イタンジはなぜ「仲介手数料ゼロ」でも業界から嫌われないのか? イタンジ・伊藤嘉盛代表インタビュー(3:人生編前編)

イタンジはなぜ「仲介手数料ゼロ」でも業界から嫌われないのか? イタンジ・伊藤嘉盛代表インタビュー(3:人生編前編)

2016.06.08

イタンジはなぜ「仲介手数料ゼロ」でも業界から嫌われないのか? イタンジ・伊藤嘉盛代表インタビュー(3:人生編前編)

M&Aを果敢に実行しながら革新的なサービスを生み出す伊藤代表の行動原理とはどのようなものなのか?イタンジ・伊藤嘉盛代表インタビュー、最終回となる今回は伊藤代表の波乱万丈人生に迫る。

<3>イタンジ・伊藤嘉盛代表インタビュー<人生編前編>

★経営者に大金は毒!?
  会社売却資金の使い道とは?

●最初の起業は借金1000万円で失敗に終わる

 ―ご一家が不動産業を経営してらしたということで、
  不動産業で起業するというのは小さいころから思い描かれていたんでしょうか?
 いえ、昔はミュージシャンになりたかったんです。14歳から音楽をやっていて、私はベース担当でした。大学時代になると、音楽の才能に限界感じると同時に、演奏よりも音楽を売るほうが楽しいと思うようになっていました。そこでMBAの本を読み始めて、1度起業しました。

 ―その後に大手不動産管理会社に就職されているようですが、どうしてですか?
 実は起業したものの、大失敗して1000万円くらいの借金を抱えてしまったのです。それで返済するために働かなければならないと思い就職したわけです。再び起業したのは2年後です。

 無謀でした(笑)。スキルも手元資金も資産もないのですから、家族や知人にも猛反対されました。ただ、父や兄bはじめ一家がみな経営者、という環境がやはり大きいと思います。そして、資金が限られる中でも始めやすい仲介業者を選びました。

 最初に人形町に出した店は大成功でした。路面店という立地も奏功し、月に100人くらい客が来たのです。この間に大学院でファイナンスも学び直しました。

 そこで、次は日本の中心地で勝負してやる!と六本木に店を出すことにしました。六本木交差点に面したとあるビルの2階です。家賃は1店舗目の約3倍。内装費も2000万円くらいかけました。

●あわや倒産!六本木での危機を救ったものとは?

―まさに大勝負に出ましたね!
 それが大失敗で、月に4人くらいしかお客が来ない。すぐに1店舗目で出した利益を食いつぶして字に転落。そもそも薄かった資本もあと2~3カ月でつきるというところまで追い詰められました。

―どのようにその窮地から脱したのでしょうか。
 その状況を救ってくれたのがITなのです。看板で集客できないなら、インターネットで集客しようと思い立ちました。自分でSEOの手法を勉強して、Webサイトでの募集に軸足を移したのです。

 これが見事にあたって、1店舗あたりで見れば日本で有数といえるWebで集客する仲介会社になりました。そこでビジネスが発展して店舗数も増えました。

●数千万が一瞬で消える!?
 経営者の頭の使い方とは?

―そこでそのまま事業を拡大せずにその会社を売却されるという選択をされています。
なぜですか?

 ITに夢中になったからです。可能性も感じていました。そこで、仲介業の実店舗は売却してITに振り切ろうと思ったんですね。

売却を考えていたときにはイタンジをすでに設立をしていました。イタンジのサービスの営業先の不動産会社で、会社を整理したいという話をしたら、買うよ、という流れになったんです。

<最終回、人生編:後編>営業しながら売却先を探す?!売却額の使い道とは?に続く

イタンジ・伊藤嘉盛代表インタビュー(1:ビジネスモデル前編)を読む

イタンジ・伊藤嘉盛代表インタビュー(2:M&A前編)を読む

編集:MAOnline編集部

伊藤 嘉盛(いとう・よしもり)略歴紹介 イタンジ株式会社 代表取締役CEO

1984年生まれ。早稲田大学大学院ファイナンス研究科修了。父も兄も不動産業という生粋の不動産一家に生まれ育ち、幼少期より不動産に関するノウハウを 叩き込まれる。大学卒業後、大手不動産管理会社に入社し、賃貸管理業の受託営業を担当。2008年に、たった1人で独立し、都心の不動産仲介業務を行う不 動産会社を設立。わずか4年間で都内3店舗(日本橋、麻布、渋谷)まで事業を拡大。その後、上場企業グループ会社へのバイアウトを実現。仲介業務を自ら行 う中で業界の非効率性を痛感し、業界変革への熱い志を立てる。2度目の起業として、2012年6月、共同創業者としてイタンジ株式会社を設立(イタンジ企業HPより抜粋)

イタンジ企業URL:http://itandi.co.jp/member/
NewsInsight 更新終了のお知らせ

NewsInsight 更新終了のお知らせ

2019.06.17

NewsInsightは、諸般の事情により記事更新を終了いたします。

ご愛顧いただいた読者の皆様、また関係者の皆様に、編集部一同、誠に感謝いたします。

なお、NewsInsightに掲載中の記事につきましては、引き続きマイナビニュース(https://news.mynavi.jp)へと掲載場所を移管いたします。

掲載中の連載記事につきましても同様に、マイナビニュースへ移管いたします。各連載記事の新しい掲載URLにつきましては、以下となります。

○安東弘樹のクルマ向上委員会!
https://news.mynavi.jp/series/andy

○森口将之のカーデザイン解体新書
https://news.mynavi.jp/series/cardesign

○清水和夫の自動運転ソシオロジー
https://news.mynavi.jp/series/autonomous_car

○ゲームとともに振り返る“平成”という時代
https://news.mynavi.jp/series/game_heisei

○岡安学の「eスポーツ観戦記」
https://news.mynavi.jp/series/e-Sports_review

○企業戦士に贈る「こむぎのことば」
https://news.mynavi.jp/series/komuginokotoba

○藤田朋宏の必殺仕分け人
https://news.mynavi.jp/series/shiwakenin

○「食べる」をつくる科学と心理
https://news.mynavi.jp/series/food_science

○阿久津良和のITビジネス超前線
https://news.mynavi.jp/series/itbiz

○山下洋一のfilm@11
https://news.mynavi.jp/series/filmat11

○モノのデザイン
https://news.mynavi.jp/series/designofthings

○知って納得、ケータイ業界の"なぜ"
https://news.mynavi.jp/series/mobile_business

○文具ソムリエール・菅未里の「新しいコンパス」
https://news.mynavi.jp/series/bungu

○活字・写植・フォントのデザインの歴史 - 書体設計士・橋本和夫に聞く
https://news.mynavi.jp/series/font-history

○カレー沢薫の時流漂流
https://news.mynavi.jp/series/jiryu_hyoryu

最後になりますが、改めて皆様に感謝いたしますとともに、引き続き、マイナビニュースにてご愛顧いただけましたら幸いです。

放置されていた不寛容? 国会まで届いた「パンプス強要」騒動

カレー沢薫の時流漂流 第47回

放置されていた不寛容? 国会まで届いた「パンプス強要」騒動

2019.06.17

最近女性の間で「#MeToo」ならぬ「#KuToo」運動がにわかに盛り上がっている。

「#KuToo」とは「靴」と「苦痛」をかけており、職場や就職活動で、足を痛めるパンプスやヒール靴の強要をやめようという運動である。

そもそもそんなの誰も強要してねえよ、と思われるかもしれない。確かに規定として靴の形状やかかとの高さまで定めている会社はレアだろう。しかし、私の元いた会社でも、規則があるわけでも、誰に言われたでもなく、みな一様に黒のパンプスを履いていた。それが「暗黙のルール」であり、それ以外は「非常識」と見られる風潮は確かにあるのである。

これが就職活動になると、パンプスを履いていないだけで「こいつは常識がない」と見なされ不採用になってしまうかもしれない、ということだ。そうなると女子学生は足を負傷してでもパンプスを履かざるを得なくなってしまう。

正直、パンプスは苦痛

パンプスがそんなに苦痛か、というと、靴の中では殺傷能力が高い方である。これは他人への、という意味ではなく自分へのだ。他人を殺傷したいならカウボーイが履いている、かかとにピザカッターがついている奴を履いた方が良い。

狭いつま先に足の指が密集されるため、私もよく爪で隣の指を切って足を血だらけにしていたし、伸縮性にかける素材のため、あわないパンプスだと試着の時点で靴擦れが出来るレベルなのだ。

世の中には素肌に荒縄で亀甲縛りを施し、その上に上等なスーツを羽織って出社している人も多いと思う。とても痛いだろうが、それは強制されたわけではなく、その人が好きで楽しいからやっているのだ。

つまり、好きでもない上にとても痛いパンプスを強制で履かなければいけないというのは、上等なスーツの下が亀甲縛りなことよりも「異常」なことというわけだ。

この運動はすぐに広まり、いきなり国会でも議論されたという。これにより「厚労相がハイヒール強要を容認」という見出しのニュースまで踊り出ることになった。

完全に自由と言われても困るのでは?

「厚生省に、女がハイヒールを履かないと死ぬ病の人が!?」と驚いたが、記事をよく見ると見出しほどのことはなく、厚労相の発言は「これは社会通念に照らして業務上、必要かつ相等な範囲かと、この辺なんだろうと思います」というかなりボンヤリしたものであり、どっちでも良い事を聞かれた私のリアクションに似ている。

しかし「ハイヒールが履けない女は何やってもダメ」などと強い事を言っているわけではないが、「業務上必要ならパンプス履くべきだろ」という「容認」に聞こえなくもない。すぐさま「業務上ハイヒールが必要な仕事って何だよ」という疑問が挙がり、「SMの女王様」「(ハイヒールでキレッキレに踊る)perfume以外ありえない」などの声が相次いだ。

この社会問題がすぐ大喜利になってしまうのは良くも悪くも「ザ・ツイッター」という感じだ。

確かに「業務上必要」となると、まだかかとにピザカッターがついている靴の方が「ピザを食う時」必要な気がする。

ただ、靴や服装を完全に自由化し、何でもOKにすれば良いかというと、それはそれで問題が起きると思う。ファッションに疎くコーディネートが苦手な人間からすれば、職場に何を着ていいのか全く「指針」がないというのは迷子になるし、接する側としても、車を買いにいってディーラーが、イモ―タンジョ―の完コスで出てきたら「キャデラックしか買うことを許されないのか」と委縮してしまう。就活マナー本に「俺の考えた最強の就活ファッションで挑みましょう」とだけ書かれていても逆に困るだろう

着る側としても、それに接する側としても、社会において服装にある程度規定や模範があるというのはメリットでもあるのだ。

そもそも規定や常識というのは、秩序を作ることにより問題を減らすためにあるものなのだ。しかしそれが元で「足を負傷する」という「問題」が起こっているなら本末転倒なので、やはり解消はすべきなのだろう。

極論に流れない寛容さが足りない

おそらく「#KuToo」を提唱している人も「ドラゴン柄のコンバースで就活したい」と言っているわけではないのだ。最近は「パンプスに見えるスニーカー」なども存在するし、パンプスでなくても地味な靴はいくらでもある。そのような靴を履いていても「パンプスじゃないから非常識」と見るのをやめてほしいという話だろう。

ちなみに私が会社員時代履いていたパンプスだが、黒の革靴ではあったが、つま先は限りなく丸く、ヒールはなきに等しい、今思えばあれはパンプスだったのか、70過ぎのババアが旅行に行くときに履くヤツなんじゃないか、という代物であったが、特に何も言われなかった。

「#KuToo」が求めるのも、そのぐらいの「寛容さ」なのではないだろうか。

【お知らせ】
連載「カレー沢薫の時流漂流」の掲載場所を変更します。
→ 新しい掲載場所はこちら https://news.mynavi.jp/series/jiryu_hyoryu