マツダが「CX-5」を改良! ガソリンターボエンジン導入で選択肢が豊富に

マツダが「CX-5」を改良! ガソリンターボエンジン導入で選択肢が豊富に

2018.10.11

マツダがSUV「CX-5」を商品改良

内容はガソリンターボエンジンの導入や最上級グレードの設定など

ターボエンジンを選ぶと得られるものは

マツダは2017年2月に発売したSUV「CX-5」(2代目)に2度目の商品改良を施した。改良版は今日から予約受注を開始し、11月22日に発売する。

新しい技術を生み出したら、最上級の車種からではなく、展開できるクルマから素早く展開していくのがマツダの流儀。頻繁な商品改良は、同社にとって珍しいことではない。とはいえ、2代目CX-5は発売から約1年半で2度目の改良を受けることになる。2018年3月の改良はこちらの記事でお伝えした通りの内容だったのだが、今回は何が変わったのだろうか。

マツダが2代目「CX-5」を改良。その内容に関する事前説明会があったので、参加してきた

目玉は2.5Lガソリンターボエンジン

CX-5の開発で主査を務めるマツダ商品本部の松岡英樹氏によると、今回の改良はディーゼルエンジン車に「待望の」(松岡主査の言葉)マニュアルトランスミッション(MT)を設定したり、車両運動制御技術を進化させたりといった内容だが、目玉となるのは「2.5Lガソリンターボエンジン」の導入だという。

2.5L直列4気筒直噴ガソリンターボエンジン「SKYACTIV-G 2.5T」(画像提供:マツダ)

そもそもマツダといえば、クリーンディーゼルエンジン車のイメージが強い会社だ。CX-5も、初代を発売した2012年には、ディーゼルエンジン車を選ぶ顧客の比率が80%を超えていた。ところが最近は、ガソリンエンジン車の販売比率が40%を超えるレベルまで増えている。

そんな状況を受けマツダは、ガソリンエンジン車の魅力を向上させ、顧客への選択肢を豊富なものにするために、新たなエンジンの導入を決めた。ターボの有無で性能はどう変わるのか。同じ2.5Lガソリンエンジンで比べてみると、最高出力はターボなしが188馬力(6,000rpm=1分あたり6,000回転)、ターボありが230馬力(4,250rpm)で、最大トルクは前者が250Nm(4,000rpm)であるのに対し、後者は420Nm(2,000rpm)だ。

今回の商品改良でマツダは、「CX-5」に最上級グレード「Exclusive Mode」(エクスクルーシブ・モード)を新たに設定。「ナッパレザー」という皮で張ったシートや本杢パネル、縁取りのない「フレームレスインナーミラー」などを採用し、前席には座った時に座面に込もる熱気を吸いだしてくれる「シートベンチレーション機能」を搭載するなど、高級感を高めた。このグレードの価格(税込み)は、2.5Lガソリンターボエンジンの4WDが387万7,200円から、2.2Lクリーンディーゼルエンジンの4WDが388万2,600円からだ(画像は「Exclusive Mode」の内装、提供:マツダ)

クローズドコースで実際に乗り比べてみると、ターボつきは走り出すときに力強さを実感できたし、時速100キロあたりでさらに加速してみても、その走りからは何か余裕のようなものを感じた。楽しく快適に走りたいのであれば、ターボつきを選ぶのが正解なのかもしれない。

ただし、ターボなしの方が燃費は良い。値段で比べてみても、同じ2.5Lガソリンエンジン、4WDの設定とし、「L Package」というグレードを選んだ場合であれば、ターボありは355万3,200円からだが、ターボなしは324万5,400円からと30万円程度は差がつく。例えば近くのスーパーに買い物に行くような、近距離でストップアンドゴーを繰り返しながら乗るのがメインの使い方なのであれば、そこまでターボにこだわる必要はないかもしれない。いずれにせよ、新エンジンの登場でCX-5の選択肢が充実したことは確かだ。

マツダのパワートレイン開発本部 エンジン設計部 第1エンジン設計グループでマネージャーを務める室谷満幸氏に話を聞くと、エンジニアにとって、作ったエンジンは「全部、自分の子供のようなもの」だそう。できれば全てのクルマに全てのエンジンを積んでもらいたいというのが本音だというが、どのクルマにどのエンジンを積むかについては、商品戦略との兼ね合いもあるのだろう。今回、海外ではすでに展開していた2.5Lガソリンターボエンジンが日本に導入となった感想を聞くと、「(自分で作ったエンジンを積むクルマが)自分で買えるようになって嬉しい(笑)」との回答だった

実は、今回の商品改良で注目したいのは、個人的には新しい車両制御技術「G-ベクタリング コントロール プラス」(GVC Plus)だったりするのだが、この技術についてはマツダのエンジニアに詳しく聞いてきたので、別の記事でお伝えしたい。

フィリップ モリスが新型アイコス発表、連続吸い対応でライバルに攻勢

フィリップ モリスが新型アイコス発表、連続吸い対応でライバルに攻勢

2018.10.23

フィリップ モリスが加熱式たばこの新型「IQOS 3」2機種を発表

ライバルひしめく日本市場で世界初公開、ユーザーの声を活かし改良

本体を小型軽量化し充電時間も短縮、待望の連続吸いにも対応

フィリップ モリス ジャパンは、加熱式たばこ「アイコス」の新型モデルとして、「IQOS 3」と「IQOS 3 MULTI」の2機種を11月15日に発売すると発表した。従来型では1本吸う毎に充電を必要としていたが、新型では連続吸いに対応し、本体も小型軽量化した。商品力を強化した新型を、競争の激しい日本市場へ先行投入することで、シェア獲得を狙う。

新型は正統進化の「IQOS 3」と、一体型の「IQOS 3 MULTI」

新型は2機種で、現行の「IQOS 2.4 Plus」を置き換える「IQOS 3」(価格は10,980円)と、新たにオールイン型へ本体形状を変更し連続吸いに対応した「IQOS 3 MULTI」(価格は8,980円)。ともに11月15日から、全国のIQOSストアおよびIQOSオンラインストアで発売する。

「IQOS 3」は従来のIQOSを踏襲する機種で、たばこを吸うためのIQOSホルダーを、充電バッテリーのIQOSポケットチャージャーに収めて充電し、1本吸う毎に充電が必要。IQOS 2.4 Plusと比較して充電時間を40秒短縮したほか、本体を軽量化し、壊れにくいよう設計と素材も見直した。

「IQOS 3」は従来のIQOSの使い勝手を踏襲した改良版。チャージャーの蓋は横開きになった

「IQOS 3 MULTI」は、IQOSホルダーに充電バッテリーを内蔵したオールインワン型。こちらは1回の充電で加熱式たばこ10本分の連続吸いに対応する。本体はポケットに入るスリムなスティック形状で、重量も約50グラムと軽い。

「IQOS 3 MULTI」はデザイン一新のオールイン型。こちらは連続吸いもできる

シェア争いはさらに激しく、喫煙そのものへの風当たりも課題

日本の加熱たばこ市場においてフィリップモリスは、アイコスを他社に先駆けて全国販売したことで多くのユーザーを獲得していた。同社によれば日本のアイコス利用者は500万人を越えており、国内たばこ市場全体におけるシェアは2018年上半期で15.6%(出荷ベース)だったという。

日本市場では、JT(日本たばこ産業)の「プルームテック」や、ブリティッシュ・アメリカン・タバコの「グロー」など、ライバル大手も相次いで製品を投入していることから、競争が年々激しくなっている。機能面では特に、1本吸う毎に充電が必要であったアイコスに対し、後発のライバルは連続吸いに対応していたことから、ユーザーの乗り換えも発生していたとみられる。

今後は、加熱式たばこの市場は拡大傾向にあるとはいえ、現在でも紙巻たばこに残り続けるユーザーに対する効果的な訴求や、喫煙そのものへの忌避感が高まる中で、その要因となっている健康面の懸念を払しょくできるかが、各社とも課題になってくるだろう。

ポストビッグデータ時代におけるプラットフォーマーの条件

阿久津良和のITビジネス超前線 第6回

ポストビッグデータ時代におけるプラットフォーマーの条件

2018.10.23

ポストビッグデータ時代に注目したい米Teradata社

Teradataの戦略やソリューションを紹介するイベントを取材

Teradata(テラデータ)という企業をご存じだろうか。1979年に米国で創業し、現在ではクラウドベースのデータおよびアナリティクス(分析)に特化したエンタープライズ企業である。

日本法人は日本テラデータとして活躍しているが、日本マイクロソフトなどグローバルIT企業と比較すると、日本での知名度はさほど高くはない。だが、Teradataが持つ潜在能力は実に高く、ポストビッグデータの時代を迎えた現在こそ注目すべき企業の1つに数えるべきだ。

今回は、米国日時の2018年10月14~18日にラスベガスで開催された「Teradata Analytics Universe 2018」を中心に、同社の戦略やソリューションをご報告したい。

データウェアハウスからデータインテリジェンスへ

イベント初日の基調講演では、50カ国3,000人以上が集まった会場の聴講者に対して、Teradataのビジョンが語られた。現在同社は1,200万ユーザーを抱えつつ、11兆のクエリを通じて840EB(エクサバイト)のデータが使われる状況下にある。そのようななか、講演ではTeradata COO, Oliver Ratzesberger氏が「パーベイシブデータインテリジェンスの新時代を切り開いていく」と述べた。

Teradata COO, Oliver Ratzesberger氏

抄訳すれば『意思決定者のために加工・分析したデータの普及』。これが新たなTeradataを象徴するキーワードだ。同社は従来のDWH(データウェアハウス)企業から、ユビキタスなデータインテリジェンスを届ける企業に生まれ変わるという。イベント開催直前に発表した新たなコーポレートロゴにも同様のメッセージが込められており、その意思は登壇時の発言「アナリティクスを買うのはやめよう」(Ratzesberger氏)にも通じる。

新たなTeradataロゴ

Ratzesberger氏の発言は過去の自社を含めた旧態依然としたアナリティクスツールを否定するものだった。その理由は、パーベイシブデータインテリジェンスを実現するソリューション「Teradata Vantage(以下、Vantage)」の存在が核にあるからだ。Vantageの導入事例として、オーストラリアのQantas Airways Limited(カンタス航空)が成し得た燃料消費率1.5%の改善や、米通信キャリアのVerizon Communications(ベライゾンコミュニケーションズ)の月間解約率を1.2%で抑制したことを紹介。また、米国の非営利民間医療保険の最大手であるKaiser Permanente(カイザーパーマネンテ)は、Vantageを活用することで、年間に亡くなる12万5,000人の10%を救い、3,000億ドルの経費削減に成功したという。

Teradata President and CEO, Victor Lund氏は「現在のビジネスで求められるのは、保有するデータを容易に取り出して活用できる仕組み」だと述べる。多くの企業は蓄積したデータを古いシステムで管理し、データアナリストはデータコネクターを通じて分析前の処理を行うだろう。TeradataはVantageについて、「常にすべてのデータを管理するため、分析プロセスや展開先、分析による洞察を容易に得られる」と説明する。

Teradata President and CEO, Victor Lund氏

Teradata Vantageで何ができるのか

TeradataはVantageのメリットとして「好みの言語やツールが使用できる」「分析関数とエンジンを単一化」「複数のデータセットをサポート」の3要素を得られると語る。「皆さんに適切なツールを使って頂きたい。Vantageは『適切なツールを適切な仕事に使う』という概念が背景にあり、データの形状や分析内容に応じて言語やエンジン、4D Analyticsなどを用いて、広範なビジネス課題を解決できる」(Teradata SVP of Marketing, Chris Twogood氏)という。具体的なSQLやPython、Rなどの開発言語、各種BIツールに加えて、SASやJupyter、RStudioといったプラットフォームで、JSONやBSON、AVRO、CSV、XMLといったデータを扱える。

Teradata SVP of Marketing, Chris Twogood氏

また、すべてのデータをいつでも活用できるのがVantageが備える特徴の1つ。データをスピンアップし、必要な場面でダイナミックに分析できる場面が増えているが、従来のデータを読み込んで変換する過程はトラブルを引き起こす要因に数えられる。この課題に対してVantageはデータを1つのクエリで取得し、そのまま分析を実行するNative Object Storeの実現を2019年リリース予定の次期Vantageで容易にするという。データサイエンティストやビジネスアナリストはAmazon S3やAzure Blob上のデータをシームレスに処理できる。

Native Object Storeのイメージ図
Teradata President of Teradata Labs, Oliver Ratzesberger氏(左)とMicrosoft General Manager of Azure Media and Entertainment, Azure Storage and Azure Stack, Tad Brockway氏(右)による対談も行い、良好な関係性をアピールした

データ分析の前のデータ準備に課題、全自動化で解決へ

イベントではほかにも著名な登壇者により、企業のデジタル化に向けた施策など多くの話題が語られたが、最後はTeradata VP of Technology and Innovation, Jacek Becla氏の発言に注目したい。同士は長年スタンフォード大学に在籍していたが、Teradataに席を移した理由の1つとして、「顧客視点でエンタープライズの仕事に携わっている。技術や分析エンジンに取り組み、具体的なソリューションを実現できる」と述べた。

Teradata VP of Technology and Innovation, Jacek Becla氏

Becla氏は主に研究的視点から技術に携わっているが、「データラングリング(飼育)とスキーマ設計に7割の時間が費やされる」と、分析に至るまでのデータ準備に多様な課題があると指摘した。その上で「速さや最適性といった議論ではなく、すべてを自動化する」(Becla氏)のがVantageの意義であると語る。前述したTwogood氏が述べたようにNative Object Storeの実装は来年以降だが、「単なるビジョンではなく、研究所には試作機もある。1つのクエリにデータを割り当て、PB(ペタバイト)級のクエリを実行できる」(Becla氏)と多様な分析に集中できることを強調した。合わせて機械学習に用いるGPUのマルチスケジューリングについて、解決策を検討しているとして、現在取り組んでいる研究成果もいくつか披露した。

今後の機能については実装後に機会があれば紹介したいが、強いて昨今のバズワードを用いれば、現在は「ポストビッグデータ時代」に突入している。大量のデータを処理するビッグデータプラットフォームは普遍化し、利用する企業側はもちろん分析ソリューションの提供側でも、データの集積方法や更新の容易性、アクセスの最適化が課題として挙げられてきた。これらの諸条件を解決するには我々の意識変革も伴うが、基盤となるデータ・分析プラットフォームの躍進は、課題解決の大きな近道となり得るだろう。

阿久津良和(Cactus)