ハーフミラー採用の

モノのデザイン 第30回

ハーフミラー採用の"ミニマムでシームレス"な洗濯機 - シャープ ドラム式洗濯乾燥機「ES-P110」 タテ型洗濯乾燥機「ES-PU11B」

2017.12.25

シャープが今秋発売した、ドラム式洗濯乾燥機「ES-P110」とタテ型洗濯乾燥機「ES-PU11B」の2モデル。いずれも洗濯容量11キロ、乾燥容量6キロで、同社の各カテゴリー商品においては最上位の新製品だ。扉部分にハーフミラーを採用するなど、どちらのモデルも従来の洗濯機にはない斬新かつ先進的なデザインで、店頭でもひと際目立つ。そんな2つの新製品について、シャープ 健康・環境システム事業本部 デザインスタジオの桑原多美子氏に、デザインの意図や開発秘話などを伺った。

シャープのドラム式洗濯乾燥機「ES-P110」(左)とタテ型洗濯乾燥機「ES-PU11B」(右)。シャープの洗濯乾燥機としては初めてデザイン性を前面に打ち出した商品だ
シャープ 健康・環境システム事業本部 デザインスタジオの桑原多美子氏

今回、2つの製品に共通するコンセプトとして掲げられたのは、"キレイに、こだわる"。洗濯機は衣類をキレイにする家電製品だが、機能性だけでなく、見た目の美しさや設置場所での佇まい、お手入れのしやすさなどすべてにおいて"キレイ"であることを新製品で目指した。

前述のとおり、新製品の2モデルは、ドラム式、縦型とタイプは違うものの、いずれも扉部分に採用されたハーフミラーと、まるでスマホのような高精細なタッチパネル式の操作が目を惹く。洗濯機としてはいささか挑戦的とも言えるような今回の大幅なデザインの刷新の背景について、桑原氏は次のように語る。

「消費者の間で心地よい暮らしやリビング、インテリアとのマッチングという需要が近年高まってきました。また、弊社としては特にドラム式洗濯機の売り上げを強化していきたいという狙いもあり、思い切ったデザインの要素を取り入れようということになりました」

桑原氏によると、デザイン部門で最初に検討されたのが、これからの洗濯機のあり方。従来の洗濯機は"クリーンデザイン"と呼ばれる清潔さをイメージさせるデザインだったが、家電製品にも空間との調和が求められる傾向にある昨今に必要なのは、"サニタリーファニチャー"との融合であるという結論に至ったという。そこで家電らしさをあえて外したデザインの追求がスタートした。

結果、辿り着いたのが洗面台のイメージだ。洗面所の鏡と陶器の洗面ボウルをモチーフに、艶のある陶器の質感や、汚れをふきとりやすいなめらかな形状といった、サニタリー空間におけるインテリアとしての美しさを洗濯機に取り入れるというデザインの方向性が定まったのだという。

"サニタリーファニチャー"のコンセプトのもと開発された「ES-PU11B」のデザインで意識されたのは、洗面ボウル。美しさや清潔さとともに、フラットでお手入れがしやすいといった要素も取り入れられた

「デザインする上で目指したのは、ミニマムでシームレスであること。ハーフミラーのガラストップの採用以外にも、凸凹のない形状やなめらかな投入口といった要素を実現するために、徹底的に要素を絞り込みました」

しかし、新製品におけるシンボリックなパーツであるハーフミラーのガラストップの採用は、技術的な課題も多く抱えていたという。「技術的に最も苦心したのは、ハーフミラーをどの素材にするかの検討ですね。この部分はタッチパネルにもなっているため、ハーフミラーの素材はどれでも大丈夫なわけではありません。通電性もありますし、乾燥機の稼動時には熱が加わりますから熱伝導性への耐性や剥離に強い素材である必要があります」と桑原氏。そのためハーフミラーの素材は当初のイメージよりも暗い色調になったそうだ。

今回の新製品で縦型・ドラム式ともにシンボリックであるハーフミラーのガラストップ。美しい反面、目の前の景色を写り込ませやすいという難点を克服するために、扱いやすさと両立させる適切な角度での取り付けも検討された
インテリアのようにサニタリー空間になじむ洗濯機にするために、従来機種(右)では手前に常に見えていた操作パネルを取りやめ、タッチパネルを採用し、表示を極力排除してスッキリさせた

厚さの検討も重要な事項だ。桑原氏によると、初期のモデルではより薄いデザインだったものの、「内部が基板、LED、リフレクター、タッチパネルシート、ガラスという構造のため、最小限にしても相当厚みが増えてしまった」と明かす。

しかし、こうした数多くの難題を抱えながらも、タッチパネルのキーを美しく光らせるために、リフレクターの深さと色調、拡散性を最後までかなり詰めて検討が重ねられたとのことだ。デザイン面で他にも縦型の場合は薄く見せるために外枠の部分に微妙な傾斜を設け、一部のパーツの色調を変えていたり、ドラムの場合は操作部を見やすくするために設けた傾斜を美しく見せるようにさまざまな角度が検証されたという。

タテ型の初期段階の操作部のコンセプトモデルの一例。最終形に比べると、よりエッジが効いていて黒物家電っぽい印象だ

また、ドラム式のハーフミラーのガラスドアには裏面からグラデーション印刷が施されている。周囲の映り込みを抑えるための工夫だが、天面にフタがある縦型の場合は天井面からの光が反射して自然のグラデーションの効果が得られるため採用されていない。今回発売された新製品2機種はデザインモデルという位置付けではなく、従来モデルの後継機としてラインナップすることから、ここまでデザイン面が大きく変わりながらも価格は極力据え置くことを目指したがゆえに、コストとデザイン性を両立する細かな工夫が随所に隠されている。

サニタリー空間における設置イメージ。ハーフミラーの部分にはドラム式のみグラデーションがかけられている。天面に備えられている縦型と異なり、設置されている場所上、正面のものを写り込ませてしまうため、それを抑えるために考え出された措置だそうだ
操作部が本体側にある従来のドラム式とは違い、ドア部分に装備されている。この設計により、ドア部分に制御基板などの電気系統を収めつつ、強度を保ちながら見た目も美しいデザインに仕上げるという課題に特に苦労したという

そのもう1つの例がタッチパネル操作部のLEDライトだ。外観をスッキリと美しく見せるため、そして「洗濯機のボタンが多すぎてどれを押せばいいのかわからない」という操作性の問題を、操作の順番に従って使用するボタンのみを点灯させることで解決を図った。そのために起用されたタッチパネル操作部だが、ホワイトとブルーの2色のライトを採用しているのもこだわりの1つだという。

しかし、LEDも1灯1灯が製品コストに反映する要素だ。今回、ドラム式の製品の操作部で使用されているLEDライトは全部で114灯あり、コストダウンを図るために、「ボタンをタッチすると光の色が変わる部分以外は、モジュールを用いずにシートを張り合わせることで光り方を分けるようにしました」と明かす。

操作部のLEDはデザイン上ブルーとホワイトの2色を基調とすることは絶対に譲れないポイントだったが、如実にコストに反映されるため、もっとも工夫が施された部分の1つだ

縦型の洗濯乾燥機では、"超音波ウォッシャー"と呼ばれる、昨年単体で発売された製品と同様の付属品を本体天面に装備する。単体の製品では充電をUSB経由で行う方式だが、縦型洗濯機ではワイヤレスで行える非接触式の仕様を採用。この充電部も本体のどの部分に収めるかをはじめ、取り出しの方法などさまざまなデザインが検討されたそうだ。

縦型に採用されている"超音波ウォッシャー"。検討段階では、本体にどのように収納するかだけでも多くの案が議論された

今回、"サニタリーファニチャー"を起点に、デザインの大リニューアルが図られたドラム式と縦型洗濯機の2モデルだが、ハーフミラーのガラストップとタッチパネルの採用という大きな要素が共通していながら、テイストはそれぞれに異なっているのも印象的だ。桑原氏によると、陶器の洗面ボウルのイメージである縦型に対して、「ドラム式は家具のイメージ。最近はインテリアにウッドや金属などの素材感をストレートに用いているものが多いのでそれに合うようなデザインを心掛けました」とのこと。

家具をイメージしてデザインされたというドラム式。サニタリー空間の床や洗面台と調和する色味や素材が選ばれている

洗濯乾燥機の性能や機能だけでなく、デザイン訴求にも力を入れる日本のメーカーが相次いでいる。他の家電製品と比べると、防水パンの規格や給水設備などデザイン上の物理的な制約が多いカテゴリーの製品だが、見た目のデザインの美しさへのこだわりが導く新たな技術革新も含めてさらなる発展が楽しみだ。今回のシャープの洗濯乾燥機の2つの新製品の登場は、それを期待させる好例とも言える。

LINE WORKSを削除(解約)するには?

LINE WORKSを削除(解約)するには?

2019.03.21

LINE WORKSを解約したいと思ったら

解約の前にまずは「所属メンバーの削除」を行う

ユーザーは自分のアカウントを削除できるの?

LINE WORKSを試験的に導入したけれど合わなかったという場合や、利用していたプロジェクトが終了したから削除したいという場合に備えて、LINE WORKSを削除(解約)処理する手順をまとめておく。

LINE WORKSの削除はメンバー削除から

「管理者画面」を開いた上で「基本設定」を開くと、左メニューの一番下に「LINE WORKSの解約」という項目がある。ただし、使っている最中にいきなり解約しようとしても「解約できません」と表示されるはずだ。解約のためには、先に所属メンバー全員を削除しなければならない。

「基本設定」で「LINE WOKRSの解約」を選択
メンバーが残っていると解約できない

メンバー削除は、上メニューで「メンバー」を選んだ画面から行える。最高管理者は削除できないため、解約準備ならば上部のチェックボックスを使って全員を一括選択してから、最高管理者のチェックだけを外すのが簡単だ。上にある「削除」をクリックすると確認画面が表示されるので、「メンバー削除」で完了させよう。

なお「副管理者」など役職者については先に権限を削除してからでなければメンバー削除ができないので注意して欲しい。

「メンバー」で最高管理者以外を選んで「削除」をクリック
確認画面で「メンバー削除」をクリックしよう

解約理由を添えて処理完了

再度「基本設定」で「LINE WORKSの解約」を選ぶと、メンバーの削除が完了していれば解約へ進む画面が表示されるはずだ。最高管理者のパスワードと、解約理由のアンケートを入力すれば解約が完了する。

最高管理者のパスワードを入力
解約理由のアンケートも必須項目だ

個人アカウントの削除方法は?

LINE WORKSを管理者ではなくユーザーとして利用している場合、自分のアカウントを削除することはできない。

LINE WORKSのユーザーアカウントは、会社のメールアドレスのようなイメージだ。アカウントに利用する文字列などはユーザーが決められるが、アカウントの存在自体は管理者がそれぞれに発行している。そのためユーザー側はログインしないことで「使わない」状態にはできても、削除はできない。もし退職する、プロジェクトから外れるなど事情がある場合には、管理者にメンバー削除の依頼を出そう。

同じく、最高管理者の権限を持っている人が異動等でアカウントを削除したい場合には、まずは権限の委任をして、一般ユーザーになってからメンバー削除をしてもらう必要がある。

「LINE WORKS 完全指南 設定&使い方」バックナンバーはこちら
https://biz.news.mynavi.jp/category/lineworks

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総務省施策が追い風に? 携帯分離の「歴史的チャンス」狙うファーウェイ

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2019.03.20

モバイル業界を変える「携帯値下げ議論」が過熱

ファーウェイは日本を取り巻く環境を「歴史的チャンス」と発言

コスパ高いミッドレンジ端末でシェア拡大を目指す

20日、NTTドコモが特定の端末の購入を条件に通信料金を割り引く「docomo with」、購入する端末に応じて通信料金を割り引く「月々サポート」を終了する方針を固めたという報道が話題となっている。

国内のモバイル業界では携帯電話料金見直しが進んでおり、3月5日には総務省が中心に進めてきた端末代金と通信料金の分離が閣議決定された。NTTドコモは分離プランを軸とした新料金プランを4月に発表する見込みだ。

日本のモバイル市場を大きく変えるこの動きを「歴史的チャンス」と見ているのがファーウェイだ。2018年末から米中対立が加速する中、ファーウェイが打ち出すメッセージも語気を強めている。果たして日本市場でシェアを拡大できるのだろうか。

逆風吹けども、依然として業績は好調

今年に入り、ファーウェイの周辺が騒がしい。3月7日には、ファーウェイは米国政府を相手取って訴訟を起こした

さらにその内容をFacebookでライブ配信するなど、米国以外の世界市場に向けたメッセージにもしており、そのメッセージをまとめたウェブサイト「Huawei Facts」は、わざわざ日本語版も用意している。

2018年末から続く米中対立を巡る報道は、ファーウェイの業績にどのような影響を与えたのか。MWC19でインタビューに応じたファーウェイ・ジャパンの呉波氏は、「一部の消費者は影響を受けたが、2019年に入ってから売上は大幅に伸びている」と語った。

ファーウェイ デバイス 日本・韓国リージョン プレジデントの呉波(ゴ・ハ)氏

話題の「折りたたみスマホ」でもファーウェイは先行する。

ファーウェイに先立って折り畳みスマホを発表したサムスンだが、こちらはMWCではガラスケース内での「展示」のみにとどまったのに対し、ファーウェイは「Mate X」の実機を用いて報道関係者に折り曲げを試させるなど、製品化で一歩先を行っていることをアピールした。

ファーウェイの折りたたみスマホ「Mate X」。報道陣には手に取って折り曲げてみる機会も用意された

Mate Xは次世代移動通信の「5G」にも対応しており、日本では5Gサービスの開始を待って投入時期を見極める方針だという。

ちなみに3月26日に発表予定のフラグシップ機「HUAWEI P30」シリーズは、例年通りのタイミングで日本市場に投入するようだ。SIMフリーでの発売だけでなく、ドコモが採用した「HUAWEI P20 Pro」のように大手キャリアによる採用があるかどうかも注目したい。

分離プランを「歴史的チャンス」と捉えるワケ

一方、2019年の国内モバイル市場で話題となっているのが携帯料金における「分離プラン」の導入だ。KDDIとソフトバンクはすでに導入済みだが、NTTドコモは4月に発表する新料金プランから本格導入するとみられている。

分離プランの特徴は、NTTドコモの「月々サポート」のように回線契約と紐付けた端末の割引が禁止される点だ。端末の割引自体が禁止されるわけではないというものの、大幅な割引は難しくなる。その結果、10万円を超えるようなハイエンド機ではなく、3〜4万円で一括購入しやすいミッドレンジ機の需要が高まるとの見方が有力だ。

この動きをファーウェイはどう見ているのか。

呉氏は「非常に重要視している。スマホが登場したときや、SIMフリー市場が始まったときのインパクトに引けを取らない、歴史的な瞬間になる」と興奮気味に語る。

日本のSIMフリー市場でベストセラーとなった「HUAWEI P20 lite」を始め、ファーウェイのミッドレンジ機のラインアップは厚い。モデルによってはフラグシップと同じCPUでミッドハイの価格を実現するなど、コスパの高さも特徴だ。大手キャリア向けにさまざまな提案ができる体制といえる。

フラグシップと同じ「Kirin 980」搭載でミッドハイ価格の「HONOR View 20」

また、5G対応も順調だ。

モバイルWi-Fiルーターに強みを持つファーウェイは、MWC19でも5G対応ルーターを多く出展していた。日本ではまだ周波数の割り当てが終わっていないものの、国内大手キャリアは2019年内にもプレサービスを始める動きがある。5Gスマホが普及するまでの間、5Gルーターの需要は高まる可能性がある。

5G対応のモバイルWi-Fiルーターも出展していた

ミッドレンジ市場の拡大を狙って、今年はシャープやサムスン以外にも、ソニーモバイルの参入も予想されている。

この価格帯が激戦区になることは間違いないが、ファーウェイはその中で高コスパの製品ラインアップや、国内での地道な販促活動やブランドメッセージの打ち出しによって対抗していく構えだ。

ヨドバシカメラ梅田店での販促イベントの様子
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