日本でトップのスーパーカー? ホンダ「NSX」に改良モデルが登場!

日本でトップのスーパーカー? ホンダ「NSX」に改良モデルが登場!

2018.10.25

ホンダが2代目「NSX」を改良、2019年モデルを発売

ヒトとの一体感を増した「人間中心のスーパースポーツ」

当初計画を上回る販売台数、シェアはナンバーワン?

ホンダのスーパーカー「NSX」に改良モデルが登場した。「誰でも乗れるスーパーカー」として誕生した初代NSXの志を受け継ぎ、2017年に復活を遂げた2代目NSXだが、改良を経た「2019年モデル」では一体、何が変わったのか。

ホンダが2代目「NSX」の改良モデルを発表。2018年10月25日から注文の受け付けを開始した。納期は約半年~1年を見込むが、詳しくはディーラーに聞いて欲しいとのこと。価格は税込みで2,370万円だ

3つのモーターを積む「スーパースポーツ」

ホンダは2016年8月、いったんは生産を終了していた「NSX」を復活させると発表。2017年2月に2代目「NSX」を発売した。2代目は初代が提唱した「人間中心のスーパースポーツ」というコンセプトを継承しつつ、新たにホンダ独自の電動化技術である3モーターハイブリッドシステム「SPORT HYBRID SH-AWD」を採用。フロントに2つ、リアに1つのモーターを積むことで、エンジンだけでは到達できない高レベルなレスポンスとハンドリング性能を獲得できたとホンダは胸を張る。

※関連記事「ホンダが復活させたスーパーカー「NSX」が背負った使命

ホンダは2代目「NSX」を米国・オハイオの専用工場で生産している。このクルマの復活当初に開発責任者(LPL:ラージ・プロジェクト・リーダー)を務めたのはホンダR&Dアメリカズのテッド・クラウス氏だが、2019年モデルでは、その職務をホンダ技術研究所 四輪R&Dセンターの水上聡氏が引き継いだ

電動化の恩恵として、2代目NSXでは「クワイエットモード」というドライビングモードを選べる。モーターとバッテリーだけで電気自動車(EV)のように走れるモードで、例えば住宅街にある自宅の出入りなど、人の目(耳)を気にする状況でも静かに走ることが可能だ。このあたりも、NSXが「誰もが乗れるスーパーカー」であるゆえんなのかもしれない。

ちなみに、これが初代「NSX」だ

一体感向上を目指した改良、新色のオレンジも登場!

2019年モデルの開発責任者を務めた水上氏によると、今回はドライバーとクルマの一体感向上を狙い、「クルマの姿勢を整えること」「旋回の軌跡が美しいこと」「コントロールしやすいこと」といったポイントに着目して改良を行った。それらを実現するため、まずは足元から固めようとの考えから、2019年モデルでは新たに開発した専用チューニングのタイヤを採用。ハード面のみならず、各種制御システムのセッティングパラメータにも変更を加え、人間の操作に対する制御の介入の仕方も積極的に見直したという。

「NSX 2019年モデル」の開発責任者に就任したことを「夢がかなった」と表現した水上氏(画像)。3歳ごろからクルマの名前を覚え始め、小学生の時には自動車専門誌を読み漁っていたという根っからのクルマ好きだ

もう1つ、改良で見逃せないのはデザインの変更だ。「よりワイドに、より低く」を目指し、フロントグリルを従来のシルバーからボディの同系色に改めたほか、前後にあるメッシュパーツのグロス感を高めたり、マット仕上げだったカーボンパーツをグロス化したりすることで質感向上を狙った。ただ、デザインの変更で特筆すべきポイントは、何といっても鮮烈なオレンジ色が登場したことだろう。

カリフォルニアに昇る朝日をイメージしたという2019年モデルの新色「サーマルオレンジ・パール」には、初代「NSX」がまとった「イモラオレンジ・パール」の現代版という意味合いもあるそうだ

水上氏の話によると、初代NSXの発表当初、ホンダには「誰もが乗れるスーパーカーってどうなの?」と否定的な声も寄せられたそう。しかし、この「誰もが乗れる」という部分こそ、全てのホンダ車に通底する同社の哲学なのだ。「どうしても、ハイパワーなクルマを動かすとなると運転は難しいんですが、ホンダのクルマ全般にいえることとして、パッと乗っても、前から乗っているクルマよりも(容易に)運転できて、それが楽しさに結びつくというところがあります。“その日から乗れてしまう”というのが、ホンダのクルマづくりです」。これが、水上氏によるホンダ哲学の解説である。

新開発のタイヤを採用したほか、サスペンションの各部を見直し、フロントスタビライザーやリアスタビライザーといったパーツの剛性を高めることで、クルマとしての基本性能も向上させている。パワートレインは3.5リッター V6 DOHC ツインターボエンジンのハイブリッドで、9速DCT(デュアル・クラッチ・トランスミッション)と組み合わせる

ホンダにとってNSXは「残したいクルマ」

発表から2年で改良を受けたNSXだが、最後に、その売れ行きを確認しておきたい。ホンダによると、これまでの受注台数は当初計画を上回る約400台に達しており、日本における登録台数で見ると、「2,000万円以上の2ドアラージクラス」というカテゴリーではナンバーワンのシェアを獲得しているという(2017年2月~2018年9月末登録累計、ホンダ調べ)。ちなみに、このカテゴリーにはメルセデス・ベンツ「AMG GT」、ランボルギーニ「ウラカン」、ポルシェ「911」(ただし、2,000万円以上するもの)などのクルマが存在するが、日本で売れる同カテゴリー車種の「3台に1台はNSX」(ホンダ広報)なのだそうだ。

「2,000万円以上の2ドアラージクラス」というカテゴリーでは「NSX」が日本で最も売れている

もっとも、ホンダ広報も釘をさしていたことだが、こういうクルマは何万台と売れるわけでもないので、販売ボリュームで比べても、あまり意味がない。むしろブランドとして、個性を打ち出したり、ファンを増やしたりするのに大事な商品といえるだろう。クルマは電動化、自動化、シェアリングの普及などを経てコモディティ化していくとの見方があるが、NSXを眺めつつ「こういうクルマは、メーカーとしては残していきたいもの」と語った水上氏の言葉からは、そんな時代を前にしたホンダの覚悟のようなものを、勝手に感じ取ってしまった次第だ。

打倒iQOSに挑むプルーム・テックの戦い、世界市場も見据えたJTの新製品

打倒iQOSに挑むプルーム・テックの戦い、世界市場も見据えたJTの新製品

2019.01.22

低温加熱式のJTがライバルと直接競合する高温加熱式に参入

専用リフィルも異なる3種類の製品で広範に網を張るプルーム・テック

海外市場でも兆し見えた加熱式たばこ、日本での成功がより重要に

日本たばこ産業(JT)が加熱式たばこの新製品、「プルーム・テック・プラス (Ploom TECH+)」「プルーム・エス (Ploom S)」の2製品を発表した。シェアトップのiQOSを追撃したいJTだが、ライバルに先行を許している今、どのような戦略を描いているのか。

JTが発表した加熱式たばこの新製品、プルーム・テック・プラス(左)とプルーム・エス

新たに高温加熱式に参入、ライバルと直接競合へ

新製品は、従来のプルーム・テックを改良したプルーム・テック・プラスと、シェアを争う「iQOS」(フィリップ・モリス)や「glo」(BAT)と同様の加熱方式を採用したプルーム・エスの2つ。iQOSとgloが高温加熱式であるのに対し、もともとプルーム・テックは低温加熱式と呼ばれる方式をとっていた。30度という低温で発生させた蒸気をたばこカプセルを通して吸うため、においが少ない一方、吸いごたえに乏しいともいわれていた。

低温加熱式で吸いごたえを追加したプルーム・テック・プラスと、高温加熱式のシェア奪取を狙ったプルーム・エスを投入

そこで、たばこ葉を増やすなどして吸いごたえを高めたのがプルーム・テック・プラスだ。その結果、本体が太く大きくなり、加熱温度も40度と少しだけ高くなったが、においの少なさはそのままに、吸いごたえをアップさせたことをアピールする。

プルーム・エスは高温加熱式を採用し、iQOSやgloと同様の吸いごたえを目指した。こうした高温加熱式は、たばこ葉を高温で蒸すことで蒸気を発生させるため、従来のたばことも異なる独特のにおいを発生させる。

JT副社長・たばこ事業本部長の岩井睦雄氏は、この独特の「におい」のせいでたばこの味わいに違和感を覚える喫煙者が多かったと話す。そのため、「満足度を高めるのは味わい」として、このにおいの低減に取り組んだという。

プルーム・エスでは、たばこ葉を熱する温度を200度に抑えた。これはiQOSの300度、gloの240度に比べて低く、これによって特有のにおいを抑えたという。

吸いごたえや加熱方式が異なる3製品をそろえる意味

JTは新製品投入後も既存製品の取り扱いを継続する。つまり、プルーム・テックのラインアップは3種類となる。iQOSも複数の製品があるが、こちらは機能の違いによって3種類に分けられており、プルーム・テックはそれに対して、吸いごたえや加熱方式によって異なる製品を用意したかっこうだ。

3つの製品を投入することで、選択肢を提供する

岩井副社長は「温度で選ぶ時代」と表現し、低温のプルーム・テック/プルーム・テック・プラスと、高温のプルーム・エスという選択肢によって「好みや生活環境、ライフステージの変化に合わせて、いつでも最適な選択ができる」ことを狙ったとしている。

たばこ事業本部長の岩井睦雄副社長

たばこ部分に互換性がないという問題はありそうだが、現在でも、においの少なさを重視して自宅ではプルーム・テックを吸いつつ、味わいを求めて喫煙所では高温加熱式の加熱式たばこ、と双方を使い分けている人が少なくない。そうしたユーザーに対して、「それぞれで求められるニーズを高いレベルで満たし、両方を提供するのが顧客満足度の最大化に繋がる」(岩井副社長)と判断し、製品開発に取り組んだ。

加熱式たばこ最大市場の日本から、海外市場を見据える

岩井副社長は新製品でiQOSからシェアを奪取し、「中長期的にはRRPカテゴリでもシェアナンバーワンを目指す」と意気込みを語る。

「RRP」とは「リスク低減製品」のこと。「喫煙にともなう健康へのリスクを低減させる可能性がある」と位置づけられる製品だ。

日本では法律上、液体にニコチンを含ませて販売することはできない。電子たばこは、このニコチンを含む液体を蒸気化させるため日本で販売できず、結果、加熱式たばこが普及したという背景もある。加熱式たばこの市場規模では日本が世界最大だが、iQOSが韓国や欧州の一部で販売を強化しており、グローバルでの市場拡大を狙っている。

JTは海外ではlogicブランドで電子たばこを販売している。海外での電子たばこ事業はありつつも、まずは製品の国内ラインナップを拡大して加熱式たばこのシェア拡大を図るとともに、紙巻きたばこを含むすべての製品の価値を向上させることで、市場の拡大に繋げたい考えだ。「日本での成功がグローバルでの成功につながる」と岩井副社長は強調する。

紙巻きたばことRRP製品の双方を拡充する
日本では加熱式、海外では電子たばこを提供中

紙巻きからの移行、数年以内に大きな山場

2018年は加熱式たばこが踊り場を迎えたと言われた。日本ではここ数年で急激に加熱式たばこの普及が進んだが、市場シェアが20%を越えたところでユーザー需要は一巡したとみられる。

ただ、プルーム・テックの全国販売の開始や、他社では直近のiQOSの新モデル投入などを経て、その動向から、需要の伸びは「足踏みしていたが、止まったわけではない」(岩井副社長)との認識にあるという。加えて、紙巻きたばこによる健康懸念の高まりや、オリンピックによる喫煙場所の規制といった外的要因もあり、「必ずシガレット(紙巻きたばこ)からRRPに移ってくる」(同)という見通しだ。

課題は、紙巻きたばことは異なり、デバイスを購入しなければならないというハードルの高さだ。一度購入した後、他社のデバイスへ移行しづらいという難題につながる。

他社の後追いとなった高温加熱式では、「差別化のポイントをしっかりと伝えていく」ことで買い替えを促進する。JTが主導する低温加熱式では、「若干下方修正したが、手応えも感じている」と岩井副社長は説明する。今後は製品の良さをアピールするために、喫煙者に直接説明をする営業スタイルを重視していく方針をとるそうだ。

JTは日本市場で紙巻き、加熱式のいずれでもシェアトップを目指す

JTは1社で複数の選択肢の製品を用意することで、消費者のニーズの受け皿を最大化しようと目論んでいる。この先にグローバルで展開する上で、ユーザーからどのような示唆が得られるのかを検証していき、海外での加熱式たばこの市場拡大にも乗り出していきたいと考えているようだ。

加熱式たばこは間もなく、国内市場シェアだけでなく、海外市場の争奪戦の行方も左右する正念場を迎える。

大手コンビニ3社、成人誌の販売中止を相次ぎ決定

大手コンビニ3社、成人誌の販売中止を相次ぎ決定

2019.01.22

セブン、ローソンに続きファミマも成人誌を販売中止

インバウンドの増加、オリンピックの開催も影響か

コンビニ最大手のセブン-イレブンと業界3位のローソンが成人向け雑誌の販売中止を発表したのに続き、業界2位のファミリーマートも同様の方針を打ち出した。大手3社の足並みがそろい、日本国内のほとんどのコンビニ店頭から成人誌が消える。

国内のセブン-イレブン店舗数は2万店を超え、ローソンとファミマが1万5,000店前後でこれに続く。それぞれ今年の8月末までに取り扱いを原則中止するという。これまで一部店舗で成人誌の販売を中止していた例はあったが、今回は各社全店舗で取り扱いを中止する。業界では昨年1月から、ミニストップが他社に先駆けて全店で取り扱いを中止していた。

もともと諸外国にくらべ、女性や子どもの目につきやすいコンビニ店頭などに成人誌が置かれている日本のゾーニングの現状は特殊であるとの批判があった。また、インバウンドで訪日外国人が増え、この論調に拍車がかかっていたほか、2020年の東京オリンピック・パラリンピックを控え、イメージ低下を防ぐ要請が強まっていたという背景がある。

コンビニでの成人誌の購買層は近年、高齢男性に偏るとともに売り上げの減少も顕著であったといい、ゾーニングの問題が取り扱い中止の大義名分になったという見方もある。ある出版関係者は、「一部では電子版などネット展開を強化している流れはあるが、今でもコンビニは重要な販路なので、相当な混乱があるだろう」と話す。どちらにせよ、日本の成人誌は岐路に立たされることになる。