樋口泰行氏が語るパナソニック1年の成果

樋口泰行氏が語るパナソニック1年の成果

2018.06.01

パナソニック コネクティッドソリューションズ社長 樋口泰行氏

パナソニックは、2018年5月30日、アナリストを対象にした「Panasonic IR Day 2018」を開催。そのなかで、パナソニック入りしてから1年を経過した前日本マイクロソフト会長であり、現在、コネクティッドソリューションズ社の社長を務める樋口泰行氏が、この1年の成果について振り返った。

「昨年、25年ぶりにパナソニックに戻り、既存ビジネスにモメンタム(勢い)をつけて、正しいことを正しくやるということに注力してきた。その一環として、コネクティッドソリューションズ社の本社機能を東京に移し、同時に組織の活性化を図ってきた。また、今後のビジョンや、将来の姿を考えてきた1年でもあった。顧客接点の最大化や、カルチャーおよびマインドの健全化、風土改革を並行して行ってきた。こうした経験をもとに、持続可能な収益体質を確立するための一歩を踏み出すのが、2018年度になる」と位置づけた。

東京移転で顧客の訪問数が増加

2017年10月に、本社機能を大阪から東京に移したことで、顧客の訪問数は2.7倍に増加。社長室を廃止し、部門を超えたフリーアドレスを採用したことや、ビジネスチャットの活用を積極化したことで、社内外とのコミュニケーションが活性化したという。

「これまでやってきたことは、26年前に、私がパナソニックを辞めた理由を排除するような取り組みともいえる。これによって、いい会社にしていきたい」とし、「会社は歴史を積み重ねると、足し算のように内向きの仕事が増える。その分、外に攻める時間が減る。週報を無くし、馬鹿らしいと思うことはすべて止めた。こうしたことをしているうちに、社員自らが変革しなくてはいけないという意識を持つようになった。これを逃したら二度と変わるチャンスがないという意識も出てきた。2018年度もこの勢いで、各事業を伸ばしていくことになる」などと語り、社員マインドの変化をはじめとした、この1年間の変化の様子を示して見せた。

業績をみれば、樋口氏が率いるコネクティッドソリューションズの初年度の通信簿は、評価されるものだといっていい。

コネクティッドソリューションズの売上構成

2017年度業績は、売上高は前年比6.5%増の1兆1193億円、営業利益は17.8%増の1057億円。前身となるAVC社時代からみれば、2015年以来、2年ぶりの増収増益。営業利益率は9.4%と、パナソニックの4つのカンパニーのうち、唯一、2桁近い水準を達成している。

内部目標では、アビオニクス事業およびプロセスオートメーションを除く同社全体で、2018年度には営業利益率5%の達成を目指していたが、これも、1年前倒しで2017年度に達成したという。

樋口社長は、「これを組織の意識改革によるものと結論づけることは難しい」としながらも、「働き方改革が注目を集めるなかで、信頼性が高く、軽くて、薄くて、バッテリー駆動時間が長いと評価されるレッツノートが、前年比130%という成長を遂げたほか、iPhoneの発売にあわせて、プロセスオートメーションのビジネスが拡大するなど、追い風の要素もあった」とする。

新たなソリューション導入も成果

だが、その一方で、羽田空港に導入した顔認証ゲートを採用した入出国手続きソリューション、高輝度プロジェクターを活用したプロジェクションマッピングによる大型イベント向け空間演出ソリューション、北米警察向けに証拠映像をクラウドで管理する警察向け映像管理ソリューション、電子棚札などを活用して商品陳列や価格変更作業を効率化する小売り向け電子棚札ソリューションといった、新たなソリューション導入などの成果も見逃せない。

そして、これまでパナソニックが行ってこなかった「エンタープライズマーケティング」にも着手。関東圏を中心にしたテレビCMや、デジタルメディアでの訴求、展示会でのメッセージなどを、統一したトーン&マナーで展開したことで、ビジネス領域における認知度向上を果たしたことなども示してみせた。

だが、就任2年目は厳しい状況になりそうだ。2018年度は売上高で前年比1.6%減の1兆930億円、営業利益は19.9%減の830億円と減収減益を見込む。スポーツ界で言われる「2年目のジンクス」の様相ともいえる。

樋口社長は、減収減益の計画の理由をね「アビオニクスの大型機生産の減少の影響が大きい。アビオニクス事業を除くと増収増益になる」と説明。「できれば、アビオニクス事業の減益幅を減らし、アビオニクス事業を含めても増益を目指したい」と意気込む。

もともとコネクティッドソリューションズ社は、前身となるAVC社時代から、アビオニクス事業が収益と成長の柱となり、カンパニーを支えてきた経緯がある。だが、2019年度までは、パナソニックにとって収益性の高い大型機(ワイドボディ機)の生産、出荷サイクルの端境期に入り、同事業は減収減益の状態が続くことになる。カンパニー全体を牽引していた事業が、この数年は「お荷物」となるタイミングに入ってきているのだ。

しかも、そこに2つの要因が追い打ちをかけている。ひとつは、BYOD(Bring your own device)の動きだ。

スマホやタブレットを多くの人が所有し、これを機内に持ち込む人が増加。それによって、機内エンターテイメントの姿が変わろうとしている。自分のスマホで音楽を聴いたり、自分のタブレットで映像コンテンツを楽しんだり、ゲームをプレイしたりといった利用者が増え、これに伴い、航空会社のサービス内容も変わることになる。とくに国内線などに用いられる中型機などではその影響が大きいと見られている。

樋口社長は、「確かにBYODの流れはあるが、ワイドボディ機でのビルトインのニーズは根強く、あまり影響がないといえる」としながらも、「ここでは、機内でのインターネット接続が前提となり、あらゆるサービスが可能になる。スマホなどにWi-Fi接続をしたり、クラウドを活用したプレミアムコンテンツの提供のほか、新たな広告や幅広い機内ショッピングなども提供できる。従前のオンプレミス的なエンターテイメントから、クラウドベースのサービスや、搭乗者ごとにパーソナリゼーションしたサービスが可能になる。そして、4K対応といったことも始まってくることになる。これを1社で提供できるのはパナソニックだけであり、様々なニーズに対応するために投資を続けたい」とし、「業績は短期的には凸凹するが、長期的には成長させたい」と語る。

アビオニクス事業は、2020年度以降は成長軌道に戻ると予測しており、それまでに、アビオニクス事業のうち7割の売上げ構成比を占める機内エンターテイメントへの依存率を下げる一方、年率20%以上の売上げ成長を遂げながらも、現在は赤字となっているデジタルソリューション&サービス事業の黒字化、リカーリングビジネスとして安定的な収益を確保するには欠かせないリペア・メンテナンス事業の強化などが課題となる。

大型機の需要が回復するタイミングまでに、パナソニックのアビオニクス事業の体質改善を進める一方、ハード、通信、クラウドを組み合わせた統合型プラットォームの開発により、航空会社の付帯収入に向けた新たな提案や、サービスの多様化に向けた提案ができるかどうかが鍵になる。

アビオニクス事業に課せられた制裁金は?

もうひとつの要因は、アビオニクス事業における制裁金の支払いだ。

米司法省(DOJ)と米証券取引委員会(SEC)は、パナソニックと米国に本社を置くパナソニックアビオニクスに対し、連邦海外腐敗行為防止法およびその他の米国証券関連法に違反したとして、2億8060万ドル(約310億円)の制裁金を課し、2018年5月1日、その支払いに合意した。

これは、航空会社との特定の取引およびその取引に関連するエージェントやコンサルタントの起用に関する活動に問題があったとして、調査を受けていたもので、今後2年間は、第三者によるコンプライアンスに関するモニタリングを受け、その後1年間は、コンプライアンスに関する自主報告をDOJに対して行うことになる。

樋口社長は、「制裁金の支払いによる2017年度の連結業績への影響は、2017年度第3四半期までに引当て済みであり影響はない」としながらも、「パナソニックアビオニクスの経営陣を入れ替え、財務監査の専門家を採用することでコンプライアンスを強化。第三者のエージェントやコンサルタントも撤廃し、監督を徹底している。顧客をくまなく訪問し、信頼回復に向けて、当社の姿勢を理解してもらっている。従業員も前向きに仕事に取り組み始めたところだ」と説明する。

米パナソニックアビオニクスは、アビオニクス事業の本丸となる企業であるとともに、パナソニックが海外に事業部門の本社機能を置く先行事例としても、その取り組みが注視されていた。そこで起きた問題を、次の成長のバネに変えられるかが注目される。

一方で、注視しておくべきなのが、プロセスオートメーション事業である。

パナソニックでは、事業部門ごとの利益率は開示していないが、2017年度実績で、コネクティッドソリューションズ社が達成した営業利益率9.4%を開示情報から逆算してみると、アビオニクス事業とプロセスオートメーション事業を除くと、営業利益率は約5%。しかも、アビオニクス事業が全体の足を引っ張る減益基調にあることを考えると、コネクティッドソリューションズ社全体の高い利益率の達成は、プロセスオートメーション事業の極端に高い営業利益率によって成しえたものであることが想定できる。

ちなみに、プロセスオートメーション事業には、樋口社長が、大学卒業後、パナソニックに入社した際に、初めて配属された溶接機事業も含まれている。

樋口社長は、「2017年度は、iPhoneの製造設備向けの特需があったが、2018年度は堅調な自動車関連ビジネスを伸ばして、2017年度と同程度の利益を確保したいと考えている。なかでも2つの新たな技術に期待しており、ひとつは、スパッターが極端に少ない高品質な溶接技術を持つSuper Active TAWERS。もうひとつは、テラダイオードの買収によって商品化した小型で高出力のダイレクトレーザー。ダイレクトレーザーは、EV時代に求められるパナソニックならではの技術であり、小型であることからロボットのヘッドにもつけることができる。レーザーの高出力を安定的に確保するには、アナログともいえるノウハウの蓄積が必要であり、そこにパナソニックの強みを発揮できる」とする。 地味な事業の集合体であるが、ここがコネクティッドソリューションズ社の高収益を支えている。

樋口氏が打ち出した「現場プロセスイノベーション」とは?

今回の説明会において、樋口社長は、「現場プロセスイノベーション」という言葉を新たに打ち出した。

現場プロセスイノベーションとは、パナソニックが製造業として培ったノウハウやロボティクスをテコに、顧客の「作る」、「運ぶ」、「売る」のプロセスを革新。これを、製造業だけでなく、物流、流通、小売りなど、あらゆる業種において、現場やサプライチェーンをイノベーションし、現場業務の生産性向上と、継続的な価値創出によって、顧客の事業の成長に貢献することを目指すコンセプトだ。

「労働力が不足し、賃金が上昇、省人化がまったなしという状況のなかで、画像認識やAIを活用することで、サプライチェーンにおけるお役立ちのチャンスが増大している。パナソニックは、100年間の歴史を持つ製造プロセスと、ロボティクスや画像解析といった差別化した技術を生かすとともに、現場から得られた情報をクラウドに蓄積し、AIで分析。次の現場に生かすことができる仕組みを提供できる。ここでは、すり合わせの技術が重視され、他社に模倣されにくいという特徴もある。ソリューションの厚みや付帯ビジネスの継続性もある。長年にわたる高い信頼関係を実現してきた企業姿勢、お客様とのライストワンマイルまで、現場で寄り添ってきたパナソニックだからこそ実現できるものである」と自信をみせる。

そして、樋口社長は、現場プロセスイノベーションを、「コネクティッドソリューションズ社が、今後、フォーカスすべきエリア」と表現。「パナソニックにとっては、立地がいいブルーオーシャンといえる領域になる。パナソニックが持つ商品を、部品として納めるのではなく、側面からプロセス全体を支えることを目指す。コネクティッドソリューションズ社が『塊』として展開し、お役立ちができるインテグレータになることを目指す」とする。

継続的な高収益体質を維持するためにも、「現場プロセスイノベーション」はキーワードになると位置づける。

コネクティッドソリューションズ社では、営業利益率10%を達成し、パナソニックの高利益体質のモデルを確立するというのが、樋口社長に最初に課せられたテーマであった。 それは、就任1年目でほぼ達成したともいえる。

だが、樋口社長は、「この延長線上で事業を進めれば、10%の達成は可能だろう。しかし大切なのは、持続可能な高収益事業体を作ることである」とし、「サスティナブル」という言葉を強調してみせた。

コネクティッドソリューションズ社の経営は、2017年度の実績をベースに、ギアを一段入れかえることになったともいえる。

「eBASEBALL」の初代覇者が決定! 定番プロリーグとして定着なるか

「eBASEBALL」の初代覇者が決定! 定番プロリーグとして定着なるか

2019.01.17

「eBASEBALL」で初代王者を決めるe日本シリーズが開催された

頂点を争ったのは、埼玉西武ライオンズと横浜DeNAベイスターズ

はたして“もう1つのプロ野球”で頂点に輝いたのは?

1月12日、東京ビッグサイトTFT HALL 500にて、「eBASEBALL パワプロ・プロリーグ2018」のe日本シリーズが開催された。頂点を争ったのは、埼玉西武ライオンズと横浜DeNAベイスターズ。はたして初代王者に輝いたのは、どちらのチームか。

3カ月間の戦いの末、頂点を争う切符を勝ち取った2チーム

「eBASEBALL」とは、野球ゲーム『実況パワフルプロ野球 2018(パワプロ)』を使用した、日本野球機構(NPB)とコナミデジタルエンタテインメント(KONAMI)が共同で開催するプロリーグだ。

2018年7月より行われたオンライン予選、西日本、東日本選考会を経て、9月末に実際のプロ野球球団による「eドラフト会議」を実施。ドラフトで指名された選手は、プロゲーマーとして各球団に所属する形になった。

11月からは実際のプロ野球のペナントレースのように、セ・リーグ、パ・リーグに分かれて「eペナントレース」がスタート。そして12月に行われた、eペナントレース上位チームによる「eリーグ代表決定戦」によって、パ・リーグの埼玉西武ライオンズと、セ・リーグの横浜DeNAベイスターズが、e日本シリーズへの切符を手にした。

パ・リーグ代表の埼玉西武ライオンズは、eペナントレースを13勝2敗の圧倒的な強さで勝ち抜き、eリーグ代表決定戦でも危なげなく、代表権を獲得。対するセ・リーグ代表の横浜DeNAベイスターズは、キャプテンであるじゃむ~選手のデータを活かした戦術と強力打線、そして巧みな投球術でeリーグ代表権をもぎ取った。

埼玉西武ライオンズのなたでここ選手(写真左)、BOW川選手(写真中)、ミリオン選手(写真右)
横浜DeNAベイスターズのヒデナガトモ選手(写真左)、じゃむ~選手(写真中)、AO選手(写真右)
会場は超満員。立ち見席も出るほどの人気ぶりで、まさに日本一を決定するのに相応しい舞台となった

一発勝負の決勝戦! 最後に笑うのは……?

e日本シリーズでは、各チーム3名による3イニング交代制の試合を1戦だけ行う。そこで勝利したチームがeBASEBALL パワプロ・プロリーグの初代チャンピオンになるわけだ。

『パワプロ』でお馴染みの選手の調子発表

選手の調子を見ると、埼玉西武ライオンズは、主力に不調の選手がおらず実力を存分に発揮できそうなラインアップ。横浜DeNAベイスターズは主砲筒香の好調が嬉しいものの、桑原、ソトの不調が厳しい。どちらかというと調子具合は埼玉西武ライオンズが優位に見られた。

さぁ、いよいよプレイボール。まず1人目、埼玉西武ライオンズはミリオン選手、横浜DeNAベイスターズはヒデナガトモ選手がコントローラーを握る。奇しくも、ペナントレースで最多奪三振のタイトルを獲得した2人の対戦となった。

そのため、激しい投手戦が繰り広げられたが、3回裏に均衡が破られる。豪打を誇る埼玉西武ライオンズとしては珍しいスクイズで1点を先制すると、そこから怒濤の連打で計5点をもぎ取り、序盤にして埼玉西武ライオンズが大量リードを得た。

スクイズ、スチールと小技も冴え、一気に5点を奪うミリオン選手
センターフライの捕球ミスやスクイズの打者をアウトにできなかったなど、ミスが出てしまったヒデナガトモ選手

2人目は埼玉西武ライオンズがBOW川選手、横浜DeNAベイスターズがじゃむ~選手と、キャプテン対決。じゃむ~選手が2点を返すも、BOW川選手が1点を追加し、スコア「西武 6-2 DeNA」で最終プレイヤーにバトンが渡された。

埼玉西武ライオンズのキャプテンを務めるBOW川選手
横浜DeNAベイスターズの軍師ことじゃむ~選手

最後は、ペナントレースで急成長した埼玉西武ライオンズのなたでここ選手と、横浜DeNAベイスターズ無敗のエースAO選手の対戦となった。

最優秀防御率のタイトルを獲得し、eペナントレースでの失点はわずか3点と脅威の安定感を持つAO選手は、e日本シリーズでもその実力を発揮。打撃3冠を獲得したなたでここ選手をみごとに完封した。しかしながら、3イニングでは1点を返すのがやっとで、最終スコアは「6対3」。埼玉西武ライオンズが優勝し、e日本シリーズを制した。

今回の大会で急成長したなたでここ選手
横浜DeNAベイスターズのエースとしてチームを牽引したAO選手
ペナントレースから実況を担当した清水久嗣アナはe日本シリーズの実況も担当
解説を務めた元ヤクルトスワローズ監督の真中満氏
同じく解説を務めた元中日ドラゴンズ監督の谷繁元信氏
ゲーム解説を務めるぶんた氏
パワプロ・プロリーグ初代チャンピオンの埼玉西武ライオンズ

埼玉西武ライオンズも横浜DeNAベイスターズも、打撃、特に本塁打に期待できる選手が揃っており、その打撃力で勝ち進んでいたなかで、e日本シリーズではホームランが「ゼロ」という、頂上決戦に相応しい緊迫感のある試合だったといえよう。

e日本シリーズでは博多激獅会も応援に駆けつけ、プロ野球さながらの応援が飛び交った

試合終了後は、優勝の表彰とともに、各個人タイトルの表彰も行われたので、その様子も紹介しよう。パ・リーグでは、首位打者、本塁打王、打点王、最優秀防御率の4冠を埼玉西武ライオンズのなたでここ選手が獲得。最多奪三振は埼玉西武ライオンズのミリオン選手が獲得した。

また、セ・リーグでは、首位打者と本塁打王の2冠を広島東洋カープのカイ選手、打点王と最優秀防御率の2冠を横浜DeNAベイスターズのAO選手、最多奪三振を横浜DeNAベイスターズのヒデナガトモ選手が獲得。そして、MVPには、4冠獲得のなたでここ選手が選出された。

パ・リーグの最多奪三振を獲得したミリオン選手
セ・リーグの首位打者と本塁打王を獲得したカイ選手
セ・リーグの打点王と最優秀防御率の2冠を獲得したAO選手
セ・リーグの最多奪三振を獲得したヒデナガトモ選手
パ・リーグの首位打者、打点王、本塁打王、最優秀防御率の4冠、そしてMVPを獲得したなたでここ選手
e日本シリーズでは12球団のマスコットがそろい踏み。スポンサーであるSMBCのキャラクター「ミドすけ」も登場した

eBASEBALLは試合を重ねるごとに盛り上がりを見せ、決勝の舞台でもあるe日本シリーズでは立ち見が出るほど多くのファンが駆けつけた。プロ野球ファンにとって、オフシーズン時期の楽しみの1つとして、eBASEBALLが定着しそうな気配も感じる。

最後にNPB(日本プロ野球機構)コミッショナーの斎藤惇氏による締めの挨拶にて、「eBASEBALL パワプロ・プロリーグ 2019」の開催も発表された。来シーズン、さらなる飛躍と盛り上がりに期待したい。

SUVでは満足できない人へ…「パサート」試乗で再考したクロスオーバーワゴンという選択肢

SUVでは満足できない人へ…「パサート」試乗で再考したクロスオーバーワゴンという選択肢

2019.01.17

フォルクスワーゲンの「パサート オールトラック」に試乗

これは意外? クルマ好きも納得のスポーティーなクルマ

ステーションワゴンとSUVの“いいとこ取り”

昨今のSUVブームはとどまることを知らない。コンパクトからラグジュアリーまで多様性もみられ、さらに「RAV4」の日本復活など、いくつかの新型車投入のニュースも届いている。しかし、SUVが必ずしも全てのユーザーにとってベストな選択肢とはいえないはずだ。

日常の使い勝手などを考慮すると、セダンとSUVの架け橋である「クロスオーバーワゴン」こそ、真の“いいとこ取り”なのではないかと思うところもある。今回は、フォルクスワーゲンから登場した「パサート オールトラック」に試乗し、この車種の魅力について再考してみた。

フォルクスワーゲンのクロスオーバーワゴン「パサート オールトラック」に試乗した

スバルが普及させたクロスオーバーワゴンという車種

フォルクスワーゲンがミッドサイズモデル「パサート」に新グレード「パサート オールトラック」を追加した。このモデルは、パサートのステーションワゴン「パサート ヴァリアント」をベースとし、SUVのエッセンスを取り入れた「クロスオーバーワゴン」と呼ばれるジャンルのクルマだ。つまり、ステーションワゴンとSUVの中間的な存在である。特徴としては4WD、専用サスペンションで高めた最低地上高、SUVを彷彿させるラギッドなスタイルなどが挙げられる。これらにより、ステーションワゴンよりも走破性が高まっている。

「パサート オールトラック」は最低地上高の高さやSUVを髣髴させるスタイルなどを特徴とする。価格はグレード別に「Passat Alltrack TDI 4MOTION」が509万9,000円から、「Passat Alltrack TDI 4MOTION Advance」が569万9,000円からだ

少しだけクロスオーバーワゴンの歴史を振り返りたい。意外かもしれないが、こういったクルマを普及させたのは日本メーカーなのだ。

SUVのニーズが高まっていた1990年代の北米で、SUVを持たないスバルは大苦戦していた。その打開策として、2代目「レガシィ」をベースとするクロスオーバーモデル「アウトバック」(日本名:レガシィ グランドワゴン)を開発。これが大ヒットとなり、北米市場での巻き返しに成功する。

スバルが2代目レガシィをベースに開発した「アウトバック」。意外にも、歴代モデルの中にはセダン仕様が用意されていたこともある。日本では「レガシィ グランドワゴン」の名で登場。その後、「レガシィ ランカスター」と名称を変更した。先々代モデルからは日本でも輸出名を取り入れ、現在同様の「レガシィ アウトバック」となった

アウトバックがヒットした背景には、ステーションワゴンの高性能化が進み、実用車というイメージが変化して、アクティブなカーライフやスポーティな走りが楽しめる多用途なクルマとして認知されだしたことがあった。セダン譲りの使い勝手と走行性能、そこにラフロードにも対応できる走破性を組み合わせた欲張りな存在として人気を集めたのだ。事実、アウトバックの後にはボルボ「XC70」(後のV70 クロスカントリー)や「アウディ オールロード」といったクロスオーバーワゴンの名車が続々と誕生している。

今やクロスオーバーワゴンは、ステーションワゴンの定番となった。そのパサート版が「パサート オールトラック」だ。

パサート版クロスオーバーワゴンはどんなクルマなのか。試乗で確かめた

「パサート オールトラック」は日本でも使いやすい?

ラギッドなイメージを高めたエクステリアは、パサート本来の上品なデザインの中に、アグレッシブさを感じさせる。主な変更点としては、アンダーガード付きの前後バンパー、ホイールアーチのブラックモール、シルバー仕上げのサイドシルモールなどが挙げられる。サスペンションは標準車+30mmアップとし、最低地上高は160mmを確保した。

ボディサイズは全長4,780mm、全幅1,855mm、全高1,535mm。コンパクトとはいえないが、日本の道路や駐車場には適応しやすいサイズといえる。最大のポイントは、ルーフレールを装備しながらも薄型とすることで、全高を1,550mm以下としているところ。これなら、多くの立体駐車場に入れられるはずだ。

「パサート オールトラック」は日本でも使いやすいサイズ感だ

基本的にインテリアはパサートと共通だが、グレーのパネル加飾を取り入れるなど、スポーティーな装いにしてある。装備は上級モデルらしく充実していて、全車速追従機能付きのACCや車線内中央維持支援機能「レーンアシスト」、渋滞時追従支援機能「トラフィックアシスト」などの先進安全運転支援機能をはじめとし、スマートキー機能の「キーレスアクセス」やSSDナビ付きインフォテインメントシステム「ディスカバープロ」、シート&ステアリングヒーター、パワーテールゲートなど快適装備も満載だ。

車内は広々としており、前後席共に快適なスペースが確保してある。ラゲッジスペースは標準で639Lと大容量。後席を折りたためば最大1,769Lまで拡大可能だ。

インテリアはスポーティーな装い。機能はパサート ヴァリアントの上級グレードに近いもので、充実している
後席は3分割の可倒式。折りたためば最大で1,769Lまで積める

これがベストパサート? スポーティーな乗り味を体感

次にメカニズムを見ていく。エンジンは「AdBlue」(アドブルー、尿素SCRシステムの触媒として用いる尿素水のこと)を使用したクリーンディーゼルの2.0TDIエンジンを搭載。最高出力は190ps/3,500~4,000rpmで、最大トルクは400Nm/1,900~3,300rpmを発揮する。トランスミッションにはDCTタイプの6速DSGを組み合わせる。

最大のポイントは、現行型パサートで初めて4WDを採用していること。さらに、アクセルやパワステ制御などを変更できる走行モードには「オフロードモード」が追加となっている。オフロードモードでは、急な下り坂で車速を一定に保つブレーキ制御「ヒルディセントアシスト」などが作動する。

クリーンディーゼルの2.0TDIエンジンを搭載する「パサート オールトラック」

試乗したのはパサート オールトラックの最上級グレードである「アドバンス」だ。一言でいえば、かなりスポーティーなキャラクターに仕立てられている。低回転で最大トルクを発揮するディーゼルエンジンの魅力が存分に味わえて、峠道の上り坂も力強く駆け上っていく。元気さはパサートTDIを上回っている印象だ。出力は同等だが、アクセルなどのセッティングが異なるのだろう。

そこに前後のトルク配分が可変となる4WDの「4MOTION」と電子制御ディファレンシャルロック「XDS」が加わることで、コーナリングもグイグイ曲がっていく。それでいて乗り心地も良いのだ。ラフロードに適応すべく、足回りのしなやかさを重視していることが良好な乗り心地につながっているのだろう。

「パサート オールトラック」の上級グレード「アドバンス」で御殿場周辺の峠道を走った

同じパサートのスポーティグレード「2.0Rライン」は、もっとハードなセッティングで乗り心地もやや硬めとなる。一方で、パサート オールトラックのアドバンスはバランス重視のセッティングなのだが、クルマ好きをも納得させるスポーティーさを持ち合わせている。これがベストパサートだとさえ思ったほどだ。

ただ、アドバンスはオールトラックの標準車が装着する225/55R17タイヤに対し、245/45R18タイヤにサイズアップしている。さらにはXDSやアダクティブシャシーコントロール「DCC」なども追加となっているので、標準車のオールトラックと異なる部分があることは加味しなければならない。

ただ、オールトラックがスポーティなワゴンに仕立ててあることは間違いない。ファミリーカーだけどドライブを楽しみたいというユーザーには、パサートの中で最もオススメできるクルマだ。

ファミリーカーでも走りを楽しみたいという人には「パサート オールトラック」をオススメしたい。確かに509万円からという価格は安くないが、「パサート ヴァリアント TDI」のエントリーモデルのナビ付きが約470万円であることを考慮すれば、納得のプライスといえよう

走りの良さを持ち合わせたSUVも増えてはいるが…

ステーションワゴンがブームとなったきっかけは、実用性の高さに加え、ワンボックスカーやSUVなどでは得られない走りの良さを獲得できたところにあった。しかし、走りの良さを身につけた昨今のSUVは、そのニーズを奪い、ステーションワゴンの領域を食ってしまったといえる。あれほど盛況であった日本のステーションワゴンも激減し、今やスバルの一強となっている。

ただ、輸入車を見ると、ステーションワゴンの顔ぶれはなかなか充実しており、一定の販売台数を確保している。その中には、いくつかのクロスオーバーワゴンが存在する。

クロスオーバーワゴンはステーションワゴンに価値が加わったクルマなので、ベース車と比べれば、やはり値段は少々高くなる。それでも、中身に見どころはあるし、コスパで考えても納得できるものが多いと思う。日常での使い勝手を重視したい人、ワイルドさやスポーティーさを強調するSUVに子供っぽさを感じてしまう人などは、改めてクロスオーバーワゴンに注目してみてはいかがだろうか。