『ウイイレ』でeスポーツ日本代表が初の金メダル!- アジア大会報告会

『ウイイレ』でeスポーツ日本代表が初の金メダル!- アジア大会報告会

2018.09.03

アジア競技大会のデモンストレーション競技に選ばれた『ウイイレ』

激戦を勝ち抜いて手に入れたeスポーツ初の金メダル

日本代表の杉村選手と相原選手が大会を振り返る

コナミデジタルエンタテインメントは9月3日に都内にて、「アジア競技大会 ジャカルタ パレンバン」の『ウイニングイレブン2018』eスポーツ日本代表選手 報告会を開催した。

金メダルを手に凱旋帰国した、杉村直紀(SOFIA)選手(写真左)と相原翼(レバ)選手(写真右)

アジア競技大会のデモンストレーション競技として、9月1日にジャカルタ市内のマハカスクエアで開催された『ウイニングイレブン2018』の大会。6月のアジア地域予選を勝ち上がった、日本、香港、インド、イラン、カザフスタン、マレーシア、インドネシアの8つの国と地域が4チームずつ2グループに分けられ、それぞれ上位2チームずつ、計4チームが決勝トーナメントに進出した。

試合形式としては、1マッチ最大3ゲーム行われ、1ゲーム目に1v1(1対1での試合)、2ゲーム目に2v2(2対2での試合)、そして3ゲーム目も1v1の試合を行い、先に2勝したチームの勝利だ。ゲーム中に選べるチームは、アーセナル、FCバルセロナ、リヴァプールFC、シャルケ04、インテル、ミラン、コリンチャンス、リーベルプレート、コロコロの9チーム。対戦相手と同じチームを選ぶことはできず、同じチームが選択された場合は、コイントスによって選択権を決める。また、1マッチ中に同じチームを選ぶことはできず、3ゲームそれぞれ異なるチームを選ばなければならない。

決勝トーナメントには、日本、ベトナム、マレーシア、イランが進出。日本は準決勝でマレーシアを下し、決勝ではイランとフルセットのうえ、見事、勝利をおさめ、金メダルに輝いた。

eスポーツ金メダリストがアジア大会を総括

報告会では、日本代表の2人から金メダル獲得の報告と大会出場についてのコメントがあった。

「(eスポーツという)ゲームとは違う楽しみを示すことができたかと思います。決勝戦の1v1では負けてしまって悔しさも残っていますが、日本の方々に喜んでいただけて本当に良かったです」(杉村選手)

「この結果によって『ウイニングイレブン』が盛り上がってもらえればと思います。決勝戦は3戦目までもつれ込みましたが、優勝できてよかったです」(相原選手)

報告会のあとには質疑応答が行われ、来場した記者からさまざまな質問が飛んだ。

――金メダルを獲得したあとの反響はいかがでしたか?
「ラインの通知が嫌がらせかっていうくらい届いてました」(杉村選手)。
「ラインの数もすごかったですが、Twitterの通知が翌日になっても止まらないんです」(相原選手)

――インドネシアやアジア競技大会はいかがでしたか?
「国単位での応援がすごかったです。開催地であるインドネシアの応援とか。もちろん、日本の方々の応援もこれまで以上で、とにかく国として応援してもらったのは初めてでした」(杉村選手)
「滞在していた選手村ではハプニング続きで大変でしたが、結果が出せてよかったです」(相原選手)

――決勝戦では使用チームが勝敗に影響したように見られましたが?
「1ゲーム目の1v1でアーセナルが取れなかったので、バルサを選びました。今までバルサを使っていなかったわけではないですが、フォーメーションを変えて挑んだのが裏目に出て、負けてしまいました。アーセナルは1戦目で取れなかったら、3戦目の相原選手が使用することが決まっていたので、相原選手に託しました」(杉村選手)
「2戦目でリヴァプールを取れたのはラッキーでした。でも、取れなくてもそれほど影響はないと考えていました。3戦目は、相手が2戦目で取れなかったリヴァプールを使うのは予想してましたが、こちらがアーセナルを使えることからチーム力としては有利になるため、いけると確信していました」(相原選手)

――今後について
「アジア競技大会は大きな大会でしたが、これで終わりになってしまうと、ただのブームになってしまうので、継続していかないといけないと思っています」(杉村選手)

――大会では2人で戦っていましたが、個人として相手をどうみるようになりましたか?
「経験としても、年齢としても、自分がチームを引っ張るべきと考えていました。決勝戦の1v1で負けてしまい、次の2v2でも負けたことを引きずっていたのですが、相原選手のゴールを見て、彼のほうが落ち着いているように思えました。決勝戦は相原選手に引っ張ってもらえました」(杉村選手)
「選手として今でも尊敬しています。決勝戦では自分が勝たないとと思って挑みました」(相原選手)

――先ほどのハプニングの話について、詳しく教えてください
「選手村の1日目にシャワーのドアの立て付けが悪く、シャワーを浴びていたらドアが開けられなくなって、10分くらい閉じ込められてしまいました。あと、『ウイイレ』が設置してある場所に行くとき、杉村選手が体調を崩してしまったんです」(相原選手)

――選手村での生活について
「いろんな国の選手から声をかけられました。『なんの競技?』と聞かれ、『eスポーツ』と答えると『おおっ』と驚かれました。eスポーツ自体がわからない人もいましたが、通じる人もいたので嬉しかったですね」(杉村選手)

――eスポーツ初のメダル、しかもそれが金メダルであることについて
「eスポーツの価値が上がってくれればと思います」(杉村選手)
「金メダルを目標に頑張ってきたので取れてよかったです」(相原選手)

デモンストレーション競技ながら、日本代表として参加した国際大会で、金メダル獲得の快挙はeスポーツの知名度向上と今後の発展の足がかりとなるに違いない。

次回の『ウイニングイレブン』の大会としては、9月23日に開催される東京ゲームショウ内のeスポーツイベント「e-Sports X」で、アジア競技大会に出場した国や地域によるエキシビションマッチと、「日本・サウジアラビア 国際親善eスポーツマッチ」の日本代表予選が開催される予定だ。

新AQUOSは“片手ポケット族”狙う iPhone不在の「小型スマホ」市場に勝機

新AQUOSは“片手ポケット族”狙う iPhone不在の「小型スマホ」市場に勝機

2018.11.16

シャープが新スマホ「AQUOS R2 compact」を発表

大画面化の波に逆らい、「片手ポケット族」が増加傾向に

iPhone不在の「小型スマホ」市場を狙う

11月15日、シャープがAndroidスマートフォンの新製品「AQUOS R2 compact」を発表した。名前に「compact」と付いている通り、最近のスマホ市場では選択肢が減っている小型モデルであることが特徴だ。

小型スマホの需要を取り込む「AQUOS R2 compact」

コンパクトな見た目とは裏腹に、中身にはハイエンドである「AQUOS R」シリーズのスペックを詰め込んでいる。世界的にスマホの大画面化がトレンドとなっている中で、あえて時代に逆行するシャープの狙いはどこにあるのだろうか。

スマホを片手で持ち、ポケットに入れて使う人が増加

世界のスマホ市場では、6.5インチの「iPhone XS Max」に代表される大画面モデルが人気を博している。だが、日本では通勤電車などの利用シーンにおいて、片手で使う人が多いといわれている。シャープによれば、スマホを片手で持つ人は64% 、服のポケットに入れて持ち運ぶ人は49% に達しており、その割合は上昇傾向にあるという。

片手で持ち、ポケットに入れて持ち歩く「片手ポケット族」が多いという

その背景として、シャープはスマホの「インフラ化」を指摘する。SNSやコンテンツを楽しむだけでなく、サービスの利用やモバイル決済にスマホは欠かせない存在になっており、日常生活でスマホを取り出す場面が増えている。

AQUOS R2 compactは、日本人の手のサイズを念頭に置いた「横幅64mm」のボディに、できるだけ高性能な部品を詰め込んだハイエンドコンパクト機になっている。プロセッサは最新のSnapdragon 845、メモリは4GBを搭載しているが、これは大画面モデルのAQUOS R2と同等だ。

ポケットに入れやすいサイズに高性能を詰め込んだ

スマホ本体を小型化する一方、画面は前モデルの「AQUOS R compact」より大型化した。このためにシャープは画面の上下に切り欠き(ノッチ)を持つIGZOディスプレイを開発。インカメラと指紋センサを搭載しつつ、表示領域を上下に広げてきた。

前モデル(左)と比べて新モデル(右)は表示領域が広がった

「iPhone不在」の小型スマホ市場を直撃

シャープによれば、小型スマホを求める人は全体の3割程度という。スマホ市場では残りの7割に向けた大画面モデルが幅を利かせており、最新のiPhoneでは6.5インチのXS Maxに加え、一般向けモデルの「iPhone XR」も6.1インチとなっている。

一方、小型モデルとして根強い人気のあった「iPhone SE」は、後継モデルが出ないまま販売が終了。中古市場では価格が上昇する騒ぎもあった。

日本で最大シェアを誇るiPhoneだが、小型スマホ市場では存在感が薄れつつある。ソニーモバイルはXperiaシリーズのコンパクト機を投入しているが、2018年夏モデルの「Xperia XZ2 Compact」と比較して、シャープ機は画面の大きさ、薄さ、軽さの面で圧倒している。

中国メーカーとして日本でも勢いを伸ばすファーウェイ、OPPOも世界市場において大画面化競争を繰り広げており、小型モデルに積極的な動きは見せていない。この点もシャープにとって有利に働いている状況だ。

また、AQUOS R2 compactは顔認証と指紋認証の両方に対応しているのも特徴。これは、iPhoneにもXperiaにもない機能だ。スマホをポケットから取り出し、顔の前に持ち上げるだけでロックを解除できる顔認証だが、卓上に置いている場合は使いにくい。だが指紋センサがあれば、指を置くだけで済む。

顔認証に加えて指紋認証にも対応

スマホの端末メーカーの多くはグローバル市場に目を向け、大画面化のトレンドを追いがちだ。だが、シャープは国内の需要をしっかりとらえた上で、日本のユーザーに刺さる製品作りを続けている。

依然としてiPhone人気が続いている中で、限られた市場であっても「不在」のチャンスをタイムリーに活かし、ユーザーを奪還する。国内に目配りできるシャープならではの戦い方に注目したい。

大画面化するスマートフォン 使いやすさの試行錯誤は縦長から折り畳みへ

知って納得、ケータイ業界の"なぜ" 第23回

大画面化するスマートフォン 使いやすさの試行錯誤は縦長から折り畳みへ

2018.11.16

海外メーカーの台頭で日本にも大画面化の波が到来

大画面化と使いやすさの両立、各社の工夫の歴史

縦長スマホにとって代わるのは「折り畳み」スマホか

スマートフォンのディスプレイは年々大型化が進んでおり、かつては「大きすぎる」と言われた5インチディスプレイが、今や小さい部類に入ってしまうほどだ。一方で使いやすさを維持しながらディスプレイの大画面化を実現するため、メーカー各社はさまざまな工夫を重ねている。スマートフォンのディスプレイサイズはなぜ大きくなり、今後はどのように変化していくのだろうか。

海外メーカーの台頭で日本でも大画面化に拍車

スマートフォンにとってディスプレイは、単に情報を表示するだけでなく、タッチして操作するインタフェースも兼ねている非常に重要な存在だ。そのスマートフォンのディスプレイが、ここ10年ほどで最も大きく変化した要素が「サイズ」である。

どれくらい大きくなったのかというのは、新旧のスマートフォンのディスプレイサイズを比べてみれば一目瞭然だ。日本で最初に発売されたiPhoneである「iPhone 3G」のディスプレイサイズは3.5インチだった。一方、「iPhone X」や「iPhone XS」、「iPhone XR」といった最近のiPhoneのディスプレイサイズは6インチ級があたりまえ。1.7倍に以上に拡大しているのだ。

今やスマートフォンのディスプレイサイズは5インチ以上が一般的で、6インチも珍しくなくなった。画像の「iPhone X」のディスプレイサイズは5.85インチだ

さらに「iPhone XS Max」は6.5インチもあるし、他の大手メーカーでもサムスン電子の「Galaxy S9+」やファーウェイの「HUAWEI P20 Pro」のように、6インチを超えるディスプレイを採用した機種は増えている。なぜ、これほどまでにディスプレイサイズが大きくなったのかというと、それは大画面が欲しいというユーザーが多いため。スマートフォンの性能向上によって動画やコミック、ゲームなどのコンテンツを楽しむ人が増えていることから、ユーザーのニーズに応えるかたちで、大画面が求められるようになったといえよう。

だが日本国内の事情に目を向けてみると、公共交通機関での通勤・通学が多いのに加え、片手で文字入力ができる「フリック入力」が広く普及したこともあり、片手でスマートフォンを操作する傾向が強く、実は大画面に対するニーズはそこまで大きい訳ではない。実際日本では、4インチディスプレイの「iPhone SE」が人気を保っていたし、シャープの「AQUOS R Compact」やソニーモバイルコミュニケーションズの「Xperia XZ2 Compact」などのように、4インチ台のディスプレイを採用したコンパクトなスマートフォンも投入されている。

2018年の夏モデルとして販売されている「Xperia XZ2 Compact」は4.9インチと、最近では珍しくなった4インチ台のディスプレイを採用したコンパクトモデルだ

にもかかわらず、日本でも大画面のスマートフォンが増えているのはなぜか。まずは国内のスマートフォンメーカーが減少したことで、市場に海外メーカー製のスマートフォンが増えているためだ。海外では移動手段の違いに加え、文字入力システムの違いからスマートフォンを両手で持って操作する機会も多く、片手操作に対するこだわりが弱いのだ。

新興国などでも、ディスプレイサイズが大きいほど人気が出る傾向が目立ち、大画面に対するニーズが強いのである。海外製スマートフォンが日本市場に入り込みやすくなったことが、日本国内においてもスマートフォンの大画面化を進めたといえる。

縦長スマホの元祖はアップルだった?

とはいえ、スマートフォンが大画面化するに従って、本体の横幅がひろがり、さすがに海外のユーザーからも「持ちづらい」という声が増えてきたようだ。そこで近年急速に増えているのが、従来の16:9比率ではなく、18:9や19:9といった縦長比率のディスプレイの採用である。

持ちづらさに影響する横幅をこれ以上広げることなく、ディスプレイを縦に伸ばすことで大画面化しようとしたのだ。この流れをけん引したのは韓国メーカーで、2017年にはLGエレクトロニクスが「LG G6」(日本未発売)、サムスン電子が「Galaxy S8/S8+」といったように、縦長比率のディスプレイを採用した機種を積極的に投入した。

2017年発売の「Galaxy S8」「Galaxy S8+」は、18.9:9と縦長比率の有機ELディスプレイ「インフィニティディスプレイ」を採用したことで大きな話題となった

この韓国の両メーカーとも、グループ内にディスプレイデバイスを開発する企業を持っている。それゆえ縦長比率のディスプレイが生み出されたのには、実は大画面化だけが目的ではない。自社のスマートフォンに新しいディスプレイをいち早く搭載し、トレンドを作り上げることで、グループ企業のディスプレイデバイス販売拡大につなげる狙いもあったといえる。

だが、縦長ディスプレイで大画面化するというアイデアを真っ先に実践したのは、実はアップルである。アップルはかつてディスプレイの大画面化に消極的で、2011年発売の「iPhone 4s」までは3.5インチのサイズにこだわっていた。だが大画面化を求めるユーザーの声を受け、2012年発売の「iPhone 5」でディスプレイサイズを4インチに拡大した際に、ディスプレイの横幅はそのままに、縦に長くするという手法をとったのである。ある意味、アップルは5年前に現在のトレンドを先取りしていた、といえるかもしれない。

スマートフォンのディスプレイを縦に伸ばして大画面化するというアイデアをいち早く実践したのは、アップルの「iPhone 5」だった

しかしながら、ディスプレイを縦に伸ばして画面サイズを大きくする工夫にも、いずれ物理的な限界が来ることは目に見えている。そこで、さらなる大画面化の追求で、いま注目されているのが折り畳み式ディスプレイだ。このアイデア自体は、NTTドコモが2013年の「MEDIAS W」(NECカシオ モバイルコミュニケーションズ製)、2018年の「M」(ZTE製)で既に実現しているものだが、いずれも2枚のディスプレイを用いていたため、どうしても画面の折り目に継ぎ目が発生してしまう弱みを抱えている。

折り畳みスマートフォンとして注目されたNTTドコモの「M」は、2枚のディスプレイを用いるスタイルであるため折り畳み部分に継ぎ目が発生してしまう

だが有機ELを用いれば、ディスプレイを折り曲げられる“真の”折り畳みスマートフォンが開発できると言われており、大手スマートフォンメーカーがその開発を進めているとの観測報道も幾度となくなされている。

これは折り畳みできるという意味の「フォルダブル」スマホなどと呼ばれ、先ごろはサムスン電子が、来年発表するというフォルダブルスマホ「Galaxy F」のプロトタイプを開発者向けに見せはじめたりしている。2019年は各社から製品が登場するのではないか? との声もあるようだが、いま確実に言えることは、真の折り畳みスマートフォンがいつ、どのメーカーが、どのような形で投入するのかが、大いに注目されているということだけである。