購入リストに急浮上? 安東弘樹、マツダの新型「アテンザ」に乗る!

安東弘樹のクルマ向上委員会! 第1回

購入リストに急浮上? 安東弘樹、マツダの新型「アテンザ」に乗る!

2018.08.08

“クルママニア”安東弘樹さんをメインに据えた新連載!

安東さんが「久々に欲しいと思った」日本車の試乗に密着

コスパのよさに好感触! 輸入車との比較は?

元TBSアナウンサーで日本カー・オブ・ザ・イヤーの選考委員を務める安東弘樹さんは、久しぶりに「欲しい」と思える日本のクルマに出会った。マツダ「アテンザ」だ。そんな安東さんがマツダの試乗会に参加するとの情報を得たので、ついていくことにした。

※文と写真はNewsInsight編集部・藤田が担当しました

新型「アテンザ」のセダン

“クルママニア”が久々に惹かれた日本車

年間4~5万キロはクルマに乗るマニアで、これまでに41台のクルマを乗り継いできたという安東さん。現在はポルシェ「911 カレラ 4S」とジャガーのSUV「F-PACE」を所有しているそうだが、なぜ新しいクルマが欲しくなったのか。愛車「F-PACE」の走行距離が「買って2年で6万キロの勢いという事情もあるんですけど」(以下、発言は安東さん)という驚きの発言はあったものの、千葉の自宅から東京都内の仕事現場に通勤するのに不便だから、というのが主な理由らしい。

TBSを退職してフリーになり、晴れてクルマ通勤(基本的には出張も)の身となった安東さんだが、ロケもあり、勤務地が一定ではない仕事の都合上、都内に通勤する上で問題となるのが駐車場だ。高さが1,665mm、幅が1,935mmの「F-PACE」では、基本的に立体駐車場には入れられない。そんな事情と、まもなく「F-PACE」のローンが終わることから、安東さんは真剣に3台目のクルマ選びを進めている。

ジャガー「F-PACE」。ディーゼルエンジン車を購入した安東さんは、納車の翌日に「1,000キロ点検」に持ち込んで店の人を驚かせたそうだ(画像提供: ジャガー・ランドローバー・ジャパン)

「マツダは好きなブランド」

その購入リストに浮上したのが、このほど商品改良を経たマツダの新型「アテンザ」だ。グレードもいろいろだが、注目しているのはディーゼルエンジンを積む「XD」で、四輪駆動のマニュアルトランスミッション(MT)仕様、ボディタイプはセダンが選択肢となる。

ちなみに、ディーゼルを選ぶ理由としては、「運転そのものが快楽」という安東さんの嗜好にトルクの太さ、加速のよさが合う部分もあるのだが、「“クルママニア”として、できるだけ環境負荷を減らしたくて。自分の乗り方だと、CO2排出量はディーゼルが最も少なくなる。」との自己分析もある。通勤で1日に100キロはクルマに乗り、その半分は高速道路を使用するという安東さんにとって、低いエンジン回転数で加速できるディーゼルエンジン車の方が、ハイブリッド車(HV)よりも効率よく走れるとのこと。クルマ選びは「『ディーゼルで運転が楽しい』が第一の条件」だ。

MTを選ぶのにも、クルマを操る喜び以外の理由がある。給油のたびに「満タン法」による燃費計測を欠かさないという安東さんは、自分で適切なギアを選んで走行し、燃費を抑える走り方に習熟しているのだ。

ミニバンやSUVなどの多人数で乗るクルマにスポーツカーというラインアップを基本とし、3台目を持つとすればコンパクトカーというパターンが多かったという安東さんだが、「アテンザ」であれば都内への通勤にも支障はないと判断した。ちなみに、41台の愛車遍歴で乗ったセダンはSUBARU(スバル)「レガシィ B4」とアウディ「S4」の2台だけだという

41台の愛車遍歴の中でマツダ車を所有したことはないそうだが、「好きなブランドではある」という安東さん。まずは改良前の(旧型)アテンザに試乗し、「正しいポジションで運転すると心地いい。マツダのシートはいいなー!」などの感想を聞かせてくれた。次はいよいよ新型の試乗だ。

フラッグシップにMTを設定するマツダの心意気

まず乗ったのは、セダンの「XD L Package」というグレード。6速MTを操って走り出した安東さんは、「そもそも、このモデルにMTを設定するマツダはすごい。このアテンザにMTで乗る人とは友達になれそう」とし、フラッグシップと位置づけるクルマにMTを設定するマツダの姿勢に敬意を表した。クラッチは重い方が好みで、「最近の日本車はやたらと軽い」と感じていたそうだが、アテンザのペダルは好感触だったようだ。

背もたれと座面の広範囲に小さな吸い出し口があり、空気の流れを作ってくれる「シートベンチレーション機能」も嬉しいと安東さん。マツダは同機能を今回の新型「アテンザ」で初めて採用した。「L Package」というグレードに標準装備となっている

内装については「(旧型とは)全然違う!」とのこと。「確実に車格が上がった。スエードがいい。サンルーフの設定も嬉しい。ディスプレイも大きくなっている」と評価ポイントを列挙していった。新型のシートにも好印象を抱いたようで、フットレストの位置や、コーナリング時に踏ん張った足(例えば右折時の左ひざ)が当たる部分の感触(やわらかさ)などが気に入った様子だった。運転席と助手席の間にあるコンソールボックスにはUSB端子が2つ付いているが、その蓋の部分にUSBケーブルを通すための穴が開いていることからも「マツダの良心を感じる」そうだ。

ミニ「クラブマン」との比較で何を感じたか

一方で、気になる部分として話題になったのは「軽さ」の部分だ。例えば、後席のドアの開け閉め感が、安東さんの表現によると輸入車では「ガチッ」という感じであるのに対し、アテンザでは「パコン」という印象だそう。走行中、段差を超えるときの感覚も、輸入車に比べるとどこか「ピョコピョコ」するという。これはアテンザに限らず、輸入車に比べた時の日本車全般の印象だそうだ。

ここ十数年は輸入車のみを乗り継いでいる安東さんは、3台目の候補として、アテンザ以外に小型車ミニ(MINI)の「クラブマン」も検討中だという。すでに試乗を済ませたという安東さんによると、クラブマンなら立体駐車場に駐車できるのはもちろんのこと、ディーゼルエンジン車の用意があり、運転すると「ゴーカートフィーリング」で意のままに操れて、高速道路の走行では「ずっしり」とした感覚が得られるそうだ。車幅はアテンザより40mm狭い1,800mmだが、後席のドアは分厚く、閉めたときの重厚感、安心感は魅力だという。

MINI「クラブマン」はこんなクルマだ(画像提供:BMW GROUP)

安東さんの購入リストに入った「クラブマン」のディーゼルエンジン車は「COOPER SD」というグレードで、価格は437万円から。これにオプションを付けていくと、見積もりでは600万円に近い価格になったそうだ。それに対し、アテンザ「XD L Package」の価格は419万400円からで、オプションを付けても500万円前後で収まりそうな雰囲気。100万円も安くて、装備も充実しているアテンザを安東さんは「コスパがいい」と評価しつつも、「クラブマンのドアの開け閉め感が捨てがたい自分もいる」と悩ましい心情を語っていた。

ガソリンエンジンのワゴンにも試乗、感想は……

ディーゼルエンジン車のあと、ガソリンエンジン、二輪駆動(FF)、オートマチックトランスミッション(AT)、ワゴンのアテンザ「25S L Package」にも試乗した安東さん。「電動リアゲートが欲しい」「非力とは思わないが、やはりトルクが欲しい」といった感想で、やはりアテンザを買うならディーゼルのMTという考えに変わりはないようだった。

試乗のあとは、マツダのエンジニアと懇談の場が設けられた。安東さんとマツダ社員の対話は、試乗の感想から始まり、マツダのブランド戦略にまで及ぶ幅広い内容となったので、その模様は本連載の2回目でお伝えしたい。

SNSでバズを起こせ! メルカリ流 “違和感”マーケティング

SNSでバズを起こせ! メルカリ流 “違和感”マーケティング

2019.01.24

フリマアプリを運営するメルカリが新聞折り込みチラシを配布

なぜリアル店舗のようなチラシ広告を出したのか

理由を聞いていくなかで同社のマーケティング戦略が見えてきた

問:次のアイテムのなかから、フリマアプリ「メルカリ」で販売されたことのあるものを選びなさい。

・ダウンジャケット
・ヒト型ロボット
・トイレットペーパーの芯
・クルマ
・イヤホンの左側

おわかりいただけただろうか。答えは「すべて」である。現時点では売り切れかもしれないが、上記はすべてメルカリで販売された実績のあるアイテムだ。

さまざまな商品が売買されているメルカリとはいえ、まさか「トイレットペーパーの芯」が売られているとは、よほどのヘビーユーザーでなければ知らないのではないだろうか。

もちろん筆者も知らなかったが、2018年12月12日に配布された1枚の新聞折り込みチラシが、その事実を教えてくれた。それは、メルカリが北海道と愛知県で計192万部配布した広告チラシだ。

紙面上では、トイレットペーパーの芯やクルマがメルカリで売られていたことを紹介していたのだが、東京在住の筆者は配られたチラシを直接見たわけではない。「メルカリが新聞折り込みチラシを配布している」という意外性がSNSで話題を呼び、仕事中Twitterをいじくりまわして遊んでいた筆者の元にも情報が届いたのである。

はたして、アプリ上でサービスを展開するメルカリが、なぜリアル店舗のような折り込みチラシを配布したのだろうか。

メルカリが配布した新聞折り込みチラシの例。まるでアパレル広告のようだ
裏面には、初心者でも使えるようにアプリのマニュアルが紹介されている

「スタンダードからいかに離れるか」が、おもしろさを生む

「端的に言えば“お茶の間の会話”を増やしたいと考えたためですね」

株式会社メルカリ 執行役員 CMOの村田雅行氏は、新聞折り込みチラシを配布した理由について、そう話す。

株式会社メルカリ 執行役員 CMOの村田雅行氏

2013年7月にサービスを開始したメルカリのアプリダウンロード数は、世界合計で1億超。また、累計流通額は1兆円を超えており、全国レベルでその名を轟かせている。

「ただ、月間のユニークユーザー数は1100万程度。ダウンロード数を考えるとまだまだ伸びしろがあるはずなのです。そのため、まだ取り切れていない、シニアを中心とするユーザーを取り込むためのアプローチを実施することに決めました」

アプリの存在は知っているが、普段からメルカリを使っているわけではない。そんな、シニアをはじめとする“お茶の間ユーザー”を取り込むべく企画されたのが「新聞折り込みチラシ」だった。さまざまなマーケティングを行っている同社ではあるが、新聞折り込みチラシの配布は今回が初めて。そのため、まずはテストマーケティングとして、限られたエリアでの配布が行われた。

だが、シニアへのアプローチは何も折り込みチラシに限らない。テレビCMはもちろん、街頭配布やポスティングなど、ほかにも宣伝手法はあったはずだ。なぜ折り込みチラシにこだわったのだろうか。

「1つのコンテンツとして完結しているところがポイントでした。新聞は、自ら購読して情報を取得する非常にポジティブな媒体。毎日目にするそのコンテンツにメルカリの折り込みチラシを入れることで、“違和感”を生み出したかったのです」

また村田氏は、チラシだからこそ違和感を生み出せたのだと話す。

「今の時代、いかにSNSで話題にしてもらえるかが大事です。そのためには普通とは違うことをやらなければなりません。違和感は、多くの人が認識する“スタンダード”がなければ作れないと考えています。いかに基準から大きな振れ幅があるか。それが驚きやおもしろさにつながるのではないでしょうか。そういう意味で、折り込みチラシには基準があります。『医薬品系だったらこんなチラシ』『スーパーのチラシはこんなもの』というイメージが、多くの人のなかで醸成されているからこそ、イメージからかけ離れたクリエイティブは一層際立つはずだと、新聞の折り込みチラシを実施したのです」

例えば街頭配布であれば、コスプレをしたり、奇抜な宣伝車で商品サンプルを配ったり、アメニティを同封したりと、工夫されているものが多く、普遍的な基準のようなものが思い浮かびにくい。あえて一般的な街頭配布の例を挙げるとすれば、ポケットティッシュと答える人が多いだろうか。だが、ポケットティッシュ以外のものを配っていたら、それだけで大きな話題を呼ぶかと言えば、おそらく難しいはずだ。

つまり、スタンダードがあるからこそ、違和感を与えて記憶に残るような手法を実施できると、数あるアプローチのなかから村田氏は折り込みチラシを選んだというわけだ。

そもそも、実店舗を持たないメルカリが折り込みチラシを配布するというだけで、1つの違和感を与えられるだろう。そして「徒歩0分! スマホの中でオープン!」といった目を引く謳い文句が、違和感をますます際立たせる。

「違和感を与えるために、コピーや商品ラインアップは工夫しましたね。今回、3タイプのチラシを作成したのですが、“メルカリだからこそできるラインアップ”をあえて出すようにしました。例えば、意外性のあるものでは、トイレットペーパーの芯やクルマ。実際にメルカリで売られていたことがあるんです」

今回作成されたチラシは「ファッション」「家電」「スーパー」の3タイプ。意外性のある商品ラインアップに加えて、北海道では日本ハムファイターズのユニフォーム、愛知県では中日ドラゴンズのユニフォームなど、地域に根付いた商品も掲載しており、そのような遊び心も、SNSで話題になるために必要なのかもしれない。

家電パターンのチラシ。「徒歩0分! ~」のコピーが目立つ
「トイレットペーパーの芯」を掲載したパターンのチラシ。2つのチラシをよく見比べると、ユニフォームで使われている写真が違う。なお、北海道と愛知県を選んだ理由は、「地場新聞の影響力が強いエリア」だからだという

結果として、違和感を覚えた消費者は、Twitterにチラシの画像を投稿。狙い通り、SNSでバズらせることに成功した。

しかし、SNSで話題になっても、ターゲットにしているシニア層にはあまり関係がないのではないだろうか。

「シニアや中高年の方々でSNSをやっている人は意外と多いんですよ。積極的に発信をしている人はあまり多くないですが、情報収集として活用している人は少なくないですね」

ちなみに、肝心の折り込みチラシの効果は、「すべての数字の集計が終わっているわけではありませんが、チラシを投下したエリアでは、いい成果が出ています」とのこと。データとしても、チラシの影響を確認できたという様子だった。

攻める姿勢が生み出したもう1つの広告

今回のようなアプローチは、SNSが普及した今だからこそ可能な新しいマーケティングだ。そして、メルカリではSNSでのバズを狙った取り組みがもう1つ。2019年1月1日からスタートした『#はじメル』だ。

はじメルは、「三日坊主でもいいから、とにかく新しいことをはじめる人を応援する」というコンセプトで展開しているキャンペーン。特設サイトを開設し、1月3日には新聞の一面広告を、1月5日からはテレビCMを放送開始した。

そのなかで、一体なにがSNSで話題になったのかというと、これまたアナログな「新聞広告」である。

「一般的に1つのクリエイティブで進める新聞広告を、あえて3タイプ制作し、首都圏・東日本・西日本で分けて配布しました。3枚の新聞広告をつなげるとメルカリの『m』が浮かび上がるというデザインなのですが、1枚だけ見ても、“つなげたら何か起きそう”なデザインにすることで、それを発見した人がTwitterに思わず投稿したくなるような仕組みを作っています」

新聞広告を3枚並べると「m」の文字が浮かび上がる

思わせぶりなデザインにするという“ヒント”を提供しておき、あとは何も言わずにユーザーの反応を待つ。離れたエリアの新聞を手に入れるのは難しいので、ほかのデザインが気になった場合は、自然とオンライン上での情報収集が開始されるだろう。そうして、SNSで活発なやり取りが発生するというわけだ。

「最初はもっと控えめのデザインだったのですが、それじゃダメだと言いましたね」

穏やかな口調ではあったが、村田氏の言葉からはクリエイティブに対してのこだわりを強く感じた。

「折り込みチラシのときもそうですが、守りに入ったら企業は終わると考えているので、常に攻め続けたいと考えています」

クリエイティブに対して攻めの姿勢を崩さない村田氏。それを象徴するエピソードとして、折り込みチラシのプロジェクトのキックオフ時には、「私をクビにする覚悟で仕事をしてほしい」とメンバーに伝えたのだという。

「もちろん、ほんとうにヤバいときは止めますよ。ただ、メンバーがリスクを考えてしまうと、どうしても“置きにいく”ようなアイデアになりがちです。責任なら私が取るので、どんどん攻めてほしいというメッセージですね」

置きにいくクリエイティブでは、SNSでバズらない。メンバーが自由にアイデアを出せる環境整備こそ、尖ったクリエイティブを生み出すのに必要なことなのだろう。

2019年はメルカリの内面を伝える年に

今回、折り込みチラシと新聞一面広告で、SNSでバズらせるマーケティングを実施したメルカリ。折り込みチラシに関していえば、まだテストマーケティングが終わった段階である。今後は全国的に折り込みチラシの配布を行うのだろうか。

「明確な方針はまだ決まっていませんが、折り込みチラシについては、読み物としてお客さまから期待されるコンテンツにしていきたいと考えています」

ただし、「今日は○○が特売」「○○が新発売」といったように、新聞チラシは日々情報が更新されるから読み物として成立する。タイムリーな情報をチラシで打ち出せないメルカリは、どのようなコンテンツにしていくのだろうか。

「今回折り込みチラシで意識したことの1つに、商品をたくさん入れるという点がありました。実際にメルカリで何が売られているかまでは知らない人が意外と多いんですね。そのような人からすると、トイレットペーパーの芯が売れることは1つの発見になるでしょうし、自分の家にある家電がいくらで売れるかということも新しい発見です。そのように、ほかにも、まだまだ知られていない情報があるので、継続的にチラシをやると決まったら、もっとメルカリの内側を知ってもらう情報を提供していきたいですね」

メルカリの内側を知ってほしいと話す村田氏。実は、はじメルにも同様の意図があったという。

「メルカリを使えば『新しい趣味を始める』ことへのハードルを下げられると伝えたかったのです。例えば、ゴルフを始めようと考えたら、ゴルフクラブのセットを購入する必要がありますよね。それが仮に10万円であれば、『ちょっとやってみようかな』程度に思っている人からすると、やはりハードルは高い。しかし、メルカリを使うことで、まずゴルフクラブを5万円で買える可能性があるのです。そのうえ、5万円で売られているのであれば、それに近い金額で売却できることも意味します」

5万円でゴルフクラブを買ってみたはいいものの「あまりおもしろくないな」と感じた場合、4万5000円で売却できれば、5000円の出費でゴルフを体験できるわけだ。

「また、メルカリにはバーコード出品と呼ばれる機能があって、バーコードを読み取るだけで商品情報を自動入力してくれるんです。値段も提案してくれるので出品が楽なのですが、最近では本を買うときにまずはバーコード出品を行う人が多いようですね。ちょうど読み終わったくらいに売却できて便利なんです。期限を決めることで、読まないといけないというプレッシャーにもなりますし、2000円の本を1500円で売却できれば、500円で本が読めるわけです」

何か買うときに、メルカリでまずいくらで売れるかをチェックする。そして、使わなかったり、一度使って満足したりすると、メルカリで売却するという消費行動が増えているのだ。その結果、購入のハードルが下がるので、二次流通が一時消費を活性化させる可能性もあるだろう。

「このような使い方の訴求は、継続してやっていきたいなと。そしてゆくゆくは、メルカリをライフインフラのようにしたいですね」

村田氏は展望を語る。

「認知はすでに獲得しました。次はメルカリの内面をもっと外に出していくフェーズです」

2018年には株式を上場し、気流に乗るメルカリ。決して“置きにいかない”同社のマーケティング戦略から、次はどんなアイデアが飛び出すのだろうか。2019年も同社の尖った広告が、SNSを騒がせるかもしれない。

上場後振るわぬソフトバンク、次は「行政指導」

上場後振るわぬソフトバンク、次は「行政指導」

2019.01.24

ソフトバンクの通信障害、総務省が行政指導へ

再発防止のためのさまざまな対策立案を支持

上場前後で「運がない」ソフトバンクに求められるもの

総務省は1月23日、昨年12月に大規模な通信障害を起こしたソフトバンクに対して行政指導を行った。

通信障害は、ソフトバンクのLTEに関する交換機の不具合が原因で起こったもの。それによって同社の4G LTE網に障害が発生し、音声・データ通信ともに圏外になる、もしくはつながりにくい状態が長時間続き、大きな話題になっていた。

通信障害は12月6日の13時39分頃発生し、その後同日18時4分頃まで、4時間25分に及び、約3060万人の利用者に影響を及ぼした (ソフトバンク ニュースリリース)

総務省は今回、同社の代表取締役取締役社長執行役員兼CEOの宮内謙氏宛に「電気通信事故に関する適切な対応及び報告について」と題した文書を提出。

ソフトバンクの宮内謙代表

文書では、ソフトバンクが2018年中に同件を含めて3回の重大事故を発生させていることを挙げ、「このような事故の発生は利用者の利益を大きく阻害するもの」とし、社内外の連携体制の改善や利用者への周知内容・周知方法の改善、通信業界内での教訓の共有等の実施を勧告。さらに、それぞれの具体的措置の内容を2月末までにまとめ、報告するよう義務付けた。

携帯電話は、通話やメッセージのやり取りはもちろん、決済サービスや災害時の情報収集ツールとして、今や国民のライフラインになっている。

総務省は同文書で「事故における教訓を業界全体で共有することが重要である」ともしており、今後の再発防止策等の詳細について、ほかの携帯電話事業者に説明し、情報共有する機会を設けることも求めた。

昨年末に鳴り物入りで上場したが、なかなか株価が振るわないソフトバンク。その背景には、通信障害や「PayPay」のクレジットカードの不正利用、さらには同社が通信設備を使用している中国・ファーウェイの米中対立やCFOの逮捕などの問題などが影響していることだろう。

ソフトバンクグループは昨年11月に行われた2018年度第2四半期決算説明会で、「RPA(Robotic Process Automation)の導入により通信事業の人員を削減し、新規事業に力を入れていく」としていたが、新規事業の前に、まずは逆風吹く通信事業の早急な立て直しが求められている。