渋谷の「よしもと∞ドーム」が育む“eスポーツを観る文化”

渋谷の「よしもと∞ドーム」が育む“eスポーツを観る文化”

2018.11.14

11月10日にグランドオープンした「よしもと∞ドーム」

オープンセレモニーではよしもとゲーミングのジョビン選手が登場

はたして、eスポーツ観戦を文化として定着させられるか

お笑いとeスポーツが共存する「よしもと∞ドーム」

11月10日、渋谷BEAMの7階に、eスポーツイベントの開催を目的とした「ヨシモト∞ドーム」がグランドオープンした。

ヨシモト∞ドームは、90席の「ステージI」と、50席の「ステージII」、「ヨシモト∞ドーム CAFE」の3つの施設から構成されている。そのなかで、eスポーツのイベントをメインで開催するのがステージIだ。また、地下1階にある「ヨシモト∞ホール」も12年ぶりにリニューアルし、ヨシモト∞ドームと合わせてグランドオープンとなった。

ステージIは、カフェが併設されていることもあり、飲み物の持ち込みが可能。ヨシモト∞ホールが飲食禁止であることを考えると、∞ドームと∞ホールで、違うタイプのイベントが開催できそうだ。カフェではアルコール類も販売しているので、演者も観客も酒を飲みながらイベントをするなんてこともあり得るかもしれない。

「ヨシモト∞ドーム」グランドオープン、「ヨシモト∞ホール」リニューアルオープンの記者会見では、∞ホールトップ5の芸人と、よしもとクリエイティブ・エージェンシー 代表取締役社長の藤原寛氏、NTTぷらら 代表取締役社長の板東浩二氏によるテープカット・セレモニーが行われた。

ヨシモト∞ドーム内に併設されたヨシモト∞ドーム CAFE
eスポーツイベントが行われるステージI
記者会見に登場した∞ホールトップ5。右からゆにばーす、相席スタート、トレンディエンジェル、コロコロチキチキペッパーズ、おかずクラブ
藤原社長、板東社長、トレンディエンジェル、ゆにばーすによるテープカット

藤原社長は「よしもとは、お笑い以外にも事業を展開しており、3月にはeスポーツ事業に参入しました。∞ドームにeスポーツイベントを開催できるステージを作り、eスポーツ大会、タレント同士のゲームイベント、ゲームの対戦会などを開催。また、∞ドームと同時にリニューアルオープンした∞ホールでも、若手の育成と発掘を目的としたイベントを開催します。これらのステージの様子はNTTぷららによる配信が行われる予定です」と語った。

∞ドームの動画配信を担当するNTTぷららの板東社長は「よしもとクリエイティブ・エージェンシーとは、すでに3年の付き合いがあり、大阪チャンネルやルミネ the よしもとなどの動画配信を行っております。∞ドームではメインスポンサーとしても関わっており、最大限の努力をもって、∞ドーム、eスポーツの発展に力添えしたい」と話した。

よしもとクリエイティブ・エージェンシー 代表取締役社長 藤原寛氏
NTTぷらら 代表取締役社長 板東浩二氏

1対1だけでなく、多人数のタイトルにも対応

よしもとは、eスポーツ施設だけでなく、プロ選手が所属しているチーム「よしもとゲーミング」も運営している。記者会見では、よしもとゲーミングから、芸人、プロゲーマー、プロ格闘家と3つの顔を持つジョビン選手が登場し、∞ホールトップ5の芸人とハンデ戦のエキジビションマッチを行った。

対戦したタイトルは『ストリートファイターVアーケードエディション』で、ジョビン選手は体力が8割がた減った状態になるまで攻撃できないというハンデでプレイ。そのハンデもモノともせず、ほぼノーミスでほかの芸人たちを破り、プロの実力を示した。

今回のエキジビションのように、∞ドームでは1対1の対決がメインとなる広さのため、MOBA系のゲームをプレイすることは難しそうだった。しかし、関係者の話によると、多人数でプレイするゲームイベントの場合は、∞ホールを使用するとのこと。∞ホールでは5対5の対戦ができるように設備を用意しているそうなので、『LoL』や『オーバーウォッチ』などのイベントも期待できそうだ。

よしもとゲーミングチームのジョビン選手
テーブルと椅子が用意され、1対1の対戦ができるステージに。上部の大型モニターにより、試合の様子もよくわかる
同じビルの地下1階にあるヨシモト∞ホール。基本的には芸人が活動する劇場として使われるが、多人数参加型のゲームのイベントをする場合などは、こちらの会場が使われる

ルミネのように、よしもとが新たな文化を根付かせられるか

今後は月1~2回程度でeスポーツイベントを開催していくという話だが、時間の経過とともに、イベント開催の頻度を高めていくそうだ。

ルミネ the よしもとなど、よしもとが運営する劇場の存在により、若者の「お笑いをライブで観る文化」が東京で根付いたように、よしもとが運営するeスポーツ施設が「eスポーツを観る文化」を根付かせてくれるかもしれない。

すでにいくつもeスポーツ施設は展開されているが、そのほとんどは、選手がプレイするための施設。∞ドームは、観客がeスポーツを観に行く施設であり、同じeスポーツ施設でもその存在意義はまったく違う。∞ドームこそがプロスポーツとしての本質を得ていると言っても過言ではないかもしれない。

NewsInsight 更新終了のお知らせ

NewsInsight 更新終了のお知らせ

2019.06.17

NewsInsightは、諸般の事情により記事更新を終了いたします。

ご愛顧いただいた読者の皆様、また関係者の皆様に、編集部一同、誠に感謝いたします。

なお、NewsInsightに掲載中の記事につきましては、引き続きマイナビニュース(https://news.mynavi.jp)へと掲載場所を移管いたします。

掲載中の連載記事につきましても同様に、マイナビニュースへ移管いたします。各連載記事の新しい掲載URLにつきましては、以下となります。

○安東弘樹のクルマ向上委員会!
https://news.mynavi.jp/series/andy

○森口将之のカーデザイン解体新書
https://news.mynavi.jp/series/cardesign

○清水和夫の自動運転ソシオロジー
https://news.mynavi.jp/series/autonomous_car

○ゲームとともに振り返る“平成”という時代
https://news.mynavi.jp/series/game_heisei

○岡安学の「eスポーツ観戦記」
https://news.mynavi.jp/series/e-Sports_review

○企業戦士に贈る「こむぎのことば」
https://news.mynavi.jp/series/komuginokotoba

○藤田朋宏の必殺仕分け人
https://news.mynavi.jp/series/shiwakenin

○「食べる」をつくる科学と心理
https://news.mynavi.jp/series/food_science

○阿久津良和のITビジネス超前線
https://news.mynavi.jp/series/itbiz

○山下洋一のfilm@11
https://news.mynavi.jp/series/filmat11

○モノのデザイン
https://news.mynavi.jp/series/designofthings

○知って納得、ケータイ業界の"なぜ"
https://news.mynavi.jp/series/mobile_business

○文具ソムリエール・菅未里の「新しいコンパス」
https://news.mynavi.jp/series/bungu

○活字・写植・フォントのデザインの歴史 - 書体設計士・橋本和夫に聞く
https://news.mynavi.jp/series/font-history

○カレー沢薫の時流漂流
https://news.mynavi.jp/series/jiryu_hyoryu

最後になりますが、改めて皆様に感謝いたしますとともに、引き続き、マイナビニュースにてご愛顧いただけましたら幸いです。

放置されていた不寛容? 国会まで届いた「パンプス強要」騒動

カレー沢薫の時流漂流 第47回

放置されていた不寛容? 国会まで届いた「パンプス強要」騒動

2019.06.17

最近女性の間で「#MeToo」ならぬ「#KuToo」運動がにわかに盛り上がっている。

「#KuToo」とは「靴」と「苦痛」をかけており、職場や就職活動で、足を痛めるパンプスやヒール靴の強要をやめようという運動である。

そもそもそんなの誰も強要してねえよ、と思われるかもしれない。確かに規定として靴の形状やかかとの高さまで定めている会社はレアだろう。しかし、私の元いた会社でも、規則があるわけでも、誰に言われたでもなく、みな一様に黒のパンプスを履いていた。それが「暗黙のルール」であり、それ以外は「非常識」と見られる風潮は確かにあるのである。

これが就職活動になると、パンプスを履いていないだけで「こいつは常識がない」と見なされ不採用になってしまうかもしれない、ということだ。そうなると女子学生は足を負傷してでもパンプスを履かざるを得なくなってしまう。

正直、パンプスは苦痛

パンプスがそんなに苦痛か、というと、靴の中では殺傷能力が高い方である。これは他人への、という意味ではなく自分へのだ。他人を殺傷したいならカウボーイが履いている、かかとにピザカッターがついている奴を履いた方が良い。

狭いつま先に足の指が密集されるため、私もよく爪で隣の指を切って足を血だらけにしていたし、伸縮性にかける素材のため、あわないパンプスだと試着の時点で靴擦れが出来るレベルなのだ。

世の中には素肌に荒縄で亀甲縛りを施し、その上に上等なスーツを羽織って出社している人も多いと思う。とても痛いだろうが、それは強制されたわけではなく、その人が好きで楽しいからやっているのだ。

つまり、好きでもない上にとても痛いパンプスを強制で履かなければいけないというのは、上等なスーツの下が亀甲縛りなことよりも「異常」なことというわけだ。

この運動はすぐに広まり、いきなり国会でも議論されたという。これにより「厚労相がハイヒール強要を容認」という見出しのニュースまで踊り出ることになった。

完全に自由と言われても困るのでは?

「厚生省に、女がハイヒールを履かないと死ぬ病の人が!?」と驚いたが、記事をよく見ると見出しほどのことはなく、厚労相の発言は「これは社会通念に照らして業務上、必要かつ相等な範囲かと、この辺なんだろうと思います」というかなりボンヤリしたものであり、どっちでも良い事を聞かれた私のリアクションに似ている。

しかし「ハイヒールが履けない女は何やってもダメ」などと強い事を言っているわけではないが、「業務上必要ならパンプス履くべきだろ」という「容認」に聞こえなくもない。すぐさま「業務上ハイヒールが必要な仕事って何だよ」という疑問が挙がり、「SMの女王様」「(ハイヒールでキレッキレに踊る)perfume以外ありえない」などの声が相次いだ。

この社会問題がすぐ大喜利になってしまうのは良くも悪くも「ザ・ツイッター」という感じだ。

確かに「業務上必要」となると、まだかかとにピザカッターがついている靴の方が「ピザを食う時」必要な気がする。

ただ、靴や服装を完全に自由化し、何でもOKにすれば良いかというと、それはそれで問題が起きると思う。ファッションに疎くコーディネートが苦手な人間からすれば、職場に何を着ていいのか全く「指針」がないというのは迷子になるし、接する側としても、車を買いにいってディーラーが、イモ―タンジョ―の完コスで出てきたら「キャデラックしか買うことを許されないのか」と委縮してしまう。就活マナー本に「俺の考えた最強の就活ファッションで挑みましょう」とだけ書かれていても逆に困るだろう

着る側としても、それに接する側としても、社会において服装にある程度規定や模範があるというのはメリットでもあるのだ。

そもそも規定や常識というのは、秩序を作ることにより問題を減らすためにあるものなのだ。しかしそれが元で「足を負傷する」という「問題」が起こっているなら本末転倒なので、やはり解消はすべきなのだろう。

極論に流れない寛容さが足りない

おそらく「#KuToo」を提唱している人も「ドラゴン柄のコンバースで就活したい」と言っているわけではないのだ。最近は「パンプスに見えるスニーカー」なども存在するし、パンプスでなくても地味な靴はいくらでもある。そのような靴を履いていても「パンプスじゃないから非常識」と見るのをやめてほしいという話だろう。

ちなみに私が会社員時代履いていたパンプスだが、黒の革靴ではあったが、つま先は限りなく丸く、ヒールはなきに等しい、今思えばあれはパンプスだったのか、70過ぎのババアが旅行に行くときに履くヤツなんじゃないか、という代物であったが、特に何も言われなかった。

「#KuToo」が求めるのも、そのぐらいの「寛容さ」なのではないだろうか。

【お知らせ】
連載「カレー沢薫の時流漂流」の掲載場所を変更します。
→ 新しい掲載場所はこちら https://news.mynavi.jp/series/jiryu_hyoryu