お見合いの復権なるか? 婚活ビジネスに新たな展開

お見合いの復権なるか? 婚活ビジネスに新たな展開

2016.06.08

結婚相手紹介サービス業を営む事業者が賛同し、一般社団法人 日本結婚相手紹介サービス協議会(以下、JMIC)が発足した。2025年までに年間成婚者を現在の2倍まで引き上げるのが目標。もはや社会問題として取り上げられる未婚・晩婚化だが、JMICはどのようなビジョンを持っているのだろうか。

参加団体はIBJ、エヌリンク、オーネット、結婚情報センター(東京法人)、結婚情報センター(名古屋法人)、シニアーライフ、JPワークス、一般社団法人JBA(日本結婚相談協会)、誠心、全国仲人連合会、ダイナミックス、ツヴァイ、トータルマリアージュサポート、日本健康管理、日本仲人連盟、日本ブライダル連盟、パートナーエージェント、プライムマリッジ、リクルートマーケティングパートナーズの全18ブランド19団体(五十音順)。理事長はツヴァイ 代表取締役社長 縣厚伸(あがたあつのぶ)氏、副理事長はシニアーライフ 代表取締役 升村要(ますむらかなめ)氏が務める。

一般社団法人 日本結婚相手紹介サービス協議会(JMIC)が発足

JMICの使命とは

JMIC理事長を務めるツヴァイ 代表取締役社長 縣厚伸氏

JMIC設立の背景には、婚姻件数の急激な減少がある。

2010年と少し古いデータではあるものの、「第14回出生動向基本調査(独身者調査)」では、未婚男女のうち87.8%が「いずれ結婚するつもり」と回答。結婚への意向がある人が多数を占めるにもかかわらず、JMICによれば、日本国内の婚姻件数は2000年で79万8,000件、2010年で70万件、2015年で63万5,000件と急速に減少している。生涯未婚率、25~39歳の未婚率、結婚年齢が高くなる晩婚率はいずれも上昇しており、きわめて単純にいえば「結婚したくてもできない人」が増えているのだ。

未婚男女の結婚しない理由は、「適切な相手に巡り会わない」が最多。JMIC 理事長の縣氏は「こういった状況において、独身男女の婚活をサポートする結婚相手紹介サービスの社会的役割は高まりつつある。サービスの信頼性向上を図り、利用者を増やしていくことが使命」とJMIC設立の目的を説明した。

男女どの年代でも未婚率は上昇傾向にある。平均初婚年齢も年々高くなっており、それに合わせて平均出生時年齢も上昇
未婚者の約9割が「いずれ結婚するつもり」と回答。「適切な相手に巡り会わない」のが結婚しない理由として最多なので、それを解決するようなサービスはニーズが高いと思われる

婚姻数は減っても紹介サービスは好調

婚姻率が減少傾向にあるのに対し、紹介サービスによる成婚数は増加。JMIC加盟団体が提供するサービス利用者間の「結婚による退会届出人数」は、2013年が年間約21,000人だったのに対し、2015年は年間約23,100人。2年間で約10%の伸びを見せている。ちなみに、2016年1月1日時点での登録会員数合計は306,509人だ(複数サービスの利用者は重複してカウント)。

国内の婚姻数は減少しているにもかかわらず、JMIC加盟団体登録会員同士の成婚退会者数は2年で約10%の伸び

2年間で10%増という成果に対し、縣氏も升村氏も「各社の努力のたまもの」と語る。リクルートブライダル総研が2015年11月に発表した「恋愛・婚活・結婚調査2015」の結果によれば、20代の独身男性のうち、交際経験のない人は41.9%。縣氏は「付き合い方から教えてくれるようなセミナーやコンサルティングなどの取り組みを各社が行っている。そういった工夫が会員数、成婚数の増加につながっているのでは」と分析している。

升村氏は「成婚率を上げるのはなかなか難しい」としたうえで、「(結婚相手紹介サービスは)価格競争からサービスの中身で競争するようになってきた。各社がより良いサービスを提供しようと、従業員のスキルアップ研修などを行った結果が成婚というかたちで表れているのでは」と指摘している。

市場は拡大の見込み

JMIC副理事長を務めるシニアーライフ 代表取締役 升村要氏

JMICの目標は、2025年に成婚数を2倍にすること。具体的には、サービス利用者間の結婚による退会届出人数を2015年の年間約23,100人から倍、すなわち年間約46,000人にすることを目指す。未婚・晩婚化が進行していること、少子化社会対策の一環として政府も「適切な出会いの機会の創出・後押し」(2015年3月「少子化社会対策大綱」)を求めていることなどから、婚活市場はこれからも拡大していくだろう。

さらなる会員数増加のために、JMICとしてはサービスの信頼性向上に努めていく方針だ。たとえば加盟非加盟問わず、婚活サービスの消費者相談に応じる「お客様相談室」の設置、倫理綱領や自主規制基準の制定などの取り組みが挙げられる。自主規制基準には「独身証明書」の提出なども含まれ、より安心してサービスを使ってもらえるよう、各社協力して体制を整えていく。なお、現在は18ブランドが加盟しているが、今後も独身証明書の提出を義務付けている団体などに限って参加団体を増やすこともあるという。

信頼性向上に留まらず、初期費用がかさむことも独身男女にとってハードルが高いとJMICは考えている。こうした人をサポートするための助成金支給についても政策提言していく考えだ。あくまで筆者が調べた範囲だが、プランや地域などで異なるものの、JMIC加盟の結婚相手紹介サービス初期費用はおよそ10~20万円が相場といったところ。なかには、初期費用だけで40万円近くかかるプランもあった。このほか別途で支払う月会費は1.5~2万円前後というのが一般的なようだ。いくら結婚に対して真剣に考えていても、誰もが簡単に支払える金額ではないだろう(あくまで、より多くの人へ広めていくための話。ハイクラス向けを謳い、あえて会費を高めに設定しているサービスもある)。

JMICの活動内容

大手企業の参入などで、認知度も高まっている婚活。利用者の"お財布事情"はあるものの、積極的なテレビCMなどの広告によって、消費者の心理的なハードルは下がってきていると感じる。追い風が吹いている状況ではあるものの、個人的にはまだ足りないと思う点がある。

それは成婚後のカップルの動向だ。JMICは事業計画のひとつとして「独身者の動向に関する調査・研究」を掲げるが、成婚後の動向については、縣氏によれば「メールマガジンの登録状況などで把握している」程度とのこと。JMICとしてきちんと継続して調査していけば、それは婚活サービスの"ウリ"になるのではないだろうか。

メディア露出多数、高まる「N高出身」への期待値

メディア露出多数、高まる「N高出身」への期待値

2019.03.22

ネットの学校「N高」の卒業式に潜入

開校時に入学したN高1期生が卒業した

世間の注目を浴び続けた生徒は、何を想う?

3月、角川ドワンゴ学園「N高等学校」の卒業式が東京・お台場にて開催された。

「ネットの高校」として、3年前に設立したN高。この日、2016年の開校時に入学した第1期生と、途中転入・編入した生徒をあわせ、計1593名が卒業した。3年前、『VR入学式』で世間を賑わせたこの学校を巣立つ卒業生たちは、N高での日々をどう捉え、今後はどのようなキャリアを描いていくのだろうか。

卒業式は2019年3月20日、お台場にて行われた

卒業式を彩る最新テクノロジー

N高は、ドワンゴとKADOKAWAの経営統合で誕生したカドカワが設立母体となり、2016年4月に開校された通信制高校だ。同校は開校後、2年次編入なども受け入れてきたため、これまでも卒業生を排出してきてはいたが、「1年生~3年生をN高で過ごした生徒」が卒業するのは、初めてのことだ。

卒業式には多くの報道陣も参加した。生徒にとって、「卒業式に記者がいる」「自分たちが卒業する様子がテレビやWebで取り上げられる」というのは不思議な感覚だろう。とはいえ、もう「VR入学式」に「ニコニコ超会議」へのブース出展(N高ではそれを「文化祭」と表現)などの経験を経て、メディアへの露出には慣れてしまっているのかもしれない。

そして、今回の卒業式も例によって独特だった。

卒業式は任意参加で、会場には袴や制服に身を包んだ生徒が集まる一方、その様子をライブ配信することで、会場に来られない生徒生徒も参加できる仕組みになっていた。会場のスクリーン上にはニコニコ生放送さながら、リアルタイムでコメントが表示されており、こうした演出は「N高らしい」といった印象を受けた。

卒業式の様子。オンライン参加者のコメントがスクリーンを流れる

中でも印象深かったのは、当日来られなかった生徒を代表して、米シリコンバレーに留学中の佐々木雅斗さんが「ロボット」に自分の顔を映して卒業証書を受け取ったシーンだ。

使用したのは、ANAが“未来の移動手段”として開発する、視覚・聴覚・触覚などを備えた、ユーザーの分身となるロボット「ANA AVATAR」。同校ではこのロボットを試験的に授業にも導入しているそうで、こういった最新のテクノロジーを使うあたりもN高らしい。

遠隔操作ロボット「ANA AVATAR(Beam Pro)」を用いて卒業証書を受け取った佐々木さん

と、テクノロジーにばかり目が行きがちではあるが、そもそも「高校生がシリコンバレーに留学している」という事実も驚くべき点だ。高校に通いながらも、シリコンバレーでビジネスを学ぶ――、というキャリアを選べるのは、学校という場所の制約を受けない、ネットの高校のメリットと言えるだろう。

卒業式にはほかにも「異色のキャリア」を持つ生徒たちが集まり、特に活躍した卒業生に対する特別表彰も行われた。

表彰を受けたのは、東京から鹿児島県に移住し、農業や水産業を手伝い地域活性化に貢献する白鳥優季さん、第18回アジア競技大会ジャカルタ・パレンバン「ウイニングイレブン 2018」eスポーツ 金メダリストの相原翼さん、N高のプログラムを最大限に活用し、スタンフォード大学やオックスフォード大学のサマープログラムに参加した冨樫真凜さんなど。その活躍の幅は広い。

さまざまな分野で活躍したN高生に対しては、特別表彰が行われ、記念品としてクリスタルトロフィーが贈呈された

メディア露出が多いがゆえに高まる期待値

N高を卒業した個性豊かな面々は、今後は大学進学、就職とさまざまなキャリアを歩む。

日本初で唯一N高にのみ実在するという「起業部」に所属し、かつ起業第一号として「Easy Go」という会社を創業している、鈴木颯人さんと山田陽大さんから「N高で過ごした時間」についてコメントをもらった。

「元々は地元の進学校に通っていたのですが、『自分が好きなことをしたい』『起業したい』という想いがあり、N高に入学しました。年齢や場所に縛られず、多くの人とコミュニケーションを取れ、充実した3年を過ごせました」(鈴木さん)

「以前通っていた学校が自分と合わず、ネットで見つけたN高で『ここだったら新しいことができるかも』と入学を決意しました。今振り返ってみて、やはり『この学校に来てよかった』と思います」(山田さん)

Easy Go代表取締役の鈴木颯人さん(左)と取締役の山田陽大さん(右)

2人に限らず、卒業生のコメントを聞いていくと「この場所で挑戦してみたい」という想いの元、N高を選んでいる生徒が多い印象だ。

普通の高校とは違い、メディアに露出する機会の多いN高での生活は、良くも悪くも、世間からの注目を浴びる。まだ高校生の彼らにとっては、その視線が時に辛く感じることもあっただろう。ただ、その一方で鈴木さんは「初めて会う方とお話しする際、『N高出身です』と言うだけで、会話が広がることがよくあります」とその知名度を好意的に捉えている。

若くして、覚悟を持ってN高という環境に飛び込んだ生徒たちは、周囲の視線を浴びつつ、たくましく成長してきたことだろう。「N高出身」というキャリアは、彼らにとって1つの大きな武器になりそうだ。

カドカワは新たに2019年4月から、「N中等部」も開校する予定だ。「ネットの学校」という、世間の注目が集まる新しいコンセプトの学校だからこそ、在校生・卒業生の動向は、今後もしばらくは注目され続けそうだ。

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スマホは「望遠」でデジカメに追い打ち? OPPOの10倍ズーム技術が面白い

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2019.03.22

中国スマホメーカーのOPPOが独自のカメラ技術を説明

開発競争が続くスマホカメラ、トレンドは「望遠」へ

高倍率ズームスマホの登場で、デジカメの優位性に危機?

中国のスマホメーカーとしてシェアを急拡大するOPPOが独自に新開発したカメラ技術、「10倍ハイブリッドズーム」が面白い。実際に2019年の新機種からスマホへの搭載を進め、日本市場へも製品を投入するという。

OPPOが「10倍ハイブリッドズーム」技術を紹介

メーカー間の開発競争が続くスマホカメラだが、「望遠」が次のトレンドになりつつある。デジタルカメラに匹敵する10倍もの高倍率ズームを、OPPOはどのように実現したのだろうか。

1年で7機種を投入、気付いた「日本市場の難しさ」

OPPOは世界のスマホ市場で熾烈な4位争いを繰り広げている。サムスン、アップル、ファーウェイのトップ3社に続く集団の中で、2018年は中国Xiaomiに僅差で迫る5位になった(IDC調べ)。

OPPOは2018年、日本市場で7機種のスマホを発売した。OPPO日本法人の鄧宇辰社長は、これまでに国内販売チャネルを12に拡大し、あわせて認定修理店を全国に展開したことを挙げ、「日本のSIMフリー市場でいち早く成長するブランドになった」と振り返る。

オッポジャパン 代表取締役社長の鄧宇辰氏
2018年の1年間にスマホを7機種投入

2019年は国内展開をさらに加速する。日本の消費者に向けたコミットメントとして、件の「10倍ハイブリッドズーム」機能を備えたスマホや、FeliCa・防水対応のスマホ、新たに立ち上げたブランド「Reno」シリーズの市場投入を約束する。

また、話題の「5Gスマホ」の市場投入も急ぐ。日本では5Gの周波数がまだキャリアに割り当てられていないものの、ドコモ、KDDI、ソフトバンクを含む世界の事業者と標準化に向けて連携しており、準備を整えていることを強調する。

MWC19のQualcommブースではOPPOが5Gスマホを実演

一方で鄧社長は、日本市場の難しさについて、「1年の経験を通して、日本市場は他の国と違うことに気付いた。消費の習慣や求めるレベルも高い。グローバルのやり方を日本に持ってきても通用しない」とも述べている。日本市場における品質やサービスの要求水準の高さは、多くのメーカーが直面してきた課題だが、OPPOも同じ壁にぶつかったといえそうだ。

スマホカメラ、次のトレンドは「望遠」に

そのOPPOが市場攻略にあたり、特に注力をしはじめたのが「カメラ」だ。その中でも、業界では次の進化ポイントとして「望遠」技術に注目が集まっている。

そもそもスマホはデジカメと違い本体が薄いため、搭載できるレンズに物理的な制約がある。このレンズの制約から、スマホのカメラはどうしても焦点距離の狭さが弱点になってしまっていた。そこで最近はスマホに複数のカメラを内蔵し、それぞれで広角や望遠を使い分けることで、この弱点を克服しようと進化している。

OPPOの「10倍ハイブリッドズーム」技術は、この弱点に対し異なるアプローチで挑む。プリズムを使って光を屈曲させるペリスコープ(屈曲光学)構造をカメラモジュールに採用することで、レンズを従来の垂直方向ではなく水平に配置できるようにした。これにより、薄型のスマホであっても、光学レンズでは従来不可能だった高倍率ズームが搭載できる。

光を曲げるペリスコープ構造を採用

ただ、35mm換算での焦点距離は16~160mmの10倍となっており、一般的なコンデジの感覚では5倍ズーム程度の性能だ。8.1倍以上はデジタル処理を組み合わせた「ハイブリッドズーム」としているなど、いくつか注意点はある。とは言え、これまでにない望遠レンズをスマホで扱えるのは面白い。

10倍ハイブリッドズームによる画角の違い

OPPOは既に報道陣に向けて、この10倍ハイブリッドズーム技術を搭載するスマホの開発デモ機を公開している。2019年の第2四半期には製品化する計画で、日本市場へも2019年中に投入する見込みだ。

10倍ハイブリッドズームのデモ機。5Gにも対応できるという

特にカジュアルなカメラ需要の受け皿としてスマホに押されがちなデジタルカメラだが、高倍率ズームはスマホには無い、デジカメに残された得意分野のひとつだった。だが望遠もスマホで十分撮れるとなれば、いよいよその優位性も危うくなる。今回のズーム技術は、デジカメ市場をもう一段縮小させてしまう可能性を秘めているのだ。

最大のライバルであるファーウェイも「HUAWEI P30」シリーズで望遠カメラを搭載するとみられており、今後は各メーカーが高倍率ズームで競い合うことは間違いなさそうだ。

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