全国高校eスポーツ選手権への参加が2部門合計80校に! 応援ソングも決定

全国高校eスポーツ選手権への参加が2部門合計80校に! 応援ソングも決定

2018.11.09

毎日新聞が主催する『第1回全国高校eスポーツ選手権』

大会概要の説明と応援ソングのお披露目が行われた

11月8日時点では全国80校から大会へ参加申し込み

毎日新聞とサードウェーブは11月8日、eスポーツ施設「LFS 池袋 esports Arena」において、『第1回全国高校eスポーツ選手権』の大会概要と「eスポーツ部発足支援プログラム」の状況を発表した。

全国高校eスポーツ選手権とは、高校生を対象としたeスポーツの全国大会だ。MOBA(マルチプレイヤーオンラインバトルアリーナ)と呼ばれるジャンルの『リーグ・オブ・レジェンド(LoL)』と、ロケットカーと呼ばれる車を操作してサッカーを行う『ロケットリーグ』の2部門を開催。LoLのオンライン予選は2018年12月25日、26日に行われ、オフライン決勝大会(準決勝、決勝)は2019年3月24日に行われる。そしてロケットリーグでは、オンライン予選が2018年12月23日、24日に行われ、オフライン決勝が2019年3月24日に行われる。決勝の会場は「幕張メッセ」だ。

参加資格を有するのは、高校、高等専門学校(3年生まで)、定時制高校、通信高校に通う日本在住の16~19歳の高校生。ただし、同じ高校からチームを組んで参加することが条件だ。エントリーの受付は11月21日までだが、すでにLoLで58チーム、ロケットリーグで22チーム、計80チームの参戦が決定しているという。

エントリー済みの高校一覧
優勝賞品は『2泊3日の韓国eスポーツ体験旅行supported by JTB』。両部門の優勝チーム全員が招待される

毎日新聞社 eスポーツ担当の田邊真以子氏は「北海道から沖縄まで、さまざまな学校に参加申し込みをいただいております。eスポーツ部やeスポーツ同好会というチームだけでなく、パソコン部、IT研究会、サイエンス部といったチームもありました。参加するにあたり、同じ学校でメンバーを集めることに苦労された人が多かったようですね。場所を問わず、どんな人とも一緒にプレイできるのが魅力のオンラインゲームでは、学校内で同じタイトルをプレイしている人を知らないことも多いでしょう。それでも、未経験者を巻き込んでチームを作ったり、同学年のプレイヤーが見つからずに食堂でメンバーを集めたりと、高校生が大会に出るために自ら行動してくれました」と、エピソードを紹介した。

毎日新聞社 eスポーツ担当の田邊真以子氏

また、大会開催に合わせて、サードウェーブによる「eスポーツ部発足支援プログラム」が行われている。これは、高校のeスポーツ部発足を支援するために、ゲーミングPCを3年間無償貸出するというもの(1校につき最大5台。デスクトップPC3台、モニター3台、ノートPC2台)。11月8日時点では、56校に対して機材を貸し出しているという。

サードウェーブ 取締役副社長の榎本一郎氏「高校で部活動を新しく作るって、本当に大変なんだと改めて実感させられました。しかも、年度の途中ですからね。eスポーツをやりたいという子どもの想いを受け止めて、部活を作ろうとしてくださった先生方に感謝を申し上げたい。ありがとうございました。どういう形になるかわかりませんが、この活動はこれからも続けていきたいですね」と、部活動設立の大変さを述べるとともに、協力してくれた教育現場への感謝の気持ちを伝えた。

サードウェーブ 取締役副社長の榎本一郎氏
eスポーツ部発足支援プログラムの内容

また説明会では、デンソー、ソニー・ミュージックエンタテインメント、イオンエンターテイメント、ロジクールG、BenQ、滋慶学園COMグループが大会スポンサーに就任したことも発表された。

大会スポンサーも決定

大会応援ソング『ナミタチヌ』に込められた想い

今回の説明会でもう1つ発表されたのが、大会の公式応援ソングだ。今回応援ソング担当したのは、『ハイキュー!!』や『銀魂』などの主題歌を歌う「BURNOUT SYNDROMES(バーンアウトシンドロームズ)」。『ナミタチヌ』というタイトルの曲が披露された。

応援ソングを手がけるにあたって、BURNOUT SYNDROMESのメンバーは大学のeスポーツプレイヤーに取材を行うとともに、大会の採用タイトルであるLoLをプレイ。eスポーツプレイヤーの気持ちに寄り添いながら曲作りを行ったという。

作詞・作曲を手がけたGt&Voの熊谷和海さんは「大学のeスポーツプレイヤーにインタビューした際、『高校生の時から勝負できるステージがあるのは、うらやましい』と話していたのが印象的でした。自分たちは中学のころからバンドを組んでステージに立っていたのですが、勝負できることはとても貴重な機会なんだと気づかせてもらいましたね。息を殺して波風立たせないように過ごすのではなく、培った技術や情熱を武器に、波を立てていこうという意味を込めてタイトルをつけました」と曲に込めたメッセージを伝えた。

BURNOUT SYNDROMESのメンバー。左から、Dr&Choの廣瀬拓哉さん、Gt&Voの熊谷和海さん、Ba&Choの石川大裕さん

しかし、この曲には足りないものがあるという。

それは「若さです」と、熊谷さん。

「なので、今大会に参加する高校生からコーラスを募集したいと思います。若いパワーでチューニングして、この曲を完成にしたい」と発表した。

コーラスの募集は11月18日まで。応募は高校名、チーム名、代表者氏名、電話番号を記載のうえ、ajhs-esports-song2018@mainichi.co.jp宛に、メールを送ればいいそうだ。

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以前、弊誌でも同大会を提案した田邊氏のアツい想いについて紹介した。そのときは、まだゲームタイトルもLoLのみ決定している状態で、プレイヤーに受け入れてもらえるか不安を感じていたようだったが、全国から80校もの応募があっただけでなく、スポンサーも決まったことで、着実に文化としてeスポーツが認められるための土台が形作られてきているのではないだろうか。

ただし、大会が年に1つだけでは、まだまだ部活として定着するとは思えない。eスポーツが高校生の青春をかける部活動になるためには、夏の甲子園、春のセンバツ、新人戦や関東大会などのように、複数の大会が定期的に開催される必要があるのではないだろうか。そのためにも、『第1回全国高校eスポーツ選手権』をきっかけに、高校生を対象としたeスポーツ大会の開催に関心を抱く企業が、複数現れることを願うばかりだ。

「音声」巡り覇権争うアマゾンとグーグル、立ち止まるアップル

「音声」巡り覇権争うアマゾンとグーグル、立ち止まるアップル

2019.01.21

CESで存在感を放つアマゾンとグーグル、各社の最新動向は?

レノボはGoogleアシスタント、Alexaに対応した新製品を発表

アップルは各社にプライバシー問題を警告、独自路線を貫くか

米ラスベガスで開催された世界最大級の家電見本市「CES 2019」で、別格の存在感を放っていたのがアマゾンやグーグルだ。2018年はグーグルがCESに初めて本格出展したことで話題となったが、2019年も大がかりなブースを設置して来場者の注目を浴びた。

ラスベガスのCES会場前に設置されたグーグルのブース

アマゾンやグーグルは音声アシスタントで競争しており、家電製品への組み込みを進めている。2019年のCESではどうだったのか、両社の最新動向をレポートする。

グーグル対アマゾンの音声争いが加速

グーグルは今年もCES会場に「Googleアシスタント」を目玉にした大型ブースを設置。巨大な壁面広告やモノレールのラッピング広告で存在を示し、家電メーカーのブースには白い帽子のスタッフを派遣するなど、CESを乗っ取る勢いだった。

「Googleアシスタント」に対応した家電製品が並ぶグーグルブース

一方、Alexaで先行するアマゾンも展示エリアを拡大。業界やメーカーの枠を越えた「Alexa対応製品」を一挙展示することで、エコシステムの強大さを示した。家庭向けのスマートホーム用途だけでなく、オフィスで使う事例も示すなど、応用範囲を広げている。

アマゾンは「Amazon Alexa」対応製品をブースに集めた

具体的な対応製品として、音声で操作できるスマートスピーカーやスマート電球はもちろんだが、これまでにないジャンルの製品も増えている。たとえばレノボは「目覚まし時計」と「タブレット」の2機種を発表した。

レノボの目覚まし時計「Smart Clock」(左)とタブレット「Smart Tab」(右)

Googleアシスタントに対応した「Smart Clock」は、目覚まし時計の置き換えを狙った製品だ。音声だけでなく画面のタッチ操作にも対応しており、カレンダーの予定や寝覚めのいい音楽、室内の照明と連動した目覚まし機能を提供する。

一方、Amazon Alexaに対応した「Smart Tab」は、一般的なAndroidタブレットとして使えるほか、ドックに置くと音声とタッチで操作するスマートディスプレイに早変わりする。自宅でも外出先でも1台2役で使えるお得さが特徴だ。

アップルが投げかける「プライバシー」問題

CESに両社が注力する背景には、音声アシスタント市場におけるシェア争いがある。「Amazon Echo」や「Google Home」といったスマートスピーカーの売上ではグーグルがアマゾンを猛追しており、2018年第1四半期には逆転劇を果たした(英Canalys調べ)。しかし第3四半期にはアマゾンが再び首位に立つなど、接戦が続いている。

その勢力はスマートスピーカーを越えて、家電全体に広がりつつある。家電の操作といえばスイッチやリモコン、タッチ操作が一般的だが、音声に対応する製品は増えている。これまで独自の音声アシスタント「Bixby」を展開してきたサムスンも2019年にはグーグルとアマゾンとの連携を発表した。

サムスンはスマートTVでグーグル、アマゾンと連携

このまま音声が普及していけば、世界中の人々がインターネットのサービスやコンテンツにアクセスする手段になる可能性がある。音声アシスタントのシェア争いは、スマホOSのシェア争いと同じくらい重要というわけだ。

ただ、音声操作はプライバシーに関する懸念もある。音声操作を受け付けるには、マイクが常時オンになっている必要があるからだ。マイクをオフにする機能はあるとはいえ、家庭内のプライベートな会話を常にマイクに拾われるのは心地よいものではない。

この問題に一石を投じたのがアップルだ。CES会場からよく見えるホテルの壁に意見広告を掲載。ラスベガスの有名なコピーをもじって「iPhoneで起きることはiPhoneの中にとどまる」と訴え、サードパーティと広く連携するアマゾンやグーグルを牽制した。

アップルはCESでプライバシー重視をアピール。元々の言葉は、「What happens in Vegas stays in Vegas.(ラスベガスで起きたことはラスベガスに残る)」というもの

アップルも独自の「Siri」をiPhoneに搭載し、スマートスピーカー「HomePod」も販売している。だがサードパーティとは積極的に連携していないため、音声のシェア争いでは不利な立場に追い込まれている。アップルがこのまま「プライバシー重視」路線を貫くかどうかも、音声アシスタント市場の行方を左右しそうだ。

一度は姿を消したワイヤレス充電が再びメジャーになった理由

知って納得、ケータイ業界の"なぜ" 第30回

一度は姿を消したワイヤレス充電が再びメジャーになった理由

2019.01.21

いまや当たり前の「ワイヤレス充電」スマホ

開発も販売も、実は日本が世界初だった

過去にナゼ廃れたのか、今はナゼ流行っているのか

最近、ケーブルに接続する必要なく充電ができる、ワイヤレス充電に対応したスマートフォンが増えてきている。一時は姿を消していたワイヤレス充電が、ここにきて再び脚光を浴びるようになったのはなぜだろうか。

世界初のワイヤレス充電対応スマホは日本製

スマートフォンを充電する際、多くの人は充電用の電源ケーブルに接続して充電していることだろう。だがここ最近、スマートフォンをケーブルに接続することなく、専用の充電台に置くだけで充電ができる「ワイヤレス充電」に対応したスマートフォンが増えているのだ。

例えばアップルのiPhoneシリーズであれば、2017年発売の「iPhone 8」シリーズ以降からワイヤレス充電に対応している。他にもグーグルの「Pixel 3」やサムスン電子の「Galaxy Note 9」、そしてファーウェイの「HUAWEI Mate20 Pro」など、海外製のハイエンドスマートフォンを中心として、ワイヤレス充電に対応したスマートフォンは着実に増えている。対応スマートフォンの広まりとともに、ワイヤレス充電をするための充電器も数が増え、家電量販店などで目にする機会も増えている。

ワイヤレス充電対応機種は急増しており、「iPhone XS」など最新のiPhoneもワイヤレス充電に対応している

充電をするためにケーブルに接続するというのは手間がかかるし、何よりケーブルは絡まりやすく取り回しが面倒なもの。それだけに、スマートフォンを置くだけで充電できるワイヤレス充電は消費者にとって非常に便利だ。したがってスマートフォンに搭載するという動きも比較的古くから進められていたのだが、現在のように広く普及するまでにはかなりの時間を要している。

実は、スマートフォン単体でワイヤレス充電ができる機種が最初に投入されたのは日本で、開発したのも日本企業である。2011年にNTTドコモから発売された、シャープ製の「AQUOS PHONE f SH-13C」がそれに当たり、Wireless Power Consortium(WCP)が策定したワイヤレス給電規格の1つ「Qi」に対応。Qi対応の充電器に置くだけで、スマートフォンを充電できる仕組みを備えていたのである。

世界初のワイヤレス充電対応スマートフォン「AQUOS PHONE f SH-13C」は、2011年にNTTドコモが提供。専用の充電器も提供していた

しかも当時、NTTドコモはQi対応のワイヤレス充電ができるスマートフォンの開発に力を入れており、「おくだけ充電」という名称まで付けて積極的なアピールを進めていた。さらにシャープだけでなく、NTTドコモと関係の深い他の国内スマートフォンメーカーともQi対応のスマートフォン開発を進め、市場に多くのワイヤレス充電対応スマートフォンが存在した時期があったのだ。

規格や充電性能の問題が解決し採用機種が増加

だが2013年を境に、NTTドコモのラインアップからワイヤレス充電対応のスマートフォンが一時期姿を消し、ワイヤレス充電は急速に存在感を失うこととなる。当時ワイヤレス充電に力を入れていたパナソニックモバイルコミュニケーションズやNECカシオモバイルコミュニケーションズなどが、iPhoneなどに押されてスマートフォン市場から撤退した影響も大きいが、より本質的な要因は2つあると考えられる。

1つは、急速充電に対する消費者のニーズが高まっていたためだ。当時はバッテリーの性能が現在より低かったため、スマートフォンを使っているとあっという間にバッテリーを消費してしまい、不満の声が多かったため、何よりも素早く充電できることが強く求められていたのだ。しかしながら当時のQiは電力の出力が弱く、充電速度が遅かったことから、消費者のニーズとマッチせず姿を消してしまったのである。

そしてもう1つの理由は、ワイヤレス給電規格が複数存在し、業界全体で、どの方式を採用するか方向性が定まっていなかったため、後続するスマートフォンがなかなか出てこなかったことだ。実際、2015年に日本でも発売されたサムスン電子の「Galaxy S6」「Galaxy S6 edge」はQi規格だけでなく、Power Matters Alliance(PMA、現在はAirFuel Alliance)が策定したワイヤレス給電規格も採用することで、ワイヤレス充電に対応させている。

2015年発売の「Galaxy S6 edge」は、当時まだ事実上の標準規格が定まっていなかったこともあり、複数のワイヤレス給電規格に対応していた

そして最近になってワイヤレス充電が再び日の目を見ることができたのは、それらの課題が解決したことが大きく影響している。急速充電に関しては、当初Qiのモバイル機器に向けた「Volume I」という規格では、送信できる電力が5W以下とされていたため充電速度が遅かったのだが、その後10W、15Wといったより大容量の送信ができる規格の策定が進んだことで、より速く充電できるようになったのである。

また規格の統一に関しては、アップルなど影響力の大きな主要スマートフォンメーカーがQiの採用に傾いたことで、Qiがスマートフォン向けの事実上標準規格となった。そのため多くのスマートフォンメーカーがQiを採用しやすくなり、急速に数が増えたといえる。

さらにもう1つ、高いデザイン性や防水性能など、スマートフォンに求められる要素が年々増えていることも、ワイヤレス充電が復活した大きな要因として挙げられるだろう。一方で、かつて必要だったPCへの接続など、スマートフォンに何らかのケーブルを接続する必要性は年々薄くなっている。将来的にはスマートフォンのワイヤレス充電対応が当たり前となり、充電用のUSB端子やLightning端子がなくなることも十分あり得るだろう。