eスポーツの理解を深めるセッション開催 - アール氏など6人が解説

eスポーツの理解を深めるセッション開催 - アール氏など6人が解説

2018.08.28

eスポーツ選手はアスリートに近づいている(アール氏)

日本ではゲーム動画を観る土壌ができている(中村鮎葉氏)

自分が好きなものについて胸を張って言えるように(かずのこ選手)

8月21日、東京竹芝にてデジタルとコンテンツの産業拠点構築を目指して活動しているCiP協議会が、その成果を国内外に発信するイベント「YouGoEx」を開催。そのYouGoExにて、eスポーツに関するカンファレンス「e-Sportsエキシビジョン」が行われた。昨今のeスポーツが急速に発展しつつあるものの、まだまだ一般的には認知度が低いため、比較的ライトな層に向けたセッションとなった。

司会を務めるのは、eスポーツ市場に参入している吉本興業の次長課長の2人。どちらもゲーム好きを公言しており、特に井上聡氏は芸人の中でもゲーマーとして名が知れている。

eスポーツについて解説をしてくれるのは次の6人だ。
中村鮎葉氏:ゲームのプレイ動画の配信を中心に行う動画配信サービスTwitchの日本人第1号社員であり、『大乱闘スマッシュブラザーズシリーズ(スマブラ)』のトッププレーヤーでもある。
ゆわ選手:中学生ながら『パズドラ』のプロライセンスを持つ。
リールベルト氏:世界でもっとも人気の高いeスポーツタイトルである『リーグ・オブ・レジェンド』の日本のプロチームで監督を務める。
アール氏:対戦格闘ゲームを中心に動画配信の実況を20年以上続けている。
SHAKA氏:元プロゲーマーで現在ストリーマー(ゲームの動画配信をする人)である。
かずのこ選手:『ストリートファイターVアーケードエディション』や『ドラゴンボールファイターズ』など複数の対戦格闘ゲームの大会に参加し、いずれも好成績を残している。

司会は次長課長の2人。どちらもゲーム好きで知られており、特に井上聡氏は『モンスターハンター』シリーズをはじめ、ハードなプレーヤーとしても知られている

世界でも議論されるe“スポーツ”の名称

最初のテーマはズバリ「eスポーツとは?」というもっともベーシックながら、誰もが知りたい内容が取り上げられた。

eスポーツは競技性のあるデジタルゲームを使い、プレーヤーがその技術を競い合うものだ。いわゆる従来のテレビゲーム大会と変わらないが、その規模とプレーヤーの技術力はまさにアマチュアとプロフェッショナルの差がある。

ただ、スポーツと冠しているだけあり、リアルスポーツとの差異である体を動かすということに関して、「ゲームはスポーツと見られにくいのでは」という次長課長の質問に対して、中村鮎葉氏は「運動でない部分は世界的に議論されています」と日本のみならず、世界でも話題になっていることを示した。

「世界で勝てるプレーヤーは尊敬されています。そういう意味ではアスリートに近づいてきたのではないでしょうか」とアール氏は語る。

これらの話を受け河本氏は、「ゲーム大会のままでは、権威がつけにくいのかも」と、日本人のゲームに対するスタンスとそれに対応するための手段として、スポーツを冠しているのではないかと言及した。

Twitchの日本人の第一号社員とスマブラプレーヤーの2つの肩書きを持つ中村鮎葉氏
対戦格闘ゲームを中心に20年以上の実績を持つ、ゲーム実況のトップランナーであるアール氏

最高賞金総額は『DOTA2』の27億円!

続いて話題はeスポーツイベントで発生する賞金について。ここはプロ選手として長年賞金付きトーナメントに参加しているかずのこ選手に話を聞いた。

「『ウルトラストリートファイターIV』のプロツアーで優勝したときに、1500万円の賞金を得ました。賞金はそれまでゲームばかりやって好き勝手やらせていただいたので、親に少し還元しました」と、かずのこ選手。

1500万円という高額に驚く次長課長の2人だが、そこでSHAKA氏が「大きな大会では2500人くらい参加しますが、それより小規模でも選ばれた選手のみが参加しており、高額賞金に見合うイベントになっています。最高額の話をすると、現在では『DOTA2』というゲームの大会が賞金総額27億円。バンクーバーのバスケコートかスタジアムで開催しており、チケットもプラチナ化しています」と世界の高額賞金大会について紹介した。

中学生ながらすでにプロとして活動しているゆわ選手にも賞金の話が移り、「僕のプロライセンスは賞金がもらえないジュニアライセンスなので、賞金はもらっていません。松竹芸能に所属しているので、そこからギャラを少しもらってはいます」と答えた。

高額賞金やスポンサー支援によってアスリートに近い状況にあるeスポーツ選手。普段どんな生活をしているのだろうか。

「1日10時間以上は練習しています」(かずのこ選手)
「四六時中ゲームに関わっています」(リールベルト氏)
「平日はほとんど『パズドラ』はやっていません。他の方と比べると全然違うので申し訳ないですが、遊び感覚でやっています」(ゆわ選手)
とさまざま。ただ、eスポーツで生計を立てている選手や監督と、プロ選手とはいえまだ賞金を得ていない選手とで、状況による差異とも見て取れた。

『ストリートファイターV アーケードエディション』や『ドラゴンボールファイターズ』などで世界大会に出場し、好成績を残しているプロゲーマーのかずのこ選手
『パズル&ドラゴンズ』のプロ選手としてライセンスが発行されているゆわ選手

eスポーツ観戦はシンプルなルールの動画視聴が第一歩

次の話題はeスポーツ観戦について。これからeスポーツを観戦してみたいという新規ユーザーにとって、どうやったら楽しむことができるかを話し合った。

eスポーツに限らずスポーツはルールや内容を知らないと楽しみにくい。その反面、自分で遊んだことがあるゲームであればとっつきやすいだろう。動画配信サイトには、数多くのゲームタイトルの大会動画があるので、好きなゲーム名で検索し、まずは大会を動画で視聴することが第一歩だ。

「テトリスやソーシャルゲームなどは、ルールも単純であまり詳しくない人も楽しめると思います」と話すアール氏に対して、河本氏から「テトリスでどうやって競い合うんですか?」という疑問が。

そこで中村鮎葉氏が「テトリスの大会はかなり熱いですよ。ブラインドテトリスとかあって、次に来るブロックの形だけは見えるんですけど、積み上がった状態は見えなくなっているんです。それでも、ちゃんとブロックを消していくんです」と答えた。

日本はeスポーツ市場がようやく立ち上がった状態だが、世界ではすでに一大イベントとして確立している。そこで、世界のeスポーツ事情についても言及した。

「ゲームタイトルごとに人気があり、それぞれの大会が盛り上がっています。私が監督しているチームの参加しているタイトルは『リーグ・オブ・レジェンド』ですが、その大会は1カ月くらいかけてやるんです。ちょうど先日サッカーのワールドカップが開催されていましたが、それに近いものがありますね。グループステージで勝ち抜いたチームがトーナメントに進出し、優勝をかけて戦います。会場も中国だとオリンピック会場になった鳥の巣や、韓国のソウルもオリンピックスタジアムなどで開催しています」(リールベルト氏)

観ているほうも、リアルスポーツと同様に良いプレーがでると歓声があがり、盛り上がるとSHAKA氏は述べる。「私が選手だったときは、プレーすることがすべてでしたが、ストリーマーになってからは大会を観るのが楽しくなった。それまで一度もプレーしたことがなかった対戦格闘ゲームも観るようになりました」

話を聞いていた井上氏は「芸人を集めてファミスタ大会とかやるんですけど、プレーしている人だけでなく、まわりで観ている人もすごく盛り上がります」と実体験を語った。

『リーグ・オブ・レンジェンド』のプロチームの監督を務めるリールベルト氏
プロゲーマーを経て、ゲームの動画配信を行うストリーマーに転身したSHAKA氏

日本におけるeスポーツの現状は?

特定の国の事情ではあるものの、これだけ盛り上がりを見せている世界のeスポーツに対して、日本は現状どうなっており、今後どうなっていくのだろうか。

「日本の動画データを見ると、人口の割合から多くの人がeスポーツ大会の動画を視聴していることがわかります。観るという土壌ができているので、今後うまくいくと思います」(中村鮎葉氏)

ただ、問題点がないわけではない。一番の問題点は、日本で好まれているゲームと世界でプレーされているゲームが違っていることだ。

日本で流行っているタイトルで、技術力の高い選手を排出できたとしても、世界でプレーされていなければ、彼らが活躍する大会は存在しないわけだ。これはリアルスポーツでも同様のことで、「世界規模で展開するのか」「国内だけで行うのか」の目的の置きどころを考えなくてはならない。ただ、世界で活躍する場があるということは、活躍のフィールドが広がるので、ある程度はそちらを目指す必要があるだろう。

また、昨今のeスポーツブームで、メディアに多く取り上げられ、企業からも注目されるようになってきた。そのことについて「多くのメディアに取り上げられ、注目されるようになりましたが、もともとゲーム大会を運営していたり、参加している人は、ちょっと混乱ぎみですね」とアール氏。

「日本は世界に追いつこうとして、いろいろ模索していますね。あと、一気に追いつこうとしていることもあり、選手やプレーヤーはちょっと置いていかれた感じもします」(かずのこ選手)

市場が大きくなると、どうしても「これまでやっていた人」以外の人や企業が参加し、それぞれにやりたいことがぶつかってしまうことは多々ある。発展を目指しつつ、これまでやってきた人へのリスペクトも忘れずに、急ぎすぎないように進んでいく必要があるのかもしれない。

将来的な話でも、さまざまな意見が飛び交った。

「東京オリンピックが開催されることで、世界各国の人が日本に訪れます。オリンピックでeスポーツのブースが出るかどうかはわからないですが、確実にeスポーツの大きなイベントは、オリンピック近辺で数多く開催されると思います」(アール氏)

「自分が好きなものについて胸を張って言えるように、ゲームに対する考え方が変わってもらえれば嬉しいですね」(かずのこ選手)

「以前、大会で賞金が発生したときに会社員の選手が、賞金をもらうと副業になってしまうから、会社をやめるかプロ選手を専業にするか、せまられたって話を聞きました。将来的には僕も会社に勤めながら大会に出たりするかもしれないので、こういうことを解消してほしいです」(ゆわ選手)

まだまだ問題点の多いeスポーツだけに、今回のエキシビジョンだけでは解決に至らないのは当然ながら、それでもこのエキシビジョンに参加した人にとっては、eスポーツの理解度が高まったのではないだろうか。

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やっぱりMT車が好き! 高性能モデルの登場に高まる期待

もしも(好きなように)クルマが買えたなら…安東さんの人生設計

安東弘樹さんに同行した日本自動車輸入組合(JAIA)試乗会も、いよいよ最後の1台となった。残すはルノーの「メガーヌ R.S.」だ。愛車のポルシェ「911 カレラ 4S」から乗り換える候補の1台として、「ある程度は本気で」購入を検討しているというこのクルマを、安東さんはどう評価するのか。

MT車の日本導入を待って購入を検討?

「メガーヌ R.S.」は5ドアハッチバック「メガーヌ」の高性能モデル。「R.S.」はルノーのモータースポーツ活動を担う「ルノー・スポール」の頭文字だ。このクルマについては以前、モータージャーナリストの塩見智さんに試乗してもらったので、詳しくはこちらの記事をご覧いただきたい。

「メガーヌ R.S.」に乗り込んだ安東さん

安東さん(以下、安):(乗り込んですぐ)ドアヒンジは多くの日本車と同じでプレスですね、開ける時に軽い感じがします()。(しばらく走って、高速道路に入りつつ)さすがはFF(前輪駆動車)、急加速すると暴れますね(笑)。

【編集部注】ドアヒンジとはドアとクルマをくっつけている部品のこと。ここの作りによってドア開閉時の重厚感、ひいてはクルマの上質感に差が出ると安東さんは語る。細かいポイントのようだが、ドアヒンジについてはマツダミニの取材でも話題になった。

編集部(以下、編):今回、メガーヌ R.S.に試乗してみたいと思ったのはなぜですか?

:すごく気になっていたクルマなのですが、まだ乗ったことがなかったので、どうしても今回、運転してみたかったんです。今回のクルマはDCT(デュアルクラッチトランスミッション)ですが、MT(マニュアルトランスミッション)車を今、待っている状態です。ただ、急加速した時の“暴れん坊感”を体験してみて、いくら電子的に制御しても、FFには限界があるなとも感じました。じゃじゃ馬を乗りこなす、というところにカタルシスを感じる人もいるとは思いますけど。

「メガーヌ R.S.」のボディサイズは全長4,410mm、全幅1,875mm、全高1,435mm。価格は440万円だ

:MTだったら欲しいクルマですか?

:はい。もうすぐ、MTが日本に導入されるらしいのですが、欲をいえば、「メガーヌ R.S. トロフィー」というグレードを待ちたいです。R.S.は279馬力ですが、トロフィーは300馬力なんで。

:「待ちたい」っていうのは、真剣に購入を検討していて、待ち構えているという感じですか?

:うーん、ある程度は本気で考えているっていう感じでしょうか(笑)。次もポルシェ「911 カレラ 4S」に乗るのが理想ではあるんですけど、それこそ、私の稼ぎ次第というか、買えない可能性もあるので……。今の911は、乗り始めてから10年になりますし、乗り換えたいタイミングではあります。

:その乗り換え候補の1つが、「メガーヌ R.S. トロフィー」だというわけですね。ただ、素人なので分からないんですけど、最近の安東さんの露出ぶりを見ている限り、次もポルシェで大丈夫なんじゃないですか?

:どうでしょうねー、想像もできません(笑)。今回の確定申告で、どのくらいの税金を払わなきゃいけないのかにもよりますし。フリーになって初めての確定申告なので、正直、怖いです。

:この間の「バラいろダンディ」(TOKYO MXで放送中のテレビ番組、安東さんは火曜レギュラー)で、「これから、税理士さんと話をする」っておっしゃってましたもんね(笑)

:いくらくらいの税金になるのか、それによっても変わってきます。ただ、フリーランスになってもうすぐ1年経ちますが、この収入では、新しい911には手が届きません(笑)

:本当ですか?

:今の911と同じように長期ローンを組めば、あるいは……。とは思いたいですが、新しい「911 カレラ 4S」を自分が乗りたい仕様で買うと、税金なども含めた乗り出し価格が2,200万円弱になってしまいます。日々忙しいのですが、薄利多売でやっているので、くどいようですが、本当に現状、購入は難しいです(苦笑)

1台はスポーツカーを所有しておきたいという安東さんだが、次に何を買うのかは将来の収入次第だそう。「メガーヌ R.S.」もMT車が気に入れば候補に入るようだ

:(メガーヌの走行モードを変更して)「レースモード」に設定すると、ESC(横滑り防止装置)がカットになるんだ……。自動ブレーキもオフになりますが、それは当然ですよね。サーキットを走っていて、前走車に近付くたびにブレーキが掛かったら、たまったものではないですから(笑)。このモードに入れても、そんなに乗り心地が硬くならないというか、不快感はないです。

法定速度で走っている限り、レースモードにする意味はあまりないでしょうけど、腕と環境が許せば、滑らせながら走ってみたいですね! MTだったら楽しいだろうなー。あと、パドルシフトは下まで伸びていて欲しいです。乗り始めてから、5~6回は空振りしてますから。

パドルシフトとは、指による操作でクルマのギアを上げ下げできる装置のこと。画像では分かりにくいかもしれないが、ステアリングの後ろに付いている
一般的にパドルシフトの操作部分は縦に長いが、「メガーヌ R.S.」のパドル(赤い十字マークが付いているところ)は上方向に長く、下方向に短い造形になっている。そのため、パドルの下の方を指で操作しようとして、何度か空振りしてしまったと安東さんは話しているのだ

:パドルシフトがステアリング連動式なので、コーナーを曲がっているときの操作も、少しやりにくいですね()。

【編集部注】パドルシフトには、ステアリングに連動して動くものと、ステアリングコラムに固定されているものがある。

:ステアリングと一緒にパドルシフトが動くのと、固定してあるのだと、どちらがいいんですか?

:メルセデスもそうですけど、ドイツ車はステアリングに連動して動く方が主流ですよね。ただ、ステアリングを切って(左右が)逆さまになっている時、パドルシフトの位置も逆になるので、どちらがプラス(ギアを上げる方)だか分からなくなることがあるんですよ。そこが難しいところで、だから「GT-R」(日産自動車)とかも固定式ですし、基本的にラリー用のクルマもコラム固定式ですね。

:ステアリングを切りまくるからですか?

:そうです。だけど、F1などのフォーミュラカーだと、ステアリングにシフトパドルが付いていて連動しますね。なぜなら、ステアリングを切っても最大で半回転ですから、左右の手を持ち替えないので、当然、その方が好都合です。

だから、このクルマ(試乗中のメガーヌ)は、ステアリングを大きく切っている時でも、シフト操作に迷わない事を優先させたんでしょうね。

:山道でヘアピンを抜ける時とかですか?

:そうですね。これ、好みは分かれると思います。

「メガーヌ R.S.」は1.8L直列4気筒16バルブ直噴ターボエンジンに電子制御6速ATのトランスミッションを組み合わせる

:このクルマ、小さいように見えて、幅が1,875mmもあるんですね。

:そう、結構あるんですよ。「Eクラス」(メルセデス・ベンツ)より幅が広い。

:メガーヌって、前のモデルまで3ドア(ハッチバック)が中心だったみたいですね。5ドアになって、見た目とかどうでしょう?

:このデザイン、僕は好きですね。先代よりも好きです。絶妙な“カタマリ感”があって、色もいい。シンプルなのに存在感があるという嬉しいデザインです。

:歴代のメガーヌ R.S.は、ニュルブルクリンクで素晴らしいタイムをたたき出してきたそうですが、そのあたりには惹かれますか?

:そこは、そんなに重視しません。ただ、メーカー同士が競い合ってくれる分にはいいんですけどね。ましてやFFですし、ちゃんと手なずけて走って、技術の革新というか、そういうところでメーカー同士が競い合ってくれているのは悪いことではないと思います。

:ただ、安東さんとしては、走りについては自分で確かめたい?

:そうですね。だから、こっちの方が数字が上だから買う、という感覚はありません。

:安東さんの頭の中にはクルマのスペックがたくさん入っていますけど、数字で比べて買おうというのではなく、ただ、好きだから頭に入っているだけなんですか?

:覚えようとしているんじゃなくて、スペック(諸元)表を見てると、自然に覚えちゃうんですよ。これ(試乗中のメガーヌ)だと、最大出力が279馬力ですよね?

:合ってます。

:それで、205kWじゃなかったでしたっけ?

:ごめんなさい、手元の資料にキロワットまでは書いてきてないです。

:206kWだと、280馬力になるんですけどね。

:……。

「メガーヌ R.S.」の最大出力は279ps(205kW)、最大トルクは390Nmだ。車両重量は1,480キロ

:数字的には見劣りしても、自分がいいと思えば買うというのが、安東さんのクルマ選びということですね。もし、次の911が何らかの理由で買えなかった場合は、メガーヌもアリだと思いましたか?

:MT車に乗ってみないと、何とも言えませんねー。急加速した時の暴れぶりを体験して、FFの限界は感じましたけど、MTなら、もう少し自分で制御できるかもしません。ただ、やっぱり楽しいクルマだなとは思いましたね!

:今回、たくさんの輸入車に乗っていただきましたけど、総評として、心に残ったのは?

:やっぱり、あの加速感も含め、テスラですね。何でも電気で動くので、後席のファルコンドアなんかが壊れたら目も当てられないとは思うんですけど、ただ、インパクトとしては「モデルX」になりますね。

もしも収入が激増したらどんなクルマに乗りたい?

購入を決めたメルセデス・ベンツ「E220d 4MATIC オールテレイン」には、何年乗る予定ですか?

:今の「F-PACE」よりも早いペースで走行距離が伸びる可能性があるので、2年で7万キロあたりが見えてくると、乗り換えを考えるかもしれません(※)。まあ、2年後に私の収入がどのくらいになっているかにもよりますけど……。

【編集部注】ジャガーのSUV「F-PACE」とポルシェ「911 カレラ 4S」の2台を所有している安東さんだが、通勤に使っているF-PACEは走行距離が伸びてきている上、大柄なサイズの問題で駐車場を見つけるのが大変なので、これをメルセデス・ベンツ「E220d 4MATIC オールテレイン」に乗り換える。サイズ的に駐車場が見つけやすい分、オールテレインの稼働率はF-PACEよりも高くなることが予想されるので、代替サイクルは早まるかもしれない。オールテレインが納車されるのは2019年5月の予定。その時点で、F-PACEには2年8カ月乗ったことになる。

:もし、収入がものすごく増えたら、所有するクルマの構成はどうしたいんですか?

:やっぱり「911」と、あとは「ヴェラール」(レンジローバー)のディーゼルエンジン車を買って、もう1台は小さいディーゼルエンジンのクルマで、それは「デミオ」(マツダ)なのか「ミニ」なのか分からないんですけど、そんな感じですかね。それか、プジョーの「308 アリュール」か……。

「308 アリュール」って、今までは税制的に中途半端な1.6リッターのディーゼルエンジンを搭載してたんですけど、それが1.5リッターになって、しかも、パワーアップしたんですよ。それに、何が嬉しいって、パドルシフトが付いたんですよ! 今までは上級グレードにしか付いてなかったんですけど。

プジョー「308 Allure」(アリュール)

:なるほど、収入が大幅に増えたら、クルマを2台にしておく必要もないですもんね。駐車場を借りて、3台持ってもいいわけで……。

:駐車場を借りるというか、3台のクルマを入れられる車庫が付いた家に建て替えるのが夢ですね。

:その可能性も、フリーになった今だと、高まってますよね。会社員でいるより、大きく稼げるチャンスがあるわけですから。

:そうですね、可能性は“ゼロ”ではないですね(笑)

:これも「バラいろダンディ」で聞いたような気がするんですけど、ある程度の金額を稼いだら、お仕事はやめるっておっしゃってましたよね? 好きなクルマに乗り続けられて、ご家族も安泰というような金額が貯まったとしたら。

:そうですね(笑)。3億円ほど貯まったら、やめると思います。家族を養えて、子供たちを学校に行かせられて、あとはクルマも、「ヴェイロン」とか「シロン」()が欲しいとは思わないので……。ポルシェのMTと、ヴェラールと、ミニか何かを所有して、スポーツ走行する時はポルシェ。長距離移動の時はヴェラール。そして、都内での仕事や移動の時は、コンパクトなディーゼルモデルか、電気自動車(EV)でもいいかもしれません。

【編集部注】どちらもブガッティのクルマ。1台で何億円もする。

:私の人生として、あと20年は責任があると思うんですよね。ただ、テレビ関係の仕事が続けられるとは思っていません。やっぱり、テレビの仕事って緊張するし、疲れますから(笑)。何より、ずっと私への需要があるとは思えません。

立て続けにクルマに乗った今回の取材も、かなりお疲れになったはずだと思っていたのだが……

他媒体が用意したクルマも含め、計11台の輸入車に立て続けに乗り、JAIA試乗会の取材を終えた安東さん。「仕事は疲れる」と言いつつも、メガーヌから降りるとすぐ、「ばらいろダンディ」の生放送に出演するため、試乗会の拠点となった大磯プリンスホテル(神奈川県)を愛車「F-PACE」で飛び出していった。

安東さんのコラムによれば、今回の取材はさすがにくたびれたものの、愛車を運転して帰ったおかげ(?)で、半蔵門(正確には東京都千代田区麹町)にあるTOKYO MXに到着する頃には、すっかり疲労感がなくなっていたというから驚きだ。

とにかく、多くのクルマに限られた時間で乗ってもらったので、時間配分がうまくいかず、弊紙では紹介しきれなかったクルマもある。具体的にはポルシェ「パナメーラ 4 E ハイブリッド」とBMW「X3 M40d」の2台なのだが、これらも安東さんが試乗を希望したクルマだったことに変わりはない。特に「X3 M40d」については、短時間の試乗ではあったものの、「もっと乗ってみたくなるいいクルマだった」とのコメントがあったことは、ここでお伝えしておきたい。

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メルセデス・ベンツ初の市販電気自動車(EV)「EQC」が今年、いよいよ登場する。2019年半ば頃の日本導入が噂されているが、一体、どんなクルマに仕上がっているのか。モータージャーナリストの清水和夫さんは以下のように解説する。

メルセデス・ベンツのEV「EQC」

メルセデスの電動化を包括する「EQ」ブランド

メルセデス・ベンツは2018年9月、スウェーデンのストックホルムにおいて、バッテリーだけで走る電気自動車(BEV:Battery Electric Vehicle)「EQC」を正式に発表した。それまでも、各国の国際的なイベントでは、同社の電動モビリティを包括する「EQ」(イーキュー)というサブ・ブランドを発信してはいたが、いよいよ、本格的なメルセデスの電動車両がEQCから始まるのだ。

ここでは混乱を避けるため、電動車両の定義とメルセデスが採用する「EQ」というサブ・ブランドについて説明しておく。

「EQ」とは「電動化」にフォーカスしたメルセデスのサブ・ブランドであり、バッテリーだけで走るBEVを「EQ」、バッテリーとエンジンを組み合わせるプラグイン・ハイブリッドを「EQ Power」、48Vのサブ電源を使うシステムを「EQ Boost」と呼ぶ。

このように、電動車両といっても、バッテリーとモーターだけで走るBEV、エンジン/バッテリー/モーターを組み合わせるプラグイン・ハイブリッド(PHVあるいはPHEVと略す)、あるいは、48Vを使う車両に見られるマイルド・ハイブリッドなど、クルマの在り方は多様化している。「〇〇社は20XX年までに全てのクルマを電動化する」というヘッドラインのニュースが世界中を駆け巡っているが、電動化の中身をきちっと理解する必要があるだろう。メルセデスの場合は「EQ」「EQ Power」「EQ Boost」の名前で整理している。

「EQ」ブランドのクルマたち

EQCは「GLC」相当のSUVをベースとするクルマだ。「Aクラス」相当のセグメントでBEVが登場すれば、「EQA」と呼ぶことになるだろう。

内燃機関はベンツの代名詞、EVはどう作る?

EQCの日本初公開となったイベントは、桜が咲く前の3月初め、メルセデス・ベンツのブランド発信拠点「Mercedes me」(東京・六本木)にて開催された。注目すべきは、メルセデス・ベンツ日本(MBJ)がEQCと家の電気をつなげる「EQハウス」という斬新なコンセプトで同車を発表したこと。EQCは自宅でも充電できるので、家との相性がよい。そこでMBJは、竹中工務店と組んで「EQハウス」という新しいアイディアを提案したのだ。クルマと家が電気でつながることを「V2H」(Vehicle to Home)と呼ぶ。日本では以前から取り組んできたシステムだ。

MBJと竹中工務店は、モビリティとリビングの未来の姿を具現化すべく、六本木の「Mercedes me」に体験施設「EQハウス」を設置した。ちなみに、「EQC」の展示はすでに終了している

ところで、EQCのカットモデルを見た時、面白いことに気がついた。EQCは「Cクラス」ベースのSUV「GLC」をベースとするが、BEVなのでエンジンとギアボックスが存在しない。そのスペースには、パイプ製のケージが設置されているのだ。パイプの内側にはフロントモーターとデフ(デファレンシャルギア)が置かれ、上部にはインバーターが配置されている。リアも同様にモーターとデフでリアアクスルが構成される。

エンジンがなくなる代わりに、「EQC」にはモーターとデフを納めたパイプ製のケージが入っている

バッテリーは床下のフロア内に格納することで重心を低く設定できる。と、ここまでは常識的なパッケージなのだが、衝突安全の剛体として、このパイプ製ケージにはエンジンと同じ強度を持たせてある。つまり、エンジン車と同じく、モジュールでデザインできるモデルベース開発(MBD)を取り入れているのだ。自動車業界で流行の手法は、EQCにも採用されていた。

EQCのボディサイズは全長4,761mm、全幅1,884mm、全高1,624mm、ホイールベース2,873mmとGLCに近いから、シミュレーションしやすい。性能を見ると、前後2つのモーターは合計で最大出力408PS、最大トルク765Nmを発生する。加速性能はV8ターボのエンジン車並みで、停止状態から時速100キロまでの加速は5.1秒と俊足だ。リチウムイオン・バッテリーの容量は80kWh。気になる航続距離は450キロとのアナウンスがあった。

「EQC」のボディサイズは「GLC」に近い。加速はV8ターボエンジン並みだ

EQCの試乗会は2019年5月に開催されるので、それまでは詳細なインプレッションをお届けできないが、スポーツカー並みの加速性能を誇るEQCは単なるBEVではなさそうだ。何か、もっとすごい仕掛けがありそうに思える。試乗会が楽しみになってきた。

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