西武鉄道の斬新な新型特急に課せられた役割

西武鉄道の斬新な新型特急に課せられた役割

2018.11.27

老朽化する西武の既存特急車両置き換えが目的か?

ほかの鉄道企業との連携で広域をカバーする東武

秩父という西武の“エリア”で存在感を示せるか?

西武鉄道は、2018年10月29日に新型特急電車001系「Laview」の概要を発表した。このニュースは、すでに多くのマスコミによって速報され、ご存じの方も多いことだろう。

この車両は西武池袋・秩父線(池袋~西武秩父間)への投入が予告された。列車としての愛称がどうなるかは未発表だが、現在の特急「ちちぶ」と「むさし」(池袋~飯能間)が、001系に置き換えられる。

001系の新製予定は2018年度に8両編成×2本、2019年度に8両編成×5本の、計7本である。これは現在、「ちちぶ」「むさし」に使用されている、池袋線配置の10000系特急電車の本数(7両編成×7本)に付合する。両列車の001系への完全な置き換えが予想されるところだ。

斬新なエクステリア、インテリアデザインで話題となった西武「Laview」。2019年春に営業運転を開始する(提供:西武鉄道)

 新宿線の10000系はどうなる?

西武10000系電車は、1993年に登場。新製後25年が経過したことで、新型特急電車の投入が計画された。法令により、電車はおよそ8年ごとに全般検査(全検)と呼ばれる、徹底的な検査が鉄道会社に義務づけられている。この検査費用は大きく、塗装の塗り替えや老朽化した部分の取り換えなども含めると、一説には1両1000万円ともそれ以上に及ぶとも言われている。10000系はおそらく、3回目の全検を施すことなく、検査期限ギリギリまで使用された上で除籍されることであろう。

10000系は完全な新製車ではなく、制御機器、モーター、台車などの機器を旧型車両から流用している(最終増備車1本を除く)。鉄道など、公共性の強い企業の近年の社会的な使命でもある「省エネ」「省資源」にも適合しないことから、一般的な鉄道車両の寿命である30~50年を待たずに消えることになるであろう。中古車として、中小私鉄への譲渡も考えられなくはないが、今のところ情報はない。

ところで、10000系は池袋・秩父線だけで使用されているものではない。新宿線の特急「小江戸」(西武新宿~本川越間)にも、まったくの同型車が7両編成×5本、使われている。前述の最終増備車が2003年製であることを除いて、これも1993~1996年製であり、当面は製造年次が比較的新しい編成が集められると思われるが、前述の事情から、早晩、置き換えが計画されるかもしれない。

西武の特急は、池袋~西武秩父間の所要時間が1時間18分、西武新宿~本川越間の所要時間は45分と差があり、前者が観光客の利用を意識した列車なのに対し、後者がビジネス・通勤客の利用が多い列車という違いがある。「小江戸」を、観光利用を主に考えた001系で置き換えることは考えづらい。

10000系が使用されている西武新宿線の特急「小江戸」。こちらの動向が、今後、注目される

気になる? 東武鉄道の動き

東京~川越間の鉄道としては、西武のほかに、JR埼京線と東武東上線もある。このうち埼京線は大宮を経由するため、多少、遠回り(新宿~川越間は快速で54分)ではあるが、埼玉県の県庁所在地であるさいたま市と川越市との間の旅客輸送を一輸客手に引き受けている。または渋谷やりんかい線に乗り入れてお台場方面へも直通できるという、アドバンテージもある。

りんかい線に乗り入れた埼京線の列車。JR東日本ならではの、広範囲なネットワークが活かせるのが強みだ

東武東上線は、ほぼ直線状に池袋と川越を結んでおり、新宿をターミナルとしていない不利はあるが、所要時間ではもっとも有利だ。池袋~川越間は急行に乗れば30分である。

この東上線で通勤客の人気を博しているのが、追加料金(現在310円~)で座席が確保(指定席ではなく着席整理券による)される、「TJライナー」だ。2008年に夕~夜の時間帯の6本(平日)で運転を開始。その後、増発を繰り返し、2016年には平日朝の池袋行きも登場。平日の本数で下り13本(池袋~森林公園・小川町間)、上り2本(森林公園~池袋間)が運転されるまでに成長した。下りは土休日の夕刻以降にも運転がある。

東武東上線の通勤客向け「着席保証列車」である「TJライナー」。安定した需要に支えられ、拡充が繰り返されてきた

さて、東武鉄道は2018年2月に、「東武川越特急」「東武川越ライナー」など、東上線における、特別料金を必要とする列車向けと思われる名称の商標登録を出願。2018年11月24日現在、審査中となっている。商標登録については、当然ながら広く一般に公開されるので、これによって鉄道会社の車両や列車運転の計画が知れることもある。

東武では、「特急」という種別は特急料金を必要とする座席指定制列車にのみに与えられている。類推にはなるが、近い将来の東上線への特急設定の計画を想定した上での出願であると見てよいだろう。現時点での情報公開はまったくないが、「TJライナー」の好調、観光地としての川越の認知度向上、西武などライバル企業の動向をにらんで、「先手を打っておいた」とも考えらよう。

東武は、2017年に新型特急電車500系「Revaty」を日光・伊勢崎線系統に投入した。この電車は、3両編成を1単位としての運用が可能で、アーバンパークライン(野田線)や野岩鉄道・会津鉄道への直通といった、特急への大きな需要が見込めないルートであっても運転を可能とした。東上線特急が実現するのなら、このタイプの電車がもってこいといえる。「TJライナー」の日中時間帯への運転拡大も考えられるが、その場合は、10両固定編成という「器」の大きさが問題になるかもしれないからだ。

東武鉄道の最新特急型電車500系「Revaty」。現在は浅草、大宮発着の特急列車への充当のみだが、汎用性は高い

武蔵野西側の輸送力を強化する東武、迎え撃つ西武

こういう東武鉄道の動向は、当然、西武も把握していることだろう。10000系自体の老朽化、陳腐化もある。001系と走行システムなどは共用化するとしても、新宿線向けにふさわしい車体、車内設備を持った新型特急電車の登場が望まれる。

一方で、東武の営業エリアは池袋~川越間に限らない。東上線は寄居まで通じており、秩父鉄道とも接続している。1992年までは、池袋~長瀞~三峰口間といった秩父鉄道直通列車も運転されていた。需要動向次第では、有料特急での復活が構想されてもおかしくはない。秩父鉄道が採用している保安装置を搭載した「Revaty」を増備すれば、すぐにでも可能だろう。なお、秩父鉄道の筆頭株主は大平洋セメントであり、西武、東武とは、旅客運送上は密接な関係にあるものの、どちらとも資本関係はない。

秩父鉄道はSL列車の運転などで、人気が高い。西武のみならず、東武にとっても沿線は魅力あるエリアだ

西武にしてみれば、川越のみならず、「自社エリア」と認識している秩父にまで、東武の陰が見え隠れしてくるとなると、手をこまねいているわけにはいかない。「Laview」の投入は、そのテコ入れの第一歩と見られる。

ただ、利用客からすれば、競争によるサービス向上は望むところであり、夢のある話だ。積極的な投資を期待したい。

LINEと比較されがちな「+メッセージ」は独自の価値を打ち出せる?

LINEと比較されがちな「+メッセージ」は独自の価値を打ち出せる?

2019.04.25

携帯3社が「+メッセージ」の機能拡充を発表

LINEと比較した強みは「信頼性」

金融サービスと連携し、住所変更手続きが容易に

NTTドコモ・KDDI・ソフトバンクの携帯大手3キャリアが「+メッセージ」(プラスメッセージ)の機能拡充を発表した。

国内大手3キャリアが「+メッセージ」の機能拡充を発表

サービス開始から1年が経過した「+メッセージ」だが、広く普及した印象はない。「メッセージならLINEで十分」との声も多い中で、普及する可能性はあるのだろうか。

「LINE」とは異なる可能性を秘めた「+メッセージ」

2018年5月に大手3キャリアがサービスを開始した「+メッセージ」は、2019年4月までに利用者が800万人を突破したという。だが「使ったことがない」とか、そもそも「名前を知らなかった」という人もいるのではないだろうか。

+メッセージの利用者は800万人に

「+メッセージ」とは、国際規格のRCSに準拠したメッセージサービスだ。従来のSMSを置き換えるサービスとして、短いテキストだけでなく長文や画像、スタンプを送れるのが特徴だ。

「+メッセージ」はSMSを置き換える上位サービス

一方、日本国内ではLINEが普及しており、月間利用者数は7900万人、そのうち毎日使うユーザーは6600万人もいるという。日本のほとんどのスマホにLINEは入っており、日常的なメッセージ需要はLINEが十分に満たしている状態だ。

だが、どんなにLINEが普及してもSMSがなくなることはない。サービスのID登録やログイン時など、本人確認を必要とする多くの場面でSMSは使われている。SMSは契約時に身分証明書で本人確認を済ませており、信頼性が高いのが特徴だ。

一般に「+メッセージ」は大手キャリアのLINE対抗策と認識される傾向にあるものの、その性質はやや異なる。「+メッセージ」がSMSの延長にあるという特性を活かせば、SMS認証のような本人確認はもちろん、企業と個人の間でのさまざまな手続きに活用できるはずだ。

こうした背景を踏まえて3キャリアが発表したのが、新サービスの「公式アカウント」や、金融各社と連携する「共通手続きプラットフォーム」だ。

仕組みの共通化やMVNO対応など、課題は山積

2019年5月以降に始まる「+メッセージ」の公式アカウントは、企業向けのアカウント機能だ。利用例としては銀行やレストラン、携帯会社を挙げ、登録住所の変更やレストランの予約、問い合わせといったサービスを実現できることを示した。

「+メッセージ」の「公式アカウント」機能

こうした機能はアプリでも提供されているが、スマホにアプリを入れていないユーザーも多く、パスワードを入れてログインするのは煩雑だ。だが「+メッセージ」なら電話番号だけでユーザー本人とつながり、チャットで手続きができるので便利というわけだ。

銀行やレストラン、携帯会社による利用例

だが、サービス提供に向けた課題は多い。公式アカウントの開設は、大手3キャリアが個別に営業をかけ、各社の基準で審査する方式となっている。一見すると無駄な仕組みだが、独占禁止法への抵触を避けるため、3社が競争している建前になっているという。

3キャリア以外への対応として、ワイモバイルなどのサブブランドやMVNOでは利用できない状況が続いている。サービス開始時から指摘されていた問題だが、1年が経過して何の進展もないのは理解に苦しむところだ。

iPhone対応にも課題がある。アプリを入れることで「+メッセージ」は使えるものの、SMSを送受信する標準のメッセージアプリを置き換えるものではない。ここに手を加えるのはiPhoneの基本的なユーザー体験に影響するため、アップルの判断次第になりそうだ。

また、今後の構想として、金融5社を横断した「共通手続きプラットフォーム」も打ち出された。住所変更手続きなど、各社の競争に直接関係しない事務手続きを共通化し、顧客の利便性向上を図るのが狙いだ。

金融5社と「共通手続きプラットフォーム」に向けた検討を開始

最近、フィンテックやキャッシュレスの新サービスが増え、新たに住所や電話番号を登録して口座を作る機会は多くなった。しかし、それに伴い変更の手間も増している。そこで+メッセージを利用したオープンな事務手続きプラットフォームが実現すれば、1回の手続きで全社に情報が伝播するというわけだ。

「+メッセージ」は、携帯市場で競合する大手3キャリアが共通サービスの整備を進めなければならない。その中で「電話番号でつながる」強みを活かした独自の活用法が、ようやく見えてきたといえそうだ。

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日本の掃除機市場を変革した元外交官、日本市場への本格参入を語る

モノのデザイン 第53回

日本の掃除機市場を変革した元外交官、日本市場への本格参入を語る

2019.04.25

シャークニンジャ日本法人の社長 ゴードン・トム氏に直撃

「コードレススティッククリーナー」人気の立役者が語る参入秘話

日本向けの製品カスタム、消費者ニーズの取り入れ図る

全米ナンバーワンの掃除機ブランド「シャーク」。日本では、長年スチームクリーナーのメーカーとして知られていたが、2017年6月に日本法人が設立され、翌2018年夏に日本市場に本格参入した。

第1弾として、同年8月にコードレススティッククリーナーの「EVOFLEX」を発売。翌9月にはハンディクリーナー「EVOPOWER」、10月にはスチームモップ3製品、ロボット掃除機「EVOROBOT」と精力的に新製品を日本市場に投入している。

そこで今回は、シャークニンジャ日本法人の社長を務めるゴードン・トム氏を直撃。同社の日本市場への本格参入の意図と、今後の戦略や日本の掃除機市場や消費者について伺った。

シャークニンジャ日本法人の社長のゴードン・トム氏。英国の元外交官で、20年前にダイソンの掃除機を日本に広め、現在の業界の発展につながる市場の開拓の礎を築いた人物だ

「コードレススティッククリーナー」人気の立役者

ゴードン・トム氏と言えば、日本の掃除機市場の変革者と呼んでも過言ではない人物。もとはイギリスの外交官として来日。赴任中の1990年代にダイソンの日本法人の初代社長に抜擢された(編集注:イギリスの外交官には副業を認める制度がある)。

当時国内メーカーの寡占状態であった日本の掃除機市場に“吸引力が落ちない”の謳い文句で同社のサイクロン掃除機を展開し、「ダイソン」ブランドの地位確立の礎を築いた。

ダイソンを退いた後は、エレクトロラックス日本法人の社長に就任し、キャニスター型に代わり、現在日本の掃除機市場において主流となった“コードレススティッククリーナー”の人気を定着させた。

外国人でありながら、日本の掃除機市場を知り尽くした“業界のマシュー・ペリー”的存在のトム氏だが、今度は全米ナンバーワンの掃除機メーカーの日本法人の社長として日本に再上陸したのは、どういった経緯なのだろうか。

「2014年にエレクトロラックス社を退職して、以降はマーケティングのコンサルタントの仕事をしていましたが、2016年の9月ごろにシャークから連絡がありました。当時のシャークの売上は北米が95%、イギリスが5%ほど。中国法人を立ち上げ、代理店経由でメキシコにも進出するなど本格的な国際化戦略を進めており、日本も大事な市場の1つと考えていました。そんな中、私のところに相談があり、翌2017年の1月くらいにボストンの本社へ出向き、エンジニアやデザイナーに会って話をし、3~4月ぐらいに日本に展開する商材や現地法人の設立、取引・流通事情、マーケティング戦略の提案をしました」

日本法人の設立にあたっては、最終的にはトム氏自らが初代社長に就任することになり、これまでの経験をもとに、オフィスの設置場所や人材集めなども自ら担ったとのことだ。

参入にあたり日本向けにカスタム

次に着手したのは、日本市場に投入する商材の選定。氏曰く「これまでで最高の掃除機に出会えた」と評する同社の製品で、日本市場参入第1弾に選ばれたのは、「EVOFLEX」。本国では2017年秋に発売され、ボタン1つでパイプを90°曲げて掃除ができるという独特のギミックで注目を集めた製品だが、日本で発売するにあたっては多くが日本向けにカスタマイズされたという。

日本市場への本格参入の第1弾として2018年8月に発売されたコードレススティッククリーナー「EVOFLEX」。本国でおよそ1年前に発売された製品(左)を、サイズからモーター、操作性に至るまで、日本向けに大幅にカスタマイズした上で登場し

「本国で開発された最初の試作機は、私の目から見たら全然ダメでした。まず、大きすぎて日本人の身体にも家にもマッチしていませんでした」

パイプ部分が90°曲がって家具の下にも潜り込みやすいという、製品のアイデンティティーとも言える独自性はそのまま継承しつつも、パーツの着脱をしやすくするためにボタンの改良が施されるなど、日本のユーザーに受け容れられるよう細かい部分にまで配慮がなされた

そこで実際に、試作機を用いて日本の家庭50世帯で6週間のテストを3回行い、その結果、日本向けの「EVOFLEX」は、原型は同じでありながらも本国の製品とは見た目も中身もかなり異なる製品に仕上がった。「例えば、ヘッドブラシは、畳や木材などが多い日本家屋の床に合わせて柔らかいローラーにしました。ダストカップも中身が見える透明な素材で、中のメンテナンスがしやすいように角を丸くしています」とトム氏。

それ以外にも、高音域のモーター音を好まない日本のユーザーのために音を低減したり、高性能なHEPAフィルターの採用や、取り外しやすいメッシュフィルターを採用してサイクロン部の手入れをしやするなど、掃除機の本質性能だけでなく、操作性やメンテナンス性にこだわった改良が多数施された。

こうした改良点について、トム氏は日本とアメリカの掃除機に対する消費者の根本的な考え方や流通ルートの違いを明かす。

「日本の場合には、掃除機や家電製品の購入は、家電量販店が主流ですが、米国の場合にはウォルマートなどの巨大スーパーで購入するケースが一般的です。そこでは日本のように実際に製品に手で触れて試してみるという機会がありません。そのため、製品への信頼度が重要で、ブランド力というのはとても大事なのです」

日本でも昨秋発売された同社のロボット掃除機。本国ではそのおよそ1年前に発売されているが、ほぼアイロボット社の独占市場であったアメリカのロボット掃除機市場において、初めてアイロボット以外で2桁のシェアに躍り出ている。

2018年10月発売のロボット掃除機「EVOROBOT」。掃除機メーカーとしてのブランドへの信頼性と、十分な機能・性能と消費者が受け入れやすい価格帯で、アイロボットの「ルンバ」以外で初めて10%を超えるシェアを獲得したという

さらに、米国の消費者は「掃除機が必要」という需要があった上で、その用途を満たすための機能と予算を照らし合わせて製品を選ぶというのが購入の意思決定。ゆえに、デザインやメンテナンスといった要素は日本人ほど重視されず、むしろ「さまざまなユーザー層の需要に応えるために、価格によって付属品を選べることが重要なのです」と話す。

20年前の日本市場は「つまらなかった」

一方、約20年前に日本の掃除機市場に乗り込み、「日本の掃除機は紙パックのキャニスター式ばかりで個性がなく、つまらなかった」と当時を振り返るトム氏。業界の“エバンジェリスト”として、日本市場においてシャークブランドのプレゼンスをどのように高めていくのかに注目される。

そこで目を向けたのが、昨年9月に発売された「EVOPOWER」だ。本国での発売後、日本向けにカスタマイズして上陸した「EVOFLEX」とは異なり、日本をメインマーケットとして、日本の消費者のニーズを多く取り入れて開発されたハンディクリーナーで、その後に英国でも発売されているとのこと。

さらに、今年1月には長崎県の無形文化財である「臥牛窯」とコラボレーションし、「EVOPOWER」に絵付けを施した限定商品を発売するなど、"日本発"の掃除機を送り出している。今後もこうした商品展開や戦略を積極的に進めていく方針なのだろか。最後に、シャークニンジャの展望について訊ねてみたところ、次のように語ってくれた。

2018年9月発売の「EVOPOWER」。コンパクトで部屋に設置しやすくサッと使える機動力のよさと、生活感を感じさせない外観でインテリアにもなじみ、部屋に常設しやすいと好評だ
「臥牛窯」とのコラボレーションで生まれた限定の「EVOPOWER」。プロモーションというよりも、どちらかと言うと日本の伝統工芸贔屓のゴードン社長の“趣味”で作られたようだが、今後も相性がよいものがあれば実現していきたいとのこと

「シャークの掃除機は、あくまでユーザーの使い勝手が最優先です。ゆえに、EVOPOWERも持ちやすく、どこにでも置いて使いやすいサイズ・形状を追求したハンディクリーナーですが、空間に置かれた時のこともイメージし、見た目のデザインにもこだわって開発された、これまでになかった商品だと思います。そういう意味ではEVOPOWERのデザインはまさに"機能美"と言えます。臥牛窯は、単に私が好きだと言う理由でやりました(笑)。積極的にとまでは言えませんが、伝統工芸が好きなので、実現できれば個人的には今後もコラボ商品を展開してみたいですね」

ダイソンで日本の掃除機市場に風穴を開け、エレクトロラックスで新たな掃除スタイルを日本に定着させたゴードン・トム氏。掃除機メーカーとして全米で絶対的なブランド力を誇るシャークニンジャを率い、今度はどのような手腕を奮うのか楽しみである。

長年の経験・知見を武器にした"掃除機"を通じた外交で、日本と諸外国をつないで、今後も世の中の掃除・家事スタイルやあり方を変えていってくれることへの期待が寄せられる、ゴードン・トム氏
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