自動車税制の抜本改正なるか! 消費増税決定でラストチャンス到来?

自動車税制の抜本改正なるか! 消費増税決定でラストチャンス到来?

2018.10.17

2019年度の税制改正大綱、消費増税決定で取りまとめも大詰め

高すぎる日本の自動車税制、抜本改正に向け今が正念場?

先行き不安な日本の自動車市場、維持には税制改正が不可欠

安倍晋三首相は10月15日の臨時閣議で、消費増税について「法律に定められた通り、2019年10月1日に現行の8%から10%へと引き上げる」と表明した。これにより、来年10月からの消費税引き上げが本決まりとなり、2019年度の与党税制改正大綱に関する議論も、いよいよ大詰めを迎える。

この消費増税では「軽減税率」が話題となっているが、これを機に、自動車税制についても「自動車関係諸税の軽減」、すなわち、自動車税制の抜本改正が必要なのではないだろうか。2018年12月末にもまとまる来年度の税制改正大綱に、果たして本件が盛り込まれるか。財務省、総務省に与党自民党の税制調査会が加わる綱引きもここからが本番だ。

自動車税の軽減は? 消費増税を前にヤマ場

そもそも日本の自動車税制では、取得、保有、走行の各段階で税金を負担する必要があり、ユーザーにとっては複雑かつ苛重な体系となっている。国際的に見ても、「日本の自動車税制は、世界一高いレベル」(日本自動車工業会会長を務める豊田章男トヨタ自動車社長)だ。これを簡素化し、軽減することを求めるのが自動車関係諸税の抜本改正(抜本見直し)ということである。

2018年9月の記者会見に日本自動車工業会(自工会)会長として臨んだ豊田章男氏は、「日本の自動車税は高すぎる」と繰り返した

自動車業界はユーザーの声を代弁し、長年にわたり自動車税制の抜本的な見直しを要請してきた。しかし、財務省と総務省は、国税・地方税の歳入・歳出バランスを理由に反対してきた。要するに、クルマは安定的な税収を確保できる対象なのだ。

自動車業界にとって、長年の懸案であった自動車関係諸税の抜本改正。来年10月の消費増税にともない、「自動車取得税」の廃止が決まった今、来年度の税制改正大綱に、より深く踏む込むことができるかどうかが問われている。まさに、ラストチャンスだ。税制改正大綱の取りまとめが本格化する11月がヤマ場となる。

「東京モーターフェス2018」(2018年10月6日~8日、東京・お台場の特設会場にて)でマツコ・デラックスさんとスペシャルトークショー(10月6日)を行った際にも、豊田社長は日本における自動車税の高さを問題視していた

9種類もの税金を払う日本の自動車ユーザー

日本の自動車ユーザーには、3段階で9種類もの税金が課せられている。まず、クルマを取得する(購入する)段階で自動車取得税(地方税)と消費税(国・地方税)を負担する必要があるが、これは二重課税であった。自動車取得税は、かねてから業界が廃止を要請してきたものだが、これまで黙認されてきた経緯があり、ようやく消費増税のタイミングでの廃止が決まった。

日本で自動車を買う人は、複雑で苛重な税体系に直面することになる(以後、スライドは全て自工会調べ)

保有段階では自動車重量税(国税)を支払う。これは旧・道路特定財源で目的税だったが、今では一般財源化され、課税根拠を失ったにも関わらず現存しているものだ。次に、排気量に応じて毎年課税される自動車税(地方税)と軽自動車税(地方税)がある。さらに利用段階では、燃料課税として揮発油税(国税)、石油ガス税(国税)、地方揮発油税(国税)、軽油引取税(地方税)、消費税(国・地方税)を負担する。

これらを合わせて自動車関係諸税という。2018年度の当初予算で見た場合、自動車ユーザーの税負担は年間8.4兆円に達する。つまり、国の租税総収入の約1割を負担していることになるのだ。

元はといえば目的税だった自動車重量税も、一般財源化した今は課税根拠を失っている

「クルマは税金を取りやすい」という非論理的根拠

日本で自動車税制が創設されたのは1940年のこと。当時は戦費調達が目的だったが、戦後は都道府県の一般財源とされた。その後、日本のモータリゼーションが進む中で、道路整備を目的とした道路特定財源として、1968年に自動車取得税、1971年に自動車重量税ができる。これらについて国は、「道路整備5カ年計画」の財源を確保するため、本則税率を上回る「暫定税率」として引き上げて恒常化し、2009年に道路特定財源制度が廃止となったにも関わらず、今でも継続しているのだ。

何しろ、「クルマは税金を取りやすい」という理由で、これだけ複雑で重い税制が続いてきたということである。過去には「物品税」という名で賦課されていたこともあった。物品税とは「奢侈税」、つまり、クルマは「ぜいたく品」という観点からの課税だ。

日本の保有段階における自動車税負担を、国際的に比較するとどうなるのか。自工会の豊田章男会長がいうように、世界で最も高いのだろうか。排気量1,800ccクラスで13年間使用した場合で比べると、車体課税は英国の約2.4倍、ドイツの約2.8倍、米国の約31倍となり、自動車先進国の中では確かに大幅に負担が大きい(自工会調べ)のが実情だ。

保有段階の税負担を比べると、日本が国際的に見て圧倒的に高いと自工会は主張する

日本経済に大きな影響を与える自動車税制の今後

国や地方自治体にとって、自動車諸税の税収は安定的に大きな額になる。多くの非論理性を抱えながらも、“取りやすい税”として、抜本改正に至らないまま続いてきたというのが実態といっていい。しかし今回、消費税10%への引き上げが来年10月に本決まりとなり、「二重課税」だった自動車取得税の廃止も決まった。この機に乗じて自動車諸税の見直しを一気に進めないと、またぞろ「クルマは取りやすい」の論理で続いていくことになりそうだ。

豊田章男氏は自工会会長として臨んだ2018年9月の会見で、「日本の自動車税制をまずは国際レベルとすること、それには軽自動車をベースとした税体系にすべきだ。自動車業界が大転換期を迎える中で、過度な税金をやめ、モビリティ(としてのクルマ)に接するために買いやすくしていくのが、経済全体の流れとなる」と強調した。確かに、日本の自動車需要は、今後の超高齢化社会、人口減に加え、若者の価値観多様化やカーシェアリングの台頭なども考慮すると、現状の年間500万台ラインから大幅に縮小することも予測できる。

一方で、米中貿易戦争に代表される保護貿易の強まる中、自動車産業にとって、自国生産を維持することは重要な命題となっている。そのためにも、自国市場の活性化は不可欠だ。また、地方においてクルマは、生活インフラとしての重要な役割を担う。

つまり、国内自動車市場を維持していくことは、日本にとって、単に自動車メーカーの業績を左右するだけの問題にとどまらず、雇用の維持や地方の生活を守るためなど、多面的な理由で重要なのだ。

そんな自動車市場の将来を考えるためにも、来年度の税制改正大綱論議がヤマ場を迎える11月に、自民税調を中心とし、自動車税制の抜本改正に踏み込めるかどうかには注目したい。宮沢洋一自民税調会長は以前、消費増税の経済への悪影響を抑えるため、自動車に対する減税の拡充を検討するとの考えを示してもいる。

自工会の豊田章男会長も9月の会見で、「とにかくユーザーの声を広く拡散していく。ぜひともユーザーが快適で、よりクルマを買い求めやすい税体系に」と力を込めていた。これまで、苛重で不合理な税負担を強いられてきた納税者(自動車ユーザー)が声を上げることで、ユーザーファーストの抜本改革に結びつくかが焦点だ。

日本のEC市場を変える? アマゾン「YouTuber」起用でライブコマース参入

日本のEC市場を変える? アマゾン「YouTuber」起用でライブコマース参入

2018.11.22

アマゾンが年末セール「サイバーマンデー」を実施すると発表

今年の目玉は特大おせちと“急がない便”?

「YouTuber」「試着サービス」で新規ユーザー獲得狙う

アマゾンジャパンは12月7日18時~11日午前1時59分まで、年末セール「サイバーマンデー」を開催すると発表した。これは毎年の恒例行事となっており、7月の「プライムデー」に匹敵する大規模なセールだ。

今年は新たに「試着サービスやライブコマース」に取り組むとのこと。さらなるEC事業の拡大に向け、特に新規ユーザーの掘り起こしを強化したいという狙いがあるようだ。

アマゾンが毎年恒例の年末セール「サイバーマンデー」を開催

今年の目玉は特大おせちと「急がない」便?

米国におけるサイバーマンデーとは、感謝祭(11月の第4木曜日)の次の月曜日から始まるオンラインのセールを意味する。日本ではあまり馴染みがないものの、感謝祭翌日の金曜日「ブラックフライデー」とともに、現地では1年で最大の商戦期として定着している。アマゾンジャパンは12月のセールにこの名称を使ってきた。

2018年のサイバーマンデーも数十万点の商品を用意しており、カスタマーレビューが4つ星以上の商品が豊富に用意される「特選タイムセール」を始め、「数量限定タイムセール」や、限定商品も複数用意する。

限定商品の例としては、「ル・クルーゼの鍋と料理教室」「レゴのロボットとプログラミング体験」のように、今年の時流もあってか商品と体験をセットにしたものが目立つ。また、お正月に向けた目玉商品として、約30人前で税込39万円の「林裕人監修 スーパー超特大おせち」をはじめ、大小さまざまなサイズのおせち販売にも力を入れる。

30人前で39万円の超特大おせち

大幅な値引きや限定商品でセールを盛り上げる一方、懸念されるのが配送だ。人手不足が社会問題化する中で、アマゾンのセールは年末年始の混雑に拍車をかける形になる。

これに対してアマゾンは今年、無料でお急ぎ便を利用できるプライム会員が、あえて「通常配送」を選んだ際、引き換えにAmazonポイントを還元するポイントバック施策の導入を決めた。「急がない」メリットを選択肢として加えることで、出荷を平準化する狙いだ。

プライム会員が「通常配送」を選ぶことで30ポイントをバックする

「YouTuber」「試着サービス」で新規ユーザー獲得へ

日本でも年々、セールの規模を拡大させているアマゾンだが、国内のEC市場は約16.5兆円規模で、物販分野のEC化率は約5.8%にとどまっている(経済産業省調べ、2017年)。中国では今年11月11日の「独身の日」に、アリババがたった1日で約3兆4000億円を売り上げたと話題となったが、日本市場はEC化率が低い分、まだまだ成長余地はあるとみられる。

そもそもネットで買い物をする習慣がないなど、アマゾンを使ったことがない人は意外と多い。新規ユーザーの取り込みが成長の鍵となってくるのだ。

そこで同社は、サイバーマンデーをきっかけに、アマゾンでの買い物に慣れ親しんでもらうことを狙う。コンビニやATM払いにも対応する決済の便利さや、不慣れな人向けに買い物の方法を説明するコンテンツを用意して強くアピールする方針だ。

また、ファッションに特化した新サービスとして、10月からは「プライム・ワードローブ」も始まっている。これは、好みの服やシューズを取り寄せて自宅で試着できるサービスで、一定の条件下で7日以内なら返品できることが特徴だ。返品せず、手元に残すことを決めた時点で初めて代金が請求される仕組みで、気軽に試着できる。

服やシューズを試着できる「プライム・ワードローブ」

ネット通販でありがちなのが、実際に試着しないと色合いや質感、サイズが分からないという問題だ。プライム・ワードローブなら、欲しいシューズがあれば3つのサイズを一度に取り寄せ、合わなかった2つを返送するといった使い方ができる。

海外を中心に盛り上がりを見せる「ライブコマース」にもアマゾンジャパンとして初めて取り組む。動画のライブ配信とECを組み合わせた販売手法で、動画クリエイターと組んでアマゾンの商品を紹介する。発表会場には「MasuoTV」(チャンネル登録者数約109万人)で知られるYouTuberのマスオさんが登壇し、動画撮影を実演した。

超特大おせちの紹介動画を撮影するYouTuberのマスオさん

動画はアマゾンの公式YouTubeやTwitterアカウントだけでなく、動画クリエイターのアカウントでも閲覧できるようにする。影響力のあるインフルエンサーに独自の視点や語り口で紹介してもらうことで、視聴者をアマゾンに呼び込むのが狙いだ。まずはサイバーマンデーのセール商品に対象を絞って展開するが、反響次第ではECのあり方を大きく変える可能性も秘めている。

実は20代に選ばれるクルマだった! 「シボレー カマロ」に新型登場

実は20代に選ばれるクルマだった! 「シボレー カマロ」に新型登場

2018.11.22

GMジャパンが第6世代「カマロ」の新型を発売

購入者を年代別に見ると驚きの事実が

「競合車」の概念が変わる? クルマ選びの実態とは

ゼネラルモーターズ・ジャパン(GMジャパン)が開催した新型「シボレー カマロ」の発表会で、驚きのデータが判明した。アメリカを象徴するマッスルカー「カマロ」を買っているのは、多くが20代の若者だというのだ。なぜ若者に「カマロ」が受けているのだろうか。

伝統のV8エンジンを積む「シボレー カマロ SS」。総排気量は6,153cc、最高出力は453馬力だ

6世代目「シボレー カマロ」がマイナーチェンジ

「シボレー カマロ」は1967年に発売となったアメリカンクーペで、現行モデルは6世代目だ。GMジャパンは2016年末に6代目カマロの予約受付を開始し、2017年に発売した。今回の新型モデルは、6世代目カマロがマイナーチェンジを受けたものだ。

オープンカーになる「シボレー カマロ コンバーチブル」。2リッターターボエンジンを積む。パワートレインは「LT RS」というグレードと一緒だ

6代目カマロには伝統のV8エンジンを積む「シボレー カマロ SS」のほか、直列4気筒ターボエンジンを搭載する軽量モデル「シボレー カマロ LT RS」とオープンカーになる「シボレー カマロ コンバーチブル」がある。今回のマイナーチェンジでは、全てのクルマがフロントとリアのデザインを刷新。「SS」は新開発のパドルシフト付き10速オートマチックトランスミッションを搭載した。価格は税込みで「SS」が680万4,000円、「コンバーチブル」が615万6,000円、「LT RS」が529万2,000円だ。

画像は新型の誕生を記念した限定モデル「シボレー カマロ LAUNCH EDITION」。「LT RS」は限定20台で税込み561万6,000円、「SS」は30台限定で同712万8,000円だ

購入者の7割超が新規、そのうち3割近くが20代!?

発表会でGMジャパンの若松格(わかまつ・ただし)社長は、6代目カマロの販売状況に関する興味深いデータを示した。このクルマを購入した人のうち、74%が新規顧客(GMのクルマを買うのは初めてという人)であり、その新規顧客の内訳を年齢別で見ると、割合としては20代が28%で最多だったというのだ。

6代目「シボレー カマロ」の顧客分布。74%が新規顧客で、そのうち28%が20代だったという

もちろん、カマロは年間数万台を販売するクルマではないし、この6代目も数百台というボリュームだとは思うのだが、「若者のクルマ離れ」といわれて久しい中で、こういう内訳となっているのは意外だった。アメリカ車を買う人といえば、「若い頃に映画などでアメリカ文化にしびれた」世代、年齢でいえば40~60代あたりが中心だろうと思っていたからだ。

6代目「カマロ」の購入者は初代「カマロ」(画像)に憧れた世代が多いのかと思ったら、そうでもないらしい

なぜ、6代目カマロは若者に受けたのか。若松社長によれば、このクルマの販売ではSNSなどを用いたデジタルマーケティングに注力したので、それが響いたのかもとのことだったが、この結果については、社長も喜びつつ驚いていた。

GMジャパンの広報からは、現代のクルマ選びに関する示唆に富む話も聞けた。カマロを実際に購入した人の多くは、必ずしもアメリカのクルマを対抗馬(競合車)として検討していなかったというのだ。日本車とカマロで悩む人もいれば、アメリカの文化が好きだということで、バイクのハーレーとカマロを比べる人すらいたという。フォードが日本から撤退したので事情が変わったのかもしれないが、「カマロ」と比べるなら「マスタング」(フォード)とか、何かマッスルなクルマだろうと思っていたのだが、その想像は間違っていた。

若者が何をきっかけに「カマロ」の購入を検討し始めたのかは気になるところ。6代目の発売時期から考えると、ロックスター・ゲームスの「グランド・セフト・オートV」をプレイして、マッスルカーが欲しくなったという人がいてもおかしくない

新しいクルマが登場すると、「このクルマの競合車は何だろう?」という視点で考えがちな自分にとって、カマロ購入者のクルマ選びに関する話は目からウロコだった。ひょっとすると、クルマについて既成概念や先入観を持たない若者がクルマを買う場合には、同クラスの似たような車種を比べて決めるのではなく、「これが欲しい!」という“指名買い”が多くなるのかもしれない。そんな風に感じた新型カマロの発表会だった。