モノから体験を提供する レクサスとバーミキュラが考えるブランディング(前編)

モノから体験を提供する レクサスとバーミキュラが考えるブランディング(前編)

2018.10.16

レクサスと鋳物ホーロー鍋のバーミキュラがコラボレーション

どちらも「高いけれど、ちょっと良いモノ」を提供する日本ブランド

町工場の苦境、技術の押しつけになっていないかと提言も

値は張るけれど、思い切って買ってしまおうか。

それが車にせよスマートフォンにせよ、はたまた身の回りの生活用品にせよ、自分の使えるお金の範囲から背伸びして、「ちょっと良いモノ」を買った経験はないだろうか。

自動車のレクサスと、鋳物ホーロー鍋のバーミキュラ。作っているモノは異なるが、いずれも先述の「ちょっと良いモノ」、高価格・高付加価値の製品を提供している日本発のブランドだ。

そんな両ブランドのコラボレーションイベントが、レクサスのブランド体験型施設「LEXUS MEETS...」で開催された。今回は、バーミキュラを製造する愛知ドビーの土方邦裕代表取締役社長と土方智晴代表取締役副社長、そしてレクサスのブランディングを統括するLexus Internationalゼネラルマネージャーの沖野和雄氏にインタビューを実施。オープンから約半年が経過した「LEXUS MEETS...」の反響や、「競合ブランド」に対する考え方、日本のものづくりの行き詰まりに感じることなどを聞いた。

左から、Lexus Internationalゼネラルマネージャーの沖野氏和雄氏、愛知ドビー 土方邦裕代表取締役社長、土方智晴代表取締役副社長

レクサスを「気軽に」体験

――2018年3月に「LEXUS MEETS...」がオープンして7カ月が経ちました。このタイミングで、レクサスとバーミキュラがコラボレーションしたきっかけは何だったのでしょうか?

沖野氏:
この施設を作る際、レクサスのものづくりやブランディングについて、トークショーなどでお伝えすることを想定していました。その最初のお相手としては、やっぱりバーミキュラさんが一番いいなと考えまして、お声がけしました。

土方社長・土方副社長:
ありがとうございます。

レクサスとバーミキュラのコラボ(10/16まで)では、今回のインタビューに登場いただいた3名のトークショーが行われたほか、バーミキュラで作った無水カレーを「LEXUS MEETS...」内のカフェ「THE SPINDLE」で提供。「バーミキュラ ライスポット」など製品の販売も行われた

――コラボレーションの前後で、「LEXUS MEETS...」の来客数などに変化はありましたか?

沖野氏:
元々来店者数の多い施設なので、コラボレーション前後で大幅な変化はありませんでした。また、男女の傾向として、元々「LEXUS MEETS...」は女性の方のご来店が多いんですね。

そういった意味では、来る人というよりは、滞在時間に変化が出てきたのかもしれません。量ではなくて質が変わっているのではないでしょうか。

――自動車の販売店といえば来店客は男性が多く、年代も40~50代がメイン。そんな中で「LEXUS MEETS...」の来店者は女性が多数派なのですね。

沖野氏:
ミッドタウン日比谷という場所が良かった、というのはおおいにありますね。

「LEXUS MEETS...」は、ミッドタウン日比谷地上入り口すぐに位置している(画像提供:Lexus International)

――「LEXUS MEETS...」ではレクサスの試乗体験も提供されています。1日あたりの試乗回数は?

沖野氏:
1日24回を上限としているのですが、平均すると1日あたり16回前後、試乗していただいていて、これまでに3000件弱の試乗を行っていただきました。

土方副社長:
試乗した人はどんな感想を持たれるのでしょう?

沖野氏:
車に対する印象自体はおそらく変わりないと思いますが、「レクサスの敷居をまたぐことができて嬉しい」というようなお声をいただくことがあります。

やはり、販売店に行って試乗するというのは、なかなか勇気のいる行為だと思います。「LEXUS MEETS...」では試乗はWeb予約を受け付けていて、お客様がご希望されないかぎりスタッフが横には乗りませんから、もっと気軽に乗っていただけます。

そうしたこともあってか、試乗をご利用された方のうち、20~30代のお客様が7割を占めています。(施設の開設にあたり)まず気軽にレクサスを体験していただきたいという思いがあり、そういう意味では成功していると思います。

「ライフスタイルを良くするモノ」すべてがライバル

――バーミキュラもレクサスも、競合といえる主要ブランドが海外メーカーであると思います。そうした競合に対し、自社ブランドがもつ強みはどこだと考えますか?

沖野氏:
確かにそうですね。

土方社長:
そう言えるかもしれません。でも、僕がいつも考えているのは、同業製品だけではないんです。

例えば、ライスポットは7~8万円、バーミキュラの鍋(オーブンポットラウンド)は3万円ほどするのですが、今度アウトドアに行くとして、バーベキューグリルを買うのか、バーミキュラを買うのか。さらに言えば、iPhoneを買うのか、バーミキュラを買うのかというように、買う物を選ばれる方も多いと思います。

同じカテゴリに限らず、「ライフスタイルを良くするモノ」というところが全部ライバルになっていて、その中から選んで(バーミキュラを)買っていただいているのではないでしょうか。

「LEXUS MEETS...」で展示販売されたバーミキュラ製品

沖野氏:
レクサスも一緒で、ハワイ旅行に行くのか、レクサスを買うのかということになりますよね。どのチョイスをしたら人生が豊かになるのかというところで勝たないと、クルマを買っていただけないと思っています。

――製品カテゴリではなく、ライフスタイル全般で選ばれるような製品を作られているということですね。

土方社長:
そうしないと、市場の中でのパイの取り合いになってしまって、それってあまり面白くないと思うんですよね。やっぱり、いかに良い時間、良い体験を提供できるのかというところで、全部のなかで勝負をしていければなと。

沖野氏:
そういう意味でも女性の方からの支持は大切です。ハワイ旅行よりレクサスの方が確かに良いと思っていただけないと、もう1年(買い換えずに)今のクルマに乗り続ければいいでしょう、と言われてしまいますから。

技術を良い体験に変えること

――話は変わりますが、日本には類稀なる技術をもつ町工場がたくさんある一方、経営やマーケティングに苦しんでいる状況もあります。そんな中、愛知ドビーがバーミキュラのブランド力を高めることができた理由は?

土方副社長:
僕たち愛知ドビーは、バーミキュラを始める前、ものすごく業績が悪かったんですね。なので、失うものがなかったですし、世界に向けて最高のモノを作るんだという目標だけを見て、失敗を恐れずにやれたというところはあります。

――もし既存事業が売り上げを保っていたら、冒険することは難しかったかもしれない、ということですか?

土方副社長:
そうかもしれないですね。上手くいっていた会社だったら、新しいモノをやるという発想が生まれなかったかもしれないですし、僕も(愛知ドビーに)入っていなかったかもしれないです。

※副社長は社長からの要請で愛知ドビーの経営に参画。前職はトヨタ自動車で原価企画などに携わっていた。

(不況を受けて)昔ながらの町工場や、小さい頃に遊んでもらった職人さんたちは、これからどうなるんだろうという気持ちが強くあり、その誇りを何とか取り戻せるようなものを作りたいという信念があったので、つらいことは何度もありましたが乗り越えて、やって来られたのかなと思います。

土方社長:
もうひとつ、町工場に技術を持っているところは確かにたくさんあるのですが、その技術をお客様の価値に押しつけるような商品は、ダメだと思うんですよ。僕たちは「最終的にお客様に喜んでいただくために、うちの技術をどう使うか」という発想で開発を進めてきたので、それがよかったのかなと。そこが大きく違うんですよ。

――なるほど、卓越した技術があるのにどうして買ってくれないのか、という思考になってしまう…。

土方社長:
いえ、そうではなくて、「こんないい技術があるよ」という提案だけで終わっちゃうんです。でも、それがお客様にとっての価値を生まなかったり、良いライフスタイルを与えられなかったりするものが多くて。やはり、必要とされなくてはいけないですから。

土方副社長:
また、もともと本業があって、本業を捨てて新しいことをやろうという会社はなかなか無くて、自社ブランドを立ち上げようとするところが多いと思うんですね。

そうなるとやっぱり本業に生かすためにその特徴がわかりやすい製品を作って、これが話題になればこっち(本業)の仕事がもらえるよね、というのが透けて見えるような製品が多いのかもしれないです。これでやって行くんだ、というところがない企業が多いのかもしれないですね。

沖野氏:
そこを思い切ったのはすごいですよね。

土方社長:
でも、そうしないとモノって売れないし、やっぱり最終的にはお客様が選ぶわけですから、どういうものがあったら喜ばれるかというスタンスからソフトの面、最終的に使ってもらって楽しんでもらう、エクスペリエンスの提供。それに尽きますよね。

 

後編では、高付加価値の体験を提供するブランドとしての矜恃や、お互いの共通点について聞いていく。

新AQUOSは“片手ポケット族”狙う iPhone不在の「小型スマホ」市場に勝機

新AQUOSは“片手ポケット族”狙う iPhone不在の「小型スマホ」市場に勝機

2018.11.16

シャープが新スマホ「AQUOS R2 compact」を発表

大画面化の波に逆らい、「片手ポケット族」が増加傾向に

iPhone不在の「小型スマホ」市場を狙う

11月15日、シャープがAndroidスマートフォンの新製品「AQUOS R2 compact」を発表した。名前に「compact」と付いている通り、最近のスマホ市場では選択肢が減っている小型モデルであることが特徴だ。

小型スマホの需要を取り込む「AQUOS R2 compact」

コンパクトな見た目とは裏腹に、中身にはハイエンドである「AQUOS R」シリーズのスペックを詰め込んでいる。世界的にスマホの大画面化がトレンドとなっている中で、あえて時代に逆行するシャープの狙いはどこにあるのだろうか。

スマホを片手で持ち、ポケットに入れて使う人が増加

世界のスマホ市場では、6.5インチの「iPhone XS Max」に代表される大画面モデルが人気を博している。だが、日本では通勤電車などの利用シーンにおいて、片手で使う人が多いといわれている。シャープによれば、スマホを片手で持つ人は64% 、服のポケットに入れて持ち運ぶ人は49% に達しており、その割合は上昇傾向にあるという。

片手で持ち、ポケットに入れて持ち歩く「片手ポケット族」が多いという

その背景として、シャープはスマホの「インフラ化」を指摘する。SNSやコンテンツを楽しむだけでなく、サービスの利用やモバイル決済にスマホは欠かせない存在になっており、日常生活でスマホを取り出す場面が増えている。

AQUOS R2 compactは、日本人の手のサイズを念頭に置いた「横幅64mm」のボディに、できるだけ高性能な部品を詰め込んだハイエンドコンパクト機になっている。プロセッサは最新のSnapdragon 845、メモリは4GBを搭載しているが、これは大画面モデルのAQUOS R2と同等だ。

ポケットに入れやすいサイズに高性能を詰め込んだ

スマホ本体を小型化する一方、画面は前モデルの「AQUOS R compact」より大型化した。このためにシャープは画面の上下に切り欠き(ノッチ)を持つIGZOディスプレイを開発。インカメラと指紋センサを搭載しつつ、表示領域を上下に広げてきた。

前モデル(左)と比べて新モデル(右)は表示領域が広がった

「iPhone不在」の小型スマホ市場を直撃

シャープによれば、小型スマホを求める人は全体の3割程度という。スマホ市場では残りの7割に向けた大画面モデルが幅を利かせており、最新のiPhoneでは6.5インチのXS Maxに加え、一般向けモデルの「iPhone XR」も6.1インチとなっている。

一方、小型モデルとして根強い人気のあった「iPhone SE」は、後継モデルが出ないまま販売が終了。中古市場では価格が上昇する騒ぎもあった。

日本で最大シェアを誇るiPhoneだが、小型スマホ市場では存在感が薄れつつある。ソニーモバイルはXperiaシリーズのコンパクト機を投入しているが、2018年夏モデルの「Xperia XZ2 Compact」と比較して、シャープ機は画面の大きさ、薄さ、軽さの面で圧倒している。

中国メーカーとして日本でも勢いを伸ばすファーウェイ、OPPOも世界市場において大画面化競争を繰り広げており、小型モデルに積極的な動きは見せていない。この点もシャープにとって有利に働いている状況だ。

また、AQUOS R2 compactは顔認証と指紋認証の両方に対応しているのも特徴。これは、iPhoneにもXperiaにもない機能だ。スマホをポケットから取り出し、顔の前に持ち上げるだけでロックを解除できる顔認証だが、卓上に置いている場合は使いにくい。だが指紋センサがあれば、指を置くだけで済む。

顔認証に加えて指紋認証にも対応

スマホの端末メーカーの多くはグローバル市場に目を向け、大画面化のトレンドを追いがちだ。だが、シャープは国内の需要をしっかりとらえた上で、日本のユーザーに刺さる製品作りを続けている。

依然としてiPhone人気が続いている中で、限られた市場であっても「不在」のチャンスをタイムリーに活かし、ユーザーを奪還する。国内に目配りできるシャープならではの戦い方に注目したい。

大画面化するスマートフォン 使いやすさの試行錯誤は縦長から折り畳みへ

知って納得、ケータイ業界の"なぜ" 第23回

大画面化するスマートフォン 使いやすさの試行錯誤は縦長から折り畳みへ

2018.11.16

海外メーカーの台頭で日本にも大画面化の波が到来

大画面化と使いやすさの両立、各社の工夫の歴史

縦長スマホにとって代わるのは「折り畳み」スマホか

スマートフォンのディスプレイは年々大型化が進んでおり、かつては「大きすぎる」と言われた5インチディスプレイが、今や小さい部類に入ってしまうほどだ。一方で使いやすさを維持しながらディスプレイの大画面化を実現するため、メーカー各社はさまざまな工夫を重ねている。スマートフォンのディスプレイサイズはなぜ大きくなり、今後はどのように変化していくのだろうか。

海外メーカーの台頭で日本でも大画面化に拍車

スマートフォンにとってディスプレイは、単に情報を表示するだけでなく、タッチして操作するインタフェースも兼ねている非常に重要な存在だ。そのスマートフォンのディスプレイが、ここ10年ほどで最も大きく変化した要素が「サイズ」である。

どれくらい大きくなったのかというのは、新旧のスマートフォンのディスプレイサイズを比べてみれば一目瞭然だ。日本で最初に発売されたiPhoneである「iPhone 3G」のディスプレイサイズは3.5インチだった。一方、「iPhone X」や「iPhone XS」、「iPhone XR」といった最近のiPhoneのディスプレイサイズは6インチ級があたりまえ。1.7倍に以上に拡大しているのだ。

今やスマートフォンのディスプレイサイズは5インチ以上が一般的で、6インチも珍しくなくなった。画像の「iPhone X」のディスプレイサイズは5.85インチだ

さらに「iPhone XS Max」は6.5インチもあるし、他の大手メーカーでもサムスン電子の「Galaxy S9+」やファーウェイの「HUAWEI P20 Pro」のように、6インチを超えるディスプレイを採用した機種は増えている。なぜ、これほどまでにディスプレイサイズが大きくなったのかというと、それは大画面が欲しいというユーザーが多いため。スマートフォンの性能向上によって動画やコミック、ゲームなどのコンテンツを楽しむ人が増えていることから、ユーザーのニーズに応えるかたちで、大画面が求められるようになったといえよう。

だが日本国内の事情に目を向けてみると、公共交通機関での通勤・通学が多いのに加え、片手で文字入力ができる「フリック入力」が広く普及したこともあり、片手でスマートフォンを操作する傾向が強く、実は大画面に対するニーズはそこまで大きい訳ではない。実際日本では、4インチディスプレイの「iPhone SE」が人気を保っていたし、シャープの「AQUOS R Compact」やソニーモバイルコミュニケーションズの「Xperia XZ2 Compact」などのように、4インチ台のディスプレイを採用したコンパクトなスマートフォンも投入されている。

2018年の夏モデルとして販売されている「Xperia XZ2 Compact」は4.9インチと、最近では珍しくなった4インチ台のディスプレイを採用したコンパクトモデルだ

にもかかわらず、日本でも大画面のスマートフォンが増えているのはなぜか。まずは国内のスマートフォンメーカーが減少したことで、市場に海外メーカー製のスマートフォンが増えているためだ。海外では移動手段の違いに加え、文字入力システムの違いからスマートフォンを両手で持って操作する機会も多く、片手操作に対するこだわりが弱いのだ。

新興国などでも、ディスプレイサイズが大きいほど人気が出る傾向が目立ち、大画面に対するニーズが強いのである。海外製スマートフォンが日本市場に入り込みやすくなったことが、日本国内においてもスマートフォンの大画面化を進めたといえる。

縦長スマホの元祖はアップルだった?

とはいえ、スマートフォンが大画面化するに従って、本体の横幅がひろがり、さすがに海外のユーザーからも「持ちづらい」という声が増えてきたようだ。そこで近年急速に増えているのが、従来の16:9比率ではなく、18:9や19:9といった縦長比率のディスプレイの採用である。

持ちづらさに影響する横幅をこれ以上広げることなく、ディスプレイを縦に伸ばすことで大画面化しようとしたのだ。この流れをけん引したのは韓国メーカーで、2017年にはLGエレクトロニクスが「LG G6」(日本未発売)、サムスン電子が「Galaxy S8/S8+」といったように、縦長比率のディスプレイを採用した機種を積極的に投入した。

2017年発売の「Galaxy S8」「Galaxy S8+」は、18.9:9と縦長比率の有機ELディスプレイ「インフィニティディスプレイ」を採用したことで大きな話題となった

この韓国の両メーカーとも、グループ内にディスプレイデバイスを開発する企業を持っている。それゆえ縦長比率のディスプレイが生み出されたのには、実は大画面化だけが目的ではない。自社のスマートフォンに新しいディスプレイをいち早く搭載し、トレンドを作り上げることで、グループ企業のディスプレイデバイス販売拡大につなげる狙いもあったといえる。

だが、縦長ディスプレイで大画面化するというアイデアを真っ先に実践したのは、実はアップルである。アップルはかつてディスプレイの大画面化に消極的で、2011年発売の「iPhone 4s」までは3.5インチのサイズにこだわっていた。だが大画面化を求めるユーザーの声を受け、2012年発売の「iPhone 5」でディスプレイサイズを4インチに拡大した際に、ディスプレイの横幅はそのままに、縦に長くするという手法をとったのである。ある意味、アップルは5年前に現在のトレンドを先取りしていた、といえるかもしれない。

スマートフォンのディスプレイを縦に伸ばして大画面化するというアイデアをいち早く実践したのは、アップルの「iPhone 5」だった

しかしながら、ディスプレイを縦に伸ばして画面サイズを大きくする工夫にも、いずれ物理的な限界が来ることは目に見えている。そこで、さらなる大画面化の追求で、いま注目されているのが折り畳み式ディスプレイだ。このアイデア自体は、NTTドコモが2013年の「MEDIAS W」(NECカシオ モバイルコミュニケーションズ製)、2018年の「M」(ZTE製)で既に実現しているものだが、いずれも2枚のディスプレイを用いていたため、どうしても画面の折り目に継ぎ目が発生してしまう弱みを抱えている。

折り畳みスマートフォンとして注目されたNTTドコモの「M」は、2枚のディスプレイを用いるスタイルであるため折り畳み部分に継ぎ目が発生してしまう

だが有機ELを用いれば、ディスプレイを折り曲げられる“真の”折り畳みスマートフォンが開発できると言われており、大手スマートフォンメーカーがその開発を進めているとの観測報道も幾度となくなされている。

これは折り畳みできるという意味の「フォルダブル」スマホなどと呼ばれ、先ごろはサムスン電子が、来年発表するというフォルダブルスマホ「Galaxy F」のプロトタイプを開発者向けに見せはじめたりしている。2019年は各社から製品が登場するのではないか? との声もあるようだが、いま確実に言えることは、真の折り畳みスマートフォンがいつ、どのメーカーが、どのような形で投入するのかが、大いに注目されているということだけである。