認定自主規制機関とは

理解を一歩深めるための仮想通貨レクチャー 第1回

認定自主規制機関とは

2018.08.10

日本仮想通貨交換業協会は8月、金融庁に自主規制機関の認定申請を提出

界の実情を反映した細かいルールを作成・運営していく

既存業界団体のJCBAやJBAとは異なる性質を帯びる

近年、仮想通貨関連の話題を目にする機会が増えてきた。しかし、仮想通貨は専門用語が多く、「ニュースを見てもイマイチ理解できない……」と頭を抱える人も多いのではないだろうか。そこで本連載では、仮想通貨に対して理解を一歩深めてもらうべく、ニュースや用語の解説を行っていく。第1回目は、「認定自主規制機関」をピックアップする。

2018年4月24日に、仮想通貨交換業を手がける16社は、認定自主規制機関の認定取得を目指す新たな一般社団法人「日本仮想通貨交換業協会」を発足させた。独自のルールを策定し、2018年8月2日には金融庁に対して、認定申請を提出したという。何やら重要そうなニュースだが、そもそも「認定自主規制機関」とはいったいどのような組織なのだろうか。

法律ではカバーしきれない細かいルールを制定する組織

認定自主規制機関とは、金融庁から認定を得ることで設立できる組織だ。業界の健全な発展および利用者の保護を目的に、自主規制や会員規則を定めるほか、ルールに基づく会社運営が行われているかといったチェック、資格試験の実施、営業員の管理、業界動向の集計などを行う。

法律や内閣府令が大枠のルールであることに対して、仮想通貨交換業者を中心に運営される認定自主規制機関では、業界の実情を反映した細かいルールを作成・運営していくイメージだ。

また、業界に新規参入する企業に対して、事務手続きや体制づくりの方法、規定整備についてのアドバイス、業界動向の相談なども実施する。仮想通貨を用いた新たなサービスを検討している場合は、中立的な立場から、ビジネスの実現性について相談できるようになるだろう。

仮想通貨事業者協会(JCBA)と日本ブロックチェーン協会(JBA)

新しい自主規制機関について説明するうえで避けて通れないのが、仮想通貨業界にある既存の2団体。仮想通貨事業者協会(JCBA)と日本ブロックチェーン協会(JBA)だ。

JCBAは仮想通貨ビジネス勉強会を前身として設立された組織。金融機関が仮想通貨を扱うときに必要な法制や税制の解釈に関する研究会としての性質を帯びている。会員には銀行や証券会社といった金融機関が多い。

一方、JBAは、ブロックチェーン技術の普及と標準化を目的として設立された。最新の技術動向や利用方法の紹介などを行っており、分科会に仮想通貨部門が存在する。参加企業は、ベンチャーやシステムインテグレーションなど、ITの関連会社が中心だ。

既存の団体があるのであれば、「JCBAかJBAが自主規制団体を目指せばいいのではないか」と思う人がいるかもしれないが、そううまくはいかなかった。JCBAとJBAは仮想通貨交換業者以外の参加企業も多いうえに、両者の性質や考え方が大きく異なる。そのため「どちらかが認定団体を目指す」でも「2つの業界団体が統合する」でもなく、「新たな組織を設立」して認定自主規制団体「日本仮想通貨交換業協会」を発足させることになったのだ。

仮想通貨における業界団体の未来は?

「日本仮想通貨交換業協会」は、改正資金決済法のもと、仮想通貨事業の適切な運営ルールや会員規則を定めていく。また、業界に関心のある企業や業界動向を問い合わせる窓口としての役割にも期待できるだろう。

ただし、既存の業者団体が役割を終えたかというと、そうではない。JCBAは税制や会計処理の在り方などを研究する組織として、JBAは最新の技術を伝えるだけでなく、新団体に知見を提供する組織として、制度・技術の面でサポートしていくと考えられる。場合によっては、「日本仮想通貨交換業協会」に合流することもあるかもしれない。

仮想通貨は、技術的にも制度的にも、さらなる研究と整備が必要な対象。さまざまな知見を取り入れ、各方面の識者の支援を得ながら、業界の発展を考えていくことが必要だ。

著者プロフィール

齋藤亮
SBIバーチャル・カレンシーズ代表取締役副社長

2010年、SBIホールディングス入社。SBIグループにて、主に経営企画・事業開発に従事。
2016年、SBIバーチャル・カレンシーズ株式会社 代表取締役に就任、日本初の仮想通貨交換業者として登録を果たす。
2017年より仮想通貨事業者協会(JCBA)理事。

SBIバーチャル・カレンシーズ

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NewsInsight 更新終了のお知らせ

2019.06.17

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○カレー沢薫の時流漂流
https://news.mynavi.jp/series/jiryu_hyoryu

最後になりますが、改めて皆様に感謝いたしますとともに、引き続き、マイナビニュースにてご愛顧いただけましたら幸いです。

放置されていた不寛容? 国会まで届いた「パンプス強要」騒動

カレー沢薫の時流漂流 第47回

放置されていた不寛容? 国会まで届いた「パンプス強要」騒動

2019.06.17

最近女性の間で「#MeToo」ならぬ「#KuToo」運動がにわかに盛り上がっている。

「#KuToo」とは「靴」と「苦痛」をかけており、職場や就職活動で、足を痛めるパンプスやヒール靴の強要をやめようという運動である。

そもそもそんなの誰も強要してねえよ、と思われるかもしれない。確かに規定として靴の形状やかかとの高さまで定めている会社はレアだろう。しかし、私の元いた会社でも、規則があるわけでも、誰に言われたでもなく、みな一様に黒のパンプスを履いていた。それが「暗黙のルール」であり、それ以外は「非常識」と見られる風潮は確かにあるのである。

これが就職活動になると、パンプスを履いていないだけで「こいつは常識がない」と見なされ不採用になってしまうかもしれない、ということだ。そうなると女子学生は足を負傷してでもパンプスを履かざるを得なくなってしまう。

正直、パンプスは苦痛

パンプスがそんなに苦痛か、というと、靴の中では殺傷能力が高い方である。これは他人への、という意味ではなく自分へのだ。他人を殺傷したいならカウボーイが履いている、かかとにピザカッターがついている奴を履いた方が良い。

狭いつま先に足の指が密集されるため、私もよく爪で隣の指を切って足を血だらけにしていたし、伸縮性にかける素材のため、あわないパンプスだと試着の時点で靴擦れが出来るレベルなのだ。

世の中には素肌に荒縄で亀甲縛りを施し、その上に上等なスーツを羽織って出社している人も多いと思う。とても痛いだろうが、それは強制されたわけではなく、その人が好きで楽しいからやっているのだ。

つまり、好きでもない上にとても痛いパンプスを強制で履かなければいけないというのは、上等なスーツの下が亀甲縛りなことよりも「異常」なことというわけだ。

この運動はすぐに広まり、いきなり国会でも議論されたという。これにより「厚労相がハイヒール強要を容認」という見出しのニュースまで踊り出ることになった。

完全に自由と言われても困るのでは?

「厚生省に、女がハイヒールを履かないと死ぬ病の人が!?」と驚いたが、記事をよく見ると見出しほどのことはなく、厚労相の発言は「これは社会通念に照らして業務上、必要かつ相等な範囲かと、この辺なんだろうと思います」というかなりボンヤリしたものであり、どっちでも良い事を聞かれた私のリアクションに似ている。

しかし「ハイヒールが履けない女は何やってもダメ」などと強い事を言っているわけではないが、「業務上必要ならパンプス履くべきだろ」という「容認」に聞こえなくもない。すぐさま「業務上ハイヒールが必要な仕事って何だよ」という疑問が挙がり、「SMの女王様」「(ハイヒールでキレッキレに踊る)perfume以外ありえない」などの声が相次いだ。

この社会問題がすぐ大喜利になってしまうのは良くも悪くも「ザ・ツイッター」という感じだ。

確かに「業務上必要」となると、まだかかとにピザカッターがついている靴の方が「ピザを食う時」必要な気がする。

ただ、靴や服装を完全に自由化し、何でもOKにすれば良いかというと、それはそれで問題が起きると思う。ファッションに疎くコーディネートが苦手な人間からすれば、職場に何を着ていいのか全く「指針」がないというのは迷子になるし、接する側としても、車を買いにいってディーラーが、イモ―タンジョ―の完コスで出てきたら「キャデラックしか買うことを許されないのか」と委縮してしまう。就活マナー本に「俺の考えた最強の就活ファッションで挑みましょう」とだけ書かれていても逆に困るだろう

着る側としても、それに接する側としても、社会において服装にある程度規定や模範があるというのはメリットでもあるのだ。

そもそも規定や常識というのは、秩序を作ることにより問題を減らすためにあるものなのだ。しかしそれが元で「足を負傷する」という「問題」が起こっているなら本末転倒なので、やはり解消はすべきなのだろう。

極論に流れない寛容さが足りない

おそらく「#KuToo」を提唱している人も「ドラゴン柄のコンバースで就活したい」と言っているわけではないのだ。最近は「パンプスに見えるスニーカー」なども存在するし、パンプスでなくても地味な靴はいくらでもある。そのような靴を履いていても「パンプスじゃないから非常識」と見るのをやめてほしいという話だろう。

ちなみに私が会社員時代履いていたパンプスだが、黒の革靴ではあったが、つま先は限りなく丸く、ヒールはなきに等しい、今思えばあれはパンプスだったのか、70過ぎのババアが旅行に行くときに履くヤツなんじゃないか、という代物であったが、特に何も言われなかった。

「#KuToo」が求めるのも、そのぐらいの「寛容さ」なのではないだろうか。

【お知らせ】
連載「カレー沢薫の時流漂流」の掲載場所を変更します。
→ 新しい掲載場所はこちら https://news.mynavi.jp/series/jiryu_hyoryu