「携帯料金4割値下げ」への疑問、失策のツケは結局ユーザーに?

「携帯料金4割値下げ」への疑問、失策のツケは結局ユーザーに?

2018.08.27

菅官房長官の携帯電話料金を巡る発言で各キャリアは右往左往

2GB、5GBにおける日本の携帯料金は、世界で「中位の水準」

通信料金は下がっても、端末割引がなくなるオチがつく?

菅官房長官の発言が、モバイル業界に激震を起こしている。同氏の「携帯電話料金はあと4割値下げできる余地がある」発言によって、各キャリアでは右往左往した状態に陥った。

NTTドコモの太口努5G事業推進室長は「今回の4割値下げ発言は我々としても深刻に受け止めている。事業へのインパクトは大きくなるかも知れない」とコメント。2020年に始まる5Gサービスでは、NTTドコモは現状維持もしくは高速大容量のサービスにおいては多少の値上げも検討していたようだが、菅官房長官の発言により、安易に料金プランを決められない、予断を許さない状況となった。

「日本の携帯電話料金は高い」の誤解

ただ、一連の報道で気になったのが、「日本の携帯電話料金は高すぎる」という誤解だ。

総務省が平成29年7月に発表した「電気通信サービスに係る内外価格差調査」というデータによれば、アメリカやイギリス、フランス、ドイツ、韓国などと比べた場合、2GB、5GBのプランにおいては日本は「中位の水準」ということで、平均的な料金におちついている。

平成29年7月に総務省より発表されたデータによれば、2GB、5GBのプランにおいて日本の水準は平均的な料金におちついている (出所:総務省「電気通信サービスに係る内外価格差調査」より)

ただ、20GBのプランに関しては、日本はドイツについで2番めに高い料金となっている。菅官房長官は、この20GBのプランだけを切り出し、「日本の携帯電話料金は高い」と言い出しているのだ。しかも、日本が8,642円なのに対し、イギリスが2,947円であるため、イギリスと比較した上で「日本は4割程度、値下げの余地がある」という根拠になっているようだ。

イギリスは日本に比べて、キャリアの数も多く、競争環境が働いているから料金も安くなっているという背景があるだろう。その点、日本もかつてはイー・モバイルという4社目があったが、結局、ソフトバンクに買収されて3社体制となってしまった。結局、競争が弱まり、料金が高止まりしている感がある。

イー・モバイルがソフトバンクに買収されたのは、総務省や公正取引委員会が買収に待ったをかけられなかったのが敗因だ。いまの3社体制を作ってしまい、料金が高止まりしている原因は総務省のせいでもあるのだ。

通信料金4割値下げは可能か?

では、実際に各キャリアは4割程度、通信料金を値下げすることは可能なのだろうか。

そもそも、各キャリアは民間企業であり、政府から圧力がかかったからといって、収入を下げるというのはお門違いな話といえる。各キャリアには、株主が存在する。会社は株主のためにも営業活動をしなくてはいけない。政府に圧力をかけられたからといって、収入を下げるようでは、今度は株主から吊し上げを食らうことになるだろう。

ただ、それでは、菅官房長官の立つ瀬がない。総務省としても、なんとかして、各キャリアに値下げを求めてくるはずだ。おそらく、4割とはいかないまでも、1割か2割程度の割引が実現して、丸く収めるのではないだろうか。多少、値下げが実行されれば、菅官房長官も納得するはずだ。

ではどうやって実現するのか? というと、ここからは推測となるが、おそらく、端末割引をなくす代わりに、通信料金が下げるという方法が最も現実的な方法ではないだろうか。

すでに、KDDIが「ピタットプラン」、NTTドコモが「docomo with」というプランを導入しているが、これらはいずれも、端末には割引は適用させず、通信料金を安く見せるというやり方になっている。ピタットプランであれば、データ通信料金は使った分だけを支払うかたちになっているし、docomo withは、月額1500円が毎月、割り引かれるという施策だ。

これらのプランを改定、あるいは強化することで、見せかけ上は「4割とはいかないまでも、ちょっと安くなった感じ」をアピールすることができるはずだ。ただし、これは「通信料金が安く見える」という話であり、端末代金は割引が適用されず、そのままの代金が請求されるということになる。iPhoneであれば、10万円以上を支払うことになるだろう。

各キャリアでは高額スマホを買いやすいように4年間の割賦払いなども提供しているが、こちらは公正取引委員会が「4年縛りは許さん」とお怒りモードだったりする。結局、高額スマホの支払いに対する負担感が増すことになりそうだ。

つまり、ぱっと見は通信料金は安くなったように見えるが、一方で端末の割引販売がなくなることで、端末の支払いは増えることになりかねない。結局、ユーザーが毎月支払うスマホ代のトータルはあまり変わらないというのが、菅官房長官発言の「オチ」になってしまいそうだ。

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なぜ国内版「Xpeira 1」のストレージは半分になってしまったのか

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待望のXperia 1国内投入に、なぜか落胆の声?

原因はストレージのスペックダウン、その背景

価格とスペックの狭間でゆれる国内市場の現状

携帯電話大手3社から夏のスマートフォン新モデルが次々と発表されたが、ソニーモバイルコミュニケーションズの「Xperia 1」に、ファンから落胆の声が上がっているようだ。それはストレージ容量が海外版の最大128GBではなく、64GBに抑えられてしまったため。そこには販売価格を巡る、メーカーや携帯電話会社の苦悩があるといえそうだ。

値引きが難しい状況下で価格を下げる苦肉の策

大型連休が終わると、携帯電話業界は夏商戦に向けたスマートフォン新製品が次々と発表されるシーズンに入る。今年もその例にもれず、大手メーカーを中心として各社からスマートフォン新製品が次々と発表されている。

だが各社の新製品発表直後、ちょっとした話題となったのが、ソニーモバイルコミュニケーションズの「Xperia 1」に関してである。Xperia 1は映画が見やすい21:9比率の4K有機ELディスプレイを搭載した同社のフラッグシップモデルで、携帯キャリア大手3社から発売される予定だが、話題となった理由はストレージ容量にある。

Xperia 1のストレージ容量は、グローバルで見ると最上位モデルで128GBだ。だが国内に投入されたXperia 1は、ストレージ容量がその半分となる64GBのモデルのみであった。それゆえ最上位モデルの登場を期待していたファンから、落胆の声が多く上がったのである。

大幅なリニューアルをはかったことで注目されていた「Xperia 1」だが、海外版と比べストレージ容量が減らされていたことに落胆の声を上げるファンが多かったようだ

ではなぜ、Xperia 1のストレージ容量は減ってしまったのだろうか。その理由は国内市場向けの販売価格にあると考えられる。例としてNTTドコモ版のXperia 1の価格を見ると、ドコモオンラインショップで10万3,032円となっている。かなりの高額であるというだけでなく、それより高い機種は、東京五輪限定機種モデルの「Galaxy S10+ Olympic Games Edition SC-05L」(11万4,696円)しかない状況のようだ。もしXpeira 1をグローバル版そのままのスペックで投入した場合、もっと高額な販売価格になってしまったはずだ。

しかもこの夏は、NTTドコモが通信料金と端末代を分離した新料金プラン「ギガホ」「ギガライト」の投入を発表するなど、携帯電話会社が従来のように、通信料金を原資としてスマートフォンの価格を大幅に値引くことが困難になっている。そうした状況下で端末価格が高騰し過ぎると、販売が大きく落ち込んでしまうことから、スペックを下げたモデルを投入して価格を下げるという判断に至ったのだろう。

なぜストレージ容量の少ないモデルを選んだのかというと、ユーザーに与える影響が最も少ないためと考えられる。チップセットやRAMのスペックを下げるとパフォーマンスに大きな影響が出てしまうが、Xperia 1はmicroSDスロットを備えており、最大で512GBのストレージを追加できることから、そちらでカバーできると判断したのだろう。

海外より安い「P30 Pro」の狙い

もっとも、市場動向や企業戦略などによって端末価格を下げたり、スペックを落とした割安なモデルを投入したりするケースはこれまでにもよく見られたものだ。今回の夏モデルでいうと、ある意味NTTドコモが販売予定のファーウェイ製フラッグシップモデル「P30 Pro」も、そうした戦略を感じさせる内容となっている。

NTTドコモから販売予定の「P30 Pro」。海外版にはないFeliCaにも対応させながら、9万円以下というコストパフォーマンスの高さで話題となった

P30 ProはRAMとストレージの容量によって価格が異なり、最上位モデルはRAMが8GB、ストレージが512GBで、海外での価格は1249ユーロ(約15.3万円)とかなりの高額だ。だが日本に投入されたのは、RAMが6GB、ストレージが128GBの最も安価なモデルであり、価格もドコモオンラインショップで8万9,424円。SIMフリー版として発表された下位モデルの「P30」が7万7,880円であることを考えると、日本でのP30 Proがいかにお得な価格設定となっているかが分かる。

2019年3月にパリで実施されたP30シリーズの発表会より。P30 Proは国内向けよりスペックが高いRAMが8GBのモデルを中心にアピールしており、その価格も999ユーロ(約12.2万円)からと高額だ

ファーウェイがP30 Proをスペック重視ではなく、安価重視で投入してきたのには、やはりP30 Proの販売数を拡大したい狙いが強いといえる。ファーウェイはSIMフリー市場ではトップシェアを誇るが、それより規模が大きいキャリア大手3社向けの市場に関しては、2018年に再進出を果たしたばかりのため、認知度が低く存在感がまだ薄い。そこで新機種を割安に設定することで、携帯大手からの販売を一気に拡大し、市場での存在感を高めたかったのだろう。

もっともファーウェイは今、日本でのP30 Proの発表直後に米国からの制裁を受けたことで、P30 Proの予約が中止されるなど今後の販売が不透明になるという、別の問題を抱えてしまっている。だがそうした制裁の影響がなければ、コストパフォーマンスの高さによって、NTTドコモでの販売を大きく伸ばしていた可能性も十分考えられただろう。

国内では、スペックよりも価格を重視する消費者が多いという現状があるだけに、今後も各社の戦略によって、スペック重視のユーザーが不満を抱くケースが出てくる可能性は高い。だがあまりにも価格重視でスペックを下げ過ぎてしまうと、今度はスペック重視の消費者から多くの批判を集めて、製品そのものの評判が落ち、それが売り上げに響いてしまう可能性も出てきてしまう。メーカーやキャリア会社にとって今は、そのさじ加減が非常に悩ましい所なのかもしれない。

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給食「完食指導」は適者生存の虐待か? 子どもへの悪影響に賛否

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漫画家・コラムニスト カレー沢薫さんの社会派連載!

第44回は、子供のトラウマ「完食指導」問題について

給食の完食指導が問題になっている。

「お残しは許しまへんで!」

アニメ『忍たま乱太郎』に出てくる食堂のおばちゃんの有名な決めセリフである。

彼女はそのセリフの通り、それを破る者には烈火の如く怒り、時には一週間食事抜き、掃除をさせる等の罰も辞さないという、「食事を残す者を地獄の業火で焼く人物」として描かれている。

あくまでフィクションであるし、何せ彼女が飯を与えているのは忍者の卵である、今後おそらく山田風太郎の世界で活躍しなければいけない面々だ。適切に調理された食堂の飯が食えないようではやっていけるはずがない。

しかし、忍たま乱太郎の世界ではあれが適切としても、将来、忍にならない子ども相手にそれをやるのは問題なのではという声が挙がっている。

令和になっても残ってしまったトラウマ給食

石でも甘辛くしてもらえれば食える、という偏食のない人間には無縁な話だろうが、そうでない者には「給食のトラウマ」の一つや二つあるのではないだろうか。

一番多いのは「完食するまで帰れま10」だ。これが表題にもなっている「完食指導」である。食べきるまで昼休みに入らせなかったり、居残りをさせたりというものだが、中には「食べ物を無理やり口に詰め込まれて嘔吐」というストロングスタイルの指導を受けた者もいる。

ここまでなら、まだ個の問題だが「みんなが食べきるまで全員昼休みに入らせない」という、齢10にもいかない内から連座制の厳しさを叩きこむ学校もあるようだ。

これらは全て、トラウマとして残る。私でさえ、保育園の時、とりあえず口には入れたが長考したのち「やはり無理」と吐いたほうれん草の白和えのポップなビジュアルを未だ覚えているぐらいなので、無理やり口に入れられた人が忘れるわけがない。

漫画家の清野とおる先生も保育園の時、カワイイ女の子が無理やり嫌いなものを食べさせられ嘔吐したのがトラウマになっていると書いていたので、当事者でなくても同胞が目の前で嘔吐するというのは恐怖なのである。

その結果、傷を負い、登校拒否になったり体調不良を起こしたりする児童がおり、またこの経験から大人になっても「人と食事をするのが怖い」と感じる人もいるという。

そういった強制的完食指導に意味があるかというと、私はないと思う。なぜなら、未だにほうれん草の白和えが嫌いだし、義実家での食卓で姑が「今日の推し」と言わない限りは食わない気がするからだ。無理やり食わされても、大人なのでさすがに嘔吐はしないと思うが、代わりに耳あたりから出てくると思う。

このようにアレルギーでなくても「生理的に無理」な食べ物は存在する。生理的に無理な人の指が口の中に入ってくるところを想像して欲しい。「無理」としか言いようがないだろう。そのレベルでダメなものを飲みこませることが、人間にとってプラスになるとは思えない。

しかし、そこを慮りすぎて「好きな物しか食べない人間」になるのも問題である。「大して好きじゃない物」や「苦手な物」程度なら「感情を無にして食える」練習をしておいた方が、社会に出た時や義実家などでトラブルが起こりづらいのも確かである。

食育に力を入れている小学校では、生徒個人に合わせて最初から食べる量を増減させたり、または無理やり食べさせるのではなく、生徒自身が「今日俺ニンジン食っちゃうよ?」という気になるような給食環境づくりに取り組んだりしているという。

食事は「楽しい」ことが一番

昭和のトラウマランチタイムをサバイヴしてきた人間からすると、これらのやり方は「スイート」に感じられるかもしれない。

しかし、上記の食育に力を入れている学校の校長曰く「食事が楽しくなくなるのが一番ダメ」だそうだ。確かに、食事以外に楽しいことが一つもない、という人間は私含め大勢いるし、今の子どもの65%ぐらいはそういう大人になるはずである。(当社調べ)

そんな65%の唯一の楽しみを子どものころから奪うというのは、虐待と言っても過言ではないし、何のために生まれて来たのかさえわからなくなってしまう。

ちなみに私には90歳になる祖母がいるのだが、そのババア殿は一時期、シュークリームのクリームとジュースしか飲まないという、妖精みたいな生活を送っていたが、普通に生きている。何故なら、そのジュースが妖精になった老人用に作られたメチャクチャ栄養があるジュースだからである。このように、昔だと食事=適切な栄養を取る行為であったが、最近では食事からじゃなくても栄養はとれるようになってしまった。

ならば、食事をただの生命維持活動ではなく、「楽しみ」として重視していくのも自然の流れなのかもしれない。

もちろん、作ってくれた人への感謝など、倫理的なことを言えばやはり、偏食なく、出された物は何でも食えた方が良い。

よって、偏食が多い人も「これだけ嫌いなものがあるから出すな」「嫌いなものを食べさせようとするのはハラスメント」と己の権利を主張するだけでは、協調性がないと取られてしまう。

自分で作る、1人で食う、食事会でも自分が幹事をやって店を選ぶ、など嫌いな物を食べず、なおかつ周りにも不快感を与えない方法を考えていくべきだろう。この方法で、私は1年中300日ペペロソチーノだけを食い続けたが、特にトラブルはなかった。

と言いたいが夫に「くさい」と言われたので、自分の食を楽しみつつ、周りに迷惑をかけないのは、なかなか大変ことなのである。

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