日本には手頃なスポーツカーが必要だ! 安東弘樹、マツダで語る

安東弘樹のクルマ向上委員会! 第6回

日本には手頃なスポーツカーが必要だ! 安東弘樹、マツダで語る

2018.10.03

マツダで古いクルマの楽しみ方について聞く安東さん

ロードスターにはポルシェにも勝る“人馬一体感”がある?

若者のクルマ離れを止めるのはスポーツカーだ!

初代「ロードスター」(NA型とも呼ぶ)のレストア事業を始めたマツダを訪ね、同事業を担当する梅下隆一執行役員と話をする安東さん。長く愛される“NA”を元通りに蘇らせようとするマツダの心意気には感銘を受けた様子で、自身も「NAに乗らなかったことを後悔している」という、その思いを語り始めた。

対談する安東さんとマツダ執行役員 カスタマーサービス担当 ブランド推進・グローバルマーケティング担当補佐の梅下隆一さん(対談風景の撮影:安藤康之)

「ロードスター」が「ポルシェ」を超えているところ

安東さん(以下、安):先日、「愛車遍歴」という番組(BS日テレで放送中の「おぎやはぎの愛車遍歴 NO CAR,NO LIFE!」のこと)の収録がありまして、歴代の和製オープンカーの特集だったんですけど、何に感動したかというと、「NA」を大事に乗っている20代後半の方に、そのクルマを借りて運転したんですよ。もう、「なぜ、俺は今まで乗らなかったのか! 所有しなかったのか!」と思うくらい楽しくて。

「人馬一体」は皆が使う言葉だし、NAでは特に代名詞になってますけど、「ケイマン」なり「ボクスター」なり、「911」(いずれもポルシェ)なり、「とはいえ人馬一体って、ほかにもあるんじゃないの?」と思ってたんですよ。だけど、“人馬一体感”の次元が違ったんですよね。「これか、皆がいってたのは!」っていうくらいで。手の中に収まるようなパワーユニットの出力であったり、シフトフィールであったり。

なぜポルシェに乗るかというと、ポルシェが好きというよりも、あのシフトフィールがよかったんですよ、やっぱり“シフトフィールフェチ”なんで。あの「カチッ」と入る感じ。なので、僕が今乗っている「997の後期型」(安東さんの愛車であるポルシェ 911 カレラ 4Sのこと)が一番だと思って買って、今だに一番なのは揺るがないんですけど、でも、NAに乗ったとき……なんていったらいいのかな、いい意味での敷居の低さというか。やっぱり、確かにシフトの剛性とかで比べればポルシェの方がはるかに高いんですけど、でも、カジュアルにクルマとの一体感を味わえるという意味では、その“一体感レベル”でいえば、NAの方が上に感じたんですよ。

安東さんがカジュアルにクルマとの一体感を味わえると評する初代「ロードスター」(画像提供:マツダ)

安:彼(借りたNAの持ち主)は中古で買っただけといってたんで、前のオーナーがどういう風に乗ってきたかは分からないんですけど、30年前のクルマで、これだけカジュアルな一体感を味わえるということに、目からウロコというか、感動して。逆にいうと悔しいのが、なぜ今、このクルマがないのかと。どのメーカーにもないじゃないですか。御社にすらない。なぜ、ないんだって。こんなクルマを日本のメーカーは作れていたのに。

真面目に、程度のいいNAを買ってきて、500万円かけてレストアしようかなと本気で思ったくらいで、もうちょっとお金が儲かったら頑張ろうかなとは思っているんですけど(笑)、それくらい欲しいと思う、乗らなかったことを後悔するくらいのクルマだったので。

復活の「ロードスター」に世界で最も乗りにくい国とは?

安:日本は税制もね、古いクルマは高くなる。そういうのは論外だと思っていて。本当に、ヨーロッパとは反対のロジックで、なんでこうなっているんだろうと。メーカーの方は、どんな思いなんですか? だって、メーカーとしては、どんどん新しいクルマに買い換えてもらえると、潤うという話もあるじゃないですか。これについて、レストアまでやり始めたマツダはどう思っているのか、純粋に伺いたいです。

梅下さん(以下、梅):それは、間違っているとか間違っていないとかではなく、これは日本の社会とか、経済が歩んできた道そのものなので、その中での規制の部分とか、法制の部分だけを抜き出してどうこういっても、しょうがないのかなという気はします。

でも一方で、せっかく僕らは一歩を踏み出したので(ロードスターのレストアに乗り出したので)、将来的には、マツダもどんどんやっていくし、お客様も少しずつ増えるし、という状態になって、やっぱり色んな人に認めてもらいたいというのはあります。日本にも、こんな素敵な文化があるよねと。日本にとって自動車というのは、振り返ってみても素敵なものだったよねといってもらえる状態が理想です。

マツダがレストアを続けていって、昔のクルマを楽しもうという顧客も増えれば、こういった文化を取り巻く日本の環境も変わるかもしれないと梅下さんは考える

安:世界中に愛好者もいますしね。

梅:そうなったら、何かが変わるかもしれないし。何もない中で、「よそ(欧州などの他国)はやっているから日本もやれよ」というより、僕らとしては、世の中にアピールして、お客様が沢山いますよ、僕らもやりますよという本気を見せて、それで何かが変わればいいと思っています。鶏と卵ですけど。

安:そうですよね。ただ、たぶん世界で一番、NAロードスターを維持するのが難しいのは日本であることは間違いないですよね……

梅:それはそうかもしれませんね。古いクルマを持とうと思うと、日本はハードルが高い。アメリカなんか、行って見ているとうらやましいくらいハードルが低い。

安:庭先に「SELL」と書いてクルマを置いておくと、「これください!」と買っていく人がいる。後で書類1枚を提出すれば個人売買成立。日本は、リバイバルしたクルマは基本的に、車検の頻度も高まりますし。そこは結構、大変ですよね。

梅:でも、それだけじゃなくて、例えばアメリカを羨ましいと思うのは、そもそも土地が安いから、家がでかい。ちょっとした家だと、ガレージに必ず2~3台は停まってる。タイヤなしのクルマを裏庭なんかに置いておけますもんね。

安:ニューヨークとかじゃなければね。

梅:日本の社会や、いろんな仕組みを含め、ハードルは高いですよね。

アメリカをうらやましがる2人

若い人が買える、安くて格好いいクルマはあるか

安:うーん、税金もそうですし、クルマの値段そのものも上がってますし。でも、若い人に興味を持ってもらわないと、将来がないじゃないですか。彼(NAの持ち主)が20代で、ロードスターに乗っているのは嬉しいんですけど、せっかくいいクルマに出会えているのに、車検だとか負担も多いわけで……。そんな中でも、クルマを何百万円もかけて直すという取り組みが、もうちょっと広がればいいと思うし、マツダが純粋な思いでやっていることって、本当にありがたい話。

梅:温かい目で見守っていただければ(笑)

安:NAが出たのって、大学生の頃だったんですよ。何人か乗ってました。今、一番、若い人に必要なのは、安いけど憧れるっていうクルマじゃないですかね? 「スイフト スポーツ」(スズキの小型車)あたりが近いのかもしれないですけど。高くないけど憧れるクルマが必要だと思っていて。

「スイフト スポーツ」(画像提供:スズキ)

安:僕が最初に乗ったのが“ブルドッグ”って呼ばれてた「シティ ターボⅡ」(本田技研工業)というクルマで、もちろん中古で買ったんですけど、あのクルマだったら、どこに出しても惨めな思いはしなかったんですよ。オーバーフェンダーがあって(タイヤを覆う部分が張り出した感じになっている)、メルセデスの隣でも「俺のクルマの方がいい」みたいな感じで。中古で60万円だったんですけど。

安東さんが初めて買ったクルマ「シティ ターボⅡ」(画像提供:本田技研工業)

安:NAロードスターって、もちろん、そこまで安いクルマではないですけど、大学生が例えば、親に頭金だけ借金して、ローンをバイト代で払えば買えるクルマで、憧れるクルマだったわけじゃないですか。それにNAなんか、純粋に格好いいじゃないですか、リトラクタブルライトで。

梅:格好いいですよね。

点灯すると現れるリトラクタブルヘッドライトも特徴(画像提供:マツダ)

安:格好いいのに庶民が、大学生が無理をすれば買えるクルマで、それの先駆けだし、最後という感じもしてるんですよ。そこが一番、今、足りない部分かなと思うんです。

梅:まだまだ努力が足りないのかなと思いながら聞いていたのですが、現行のロードスター(4代目、いわゆるND型)って、下は二百数十万円から始まってますよ、今でも。それが今の若者にとって、本当にアフォーダブルかというと、100%の自信はないのですが、あのクルマは、そういう意味では、めいっぱい頑張った価格にはなってるんです。もちろん、目の肥えた人にも買ってもらえるグレードも用意しながら、だけど下は、ちょっと“素”なんですけど、若い人にも買って欲しいという気持ちを込めて作っている。初代のスピリットを持ちながら作ったクルマではあるのです。

安:もちろん。NDはデザインも格好いいですしね。

梅:まあ、今のお話をうかがっていると、もっと頑張れといわれているのかなという気もするんですけどね。

現行型の4代目「ロードスター」(ND型)。安東さんも格好いいデザインだと評価する(画像提供:マツダ)

安:NAが出た当時でいうと、今より100万円までは安くないですけど、60万円くらいは安かったですよね? その時はバブル真っ只中で、単純に比較はできないですけど。若い人にNDを頑張って買って欲しいなという思いもあるんですけど、親が今、不景気ということもあるし。

梅:それはもちろん。ただ、おっしゃるように、NDがどうこうというだけではなく、若者がクルマを買ってくれない、あるいは買えないのは、「これ欲しい!」と、「これなら、いくらかムリしてお金を出してもいい」といってもらえる魅力を、まだ十分に発し切れてないんでしょうね。

安:NDは十分だと思いますけど、価値を考えれば適正価格だと本気で思ってますけど、NDが50万円安かったら……。だから、NDじゃなくてもいいんですよね、そこまで高クオリティじゃなくてもよくて、オープンカーじゃなくてもいいと思うんですけど、本当に150~200万円で。それができるのが、マツダなのか、スズキなのか。ダイハツとかも、作れないのかなと思っちゃったりするんですけど。

梅:頑張らなくてはいけないですよね。若者がクルマを買わなくなった理由を、巷ではよく携帯電話だとかいいますけど、一方で皆、お金を出して海外旅行には行くわけですし。だから、これは自分にとって特別な経験、素敵な体験なのだと分かっていれば、無理してでもクルマに若干のお金は出すと思うんですよ、若者でもね。

安:200万円以内なら出す気はしますよ。

梅:中古のロードスターなんかどうでしょうね?

安:それもあるんですけど、今の若者って“ムリしてる感”を嫌うと思うんですよね。中古を買ってまで乗りたくないというか。見栄えっていうか、“インスタ映え”もしないし。NAは当時、間違いなくインスタ映えするクルマだったんですよ! インスタが当時あったとすれば、動画なんて流しまくりですよ! ただ、今は部品の値段も上がっているし、保安部品も必要だし……

各社がギリギリでやっているのは重々、分かってるんですけど、でもなんか憧れる、高くないクルマというか、そのクルマに乗っていると、インスタ映えというか格好いいというものって、見渡すと皆無に近いというか。「ハスラー」とか「クロスビー」(いずれもスズキのクルマ)は頑張ってると思うんですけど、NAの格好良さとは若干、質が違うというか、皆がわいわいやって楽しむ感じで。NAは隣に立っているだけで絵になりますもん。

僕は成城大学出身で、当時は(ロードスターを)“パパに買ってもらった系”の人が結構いて、普通に正門にNAを停めて待ってたんですけど、めっちゃくちゃ格好いいというか。屋根かなんか開けてて、強烈な印象で。みんな見るんですよね。あれが200万円で買える世の中ってすげーなと改めて思いますよ。彼らはAT(オートマチックトランスミッション)だったんで、そこは残念だったんですけど、でも考えてみたら、ATの設定があったのは良かったのかもしれません。敷居も下がりますし、女性も乗れたりするし。

だから、オートマで乗れてオシャレで格好いいというのは、“オールドミニ”に近い感じですね。今はミニも高くなっちゃったんですけど。ローバー時代のミニ(ミニというクルマのブランド。初代はローバーミニとも呼ばれる。今はBMW傘下)は安くてオシャレで。

梅:そういうスピリットに満ちた車でしたよね。

「ローバーミニ」のよさについて共鳴する両者

若い人に乗ってもらうためには、若い人に魅力的だと思ってもらえるクルマを、アフォーダブルな価格で用意しなければいけない。ロードスターもそういったクルマなのかもしれないが、現代の若者にも手が出しやすい、もう少し安いクルマも用意しては、というのが安東さんの考えだ。

さて、話はここから、日本のクルマ文化そのものについて、そして、これからのクルマが初代ロードスターのように生き残っていくには何が必要か、というテーマに入っていく。続きは次回、お伝えしたい。

※バックナンバーはこちら!

LINE WORKSを削除(解約)するには?

LINE WORKSを削除(解約)するには?

2019.03.21

LINE WORKSを解約したいと思ったら

解約の前にまずは「所属メンバーの削除」を行う

ユーザーは自分のアカウントを削除できるの?

LINE WORKSを試験的に導入したけれど合わなかったという場合や、利用していたプロジェクトが終了したから削除したいという場合に備えて、LINE WORKSを削除(解約)処理する手順をまとめておく。

LINE WORKSの削除はメンバー削除から

「管理者画面」を開いた上で「基本設定」を開くと、左メニューの一番下に「LINE WORKSの解約」という項目がある。ただし、使っている最中にいきなり解約しようとしても「解約できません」と表示されるはずだ。解約のためには、先に所属メンバー全員を削除しなければならない。

「基本設定」で「LINE WOKRSの解約」を選択
メンバーが残っていると解約できない

メンバー削除は、上メニューで「メンバー」を選んだ画面から行える。最高管理者は削除できないため、解約準備ならば上部のチェックボックスを使って全員を一括選択してから、最高管理者のチェックだけを外すのが簡単だ。上にある「削除」をクリックすると確認画面が表示されるので、「メンバー削除」で完了させよう。

なお「副管理者」など役職者については先に権限を削除してからでなければメンバー削除ができないので注意して欲しい。

「メンバー」で最高管理者以外を選んで「削除」をクリック
確認画面で「メンバー削除」をクリックしよう

解約理由を添えて処理完了

再度「基本設定」で「LINE WORKSの解約」を選ぶと、メンバーの削除が完了していれば解約へ進む画面が表示されるはずだ。最高管理者のパスワードと、解約理由のアンケートを入力すれば解約が完了する。

最高管理者のパスワードを入力
解約理由のアンケートも必須項目だ

個人アカウントの削除方法は?

LINE WORKSを管理者ではなくユーザーとして利用している場合、自分のアカウントを削除することはできない。

LINE WORKSのユーザーアカウントは、会社のメールアドレスのようなイメージだ。アカウントに利用する文字列などはユーザーが決められるが、アカウントの存在自体は管理者がそれぞれに発行している。そのためユーザー側はログインしないことで「使わない」状態にはできても、削除はできない。もし退職する、プロジェクトから外れるなど事情がある場合には、管理者にメンバー削除の依頼を出そう。

同じく、最高管理者の権限を持っている人が異動等でアカウントを削除したい場合には、まずは権限の委任をして、一般ユーザーになってからメンバー削除をしてもらう必要がある。

「LINE WORKS 完全指南 設定&使い方」バックナンバーはこちら
https://biz.news.mynavi.jp/category/lineworks

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総務省施策が追い風に? 携帯分離の「歴史的チャンス」狙うファーウェイ

総務省施策が追い風に? 携帯分離の「歴史的チャンス」狙うファーウェイ

2019.03.20

モバイル業界を変える「携帯値下げ議論」が過熱

ファーウェイは日本を取り巻く環境を「歴史的チャンス」と発言

コスパ高いミッドレンジ端末でシェア拡大を目指す

20日、NTTドコモが特定の端末の購入を条件に通信料金を割り引く「docomo with」、購入する端末に応じて通信料金を割り引く「月々サポート」を終了する方針を固めたという報道が話題となっている。

国内のモバイル業界では携帯電話料金見直しが進んでおり、3月5日には総務省が中心に進めてきた端末代金と通信料金の分離が閣議決定された。NTTドコモは分離プランを軸とした新料金プランを4月に発表する見込みだ。

日本のモバイル市場を大きく変えるこの動きを「歴史的チャンス」と見ているのがファーウェイだ。2018年末から米中対立が加速する中、ファーウェイが打ち出すメッセージも語気を強めている。果たして日本市場でシェアを拡大できるのだろうか。

逆風吹けども、依然として業績は好調

今年に入り、ファーウェイの周辺が騒がしい。3月7日には、ファーウェイは米国政府を相手取って訴訟を起こした

さらにその内容をFacebookでライブ配信するなど、米国以外の世界市場に向けたメッセージにもしており、そのメッセージをまとめたウェブサイト「Huawei Facts」は、わざわざ日本語版も用意している。

2018年末から続く米中対立を巡る報道は、ファーウェイの業績にどのような影響を与えたのか。MWC19でインタビューに応じたファーウェイ・ジャパンの呉波氏は、「一部の消費者は影響を受けたが、2019年に入ってから売上は大幅に伸びている」と語った。

ファーウェイ デバイス 日本・韓国リージョン プレジデントの呉波(ゴ・ハ)氏

話題の「折りたたみスマホ」でもファーウェイは先行する。

ファーウェイに先立って折り畳みスマホを発表したサムスンだが、こちらはMWCではガラスケース内での「展示」のみにとどまったのに対し、ファーウェイは「Mate X」の実機を用いて報道関係者に折り曲げを試させるなど、製品化で一歩先を行っていることをアピールした。

ファーウェイの折りたたみスマホ「Mate X」。報道陣には手に取って折り曲げてみる機会も用意された

Mate Xは次世代移動通信の「5G」にも対応しており、日本では5Gサービスの開始を待って投入時期を見極める方針だという。

ちなみに3月26日に発表予定のフラグシップ機「HUAWEI P30」シリーズは、例年通りのタイミングで日本市場に投入するようだ。SIMフリーでの発売だけでなく、ドコモが採用した「HUAWEI P20 Pro」のように大手キャリアによる採用があるかどうかも注目したい。

分離プランを「歴史的チャンス」と捉えるワケ

一方、2019年の国内モバイル市場で話題となっているのが携帯料金における「分離プラン」の導入だ。KDDIとソフトバンクはすでに導入済みだが、NTTドコモは4月に発表する新料金プランから本格導入するとみられている。

分離プランの特徴は、NTTドコモの「月々サポート」のように回線契約と紐付けた端末の割引が禁止される点だ。端末の割引自体が禁止されるわけではないというものの、大幅な割引は難しくなる。その結果、10万円を超えるようなハイエンド機ではなく、3〜4万円で一括購入しやすいミッドレンジ機の需要が高まるとの見方が有力だ。

この動きをファーウェイはどう見ているのか。

呉氏は「非常に重要視している。スマホが登場したときや、SIMフリー市場が始まったときのインパクトに引けを取らない、歴史的な瞬間になる」と興奮気味に語る。

日本のSIMフリー市場でベストセラーとなった「HUAWEI P20 lite」を始め、ファーウェイのミッドレンジ機のラインアップは厚い。モデルによってはフラグシップと同じCPUでミッドハイの価格を実現するなど、コスパの高さも特徴だ。大手キャリア向けにさまざまな提案ができる体制といえる。

フラグシップと同じ「Kirin 980」搭載でミッドハイ価格の「HONOR View 20」

また、5G対応も順調だ。

モバイルWi-Fiルーターに強みを持つファーウェイは、MWC19でも5G対応ルーターを多く出展していた。日本ではまだ周波数の割り当てが終わっていないものの、国内大手キャリアは2019年内にもプレサービスを始める動きがある。5Gスマホが普及するまでの間、5Gルーターの需要は高まる可能性がある。

5G対応のモバイルWi-Fiルーターも出展していた

ミッドレンジ市場の拡大を狙って、今年はシャープやサムスン以外にも、ソニーモバイルの参入も予想されている。

この価格帯が激戦区になることは間違いないが、ファーウェイはその中で高コスパの製品ラインアップや、国内での地道な販促活動やブランドメッセージの打ち出しによって対抗していく構えだ。

ヨドバシカメラ梅田店での販促イベントの様子
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