電気自動車は“和風”なクルマ? 日産に聞くEVデザインの未来

森口将之のカーデザイン解体新書 第5回

電気自動車は“和風”なクルマ? 日産に聞くEVデザインの未来

2018.10.17

電動化時代の自動車デザインを日産のデザイナーに聞く

クルマを何にたとうべき? 動物的だった自動車の今後

日本人の感性とEV、相性はいかに

世界中の自動車ブランドがEV(電気自動車)の開発に注力している。しかし、その多くはエンジン車をリファインし、サブブランドを与えることで済ませているのが現状だ。これが真のEVデザインなのだろうか。この分野のリーディングカンパニーである日産自動車で、これまでに多くのEVを手掛けてきたエグゼクティブ・デザイン・ダイレクターに話を聞いた。

日産のグローバルデザイン本部でエグゼクティブ・デザイン・ダイレクターを務める田井悟(たい・さとる)氏

EVならではのデザインとは?

田井氏の入社は1982年。当然ながら、しばらくはエンジン車に関わっていたのだが、最近はEVに携わることが多いそうで、市販車「リーフ」のほか、過去3回のモーターショーのコンセプトカーも手掛けたという。こうした経歴を持つ田井氏にまず聞きたかったのは、「EVならではのデザインはあるのか」という点だ。

 

インタビューは銀座四丁目の交差点にある「NISSAN CROSSING」で実施。展示してあった「ニッサン IMx KURO」(画像)は、日産が2017年10月の「東京モーターショー」で世界初公開したコンセプトカー「ニッサン IMx」に、“黒”をテーマとするデザインの変更を施した車両だ(画像提供:日産自動車)
こちらが2017年の東京モーターショーで撮影した「ニッサン IMx」

EVはエンジンとガソリンタンクを持たない代わりに、モーターとバッテリーを搭載する。タンクとバッテリーの形状は自由度が高いが、モーターはエンジンに比べて大幅に小さく、トランスミッションも不要だ。ここまで機能的な部分が変われば、それに合わせて形状も変わるべきだろう。「フォルム・フォローズ・ファンクション」(形は機能に従う)という言葉もある。

EV「日産リーフ」(2017年にフルモデルチェンジを受けた2代目)

しかし、市販されているEVの多くは、ハイブリッドを含めたガソリン車やディーゼル車に近いカタチをしており、中には顔つきを変えてサブブランドを名乗っているだけの代物もある。この状況を田井氏はどう考えているのか。

「確かにEVは、エンジン車とはメカニズムの内容も配置も違います。バッテリーは床下に積むことになりますが、逆にエンジンからの排気管を通す必要がないので、フロアを平らに作りやすいですし、モーターはエンジンよりはるかに小さいので、全長に対して広いインテリアが作れます。2015年の東京モーターショーに出展した『TEATRO for DAYZ』など、箱型ボディとの相性も良いと考えています」(以下、発言は田井氏)

箱型ボディの「TEATRO for DAYZ」(画像提供:日産自動車)

さらに田井氏は、EVがシェアを伸ばしつつあるSUVにふさわしいメカニズムであることも指摘した。前述のように、EVではバッテリーを床下に積むので、車高に余裕がある方が広いインテリアを生み出しやすい。それでいて、重心は低くなるので走行安定性はスポイルされない。現状でリーフは前輪駆動だが、ハイパワーな車種では前後にモーターを積む4WDになるとのことだった。

「ニッサン IMx KURO」もSUVのカタチをしている

大変革の自動車業界、過渡期を迎えるクルマのデザイン

ただし、田井氏は同時に、現在がEVデザインにとって過渡期であることも付け加えた。リーフでいえば、旧型はフロントグリルをなくすなど思い切ったデザインを取り入れたが、その試みには賛否両論があったという。この経験から、従来の自動車から離れ過ぎるとユーザーは付いてこないことが分かったそうで、現行型はグリルがあるような意匠を施すなど、トラディショナルなカッコ良さを目指す方向にしたという。

こちらが世界初の量産型EVとなった初代「日産リーフ」(画像提供:日産自動車)

EVの良さは乗れば分かると思うので、まずは乗ってもらうことを心掛けた。それが、新型リーフのデザインアプローチだ。しかし田井氏には、将来的には全く違うデザインにしたいとの考えもあるそう。頭の中はその方向に振り切れているけれど、伝統的なクルマのスタイリングを好む人が多いことも理解しているため、状況を見ながら少しずつ歩みを進めていきたいとのことだった。

現行型「日産リーフ」にはグリルのような意匠を施した

自動運転についての言及もあった。EVと自動運転が制御面で相性が良いことは、筆者もさまざまな開発担当者から聞いているし、高速道路で前車や車線を検知してアクセル、ブレーキ、ステアリングを自動制御するリーフの「プロパイロット」は、きわめて滑らかな制御であることを確認してもいる。

さらに、人間が運転しない完全自動運転の普及が衝突安全性対策を見直すきっかけとなれば、クルマのカタチも大幅に変わるだろうと田井氏は予想する。運転席が後ろ向きになったり、フラットになったりという仕掛けは、自動車会社としては勇気がいるものの、数年先には現実になっているかもしれないという。

「ニッサン IMx KURO」の車内は自動運転を見越した近未来的なものだ

“動物的ではない”ダイナミズムを目指す

エンジン車のスタイリングの中には、動物からインスピレーションを受けたものが多い。そうなった背景には、疾走する様子が動物を連想させるというほかに、エンジンの構造的な理由もあるのではないかと筆者は思っている。

例えば、名車といわれるジャガー「Eタイプ」はこんな格好をしている

エンジンは空気をシリンダー内に吸い込んだところに燃料を噴射して点火させ、ピストンを押し下げて回転運動を生み出し、燃焼によって発生したガスを排出する(直噴方式の場合)。これは人間を含めた動物が呼吸し、活動する様子と似ている。このエンジンがないわけなので、EVのデザインに、動物的なラインは似合わないと筆者は思っていた。これについては田井氏も似たような考えだった。

「EVでは、動物的ではないダイナミズムの表現を目指そうと思っています。昨年の東京モーターショーで世界初公開したコンセプトカー『IMx』はその方向でデザインしました。モーターは、回り始めで最大トルクを発揮しますが、動物の走りではこうはなりません。EVならではのモダンでクールな路線にしたいと思いました。長年クルマと親しんできた方よりも、若い人たちの方が入っていきやすいのではないかと考えています」

動物ではない何かがクルマのデザインをインスパイアする時代になるのだろうか(画像は「ニッサン IMx KURO」)

EVは“和風”自動車!?

取材場所のショールーム「NISSAN CROSSING」には、今年のジュネーブ・モーターショーで日産が公開したコンセプトカー「IMx KURO」が展示してあった。ボディカラーをIMxのパールホワイトから深みのあるダークスモーキーグレーに変更したこともあって、エッジを強調したフロントフェンダーやサイドのキャラクターラインが際立っていた。次世代のクルマであることがひと目で分かる。隣に置かれたリーフとの共通部分が多いことも理解できた。

直線とエッジが際立つ「ニッサン IMx KURO」の側面

IMx KUROは自動運転技術も搭載しているが、合計12個のカメラはルーフ後端など目立たない場所に仕込まれてある。また、グリルやルーフにはイルミネーションが入るが、ここは自動運転時と手動運転時で色が変わる。クールでありながら、周囲とのコミュニケーションを大切にしようという姿勢に筆者は好感を抱いた。

インテリアには一転して和のイメージが漂う。インパネやドアトリムは黒ベースの中にウッドパネルを張り巡らせている。注目は、そのパネルに細かいスリットを何重にも刻み、中にLEDを並べているところ。ここには、外の景色を映し出すことができる。こういった意匠には、安全性を高めるという目的もあるが、障子のように外が透かして見える和の雰囲気も織り込んだとのことだ。

内装は和の雰囲気。自動運転時には、ハンドルはインパネに格納される

お気付きの読者もいるだろうが、黒いパネルは漆器、グレーのフロアは枯山水の砂紋、シートのヘッドレストは組木がモチーフとなっている。

フロアは枯山水がモチーフ
ヘッドレストは組木だ

日産は、1999年にルノーとアライアンスを結成した。それがIMxやIMx KUROのインテリアに展開された「ジャポネスク」につながっているのだろうか。田井氏に尋ねると、筆者の予想は一部あたっていたが、それ以外にも和風を取り入れている理由があった。

「アライアンスを組んでからは、確かに日本ならではの動き方や作法などを意識するようになりました。外国人スタッフも日本をリスペクトしてくれる人が多いですし。ただ、それとは別に、EVは“和風なクルマ”だとも思っています。動物的なデザインは、狩猟民族といいますか、西洋のものだという風に感じますが、日本人は物事をフラットに捉えることができます。この思考は未来的かもしれません」

EVは“日本の伝統的な感性や美意識を表現しやすいクルマ”と語った田井氏

インタビューの中で田井氏は、平らな床だけでなく、非対称のシートや遠くにあるインパネなども「日本の美」を連想させる要素だと話していた。それらはモダンかつクールであり、EVにもつながる雰囲気を漂わせていた。

これからのEVのカタチは、日本が主導していくのかもしれない。日本の美とEVの親和性について語る田井氏の言葉を聞いて、未来のカーデザインが楽しみになった。

※「森口将之のカーデザイン解体新書」 バックナンバーはこちら!

LINE WORKSを削除(解約)するには?

LINE WORKSを削除(解約)するには?

2019.03.21

LINE WORKSを解約したいと思ったら

解約の前にまずは「所属メンバーの削除」を行う

ユーザーは自分のアカウントを削除できるの?

LINE WORKSを試験的に導入したけれど合わなかったという場合や、利用していたプロジェクトが終了したから削除したいという場合に備えて、LINE WORKSを削除(解約)処理する手順をまとめておく。

LINE WORKSの削除はメンバー削除から

「管理者画面」を開いた上で「基本設定」を開くと、左メニューの一番下に「LINE WORKSの解約」という項目がある。ただし、使っている最中にいきなり解約しようとしても「解約できません」と表示されるはずだ。解約のためには、先に所属メンバー全員を削除しなければならない。

「基本設定」で「LINE WOKRSの解約」を選択
メンバーが残っていると解約できない

メンバー削除は、上メニューで「メンバー」を選んだ画面から行える。最高管理者は削除できないため、解約準備ならば上部のチェックボックスを使って全員を一括選択してから、最高管理者のチェックだけを外すのが簡単だ。上にある「削除」をクリックすると確認画面が表示されるので、「メンバー削除」で完了させよう。

なお「副管理者」など役職者については先に権限を削除してからでなければメンバー削除ができないので注意して欲しい。

「メンバー」で最高管理者以外を選んで「削除」をクリック
確認画面で「メンバー削除」をクリックしよう

解約理由を添えて処理完了

再度「基本設定」で「LINE WORKSの解約」を選ぶと、メンバーの削除が完了していれば解約へ進む画面が表示されるはずだ。最高管理者のパスワードと、解約理由のアンケートを入力すれば解約が完了する。

最高管理者のパスワードを入力
解約理由のアンケートも必須項目だ

個人アカウントの削除方法は?

LINE WORKSを管理者ではなくユーザーとして利用している場合、自分のアカウントを削除することはできない。

LINE WORKSのユーザーアカウントは、会社のメールアドレスのようなイメージだ。アカウントに利用する文字列などはユーザーが決められるが、アカウントの存在自体は管理者がそれぞれに発行している。そのためユーザー側はログインしないことで「使わない」状態にはできても、削除はできない。もし退職する、プロジェクトから外れるなど事情がある場合には、管理者にメンバー削除の依頼を出そう。

同じく、最高管理者の権限を持っている人が異動等でアカウントを削除したい場合には、まずは権限の委任をして、一般ユーザーになってからメンバー削除をしてもらう必要がある。

「LINE WORKS 完全指南 設定&使い方」バックナンバーはこちら
https://biz.news.mynavi.jp/category/lineworks

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総務省施策が追い風に? 携帯分離の「歴史的チャンス」狙うファーウェイ

総務省施策が追い風に? 携帯分離の「歴史的チャンス」狙うファーウェイ

2019.03.20

モバイル業界を変える「携帯値下げ議論」が過熱

ファーウェイは日本を取り巻く環境を「歴史的チャンス」と発言

コスパ高いミッドレンジ端末でシェア拡大を目指す

20日、NTTドコモが特定の端末の購入を条件に通信料金を割り引く「docomo with」、購入する端末に応じて通信料金を割り引く「月々サポート」を終了する方針を固めたという報道が話題となっている。

国内のモバイル業界では携帯電話料金見直しが進んでおり、3月5日には総務省が中心に進めてきた端末代金と通信料金の分離が閣議決定された。NTTドコモは分離プランを軸とした新料金プランを4月に発表する見込みだ。

日本のモバイル市場を大きく変えるこの動きを「歴史的チャンス」と見ているのがファーウェイだ。2018年末から米中対立が加速する中、ファーウェイが打ち出すメッセージも語気を強めている。果たして日本市場でシェアを拡大できるのだろうか。

逆風吹けども、依然として業績は好調

今年に入り、ファーウェイの周辺が騒がしい。3月7日には、ファーウェイは米国政府を相手取って訴訟を起こした

さらにその内容をFacebookでライブ配信するなど、米国以外の世界市場に向けたメッセージにもしており、そのメッセージをまとめたウェブサイト「Huawei Facts」は、わざわざ日本語版も用意している。

2018年末から続く米中対立を巡る報道は、ファーウェイの業績にどのような影響を与えたのか。MWC19でインタビューに応じたファーウェイ・ジャパンの呉波氏は、「一部の消費者は影響を受けたが、2019年に入ってから売上は大幅に伸びている」と語った。

ファーウェイ デバイス 日本・韓国リージョン プレジデントの呉波(ゴ・ハ)氏

話題の「折りたたみスマホ」でもファーウェイは先行する。

ファーウェイに先立って折り畳みスマホを発表したサムスンだが、こちらはMWCではガラスケース内での「展示」のみにとどまったのに対し、ファーウェイは「Mate X」の実機を用いて報道関係者に折り曲げを試させるなど、製品化で一歩先を行っていることをアピールした。

ファーウェイの折りたたみスマホ「Mate X」。報道陣には手に取って折り曲げてみる機会も用意された

Mate Xは次世代移動通信の「5G」にも対応しており、日本では5Gサービスの開始を待って投入時期を見極める方針だという。

ちなみに3月26日に発表予定のフラグシップ機「HUAWEI P30」シリーズは、例年通りのタイミングで日本市場に投入するようだ。SIMフリーでの発売だけでなく、ドコモが採用した「HUAWEI P20 Pro」のように大手キャリアによる採用があるかどうかも注目したい。

分離プランを「歴史的チャンス」と捉えるワケ

一方、2019年の国内モバイル市場で話題となっているのが携帯料金における「分離プラン」の導入だ。KDDIとソフトバンクはすでに導入済みだが、NTTドコモは4月に発表する新料金プランから本格導入するとみられている。

分離プランの特徴は、NTTドコモの「月々サポート」のように回線契約と紐付けた端末の割引が禁止される点だ。端末の割引自体が禁止されるわけではないというものの、大幅な割引は難しくなる。その結果、10万円を超えるようなハイエンド機ではなく、3〜4万円で一括購入しやすいミッドレンジ機の需要が高まるとの見方が有力だ。

この動きをファーウェイはどう見ているのか。

呉氏は「非常に重要視している。スマホが登場したときや、SIMフリー市場が始まったときのインパクトに引けを取らない、歴史的な瞬間になる」と興奮気味に語る。

日本のSIMフリー市場でベストセラーとなった「HUAWEI P20 lite」を始め、ファーウェイのミッドレンジ機のラインアップは厚い。モデルによってはフラグシップと同じCPUでミッドハイの価格を実現するなど、コスパの高さも特徴だ。大手キャリア向けにさまざまな提案ができる体制といえる。

フラグシップと同じ「Kirin 980」搭載でミッドハイ価格の「HONOR View 20」

また、5G対応も順調だ。

モバイルWi-Fiルーターに強みを持つファーウェイは、MWC19でも5G対応ルーターを多く出展していた。日本ではまだ周波数の割り当てが終わっていないものの、国内大手キャリアは2019年内にもプレサービスを始める動きがある。5Gスマホが普及するまでの間、5Gルーターの需要は高まる可能性がある。

5G対応のモバイルWi-Fiルーターも出展していた

ミッドレンジ市場の拡大を狙って、今年はシャープやサムスン以外にも、ソニーモバイルの参入も予想されている。

この価格帯が激戦区になることは間違いないが、ファーウェイはその中で高コスパの製品ラインアップや、国内での地道な販促活動やブランドメッセージの打ち出しによって対抗していく構えだ。

ヨドバシカメラ梅田店での販促イベントの様子
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