遅れてきたニコン、ミラーレス市場で巻き返しの勝算は?

遅れてきたニコン、ミラーレス市場で巻き返しの勝算は?

2018.08.28

ニコンがフルサイズミラーレスに参入のナゼ

デジタルカメラ市場はスマホ普及で減少の一途

カメラの出来は良いが、それだけでは難しいか

ニコンが、新たなマウントシステムとして「Zマウントシステム」を発表した。従来よりも口径の広いレンズマウント規格で、そのシステムを採用した最初の製品として、フルサイズミラーレスカメラ「Z7」「Z6」を投入する。ミラーレス化で遅れたニコンだが、巻き返しはなるか。

ニコンのZ7(左)とZ6

デジカメ市場はスマホに押され減少傾向

デジタルカメラ市場は減少の一途をたどっている。もともと、デジタル化の恩恵で拡大した市場だが、出荷台数ベースでは2008年の1億1,975万6,808台(カメラ映像機器工業会:CIPA 調べ)をピークに縮小している。時期的にも、スマートフォンの台頭がカメラ需要を浸食したのは間違いないだろう。

それに対して、毎年撮られる写真の枚数は増えている、というのは衆目の一致するところだ。機器としてのカメラはスマートフォンに移行しているが、写真を撮るという行為自体は増えているということだ。その中で、スマートフォンでは撮影できないような写真を撮るために、高級コンパクトデジカメやレンズ交換式カメラに移行するユーザーが増えはじめている。

レンズ交換式カメラ自体は数量ベースで減少傾向だが、ミラーレスカメラは好調だ。2017年には前年比で反転してプラスに転じ、CIPAによる12年の統計開始以来最高の400万台を突破した。海外市場での伸びが大きく、国内市場でも過去最高ではないものの、カメラ不調のなかミラーレスカメラだけは昨年比で反転した。

国内市場は、「レンズ交換式カメラ」のくくりでは減少の一途だが、ミラーレスカメラは出荷台数も増え、復調の兆し

ミラーレスを牽引するソニー、追従する他社

カメラのデジタル化によって、「一眼レフ」という構造は重要性が薄くなっている。そうした現状に先駆けたのが、伝統的なカメラメーカーであるオリンパスと、新興メーカーのパナソニックが生み出したフォーサーズマウントシステムだった。両社はそれをさらにマイクロフォーサーズに進化させて市場を牽引してきたが、ここに来て一気に市場を席巻したのがソニーだ。

ソニーは、これも伝統的なカメラメーカーであるコニカミノルタ(当時)のカメラ部門を取得し、レンズ交換式市場に参入して製品を開発してきたが、フルサイズセンサーを搭載したミラーレスカメラを相次いで投入したことで、市場を拡大させた。

ソニーはこれまでに、プロ向けの「α9」、ハイアマチュア向けの「α7シリーズ」とフルサイズセンサー搭載ミラーレス製品を拡充。フルサイズセンサーは「デジタル一眼レフカメラのもの」といった風潮から、「フルサイズセンサー搭載のミラーレスカメラ市場」を確立したといってもいいだろう。

フルサイズのミラーレスカメラは、ソニーが牽引してきた

こうしたミラーレス市場に対して、大手2社のキヤノン、ニコンも追従はしてきた。キヤノンは主力のAPS-Cサイズセンサーを搭載した、主に一般ユーザー向けのミラーレスカメラを投入しているが、ニコンはこれまで、1インチセンサーを搭載したコンパクトなミラーレスカメラ「Nikon 1シリーズ」しか投入してこなかった。このシリーズもすでに生産が終わっており、ニコンにはミラーレスカメラがない状態だった。

しかし、市場はミラーレス化が止まらず、ユーザーからもニコンのミラーレスカメラを求める声が大きくなってきていた。フルサイズセンサー搭載ミラーレスカメラ市場も拡大している。そうした中で登場したのが、今回のZマウントシステムだ。

ニコン新ミラーレスの強み

Zマウントの開発において、歴史ある既存のFマウントシステムを継承できればレンズ資産の面でメリットはあるが、フィルム時代から続くシステムは、今後のデジタル化の恩恵を受けづらく、新たなレンズ設計も難しい。ニコンがそうしたジレンマに悩まされたことは想像に難くない。

ニコン映像事業開発部長の池上博敬氏によれば、「ゼロベースで」検討した結果、フランジバック16mm、マウント内径55mmという設計が最適という判断となり、新たなZマウントシステムが誕生した。

これによってレンズ設計の自由度が増し、同社のレンズとしてはもっとも大口径の開放F値F0.95クラスのレンズが設計できるようになるなど、レンズ設計の自由度が増し、画質面でもより高解像度のレンズが作れるようになった、という。また、レンズ接点も大容量化し、今後の8Kなどの高解像度映像の撮影などにも対応できるようにした。

フルサイズセンサーを前提としたマウントシステムとなったことで、最初の製品としては、当然フルサイズセンサーを搭載したプロ・ハイアマチュア向けのZ7/Z6が投入される。Nikon 1では、どちらかというとデジタル一眼レフの下位に位置づけられていたミラーレスだが、今回はデジタル一眼レフと同等かそれ以上の位置づけとして登場したのだ。

価格もZ7が市場想定価格44万円前後、Z6が同27万円前後と、決して安いモデルではない。しかし、マウントアダプター経由で従来のFマウントのレンズも使用でき、既存のニコンユーザーの受け皿として、画質面でも機能面でも対応できるスペックを備えた。

このタイミングでの参入、意図はどこにあったのか

筆者は今回のニコンの発表を、タイミング的にはギリギリであったと感じている。これ以上遅れると、フルサイズミラーレスを求めるユーザーがニコンからソニーに流れていた危険性もあっただろう(すでに流れている人もいるはずだ)。2020年の東京五輪を前に、システム移行を検討するにもギリギリのタイミングだ。すぐにZマウントに移行しなくても、今後を期待して、2020年もニコンのシステムを継続するという判断もありえる。

今回のZ7/Z6は、デザインは一眼レフライクだし、突出した機能があるわけでもない、保守的な製品ではある。プライマリのターゲットがニコンのフルサイズカメラのユーザーに対する買い替え、買い増しという点で、まずは一眼レフユーザーに訴求したい考えが見てとれる。

しかし、単に「既存のニコンユーザーの受け皿の高額なフルサイズミラーレス」というだけでは、市場の拡大には繋がらない。ニコンは、もう1つのターゲットとして新規のフルサイズカメラユーザーを挙げており、若年層や女性比率が高くなることも想定している。こうしたユーザーに対しては、単に高画質や高機能だけでなく、さまざまな仕掛けが必要になる。今後の商品展開が鍵を握っているだろう。

新製品のターゲットユーザー

初代なのに「7」と「6」という中途半端なナンバリングをしているので、今後さまざまな製品ラインを考えているという推測は難しくない。少なくとも、より上位のプロ向けは登場するようだ。その型番が「1」になるのか「9」になるのかは不明だが、その後、よりコンシューマ向けの「2ケタ型番」も出るかもしれない。ただ、Zマウントシステムはフルサイズセンサーを前提としているので、「センサーサイズを小さくして安くする」という戦略はなさそうだ。

ニコンは、「フルサイズミラーレスカメラ市場でシェアナンバー1を目指す」と宣言している。過去にも、キヤノンがKiss Digitalで安価なデジタル一眼レフ市場を確立したが、「フルサイズミラーレスでより安価な製品」が市場を席巻する可能性はある。だが現状は、高額なセンサーが必要になる時点で、あまりに安いフルサイズミラーレスカメラは実現が難しいだろう。

Z7/Z6は、カメラの出来の良しあしはさておき、ニコンのミラーレスカメラ戦略の足がかりとしては、まだ評価はしづらい。今後のレンズシステムの拡充、製品の新たな仕掛けなど、やるべきことは多いだろう。
 

CESで大注目の「折り曲げられるスマホ」、普及の見込みは?

CESで大注目の「折り曲げられるスマホ」、普及の見込みは?

2019.01.18

中国メーカーが自在に折り曲げられるスマホを実現

「大画面×コンパクト」を両立する夢のデバイス、実用性は?

端末の魅力を引き出すアプリ登場が普及のカギか

米ラスベガスで開催された世界最大級の家電見本市「CES 2019」では、2019年のトレンドを先取りする新ガジェットが一堂に会した。その中でも一際大きな注目を浴びたのが「折り曲げられるスマホ」だ。商品化にこぎ着けたのは世界初という。

折り曲げられるスマホ「FlexPai」

スマホの画面サイズが大型化を続ける中、iPhone SEのような小型スマホを求める声は依然として多い。そこで登場した折り曲げられるスマホは、「大画面」と「コンパクト」を両立する夢のデバイスに見える。果たして普及の可能性はあるだろうか。

自在に折り曲げられるスマホ、中国メーカーが実現

折りたためる2画面のスマホというアイデア自体は、実はそれほど目新しいものではない。NTTドコモとZTEが共同開発した「M Z-01K」などは、現行モデルとして国内で販売中だ。

だが、従来の2画面スマホはヒンジを用いて2つの画面をつなげたものに過ぎなかった。その後、液晶とは異なる特性を持つ有機ELが登場したことで、ディスプレイを紙のように自在に折り曲げられることも夢ではなくなった。

有機ELの「曲げに強い」という特性は、多くのスマホに活用されている。サムスン電子のGalaxyシリーズが画面端を曲面にしたスマホを発売後、ソニーモバイルシャープもこの形状を採用している。

これを推し進め、開くとタブレットのような大画面、2つに折り曲げるとスマホサイズという端末の可能性が見えてきた。そして2018年10月、中国のRoyoleが、世界で初めての折り曲げられるスマホ「FlexPai」を商品化したのだ。

中国Royoleのブース。フレキシブルディスプレイを使った様々な製品が並んだ

CES 2019では韓国のLG電子が巻き取り式のテレビを発表するなど、「曲がるディスプレイ」が会場全体で話題になっていた。そうした下地もあって、Royoleの出展ブースには来場者の行列が絶えず、展示機がバッテリー切れを起こすほどの盛況となっていた。

実用性はさておき、スマホの進化の可能性を示した

FlexPaiの特徴は、開いた状態ではタブレットに近い形状になり、そこから自由に折り曲げできる点にある。従来の2画面スマホとは異なり、広げた状態でも画面の境目がないため、タブレットと同じ感覚で利用できる。

広げた状態ではタブレットのように使える

メーカーが挙げるメリットは、複数のニーズごとの端末を1台に集約できることだ。大画面が欲しい人の中には、スマホとタブレットを両方持ち歩いている人もいるだろう。だがFlexPaiなら持ち歩くのは1台で済むというわけだ。

折り曲げた状態では一般的なスマホと同じように使える

折り曲げというギミックから、耐久性に不安を覚えるものの、20万回程度の折り曲げに耐えられるという。ただ、折り曲げると厚みが出るため、スマホのようにコンパクトに持ち歩くことはまだ難しい。

アプリの対応も課題だ。FlexPaiを折り曲げた状態では「表面」と「裏面」に加え、折れ曲がった「エッジ」の3画面を利用できる。FlexPaiの魅力を引き出すには、これら3画面を活用するようなアプリの登場が待ち望まれる。

そこでRoyoleは、FlexPaiをアプリ開発者向けに1,318ドルの価格で先行販売している。まずは開発者にデバイスを手に取ってもらい、どのような活用方法が考えられるか、アイデアを募っていく段階といえる。

会場で実機を試した印象だが、現段階での折り曲げスマホは実用的とまではいえないと思えた。しかしRoyoleという会社の名前を世界に知らしめ、フレキシブルディスプレイの技術を示したという意味では、この発表は大成功を収めたといえるのだろう。

また、サムスン電子など大手スマホメーカーも折りたたみや折り曲げ端末の開発を進めており、グーグルはAndroid OSとして公式サポートを表明している。スマホの次なる進化の可能性を真っ先に示したFlexPaiを、この場の実用性で語るのはお門違いなのかもしれない。

日本車のインテリアには独創的な未来がある? 「1kg展」で感じた可能性

森口将之のカーデザイン解体新書 第12回

日本車のインテリアには独創的な未来がある? 「1kg展」で感じた可能性

2019.01.18

国内主要メーカーの内装デザイナーが集まり展示会を開催

テーマは“1kgの価値”をどこまで高められるか

実車に応用できる? 独創的な作品の数々

国内主要自動車メーカー8社のインテリア・カラーデザイナーが参加する団体「JAID」が初の作品展を開催中だ。“1kg”という重さにこだわり、最新の3Dプリンターを駆使して各社のデザイナーが生み出した作品は独創的で、会場の「GOOD DESIGN Marunouchi」(東京・丸の内)は小さな現代美術館のような雰囲気になっている。

ダイハツ工業のデザイナーが出品した「受け継がれる樹脂」という作品

雑誌の対談が契機となり生まれた「JAID」

「JAID」という名前を初めて目にした人も多いだろう。「ジャパン・オートモーティブ・インテリア・デザイナーズ」の略で、「ジャイド」と読むそうだ。

創立のきっかけとなったのが、自動車雑誌「NAVI CARS」(ナビカーズ)での対談だったと聞いて、「あの号だ!」と即座に思い浮かんだ。クルマのインテリアを特集したナビカーズの2015年7月号で、筆者も別の対談に参加させていただいていたのだ。その号に国内メーカーのインテリアデザイナーが語り合うページがあったことは記憶の片隅に残っていた。

雑誌の売れ行きが落ちているといわれて久しい。それだけに、1つの雑誌の企画からJAIDのようなコミュニティが生まれたことは、モータージャーナリズムに身を置く者として嬉しい気持ちになる。

日産自動車のデザイナーが出品した「∞ Fluff」

価値ある1kgの創造に挑んだデザイナーたち

そのJAIDが企画したのが「1kg展」だ。なぜ“1kg”にこだわるかといえば、クルマの開発に携わる人たちにとって切実な「kg単価」という指標に理由がある。

「kg単価」とは、クルマの開発で使われる値段の単位だ。インテリアデザイナーとしてはkg単価が高い、いわゆる良い素材を使いたいという気持ちは大きいだろう。快適性や安全性の追求、さらには電動化への対応、重量の削減といった視点も持ちながら素材を選んでいるはずだ。

しかし、贅を尽くしてばかりでは車両価格の上昇を招くので、妥協が必要になる。おそらくインテリアデザイナーは、このような状況で悩みながら、新しい素材や仕立て、色などを取り入れるべく、奮闘の毎日を過ごしているのだろうと想像している。

では、そういった制約がなくなったとき、デザイナーたちはこのkg単価をどこまで価値あるものに仕上げられるのだろうか。これが、今回の展示会のテーマだ。最新の3Dプリンターを駆使し、時間や空間、物質としての限界などを飛び越えた作品を独自の着眼点で製作すると同時に、広くカーインテリアデザインの魅力を伝えたい。そんなメッセージのこもった展示会なのである。

ホンダのデザイナーが出品した「風速1kg」

素材と色のコーディネートが味わえる「ハンバーガー」

会場のGOOD DESIGN Marunouchiは、2013年度から通算5回、今年度も含めてグッドデザイン賞の審査員を担当している筆者にとってはなじみ深い場所だ。ところが、「1kg展」の内覧会を訪問した時には、状況がまるで違っていた。いつもは展示物をゆったりと眺めることができる空間なのに、この日はラッシュ時の駅のようにごった返していたのだ。それだけ、インテリアデザイナーの斬新な発想に期待する人が多かったということだろう。

日産のデザイナーが出品した「4D flower」。「1kg展」に作品を持ち寄ったのは、国内大手自動車メーカー7社(ダイハツ工業、ホンダ、三菱自動車、日産自動車、スバル、スズキ、トヨタ自動車)だ

作品の中には、クルマのインテリアデザインとは関係なく、最新の3Dプリンターならではの表現能力の高さをアピールするような作品も見られた。それらを業界の枠を飛び越えた独創的な作品と捉える人もいたようだが、クルマが好きで今の仕事に携わっている(はず)の方々だからこそ、もっとインテリアにこだわって欲しかった。

ただ、クルマのインテリアとの関連性が高い作品が大半を占めていることは確かで、中には独創的な発想や興味深いアイデアも見られた。本稿では独断と偏見で、そのうちの3つを紹介していこう。

まずは、会場の入り口近くに置かれていた「CMFバーガー」だ。「CMF」とはカラー、マテリアル、フィニッシュの頭文字で、ナビカーズでの対談が行われた頃から、自動車に限らずデザイン分野でひんぱんに使われるようになってきた言葉だ。造形だけでなく色や素材、仕立てにも気を配ることで、より完成度の高いデザインが生まれるというような意味が含まれている。

「CMFバーガー」はトヨタのデザイナーが出品

この作品は、CMFのコーディネートを1kgのハンバーガーに見立てて表現したもの。レザーのバンズ、クリアレンズのトマト、加飾素材のチーズやパティ、シート素材のレタスがさまざまな色で用意してあり、好みのバーガーを作り出せる。

3つの作例では、CMFの違いでかなり雰囲気の異なるバーガーを作れることが分かった。バンズを肉抜きタイプにすると総重量が1kgを切るなど、計量化を実感できる仕掛けも盛り込んである。ディーラーが車種別にCMFハンバーガーを用意すれば、顧客は楽しみながらカラーコーディネートを試すことができるかもしれない。

ディーラーに「CMFバーガー」が置いてあったら面白いかも

インテリアをボールにした斬新な作品も

続いて紹介するのは「トランスフォームステアリング」。自動運転が実用化された未来を想定した変形機構を持つステアリングで、手動モードでは伸びて操舵できる状態となり、自動モードでは縮めて格納しておける。全てがマットブラック仕上げだが、グリップ部分、変形部分、外枠部分を別のメーカーのプリンターで製作することで、素材の違いを表現している。

トヨタのデザイナーが出品した「トランスフォームステアリング」

製作したデザイナーはステアリング機能だけを想定していたようだが、左右のグリップをねじることでアクセルやブレーキの操作ができれば、この部分だけで基本的な運転操作ができる合理性の高いインターフェイスになると思った。ペダルがなくなれば、室内レイアウトの自由度も高まりそうだ。

伸ばせば手動運転に使えるし、自動運転中は縮んだ状態で格納しておける

最後は「インテリアボール」だ。写真を見てお分かりのとおり、クルマのインテリアを構成するパーツをボール状のアートとして表現したもので、多くのパーツをまとめ上げ、世の中というフィールドにデザインを“投げ”かけているインテリアデザイナーの仕事をボールの形に込めたのだという。

「インテリアボール」はホンダのデザイナーが手掛けた

展示してあるのは1個だけだが、スポーツの世界では競技によってサイズの違うボールを使うことにも製作者は着目している。使用する材料や加工方法を変えることで、同じ1kgでもサイズや見え方の違った表現ができるそうだ。

しかしながら筆者には、これがボールではなく卵に見えた。卵から生まれる前のクルマ、そのインテリアデザインは、こうなっているのではないかと想像したのだ。同じクルマのエクステリアデザインを卵の殻で表現することで、多くの車種を球形にできれば、一風変わったミニチュアになるのではないだろうか。

JAIDが企画した1kg展の作品群は、それ自体が柔軟かつ斬新な発想から生まれているだけでなく、見ているこちらも創造力が掻き立てられるものだった。この展示会を訪れて、日本の自動車メーカーにインテリアデザインの実力者が多いことに感心するとともに、メーカーには、この実力を引き出して製品に結び付ける能力が求められていることを教えられた。

1kg展の会期は1月25日まで。入場は無料だ。時間に余裕のある方は、一度訪れてみてはいかがだろうか。