ポルシェ ジャパンがeスポーツに参戦! 『GT SPORT』のE-Racingを開催

ポルシェ ジャパンがeスポーツに参戦! 『GT SPORT』のE-Racingを開催

2018.12.03

ポルシェ ジャパンが2019年のモータースポーツ活動について計画を発表

eスポーツのレーシングゲームカテゴリー「E-Racing」大会を開催予定

採用タイトルは『グランツーリスモSPORT』

2001年からスポーツカーレース「ポルシェ カレラカップ ジャパン」を日本で開催しているポルシェ ジャパン。スポーツカーやレーシングカーのメーカーである同社は、積極的にモータースポーツ活動を行う企業としても有名だ。

11月30日に開催された同社のプレスカンファレンスでは、2019年に展開する予定のモータースポーツ活動計画が発表された。そこで話されたのは「カレラカップ ジャパン 2019の継続開催とスケジュール」「GT4車両を使った新シリーズのスタート」「若手レーシングドライバー育成プログラム」「eスポーツ大会の開催」といった内容だ。

カンファレンスにおいて、ポルシェ ジャパン 代表取締役社長の七五三木敏幸氏は「モータースポーツはポルシェのDNA。従来、モータースポーツに特化したプレスカンファレンスは行われていませんでしたが、今回このようなカンファレンスを開催したのは、世界各国のポルシェのフィロソフィーであるモータースポーツ活動に、今後も力を入れて取り組んでいくということを改めてご説明したかったからにほかありません」と、カンファレス開催の経緯を説明した。

ポルシェ ジャパン 代表取締役社長の七五三木敏幸氏

発表された内容のなかで注目したいのが、eスポーツへの参入だ。

七五三木氏は「eスポーツは国際自動車連盟(FIA)も取り組みを強化しているところで、自動車のカテゴリーについては『E-Racing』と呼ばれています。各国のポルシェではXboxの『Forza Motorsport』を使った取り組みを展開していますが、日本ではプレイステーション4の『グランツーリスモSPORT』を使用する予定です」と、世界的に注目されている領域であることを説明する。

具体的な内容は追って発表されるとのことだが、2019年中に「Porsche E-Racing Japan」として、ワンメイクE-Racing大会を開催する予定だという。

リアルモータースポーツと同様のおもしろさがあるE-Racing

カンファレンスでは、『グランツーリスモ』シリーズの開発を手がけるポリフォニー・デジタル 代表取締役の山内一典氏がゲストで登場し、七五三木氏とE-Racingについて意見を交わした。

以下、両氏による「E-Racingとリアルモータースポーツ」のトークセッションの内容を紹介しよう。

ポリフォニー・デジタル 代表取締役の山内一典氏

山内氏「6年ほど前にFIAから、未来のモータースポーツの1つの在り方を考えたいという話がありました。5年かけて『グランツーリスモSPORT』というタイトルを作り、ようやくeスポーツと呼べるようなイベントを開始することができました」

山内氏は、まず『グランツーリスモSPORT』の開発経緯について説明する。そして、完成した同作を用いて、FIAはE-Racing大会「FIA グランツーリスモ チャンピオンシップ」を2018年に開催した。この大会は、国・地域どうしで勝利を競う「ネイションズカップ」と、マニュファクチャラー(自動車メーカー直営チームのこと)どうしで勝利を競う「マニュファクチャラーシリーズ」の2つのカテゴリーで行われた。

山内氏「ちょうど先日モナコでチャンピオンシップのワールドファイナルが行われました。ドライビングシミュレーターの精度などには自信を持っていましたが、実際にどのようなレースが行われるかは未知数。実際の大会を見ると、まさに“そのままモータースポーツ”が行われていると感じました。これは僕らにとっても驚きでしたね」

七五三木氏「我々としてもポルシェのDNAをE-Racingで活かすことができる考えているので、モータースポーツの一分野として取り組んでいく予定です。ほんのわずかな操作の違いで大きな差がつくあたりも、実際のモータースポーツと変わりないのではないでしょうか」

山内氏「設定を変えれば、通常2時間3時間の耐久レースでないと生まれないような戦略を15分程度のレースで求めることもできます。本物のモータースポーツを凝縮したドラマチックなレース展開を楽しむこともできるでしょう」

七五三木氏「日本人プレイヤーのレベルは高いのでしょうか?」

山内氏「高いですね。国別の大会では、アジアオセアニアリージョンで上位を占めました。また、マニュファクチャラーシリーズでは各チームのトップドライバー3人が組んで耐久レースを行うのですが、どのチームにも必ずと言っていいほど日本人選手が入っています。それほど、日本人ドライバーのレベルは高いのです」

今回ワールドファイナルに進出したのは、グローバルランキングトップ16のマニュファクチャラーだ。それぞれのメンバー構成を見ると、16チームすべてに日本人が入っていた。ちなみに、マニュファクチャラーシリーズの初代優勝チームに輝いたのはレクサス。2位がトヨタで3位がアストンマーティンだった。

そして次に、実際のモータースポーツとE-Racingの共通点について話題が移る。

山内氏「ドライビングテクニックや駆け引きなどは、リアルのモータースポーツと同じものを学べると思います。プレステ4と専用コントローラがあればできるのでエントリーしやすく、これからモータースポーツを始めようと考えている人にも向いているのではないでしょうか」

七五三木氏「山内さんがおっしゃるように、極限まで集中力を使うという意味で両者は全く同じ。入門としてはすばらしいと思います。たくさんの人にモータースポーツを体験してほしいですし、シミュレーションでポルシェえお味わってほしいですね」

山内氏「リアルのドライビングの世界も、ある種イマジナリーなものです。目の前の景色やステアリングの変化などを認知してから次の操作に移るまでには、時間的な遅れがあります。つまりは、実際の運転でも未来を予測しながら操作をしているわけです。そのフローはリアルもバーチャルも同じで、それをいかに自分の体へ染み込ませられるかが速く走るコツでしょうね」

七五三木氏「サーキット走ったとき、とことん疲れてこれ以上運転したくないという気持ちになるのですが、eスポーツでも同じなんでしょうね。2019年は我々もeスポーツについて強力な取り組みをしていきたいと考えています。ぜひご期待ください」

七五三木氏の言葉に加えて、ポルシェジャパンが初めて開催した「モータースポーツ活動の計画を発表するプレスカンファレンス」において、ゲストに山内氏を呼び、トークセッションを行うことからも、同社がeスポーツに本腰を入れて取り組んでいくという姿勢がうかがえた。

eスポーツは、格闘、パズル、スポーツ、MOBA、FPSなど多ジャンルに展開しているが、ポルシェやFIAなどが注力し、その体験においてもリアルスポーツとの垣根が特に低い「E-Racing」は、eスポーツ全体の起爆剤としても期待したいところだ。

NewsInsight 更新終了のお知らせ

NewsInsight 更新終了のお知らせ

2019.06.17

NewsInsightは、諸般の事情により記事更新を終了いたします。

ご愛顧いただいた読者の皆様、また関係者の皆様に、編集部一同、誠に感謝いたします。

なお、NewsInsightに掲載中の記事につきましては、引き続きマイナビニュース(https://news.mynavi.jp)へと掲載場所を移管いたします。

掲載中の連載記事につきましても同様に、マイナビニュースへ移管いたします。各連載記事の新しい掲載URLにつきましては、以下となります。

○安東弘樹のクルマ向上委員会!
https://news.mynavi.jp/series/andy

○森口将之のカーデザイン解体新書
https://news.mynavi.jp/series/cardesign

○清水和夫の自動運転ソシオロジー
https://news.mynavi.jp/series/autonomous_car

○ゲームとともに振り返る“平成”という時代
https://news.mynavi.jp/series/game_heisei

○岡安学の「eスポーツ観戦記」
https://news.mynavi.jp/series/e-Sports_review

○企業戦士に贈る「こむぎのことば」
https://news.mynavi.jp/series/komuginokotoba

○藤田朋宏の必殺仕分け人
https://news.mynavi.jp/series/shiwakenin

○「食べる」をつくる科学と心理
https://news.mynavi.jp/series/food_science

○阿久津良和のITビジネス超前線
https://news.mynavi.jp/series/itbiz

○山下洋一のfilm@11
https://news.mynavi.jp/series/filmat11

○モノのデザイン
https://news.mynavi.jp/series/designofthings

○知って納得、ケータイ業界の"なぜ"
https://news.mynavi.jp/series/mobile_business

○文具ソムリエール・菅未里の「新しいコンパス」
https://news.mynavi.jp/series/bungu

○活字・写植・フォントのデザインの歴史 - 書体設計士・橋本和夫に聞く
https://news.mynavi.jp/series/font-history

○カレー沢薫の時流漂流
https://news.mynavi.jp/series/jiryu_hyoryu

最後になりますが、改めて皆様に感謝いたしますとともに、引き続き、マイナビニュースにてご愛顧いただけましたら幸いです。

放置されていた不寛容? 国会まで届いた「パンプス強要」騒動

カレー沢薫の時流漂流 第47回

放置されていた不寛容? 国会まで届いた「パンプス強要」騒動

2019.06.17

最近女性の間で「#MeToo」ならぬ「#KuToo」運動がにわかに盛り上がっている。

「#KuToo」とは「靴」と「苦痛」をかけており、職場や就職活動で、足を痛めるパンプスやヒール靴の強要をやめようという運動である。

そもそもそんなの誰も強要してねえよ、と思われるかもしれない。確かに規定として靴の形状やかかとの高さまで定めている会社はレアだろう。しかし、私の元いた会社でも、規則があるわけでも、誰に言われたでもなく、みな一様に黒のパンプスを履いていた。それが「暗黙のルール」であり、それ以外は「非常識」と見られる風潮は確かにあるのである。

これが就職活動になると、パンプスを履いていないだけで「こいつは常識がない」と見なされ不採用になってしまうかもしれない、ということだ。そうなると女子学生は足を負傷してでもパンプスを履かざるを得なくなってしまう。

正直、パンプスは苦痛

パンプスがそんなに苦痛か、というと、靴の中では殺傷能力が高い方である。これは他人への、という意味ではなく自分へのだ。他人を殺傷したいならカウボーイが履いている、かかとにピザカッターがついている奴を履いた方が良い。

狭いつま先に足の指が密集されるため、私もよく爪で隣の指を切って足を血だらけにしていたし、伸縮性にかける素材のため、あわないパンプスだと試着の時点で靴擦れが出来るレベルなのだ。

世の中には素肌に荒縄で亀甲縛りを施し、その上に上等なスーツを羽織って出社している人も多いと思う。とても痛いだろうが、それは強制されたわけではなく、その人が好きで楽しいからやっているのだ。

つまり、好きでもない上にとても痛いパンプスを強制で履かなければいけないというのは、上等なスーツの下が亀甲縛りなことよりも「異常」なことというわけだ。

この運動はすぐに広まり、いきなり国会でも議論されたという。これにより「厚労相がハイヒール強要を容認」という見出しのニュースまで踊り出ることになった。

完全に自由と言われても困るのでは?

「厚生省に、女がハイヒールを履かないと死ぬ病の人が!?」と驚いたが、記事をよく見ると見出しほどのことはなく、厚労相の発言は「これは社会通念に照らして業務上、必要かつ相等な範囲かと、この辺なんだろうと思います」というかなりボンヤリしたものであり、どっちでも良い事を聞かれた私のリアクションに似ている。

しかし「ハイヒールが履けない女は何やってもダメ」などと強い事を言っているわけではないが、「業務上必要ならパンプス履くべきだろ」という「容認」に聞こえなくもない。すぐさま「業務上ハイヒールが必要な仕事って何だよ」という疑問が挙がり、「SMの女王様」「(ハイヒールでキレッキレに踊る)perfume以外ありえない」などの声が相次いだ。

この社会問題がすぐ大喜利になってしまうのは良くも悪くも「ザ・ツイッター」という感じだ。

確かに「業務上必要」となると、まだかかとにピザカッターがついている靴の方が「ピザを食う時」必要な気がする。

ただ、靴や服装を完全に自由化し、何でもOKにすれば良いかというと、それはそれで問題が起きると思う。ファッションに疎くコーディネートが苦手な人間からすれば、職場に何を着ていいのか全く「指針」がないというのは迷子になるし、接する側としても、車を買いにいってディーラーが、イモ―タンジョ―の完コスで出てきたら「キャデラックしか買うことを許されないのか」と委縮してしまう。就活マナー本に「俺の考えた最強の就活ファッションで挑みましょう」とだけ書かれていても逆に困るだろう

着る側としても、それに接する側としても、社会において服装にある程度規定や模範があるというのはメリットでもあるのだ。

そもそも規定や常識というのは、秩序を作ることにより問題を減らすためにあるものなのだ。しかしそれが元で「足を負傷する」という「問題」が起こっているなら本末転倒なので、やはり解消はすべきなのだろう。

極論に流れない寛容さが足りない

おそらく「#KuToo」を提唱している人も「ドラゴン柄のコンバースで就活したい」と言っているわけではないのだ。最近は「パンプスに見えるスニーカー」なども存在するし、パンプスでなくても地味な靴はいくらでもある。そのような靴を履いていても「パンプスじゃないから非常識」と見るのをやめてほしいという話だろう。

ちなみに私が会社員時代履いていたパンプスだが、黒の革靴ではあったが、つま先は限りなく丸く、ヒールはなきに等しい、今思えばあれはパンプスだったのか、70過ぎのババアが旅行に行くときに履くヤツなんじゃないか、という代物であったが、特に何も言われなかった。

「#KuToo」が求めるのも、そのぐらいの「寛容さ」なのではないだろうか。

【お知らせ】
連載「カレー沢薫の時流漂流」の掲載場所を変更します。
→ 新しい掲載場所はこちら https://news.mynavi.jp/series/jiryu_hyoryu