LINEで転職、「LINEキャリア」は人手不足問題の特効薬となるか

LINEで転職、「LINEキャリア」は人手不足問題の特効薬となるか

2018.10.26

LINEがエン・ジャパンと提携、新サービス「LINEキャリア」を開始

転職市場を勝ち取るカギは、”企業内失業者”にあり

トーク画面での履歴書作成や求人応募が可能に

LINEが転職求人情報サービス「LINEキャリア」を開始した。掲載する求人情報は「エン転職」で知られるエン・ジャパンが提供。両社が共同出資した新会社「LENSA」が運営する。680万人の会員と5000件以上の求人情報を抱えるエン・ジャパンが、LINEの新サービスに協力した狙いはどこにあるのだろうか。

転職市場でLINEとエン・ジャパンがタッグを組んだ。LENSA 代表取締役会長 上土達哉氏(左)はLINE HRサービスの事業部長を務めており、代表取締役社長の寺田輝之氏(右)はエン・ジャパンの執行役員だ

「企業内失業者」が人手不足解決のカギに

寺田氏は国内の労働市場について、「有効求人倍率は8月に1.63と高い水準にあり、未充足の求人は121万人と増加の一途をたどっている。人手不足による倒産も昨年を上回るペースにある」と、人手不足が多くの企業にとって大きな課題となっていることを説明する。

人手不足による倒産が増加

日本の社会問題となっている人手不足と転職市場の関係は根深い。総務省によれば2017年の転職者数は311万人だが、潜在的な需要として「企業内失業者」が465万人いることに寺田氏は注目する。

企業内失業者とは、いわゆる窓際族と呼ばれる人々で、かつては中高年層が中心だったが最近では20〜30代の若手にも広がっているという。その背景には、リーマンショック後の人員削減などにより、若手を教育するベテラン人材の不足があるとされる。

潜在的な顕在意識しか持たない「企業内失業者」が転職市場の需要に

この「本来、活躍すべき人が活躍していない」状況を解決すべく、転職へのハードルを下げ、新たな入り口を設けるのが狙いだ。

そこでエン・ジャパンは、エン転職で扱うすべての求人情報をLINEキャリアにも掲載。エン転職では担当者が企業を1社ずつ訪問して取材した生の声を発信しており、時にはポジティブではない情報も含まれる。転職後に「こんなはずではなかった」と感じるギャップをなくすことが入社後の活躍や定着につながるとする、同社ならではのやり方だ。こうしたポリシーは、LINEキャリアにそのまま受け継がれる。

求人の背景や職場の雰囲気について詳しく書かれている

LINEは人手不足問題を解決するプラットフォームへ

LINEは2015年に「LINEバイト」でアルバイト情報事業に参入しており、1400万人の会員を誇る。同サービスで注目すべき点は、「面接率」の高さにある。

なぜLINEバイトは面接の確率が高いのか、その秘密はLINEメッセージにあるという。「Eメールは埋もれがちで見落とすことが多い中で、LINEのメッセージは開封率が高く、面接の案内を見逃すことが少ない」と上土氏。たしかに、LINEが主要なメッセージツールとなった今、普段よく使うLINEでコミュニケーションをとれる方が、Eメールでのやり取りよりも便利で、ユーザーにとって大きなメリットがある。

もちろんこの特徴はLINEキャリアにも活かされている。まずはアルバイト情報事業から始め、そこでの知見をもとに、次のステップへと踏み出した形だ。

「LINEメッセージ」で面接の案内を見落とすことがない

また、LINEキャリアは既存のLINEアプリをそのまま使うため、追加のアプリインストールや会員登録が不要という点も特徴。LINEのユーザー基盤は7600万人で、実に6500万人が毎日アクセスしている。その巨大プラットフォームに新たなサービスを追加できるという、LINEの強みを活かした。

既存のLINEアプリ内から「LINEキャリア」にアクセスできる

LINEキャリアでは、トーク画面での履歴書作成や、求人の閲覧・検索・応募ができる。また、希望の職種や年収に答えていくだけで求人を絞り込むことが可能で、手軽な作業で転職企業の候補を選ぶことができる。将来的には、ユーザーの同意を得た上でLINEが持っている個人情報も活用していく予定だという。

アルバイト、転職ときて、今後の展開として気になるのが「新卒採用市場」への進出だ。LINEは若年層のユーザーも多く、かつエン・ジャパンでは新卒学生向けのスカウトサービス「iroots」も提供しており、新卒市場でのLINE活用にも身を乗り出す可能性は低くない。

LINEキャリアでは今後、企業からのダイレクトオファー機能も追加する予定であるという。そこにLINE側が持つ個人情報の活用が重なれば、転職に限らず、人材領域全般においてのサービス拡大が見込まれそうだ。

LINEは日本を襲う人手不足を解消するためのプラットフォームとなり得るのか、今後の動きに注目したい。

総務省施策が追い風に? 携帯分離の「歴史的チャンス」狙うファーウェイ

総務省施策が追い風に? 携帯分離の「歴史的チャンス」狙うファーウェイ

2019.03.20

モバイル業界を変える「携帯値下げ議論」が過熱

ファーウェイは日本を取り巻く環境を「歴史的チャンス」と発言

コスパ高いミッドレンジ端末でシェア拡大を目指す

20日、NTTドコモが特定の端末の購入を条件に通信料金を割り引く「docomo with」、購入する端末に応じて通信料金を割り引く「月々サポート」を終了する方針を固めたという報道が話題となっている。

国内のモバイル業界では携帯電話料金見直しが進んでおり、3月5日には総務省が中心に進めてきた端末代金と通信料金の分離が閣議決定された。NTTドコモは分離プランを軸とした新料金プランを4月に発表する見込みだ。

日本のモバイル市場を大きく変えるこの動きを「歴史的チャンス」と見ているのがファーウェイだ。2018年末から米中対立が加速する中、ファーウェイが打ち出すメッセージも語気を強めている。果たして日本市場でシェアを拡大できるのだろうか。

逆風吹けども、依然として業績は好調

今年に入り、ファーウェイの周辺が騒がしい。3月7日には、ファーウェイは米国政府を相手取って訴訟を起こした

さらにその内容をFacebookでライブ配信するなど、米国以外の世界市場に向けたメッセージにもしており、そのメッセージをまとめたウェブサイト「Huawei Facts」は、わざわざ日本語版も用意している。

2018年末から続く米中対立を巡る報道は、ファーウェイの業績にどのような影響を与えたのか。MWC19でインタビューに応じたファーウェイ・ジャパンの呉波氏は、「一部の消費者は影響を受けたが、2019年に入ってから売上は大幅に伸びている」と語った。

ファーウェイ デバイス 日本・韓国リージョン プレジデントの呉波(ゴ・ハ)氏

話題の「折りたたみスマホ」でもファーウェイは先行する。

ファーウェイに先立って折り畳みスマホを発表したサムスンだが、こちらはMWCではガラスケース内での「展示」のみにとどまったのに対し、ファーウェイは「Mate X」の実機を用いて報道関係者に折り曲げを試させるなど、製品化で一歩先を行っていることをアピールした。

ファーウェイの折りたたみスマホ「Mate X」。報道陣には手に取って折り曲げてみる機会も用意された

Mate Xは次世代移動通信の「5G」にも対応しており、日本では5Gサービスの開始を待って投入時期を見極める方針だという。

ちなみに3月26日に発表予定のフラグシップ機「HUAWEI P30」シリーズは、例年通りのタイミングで日本市場に投入するようだ。SIMフリーでの発売だけでなく、ドコモが採用した「HUAWEI P20 Pro」のように大手キャリアによる採用があるかどうかも注目したい。

分離プランを「歴史的チャンス」と捉えるワケ

一方、2019年の国内モバイル市場で話題となっているのが携帯料金における「分離プラン」の導入だ。KDDIとソフトバンクはすでに導入済みだが、NTTドコモは4月に発表する新料金プランから本格導入するとみられている。

分離プランの特徴は、NTTドコモの「月々サポート」のように回線契約と紐付けた端末の割引が禁止される点だ。端末の割引自体が禁止されるわけではないというものの、大幅な割引は難しくなる。その結果、10万円を超えるようなハイエンド機ではなく、3〜4万円で一括購入しやすいミッドレンジ機の需要が高まるとの見方が有力だ。

この動きをファーウェイはどう見ているのか。

呉氏は「非常に重要視している。スマホが登場したときや、SIMフリー市場が始まったときのインパクトに引けを取らない、歴史的な瞬間になる」と興奮気味に語る。

日本のSIMフリー市場でベストセラーとなった「HUAWEI P20 lite」を始め、ファーウェイのミッドレンジ機のラインアップは厚い。モデルによってはフラグシップと同じCPUでミッドハイの価格を実現するなど、コスパの高さも特徴だ。大手キャリア向けにさまざまな提案ができる体制といえる。

フラグシップと同じ「Kirin 980」搭載でミッドハイ価格の「HONOR View 20」

また、5G対応も順調だ。

モバイルWi-Fiルーターに強みを持つファーウェイは、MWC19でも5G対応ルーターを多く出展していた。日本ではまだ周波数の割り当てが終わっていないものの、国内大手キャリアは2019年内にもプレサービスを始める動きがある。5Gスマホが普及するまでの間、5Gルーターの需要は高まる可能性がある。

5G対応のモバイルWi-Fiルーターも出展していた

ミッドレンジ市場の拡大を狙って、今年はシャープやサムスン以外にも、ソニーモバイルの参入も予想されている。

この価格帯が激戦区になることは間違いないが、ファーウェイはその中で高コスパの製品ラインアップや、国内での地道な販促活動やブランドメッセージの打ち出しによって対抗していく構えだ。

ヨドバシカメラ梅田店での販促イベントの様子
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2019.03.20

Googleが新しいゲームプラットフォームを発表

配信方式でゲーム機不要、「ゲーム機」の時代の終焉?

2019年内にローンチ、性能はプレステやXbox以上か

3月19日、米国で開催中のゲーム開発者会議「GDC 2019」の会場で、Googleがクラウドベースのゲーミングプラットフォーム「STADIA」を発表した。特定のゲーム機に縛られず、ネットに接続したスマホやパソコン、テレビを通してストリーミング(配信)形式でゲームをプレイできる。

この事業を担当するバイスプレジデントとして、STADIAを発表するフィル・ハリソン(Phil Harrison)氏。そもそも彼からして、元はソニーのプレイステーション立ち上げの主要メンバーで、その後Microsoftに移りXboxを担当したという経歴の持ち主

かねてより、MicrosoftのXbox事業のトップマネージャーを引き抜いた、ソニーでPlayStationのハード開発にかかわったエンジニアが転職したといった噂が頻繁に流れており、「Googleがゲーム市場に本格参入する」という憶測は強まっていた。実際に2018年には、Googleは「Project Stream」と呼ばれるストリーミング形式のゲーム基盤の計画を発表し、米国内でベータテスターを募って技術テストを行っていた。

STADIAは、Project Streamの延長線上にあるサービスと見られる。ユーザーは特定のゲーム機を持っている必要がなく、従来のゲーム機の役割をするのはGoogleの設置するデータセンターだ。簡単に言えばクラウドサービスのように、実際にゲームタイトルが動作しているのはデータセンター側で、ユーザーはインターネットを介してゲームを遠隔でプレイする。

STADIAのデータセンターから配信されたゲームをパソコンでプレイしている様子
パソコンで遊んでいたのと同じゲームを、タブレットやテレビでも同じように遊ぶことができる

このプラットフォームの特徴によって、例えばYouTubeで新作ゲームのトレーラー動画を見ていて気に入ったときには、そのページ内の「プレイする」ボタンを押すだけで、インストールすら不要で、動画を再生するかのようにそのゲームをプレイできるようになる。

そして、STADIAのデータセンターが持つゲーム機としてスペックは、サービス開始時のものとして、GPUの演算性能は10.7テラFlopsに達するといい、これはPlayStation 4 Proの4.2テラFlopsや、Xbox One Xの6.0テラFlopsを大きく上回る。映像品質も4K/60fpsのストリーミングに対応し、将来は8K/120fps対応も予定しているという。

STADIA用の「STADIAコントローラー」も販売する。SNSアップ用のボタンや、Googleアシスタントボタンが備わっている

Googleは2019年中にSTADIAをローンチする予定で、まずは米国、カナダ、欧州でサービスを開始すると説明している。発表を受けた翌20日の東京株式市場では、任天堂とソニーの株価が揃って大きく下落した。投資家たちが、GoogleのSTADIAによって、Nintendo SwitchやPlayStationのビジネスが脅かされると考えたからだ。

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