬ偶然とも必然とも言えるデザインへの影響について語っていただいた。後編の次回は、洗濯機に限らず、日立が家電製品全体において意識するデザインのコンセプトや、それを目指す上で今回の新製品が特にこだわったポイントを中心に、掘り下げてみたい。

いつかは買いたい? 安東弘樹、アストンマーティン「DB11」に乗る!

安東弘樹のクルマ向上委員会! 第17回

いつかは買いたい? 安東弘樹、アストンマーティン「DB11」に乗る!

2019.03.20

アストンマーティンのV8エンジン搭載車「DB11」に試乗

懐古趣味とは無縁、「DB」のデザインは現代の方がカッコいい

車中で「なぜ運転は楽しいか」を自問自答

日本自動車輸入組合(JAIA)の試乗会を訪れている安東弘樹さん。次に乗るのはアストンマーティンの「DB11」だ。憧れる人も多いであろう歴史ある英国製スポーツカーに、安東さんは何を思うのか。

※文と写真はNewsInsight編集部の藤田が担当しました

安東さんと「DB11」

エンジン信者ではなくとも感じる音のよさ

DB11はアストンマーティンのグランドツアラーで、安東さんが乗ったのは4リッターV型8気筒DOHCツインターボエンジン搭載モデル。最大出力は503hp、最大トルクは675Nmで、停止状態から時速100キロへの加速はわずか4秒という速いクルマだ。トランスミッションは8速オートマチック(AT)。オプションを含まないメーカー希望小売価格は2,278万1,177円となっている。

試乗した「DB11」のボディサイズは全長4,705mm、全幅2,060mm、全高1,290mm。車両重量は1,705キロだ

編集部(以下、編):なぜDB11に乗ってみたいと思ったんですか?

安東さん(以下、安):新しいアストンマーティンに乗っておかないと、という気持ちがありました。他のブランドのように試乗会というものが開催されないので、なかなか機会がありませんし。

先ほど、テスラの「モデルX」に乗りましたけど、その後にDB11に乗ると、電気自動車(EV)とは違う加速を味わうことができますね。どちらが好ましいというのはないですけど。

:EVとは違って、エンジン音に迫力がありますね!

:確かに、いい音だとは思います。ただ、エンジン音の信者ではないので、そんなにうるさくなくってもいいというタイプです。大きさより質、という感じでしょうか。

:クルマのキャラクターに合った音がしてほしい?

:そうですね。

室内の作りは、ドイツ車と比べると違いを感じます。ドイツ車だと、例えば革張りのダッシュボードなどは“パンッ!”て張っている感じですけど、こちらは、良くも悪くも作りが緩いというか、革の表面にうねりのようなものが見てとれますね。

:生命感を表現している、とかですかね?

:どうなんでしょうねー。

:乗り心地はいかがですか?

:ダイレクト感が伝わってくるような作りになっているのは分かります。ただ、ダイレクト感を作り手の側で、どのくらい味付けするのがいいのか……クルマって、難しいですね! メーカーが味付けの部分で競い合うのはいいことだと思います。

:2,278万円という価格については?

:……なぜか今、一瞬、安いって思いました(笑)。

多分、これが理由だと思います。先日、ポルシェジャパンのサイトでコンフイギュレーターを使って、最新のポルシェ「911 カレラ 4S」に、必要だと思うオプションを選んでトータルの価格を見積もったら、2,000万円を軽く超えました……。

DB11もオプションを加えたら、金額は跳ね上がるとは思いますが、ポルシェは3Lターボで最大出力450ps、最大トルク530Nmだったのに対して、DB11は4Lターボで503ps、675Nmだったので、それらを比較して、そう思えたのかもしれません。

「DB11」の価格を聞いて、一瞬だけ「安い」と思ったという安東さん

昔のクルマと今のクルマ、カッコいいのはどっち?

:アストンマーティンといえば、ボンドカー(映画「007」シリーズに登場するジェームズ・ボンドが乗るクルマ)のイメージはありますか?

:ありますねー! 一時はBMWになったりしてましたけど、アストンマーティンを復活させましたもんね。最近は、物語にとって必然性がないのに、ボンドカーを無理やり出している感じがあったんですけど、新しい作品ではアストンマーティンが大活躍してました。まあ、本来は目立ってはいけないスパイが乗るクルマではないですけどね(笑)

:「007 ゴールドフィンガー」に登場した初代ボンドカー「DB5」もカッコよかったですもんね!

:「ゴールドフィンガー」も見たんですけど、私に懐古趣味がないので、今のDB11の方がカッコいいと思います。DB5って、今のクルマに比べると、少し“ずんぐりむっくり”しているというか。

:純粋に、カッコよさで比べた場合、現行モデルの方に軍配が上がると?

:そうですね。ただ、日本車は残念ながら昔のクルマ、特に60年代~70年代の方が圧倒的にカッコいいですけどね。

純粋にカッコよさで比べた場合、初代ボンドカー「DB5」よりも試乗中の「DB11」に軍配が上がるというのが安東さんの感想

:アストンマーティンのイメージは?

:好きでした。歴代のクルマには、必ずマニュアルトランスミッション(MT)の設定があったので、乗りこなせたら格好いいだろうなとは思ってました。

:いつかはアストンマーティンを買いたいと思いますか?

:以前は思ってました。でも今は、乗って満足してしまったというか、「これが欲しい!」という感じではないです。スポーツカーの場合、どうしても、MT車にしか食指が動かないんです。DB11って確か、本国にもMTの設定はないですもんね。

:そうすると、現在の愛車であるポルシェ「911 カレラ 4S」を乗り換えるとしたら、どんな選択肢がありますか?

:“992型”の「911 カレラ 4S」()で、右ハンドルのMTって感じですかねー。

【編集部注】次に発売となる新しい「911 カレラ 4S」。つまり、同じクルマの新型をリピート購入したいということ。

:他のメーカーに候補はないですか?

「メガーヌ R.S.」(ルノー)のMTなんかいいですね!

もし、DB11がMTだったとしても、うまくスポーツ走行をする自信はないんですけど、日常でスポーツカーを楽しむという意味では、MTしか選択肢に入らないんです。

なぜステアリングを切っているだけで楽しいのか

:(箱根ターンパイクを走行しつつ)加速って、どうしても慣れてしまいますね。

:結局のところ、速いか遅いかということですしね。

:だとすると、もうテスラなどの電気自動車にはかなわないですもんね。そうすると、操作を楽しむとか、気持ちはそっちにシフトするわけで。

DB11は、トルコン8速ATもよくできていて、十分にいいクルマなんですけど、なんでしょう、どうしてかは分からないんですけど、ひょっとすると、そのうち飽きがくるかもしれないと思ってしまうんです。MTの運転だけは飽きないですからね(笑)

それにしても、こうやって右に左にステアリングを切っているだけなのに、「何が楽しいのかなー?」って、たまに思うこともあるんですけど、なぜだか楽しいんですよね。クルマに興味のない人には、「何が楽しいの? 危ないだけでしょ?」と思われるかもしれないんですけど。

クルマの運転って、興味のない人からすれば、場合によっては悪意がなくても法律的に罰せられるし、命の危険すらあるのに、何が楽しいのか理解できないでしょうね。ただ、なんなんでしょう、とにかく楽しいんですよねー! こういうワインディングロードを走らなくても、普通に、高速道路で制限速度内で走っていても、車窓の景色が変わっていく様子とか、大きな物体を自分で操る感覚が、たまらないです。

ステアリングを右に左に切っているだけで楽しいという安東さん

DB11に乗りながら、なぜクルマの運転は楽しいのかと自問自答を始めた安東さん。助手席から見ていると、その問答自体がすでに、楽しげに見えた。次に乗るクルマは、ポルシェを買い替える場合の選択肢として名前の挙がった「メガーヌ R.S.」だ。

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アウディが新型「A6」を発売、大攻勢の2019年は注目モデルが続々

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2019.03.20

8世代目に突入したアッパーミドルセダン「A6」

「アウディ クワトロ」のDNAを受け継ぐエクステリア

最新テクノロジーよりも大切なユーザー目線

アウディ ジャパンは新型「A6セダン」およびワゴンタイプの新型「A6アバント」を3月20日より発売する。車両本体価格は「A6セダン」が920万円~1,006万円、「A6アバント」が955万円~1,041万円。フルモデルチェンジを経たアウディ伝統のアッパーミドルセダン(おおよそ全長4,800mm以上のクラスの高級セダンで、いわゆるEセグメント)は、同社3シリーズ目となる電動車として登場した。

新型「A6」の発表会に登壇したアウディ ジャパン代表取締役社長のフィリップ・ノアック氏。A6は2019年3月20日から全国のアウディ正規ディーラーで販売する

アウディにとって3作目となる電動車

「A6」は1968年にデビューしたアウディのアッパーミドル(中大型クラス)セダンの流れをくむモデル。今作は初代モデル「アウディ100」から数えて8世代目にあたる。「アウディ100」と「A6」の両シリーズを合わせた累計販売台数は820万台。新型のグレードは、「A6セダン」「A6アバント」ともに「55 TFSI quarto S line」と「55 TFSI quarto debut package」の2種類だ。

「A6セダン」は「55 TFSI quarto S line」が1,006万円、「55 TFSI quarto debut package」が920万円
画像3:「A6アバント」は「55 TFSI quarto S line」が1,041万円、「55 TFSI quarto debut package」が955万円

アウディは「A8」「A7」に続き、新型「A6」に電動化技術を組み込んだ。同社は2019年に6車種のプラグインハイブリッド車(PHV)を導入し、2020年末までに合計12車種の電動パワートレイン車をラインアップする電動化戦略を掲げているが、A6の電化はその一環だ。

A6のパワーユニットは、いずれも3.0リッターV6ターボエンジンにマイルドハイブリッドテクノロジー(MHEV)を組み合わせる。この3.0リッターTFSIユニットは、最高出力340ps/5,200-6,400rpm、最大トルク500Nm/1,370-4,500rpmを発揮する。「A6セダン」が停止状態から時速100キロまでの加速に要する時間は5.1秒(欧州仕様参考値)だ。

「アウディ クワトロ」の遺伝子を受け継ぐエクステリア

発表会でノアック社長が「アウディ車にとって重要なメッセージ」と語ったのがデザインだ。2018年にフルモデルチェンジして登場した「A8」「A7」と同じく、新型「A6」も新たなアウディのデザイン言語を体現しており、「ピンと張った面、キリッと尖ったエッジ、目を引くラインなどが特徴」(ノアック社長)だという。

「A6セダン」のフロントマスク
ボディサイズは全長4,950mm、全幅1,885mm、全高1450mm、ホイールベース2,925mm。長いボンネット、ロングホイールベースなど、造形美が光るプロポーションとなっている

従来モデルよりワイドかつ低く配されたシングルフレームグリルに、フラットなヘッドライト。フロントマスクではエアスポイラーを備えた大型のサイドエアインテークも目を引く。サイドビューは先代モデルと比べて引き締まった印象。力強く張り出したホイールアーチ上の輪郭、長く伸びたルーフラインなど、「アウディ クワトロ」のDNAを受け継いでいることを確認できるポイントは随所で発見できる。

この新たなデザイン言語を読み解くのであれば、バランスのとれたエクステリアプロポーションでエレガンスさを、フロントマスクの造形でスポーティーさを演出している、といったところだろうか。

アウディが考えるユーザー中心の開発とは

「A6を日本市場に導入できることをとても嬉しく思うとともに、誇りに思います」と述べたノアック社長は、日本におけるアウディの戦略にも言及した。

アウディ ジャパンの戦略を語るノアック社長

最初に言及したのが商品攻勢だ。今回の新型「A6」に加えて、新型「RS4アバント」、アウディ ジャパン初のクリーンディーゼルエンジン搭載車となった新型「Q5 40 TDI クワトロ」を発表するなど、積極的な姿勢が目立つアウディ。2019年は今後も、ほぼ毎月、新モデルを投入する予定だという。アウディ初の電気自動車(EV)「e-tron」や新たなセグメントへの参入となる「Q8」など、注目度の高い車種も発表の時を待っている。

そして、ノアック氏が強調したのが、ユーザーを中心に据える「カスタマー・セントリシティ」という考え方だ。

「A6セダン」のコックピット。ドライバー正面とセンターコンソール上部、さらにセンターコンソール下部の3カ所に大型ディスプレイが設置してある

この言葉、ノアック社長は単なる顧客満足度の向上という意味では使っていない。その真意として同氏は、「アウディブランドは新しい技術を駆使し、新たな価値あるものを作り出していきます。ただ、アウディにとってテクノロジーは重要ですが、それ以上に大事なのは、お客様の視点です」と説明した。

どれだけ優れた技術であっても、ユーザーに必要とされなければ、それは不要な技術といえる。新型「A6」は最新のテクノロジーを搭載するが、快適性の向上やドライバーサポートアシスタントシステムの充実、安全性の高さなどは、いずれもユーザーに望まれる技術である。新型車が登場すると新たな機能に注目が集まりがちだが、重要なのは、その機能がユーザーの求めるものであるかどうかだ。

最後にノアック氏は、「今年は本当にエキサイティングな年になると思います。この1年をぜひ、アウディとともにお楽しみください」と語り、記者発表を締めくくった。

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