新型iPhoneの予測まとめ、Appleの秘策は全モデル完全フルスクリーン?

新型iPhoneの予測まとめ、Appleの秘策は全モデル完全フルスクリーン?

2018.08.31

9月発表が噂される新型iPhoneについて考察

iPhone Xの後継モデル、および大画面モデルが登場か

iPhone 8と同程度の価格帯の液晶全画面モデルも予測

TrueDepthカメラが、今後のApple製品の武器となる

2018年9月に登場するとみられる新型iPhone。

2018年9月のカレンダーと、Appleの決算日の関係から、9月21日が発売日となり得る可能性が高いと筆者は予測する。それでは、AppleはどんなiPhoneを用意しているのだろうか。

iPhone X化するラインアップ

2017年にAppleは3つの新しいiPhoneを用意した。既存の画面サイズを踏襲した4.7インチ液晶のiPhone 8、5.5インチ液晶のiPhone 8 Plus、そして新たに有機ELパネルを使用し画面サイズを拡大した5.8インチのiPhone Xだった。

2016年までは4.7インチと5.5インチの2種類のiPhoneを発売してきたが、2017年はiPhone Xが加わり、3モデル構成となったことが変更点だった。その体制を続けるならば、2018年も3つのiPhoneを期待することができる。

「iPhone X」

まず、有機ELパネルを搭載した5.8インチのiPhone Xは、後継モデルが登場することは想像に難くない。また、iPhone Xの画面サイズを拡大させた大画面モデルの登場も期待され、6.5インチに設定されると予測されている。

既存の5.8インチモデルのiPhone Xは、iOSの挙動から、iPhone 8 Plusのような「大画面モデル」の扱いではないことが読み取れる。例えば、横長のランドスケープモードで構えた際、メールやメモなどのiOS標準アプリの画面構成が大画面モデルのように「リスト」と「コンテンツ」の2画面にはならないからだ。

そして、残るもう1つのモデルには、6.1インチの液晶全画面モデルが用意されるとの予測が大勢を占める。Appleは昨年、有機ELパネルによって縁取りがない全画面デザインを実現したと説明していたが、これを液晶で実現しようとしている。

2017年には、iPhoneに先駆けて、Samsung GALAXY S8やEssential Phoneが全画面スマートフォンを発売しているが、後者は有機ELではなく液晶画面で全画面モデルを実現し、iPhone Xより先に、画面の中に切り欠きを用意してカメラを備える「ノッチ」デザインも世に送り出した。

日本のディスプレイメーカー、JDIは2017年6月に、四辺の額縁を細く抑えたスマートフォン向け「FULL ACTIVE」ディスプレイの量産を開始している。Appleもこの技術を採用し、液晶全画面モデルの実現を行おうとしている、と考えられる。

液晶モデル投入の理由

Appleに関する予測の正確さに定評があるアナリスト、Ming-Chi Kuo氏は、2018年モデルのiPhoneについても、詳細に関してレポートしている。

これによると、5.8インチ・6.5インチの有機ELディスプレイモデルが先行して発売され、6.1インチ液晶モデルは遅れて投入されるとしている。このパターンは2017年に、iPhone 8シリーズが9月に発売され、iPhone Xが11月に発売されたことと重なる。

6.1インチ液晶モデルについては、デュアルカメラのシングル化、上位モデルより少ない3GBメモリ、最大ストレージが256GB止まり、通信が2×2 MIMO止まり、アルミニウムフレームという差別化が行われるとみられている。

その理由は、価格を抑えることだ。Kuo氏は6.1インチ液晶モデルについて、600〜700ドルという価格を想定しており、iPhone 8と同程度の価格帯で登場させる予測だ。有機ELモデルも5.8インチで800ドル台、6.5インチで900ドル台と、5.8インチモデルは100ドルの値下げを想定しているが、さらに安い価格で、iPhone X世代のデザインを備えるiPhoneを準備しようとしていることがわかる。

iPhone Xのスタンダードを踏襲する理由

現在のiPhoneラインアップは、ホームボタンがありTouch IDで指紋認証を行うiPhone 8シリーズと、TrueDepthカメラによって3D顔認証を行うiPhone Xが混在している状態だ。

Appleは今後数年かけて、TrueDepthカメラをiPhone、iPad、Macといったラインアップ全体に波及させていこうとしており、2018年モデルのiPhoneすべてにTrueDepthカメラを用意しようとしていることがわかる。

Touch IDは指紋認証にしか使われなかったが、TureDepthカメラは生体認証のFace IDで指紋認証より大幅に誤認識率を減らせるだけでなく、表情を使ったインターフェイスや写真撮影にも使える仕組みだ。

例えば絵文字にアニメーションを付けられるアニ文字やMemoji、セルフィ撮影の際のシングルカメラでのポートレートモード、顔の表情を使ったAR効果やGarageBandアプリでのエフェクト操作など、多彩な用途がある。

iPhone Xで登場し、人気を集めているアニ文字

価格を問わず仕様を統一することは、アプリ開発者にとって、TrueDepthカメラを用いたアプリの開発を促し、結果としてiPhoneの魅力をアプリの面から高めることにつながるのだ。

TrueDepthカメラを武器にする

現在Appleのスマートフォンビジネスを取り巻く環境は、先進国を中心とする既存マーケットでの好調さと、新興国を攻めあぐねている状況が混在していることは先日の記事でも紹介した。

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不用意な格安モデルに取り組まない以上、価格以外の価値で勝負できる魅力をいかにたくさん用意できるかが重要になってくる。その際、セキュリティを強化し、顔を使ったインターフェイスであるTrueDepthカメラは、iPhone X世代のiPhoneにとって重要な優位性となる。

Phone Xの前面カメラに搭載されている「TrueDepth」カメラ

Appleは米国向け先端製造業ファンドを通じて、TrueDepthカメラに用いられるVCSELを製造するFinisarに3億9,000万ドルを投資した。AppleのTrueDepthカメラのセンサーにおけるサプライヤーの1社であるLumentum Operationsは2018年第4四半期の好決算とともに、今後の売上高の成長に関するガイダンスを示した

iPhoneすべてのラインアップにTrueDepthカメラが搭載されることを示唆しているだけでなく、iPadやMacにも、近い将来TrueDepthカメラが採用されるだろう。それは、iPhoneで初めて採用されたRetinaディスプレイやSiri、Touch IDなどがiPadやMac、Apple Watchに採用されてきた経緯と共通している。

TrueDetphカメラは、開発者だけでなくユーザーにとっても、Apple共通の体験として活用されていくことになる。

顔認証もノッチのデザインも、すでにAndroidスマートフォンにあふれている。しかしAppleが独自に投資を行い、アプリ開発者を巻き込んだ価値作りを行っている上、他社が簡単に追いつけない武器となっていくだろう。

新AQUOSは“片手ポケット族”狙う iPhone不在の「小型スマホ」市場に勝機

新AQUOSは“片手ポケット族”狙う iPhone不在の「小型スマホ」市場に勝機

2018.11.16

シャープが新スマホ「AQUOS R2 compact」を発表

大画面化の波に逆らい、「片手ポケット族」が増加傾向に

iPhone不在の「小型スマホ」市場を狙う

11月15日、シャープがAndroidスマートフォンの新製品「AQUOS R2 compact」を発表した。名前に「compact」と付いている通り、最近のスマホ市場では選択肢が減っている小型モデルであることが特徴だ。

小型スマホの需要を取り込む「AQUOS R2 compact」

コンパクトな見た目とは裏腹に、中身にはハイエンドである「AQUOS R」シリーズのスペックを詰め込んでいる。世界的にスマホの大画面化がトレンドとなっている中で、あえて時代に逆行するシャープの狙いはどこにあるのだろうか。

スマホを片手で持ち、ポケットに入れて使う人が増加

世界のスマホ市場では、6.5インチの「iPhone XS Max」に代表される大画面モデルが人気を博している。だが、日本では通勤電車などの利用シーンにおいて、片手で使う人が多いといわれている。シャープによれば、スマホを片手で持つ人は64% 、服のポケットに入れて持ち運ぶ人は49% に達しており、その割合は上昇傾向にあるという。

片手で持ち、ポケットに入れて持ち歩く「片手ポケット族」が多いという

その背景として、シャープはスマホの「インフラ化」を指摘する。SNSやコンテンツを楽しむだけでなく、サービスの利用やモバイル決済にスマホは欠かせない存在になっており、日常生活でスマホを取り出す場面が増えている。

AQUOS R2 compactは、日本人の手のサイズを念頭に置いた「横幅64mm」のボディに、できるだけ高性能な部品を詰め込んだハイエンドコンパクト機になっている。プロセッサは最新のSnapdragon 845、メモリは4GBを搭載しているが、これは大画面モデルのAQUOS R2と同等だ。

ポケットに入れやすいサイズに高性能を詰め込んだ

スマホ本体を小型化する一方、画面は前モデルの「AQUOS R compact」より大型化した。このためにシャープは画面の上下に切り欠き(ノッチ)を持つIGZOディスプレイを開発。インカメラと指紋センサを搭載しつつ、表示領域を上下に広げてきた。

前モデル(左)と比べて新モデル(右)は表示領域が広がった

「iPhone不在」の小型スマホ市場を直撃

シャープによれば、小型スマホを求める人は全体の3割程度という。スマホ市場では残りの7割に向けた大画面モデルが幅を利かせており、最新のiPhoneでは6.5インチのXS Maxに加え、一般向けモデルの「iPhone XR」も6.1インチとなっている。

一方、小型モデルとして根強い人気のあった「iPhone SE」は、後継モデルが出ないまま販売が終了。中古市場では価格が上昇する騒ぎもあった。

日本で最大シェアを誇るiPhoneだが、小型スマホ市場では存在感が薄れつつある。ソニーモバイルはXperiaシリーズのコンパクト機を投入しているが、2018年夏モデルの「Xperia XZ2 Compact」と比較して、シャープ機は画面の大きさ、薄さ、軽さの面で圧倒している。

中国メーカーとして日本でも勢いを伸ばすファーウェイ、OPPOも世界市場において大画面化競争を繰り広げており、小型モデルに積極的な動きは見せていない。この点もシャープにとって有利に働いている状況だ。

また、AQUOS R2 compactは顔認証と指紋認証の両方に対応しているのも特徴。これは、iPhoneにもXperiaにもない機能だ。スマホをポケットから取り出し、顔の前に持ち上げるだけでロックを解除できる顔認証だが、卓上に置いている場合は使いにくい。だが指紋センサがあれば、指を置くだけで済む。

顔認証に加えて指紋認証にも対応

スマホの端末メーカーの多くはグローバル市場に目を向け、大画面化のトレンドを追いがちだ。だが、シャープは国内の需要をしっかりとらえた上で、日本のユーザーに刺さる製品作りを続けている。

依然としてiPhone人気が続いている中で、限られた市場であっても「不在」のチャンスをタイムリーに活かし、ユーザーを奪還する。国内に目配りできるシャープならではの戦い方に注目したい。

大画面化するスマートフォン 使いやすさの試行錯誤は縦長から折り畳みへ

知って納得、ケータイ業界の"なぜ" 第23回

大画面化するスマートフォン 使いやすさの試行錯誤は縦長から折り畳みへ

2018.11.16

海外メーカーの台頭で日本にも大画面化の波が到来

大画面化と使いやすさの両立、各社の工夫の歴史

縦長スマホにとって代わるのは「折り畳み」スマホか

スマートフォンのディスプレイは年々大型化が進んでおり、かつては「大きすぎる」と言われた5インチディスプレイが、今や小さい部類に入ってしまうほどだ。一方で使いやすさを維持しながらディスプレイの大画面化を実現するため、メーカー各社はさまざまな工夫を重ねている。スマートフォンのディスプレイサイズはなぜ大きくなり、今後はどのように変化していくのだろうか。

海外メーカーの台頭で日本でも大画面化に拍車

スマートフォンにとってディスプレイは、単に情報を表示するだけでなく、タッチして操作するインタフェースも兼ねている非常に重要な存在だ。そのスマートフォンのディスプレイが、ここ10年ほどで最も大きく変化した要素が「サイズ」である。

どれくらい大きくなったのかというのは、新旧のスマートフォンのディスプレイサイズを比べてみれば一目瞭然だ。日本で最初に発売されたiPhoneである「iPhone 3G」のディスプレイサイズは3.5インチだった。一方、「iPhone X」や「iPhone XS」、「iPhone XR」といった最近のiPhoneのディスプレイサイズは6インチ級があたりまえ。1.7倍に以上に拡大しているのだ。

今やスマートフォンのディスプレイサイズは5インチ以上が一般的で、6インチも珍しくなくなった。画像の「iPhone X」のディスプレイサイズは5.85インチだ

さらに「iPhone XS Max」は6.5インチもあるし、他の大手メーカーでもサムスン電子の「Galaxy S9+」やファーウェイの「HUAWEI P20 Pro」のように、6インチを超えるディスプレイを採用した機種は増えている。なぜ、これほどまでにディスプレイサイズが大きくなったのかというと、それは大画面が欲しいというユーザーが多いため。スマートフォンの性能向上によって動画やコミック、ゲームなどのコンテンツを楽しむ人が増えていることから、ユーザーのニーズに応えるかたちで、大画面が求められるようになったといえよう。

だが日本国内の事情に目を向けてみると、公共交通機関での通勤・通学が多いのに加え、片手で文字入力ができる「フリック入力」が広く普及したこともあり、片手でスマートフォンを操作する傾向が強く、実は大画面に対するニーズはそこまで大きい訳ではない。実際日本では、4インチディスプレイの「iPhone SE」が人気を保っていたし、シャープの「AQUOS R Compact」やソニーモバイルコミュニケーションズの「Xperia XZ2 Compact」などのように、4インチ台のディスプレイを採用したコンパクトなスマートフォンも投入されている。

2018年の夏モデルとして販売されている「Xperia XZ2 Compact」は4.9インチと、最近では珍しくなった4インチ台のディスプレイを採用したコンパクトモデルだ

にもかかわらず、日本でも大画面のスマートフォンが増えているのはなぜか。まずは国内のスマートフォンメーカーが減少したことで、市場に海外メーカー製のスマートフォンが増えているためだ。海外では移動手段の違いに加え、文字入力システムの違いからスマートフォンを両手で持って操作する機会も多く、片手操作に対するこだわりが弱いのだ。

新興国などでも、ディスプレイサイズが大きいほど人気が出る傾向が目立ち、大画面に対するニーズが強いのである。海外製スマートフォンが日本市場に入り込みやすくなったことが、日本国内においてもスマートフォンの大画面化を進めたといえる。

縦長スマホの元祖はアップルだった?

とはいえ、スマートフォンが大画面化するに従って、本体の横幅がひろがり、さすがに海外のユーザーからも「持ちづらい」という声が増えてきたようだ。そこで近年急速に増えているのが、従来の16:9比率ではなく、18:9や19:9といった縦長比率のディスプレイの採用である。

持ちづらさに影響する横幅をこれ以上広げることなく、ディスプレイを縦に伸ばすことで大画面化しようとしたのだ。この流れをけん引したのは韓国メーカーで、2017年にはLGエレクトロニクスが「LG G6」(日本未発売)、サムスン電子が「Galaxy S8/S8+」といったように、縦長比率のディスプレイを採用した機種を積極的に投入した。

2017年発売の「Galaxy S8」「Galaxy S8+」は、18.9:9と縦長比率の有機ELディスプレイ「インフィニティディスプレイ」を採用したことで大きな話題となった

この韓国の両メーカーとも、グループ内にディスプレイデバイスを開発する企業を持っている。それゆえ縦長比率のディスプレイが生み出されたのには、実は大画面化だけが目的ではない。自社のスマートフォンに新しいディスプレイをいち早く搭載し、トレンドを作り上げることで、グループ企業のディスプレイデバイス販売拡大につなげる狙いもあったといえる。

だが、縦長ディスプレイで大画面化するというアイデアを真っ先に実践したのは、実はアップルである。アップルはかつてディスプレイの大画面化に消極的で、2011年発売の「iPhone 4s」までは3.5インチのサイズにこだわっていた。だが大画面化を求めるユーザーの声を受け、2012年発売の「iPhone 5」でディスプレイサイズを4インチに拡大した際に、ディスプレイの横幅はそのままに、縦に長くするという手法をとったのである。ある意味、アップルは5年前に現在のトレンドを先取りしていた、といえるかもしれない。

スマートフォンのディスプレイを縦に伸ばして大画面化するというアイデアをいち早く実践したのは、アップルの「iPhone 5」だった

しかしながら、ディスプレイを縦に伸ばして画面サイズを大きくする工夫にも、いずれ物理的な限界が来ることは目に見えている。そこで、さらなる大画面化の追求で、いま注目されているのが折り畳み式ディスプレイだ。このアイデア自体は、NTTドコモが2013年の「MEDIAS W」(NECカシオ モバイルコミュニケーションズ製)、2018年の「M」(ZTE製)で既に実現しているものだが、いずれも2枚のディスプレイを用いていたため、どうしても画面の折り目に継ぎ目が発生してしまう弱みを抱えている。

折り畳みスマートフォンとして注目されたNTTドコモの「M」は、2枚のディスプレイを用いるスタイルであるため折り畳み部分に継ぎ目が発生してしまう

だが有機ELを用いれば、ディスプレイを折り曲げられる“真の”折り畳みスマートフォンが開発できると言われており、大手スマートフォンメーカーがその開発を進めているとの観測報道も幾度となくなされている。

これは折り畳みできるという意味の「フォルダブル」スマホなどと呼ばれ、先ごろはサムスン電子が、来年発表するというフォルダブルスマホ「Galaxy F」のプロトタイプを開発者向けに見せはじめたりしている。2019年は各社から製品が登場するのではないか? との声もあるようだが、いま確実に言えることは、真の折り畳みスマートフォンがいつ、どのメーカーが、どのような形で投入するのかが、大いに注目されているということだけである。